宮川大助・花子から和牛・銀シャリまで、人気者が総出演!『東京グランド花月』
3月8日(木)~11日(日)の4日間にわたり、東京・池袋サンシャイン劇場にて『東京グランド花月』が開催され、追加公演も含め、全10公演が行われました。
大御所から人気の若手までが総出演し、さらに今回は辻本茂雄座長による吉本新喜劇が上演された、今回の『東京グランド花月』。ここでは初日の昼公演の様子をレポートします。
この日のトップバッターはトレンディエンジェル。登場するなり大歓声が沸き起こる中、「どうも~、トレンディエンジェルです!」とさっそく決めポーズで会場を盛り上げます。満員の客席を見渡し、「2階席もパンパンで、ありがとうございます。......あ、あんまり上から見ないでください」と笑わせたあとは、フィギュアネタやカーリングネタなどの時事ネタを織り交ぜ、軽快なテンポで漫才を披露しました。
2組目は横澤夏子。登場するなりハイテンションで、「横澤~!」「夏子~!」というコール&レスポンスをお客さんに笑顔で強要する横澤。その後は難易度の高いコール&レスポンスをお客さんにノーヒントで仕掛け、「え~、それは〇〇って言ってくださいね~!」と後から注文をつける横澤に笑いが起こります。その後はおなじみ「全部言っちゃう女」「悪口を言わないと言いながらいう女」など、横澤ならではの「あるある」な女シリーズで毒と笑いを振りまきました。
続いて登場したのは和牛。この日は和牛目当てのお客さんも多かったようで、出囃子の音楽が流れただけで黄色い歓声が上がります。この日は「子どもの頃に読んだ昔話がなつかしい年頃なんです」と前置きをしたあと、「鶴の恩返し」や「赤ずきんちゃん」などを次々と演じていく2人ですが、水田が物語の設定をどんどんおかしくしていき......。爆笑に次ぐ爆笑の昔話を披露します。
4組目の銀シャリは、「和牛と銀シャリで焼肉弁当みたいになってますけど」と橋本が笑わせたあと、こちらも"子どもの頃"がテーマの漫才を披露。ただしこちらは"子どもの頃の遊び"をテーマに、「10回クイズ」や「グリコ(じゃんけん)」などの遊びを再現し、「子どもの頃、なんであんなに面白かったのか」を検証していくのですが、鰻が変わったゲームの遊び方を始め出し......。ゲームを再現するだけに、飛んだり跳ねたりと大きな動きも交え、笑いを誘う銀シャリでした。
続いてはウーマンラッシュアワーが登場。いつにもましてステージをウロウロする村本は、漫才なのにほとんど相方の隣にいません(笑)。その漫才スタイルも独特さにいっそう磨きがかかり、パラダイスが合いの手を入れる隙がほとんどないくらいのマシンガントークでお客さんを沸かせます。あまりのマシンガントークぶりに客席からは時おり拍手が起こるほど。相方を陥れ、自分の好感度を上げようとするだけでなく、「私が本気になったら、さっきの銀シャリの漫才、2分でできます」と、他コンビまでディスりだすという、あいかわらずの村本節が炸裂します。
6組目に登場したCOWCOWは、先ほどのウーマンラッシュアワーとはうって変わっておだやかなのんびりムードの漫才を披露。「ギャップのある素敵な男性になりたい。たとえば怖そうだけど優しいとか」と善しが言うと、「こんな感じ?」と表現する多田ですが、「素敵な男性」には程遠いため、爆笑が起こります。また、今年で芸歴25周年を迎えるといい、「25周年を記念して、新しい終わり方をしたいと思います」と告げ、本当に斬新な終わり方で会場を沸かせていました。
ネタコーナーのトリを務めたのは宮川大助・花子。大きな拍手に迎えられながら2人が登場すると、客席から花束を持ったお客さんがやってきて、花子に手渡します。それを「ありがとう」と笑顔で受け取り、「今日は手編みの衣装でやってまいりました!」と全身手編みのカラフルな衣装を紹介する花子。今年で結婚42周年だと話し、「いろんなことありました。この人(大助)は病気ばっかりするし」と、時には乱暴なツッコミも入れながらも仲のよさが伝わってくる夫婦漫才に客席からは大きな笑いと拍手が起こっていました。
10分の休憩をはさみ、いよいよ新喜劇の始まりです! この日の演目は「茂造の空前!あ然!騒然!」。幕が上がると、華やかな春らしい旅館のセットにお客さんから思わずどよめきが起こります。
仲居の幸恵(鮫島幸恵)が旅館に到着した男性にバケツをぶつけるシーンから物語は始まり、続いて大歓声を浴びながら登場した茂造(辻本茂雄)もその男性のカバンで男性を殴り、客席を沸かせていました。
続いて、コスプレイベントに参加するためにやってきたという年の差カップル(伊賀健二、松浦景子)が旅館に訪れるのですが、さっそくカップルの男性を「新幹線に似てる」とイジり出す茂造。さんざんイジり倒したあとは、荒木(アキ)が登場し、高級リゾートマンション用に旅館の土地を売ってくれと言い出し、旅館のみんなを困らせます。しかし、どんなに凄んでみても、最後には「いいよぉ~」ですべてをOKにするアキ。「いいよぉ~」が出るたびに拍手が起こっていました。
その後も荒木を探しに来た警官たちやお見合いをセッティングしにきた家族、キラキラ衣装のヤクザなどさまざまな人物が入り乱れ進んでいく物語。お金持ちの息子とお見合いをする予定で旅館を訪れた珠代(島田珠代)がダンスを披露すると客席の盛り上がりは最高潮に! さらに珠代のお見合い相手の元恋人・幸恵が珠代と愛のダンスバトルを繰り広げたり、コスプレイベント用に新幹線とバレリーナの衣装で再登場した年の差カップルにも秘密があったりと、物語はどんどんカオスな展開に。
この日が東京公演初日の第一回公演ということもあってか、いつもより多めに(?)ちょいちょいスタッフや演者にマジのダメ出しを入れてくる茂造。「東京のスタッフ、あかんな」「緊張しすぎやろ!」等、ツッコミで笑わせながらも「次はもっとオモロいことやってくれるんやろうなぁ」などとプレッシャーをかけたり、「おまえがやれ!」などと急に無茶ぶりをしたりと、見ているお客さんには楽しいアドリブなのですが、指名された演者にはなかなかのプレッシャーとなるであろう場面も多々みられました。
さまざまなギャグやダンス、お決まりのフレーズなどをはさみながら、ラストは大団円で幕をとじた「茂造の空前!あ然!騒然!」。終わってみれば終了予定時間をかなりオーバーした、アドリブたっぷりの見応えある力作となりました。
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