月亭方正ら末廣亭の高座に感激! 特別公演『よしもと落語 末廣亭深夜寄席』レポート
3月30日(金)、東京・新宿末廣亭にて、特別公演『よしもと落語 末廣亭深夜寄席』が開催され、月亭方正、桂三若、桂三四郎、桂三度の4名が末廣亭の高座に上がり、落語を演じました。
伝統ある末廣亭の特別公演として実現した今回の企画。
21時半開演で、若手落語家の修業の場となる『末廣亭深夜寄席』ですが、この日は立ち見客も出る大入り満員となりました。
出囃子に乗って最初に登場したのは、桂三度。
拍手喝采で迎えられた三度は、「みなさん、気軽にサンディーと呼んでください」と笑顔で挨拶すると、すかさず「サンディー!」との掛け声もかかりました。
大阪の肥えたおばちゃんが、「JUST」と書かれたピッチピチのTシャツを着ていたという枕から入った三度は、「真夏の話でお付き合いいただけたら...」と古典落語『青菜』を披露。
知り合いの旦那とその奥さんの青菜にまつわる粋なやり取りを聞いた植木屋が、真似しようとするも...といったストーリーで、三度流のアレンジも加わり、会場は大いに盛り上がりました。
二人目の桂三四郎も、「よしもとの落語寄席を末廣亭でやれるのはうれしいことですよね」と末廣亭と来場者に感謝を述べてから、自己紹介をし、上京して7年が経ちながらも「まだ馴染めてないですね。よそ者感があるんですよ」と吐露。
そこから、学校公演で触れ合う東京と大阪の小学生の違いについて語ったのち、転勤のはてに東京へと染まっていく大阪の家族を軽妙に描く創作落語『二転三転』を披露しました。
三人目の桂三若は、枕で歌舞伎と落語の違いについて語り、「歌舞伎に観に行ったら、みんなに言いふらすでしょ?」「落語観に行く時は、内緒にしてますからね」といった自虐で共感(?)の笑いを誘います。
そして、素人浄瑠璃に興じる大家の旦那と、その浄瑠璃から理由を付けて避ける人々を描いた古典落語『寝床』で沸かせました。
この日のトリを務めたのは、月亭方正。
末廣亭の趣ある雰囲気に感激した様子で、「落語はいいわー。テレビはイヤ」「この間もゴボウで殴られました」「痛いことをするんだったら金をくれ!」とバラエティーで受ける仕打ちに、愚痴が止まりません。
そして、自身の子供について「子供3人にも恋愛をして欲しいなあ」といったセリフから、古典落語『宮戸川』を披露。
深夜に締め出しを食らった若い男女が、なんでも早合点するおじさんのもとを訪れるといったストーリーで、駆け足の動作やおばさんの声色など、笑いどころもたっぷり。
男女が布団に入り、これからというところで「お時間でございます」との下げが決まり、笑いと拍手に包まれながら、お開きとなりました。
今後とも、『よしもと落語』にご注目ください。
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