それぞれの個性を活かした至高の漫才&コントを披露!『相席スタート単独ライブ「aiseki ST」』レポート
8月2日(水)、東京・ルミネtheよしもとにて、『相席スタート単独ライブ「aiseki ST」』が開催されました。
昨年末に行なわれた『M-1グランプリ2016』のファイナリストに選ばれるなど、勢いのある若手の1組として注目を集める男女コンビ・相席スタート。今年4月、同劇場では初めてとなる単独ライブを大成功させた2人が、4ヵ月の期間を経て再び行なった今回の単独ライブでは、それぞれのキャラクターをシンプルに活かしながら、説得力の展開と抜群の構成が光った新作の漫才&コントが披露されました。
オープニングでは、静寂の中に佇む山添の姿が。舞台後方に表れた大きなプロジェクターに映し出されるのは、山崎の姿......。人気アーティストのPVをオマージュしたコント(?)では、山添の上手いとも下手とも言えない微妙な歌声が、ただただ場内に響き渡ります。
その後、サンパチマイクの前に現れた相席スタート。
「いやぁ~~~、ウケなかったっすねぇ!」と切り出した山添に、山崎は笑いながらも「あんなもんだと思いますよ?」と冷めた一言を。「(映像を映す)プロジェクター、(借りるのに)結構お金かかったんですよ。なのに、あのウケやったらマジで怒られますわぁ」と若干凹み気味の山添に、山崎が「これから取り返していきましょう!」と声をかけて、漫才をスタートさせました。
この日披露された新作漫才は4本。山崎が女性らしくも鋭い視点で山添を諭したり、恋愛におけるある問題について女性的な角度から切り込んだり、自らをポジティブな例で捉えながらのコント的な見せ方をしたりと、さまざまな切り口とアプローチでネタを展開します。
また、昨年の単独ライブから恒例となっている山添による男性視点が盛り込まれた漫才も。楽観的な意見を自信満々で披露する山添に、山崎は今回も困惑しきり。ボケツッコミという立ち位置さえも凌駕した、斬新な展開が繰り広げられました。
コントのバリエーションが豊富なのも、漫才とコント両方に注力する彼らならでは。
構ってくれない彼氏に彼女が甘える「私って...」は、言葉のチョイスの妙が。相席スタートのコントでは必ずと言っていいほど取り上げられるアツアツカップルのバカバカしさを描いた「好きだから」、その名の通りカップル解消をきっかけに起こった奇妙なやりとりを見せた「別れ」など、男女コンビならではの表現を駆使しながら、らしい視点が光ります。コント「ナイトプール」はひんやりとしつつも夏らしい甘酸っぱくも刹那的な展開に、大きな笑いが。最後、山添の「夏かぁ~~!」という感嘆の声が、会場に響き渡りました。
全てのネタを終えて登場した2人に、観客から大きな大きな拍手が。
鳴り止まない拍手に笑顔を見せながら、「やっと夏が来ましたねぇ」としみじみする山添。VTRも含めて、山添の楽観的な面を活かしたネタが多かった今回の単独でしたが、山崎は「最近、山添の人気がないんですよ。和牛の川西さんがすごく人気があって、山添とちょっとだけですよ? ちょっとだけ似てるから、いつも『川西さんのファンをつかまえてきて』って言ってるんですけど......今日みたいなネタが多いと無理ですね」とため息まじり。「本っ当~~にクズが似合う(笑)。これは誇らしいことですよ!」と讃えると、客席からは再び大きな拍手が起こりました。
【相席スタート】