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2018年10月 4日 (木)

平畠「Jリーグを観たことがないという方にも読んでもらいたい」! 初著書『平畠啓史 Jリーグ54クラブ巡礼』発売記念インタビュー

明日10月5日(金)、平畠啓史による初著書『平畠啓史 Jリーグ54クラブ巡礼~ひらちゃん流 Jリーグの楽しみ方~』(ヨシモトブックス)が発売されます。

スカパー!で放送されていた『Jリーグマッチデーハイライト』『マッチデーJリーグ J2編』などJリーグに関するハイライト番組で10年以上にわたってMCを務めるのみならず、プライベートでもスタジアムへ足を運んで、各クラブの選手やサポーターと交流を深めてきた平畠啓史。現在は『平畠会議』『平ちゃんの「ほな行こか。」』(スカパー!)、Jリーグ公式サイトの配信番組『ひらチャンねる』に出演ほか、DAZNではJ3の試合実況も行う、芸能界屈指のJリーグ通です。

そんな平畠による初めての著書は、長年携わってきたJリーグへの思いが詰まった1冊。J1からJ3まで各クラブで初ゴールを決めた選手の紹介、グルメやスポットを紹介した「ひらちゃんのおすすめTOP5」、各クラブそれぞれの思い出や印象的な人物などを綴ったコラムほか、巻頭では昨季、悲願のリーグ優勝を果たしたJ1・川崎フロンターレの中村憲剛選手との貴重な対談も収録。また、縁の下の力持ちともいえる全クラブのスタジアムDJのみなさんを紹介するページもあります。

10月7日(日)には、静岡・IAIスタジアム日本平にて開催される2018明治安田生命J1リーグ第29節 清水エスパルス対ジュビロ磐田戦にて書籍の販売会、11日(木)には静岡・戸田書店 静岡本店にて出版記念サイン&2ショット撮影会も開催決定しました。今回は、平畠へ著書の発売を記念してインタビューを敢行。細部にまでこだわって制作した本著について、またJリーグの魅力についてなど、さまざまに語ってもらいました!

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――できあがった本を手に取った今の、率直な気持ちを聞かせてください。

「完成というゴールを目指してやってきたんですけど、家のパソコンで書いていたものが本になる想像はあんまりしてなかったので......(と、本をゆっくりとなでながら)こんなんになるんやなぁっていう感じですね」

――やっと平畠さんのJリーグ本が出る!と思ってくださっているJリーグを愛する各クラブのサポーターの方も多いと思います。内容にはすごくこだわられたそうですが、具体的にはどういう部分を大事にされたんですか。

「基本的にサッカー用語、バイタルエリアだとか4-4-2がどうだとかそういう言葉は敢えて避けたというか、使わないようにしていました。もちろんサッカーが好きな方にも読んでもらいたいんですけど、(今回の主旨として)Jリーグって知ってるけど観に行ったことがないっていう人に読んでもらいたかった。そういう人が、この本を読んで1人でも2人でも観に行ってくれたらええなっていう思いがありまして。だから、サッカーのいわゆる理屈みたいなことは書いてないんですよ」

――初心者でも楽しめる視点を心がけてつくられたと。

「そうですね。観に行ったことがないという方の中には、ルールが難しいからっておっしゃる方もよくいらっしゃいますよね。ただ、実際にスタジアムまで観に行っている人がみんな、オフサイドを完璧に知っているかといったらそうじゃない。知らない人もいっぱいいるんですよ。じゃあ、なぜスタジアムへ足を運ぶのかというと、サッカー自体の面白さはもちろん、グルメだとかイベントだとか、スタジアムへ来ること自体を楽しんでるんですよね。Jリーグって、実はサッカーを知らなくても楽しめるんだということをもっと知ってもらえたら。そこまで知らない人が多いんちゃうかなと思ったので、知らなくても楽しめるところも書きました」
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――そんな中、各クラブのおすすめポイントを紹介する「ひらちゃんのおすすめTOP5」は、かなり悩まれたんじゃないですか?

「何回も行っているところ、特に静岡のクラブは絞りづらかったですね(笑)。静岡ではずっとお仕事をさせてもらっていますし、スタジアムにも何度も足を運んでいるだけに"あれがあるのに、なんでこれはなしやねん"っていうところの線引きが難しかった。あと、各クラブのことを知っているが故に、一般的な目線を忘れているところがあったというか。何度も行っていると、マイナーなもののほうが新たな発見やからおもろいと思ってしまいがちなんですけど、Jリーグのことをあんまり知らない人にも楽しんでもらいたいという本やから一般的な目線で見たらこれでしょ、っていうものを入れないといけない。その辺は難しかったです」

――全54クラブそれぞれのコラムには、各地でも思い出や印象的な人物などが綴られています。

「コラムを書くにあたって54クラブもありますから、最初は全部書くんはしんどいんじゃないかなって思ってたんです。でもねぇ、思いのほか楽しかった。コラム以外の部分もそうですけど、例えば、札幌に行ったときはああやったな、こうやったなとか、その土地を思い浮かべながら考えるじゃないですか。そうしていると、匂いとか暑さ、寒さが蘇ってくるんです。あそこはあんな匂いがしてたな、あそこに行ったときは暑かったなとか日本中を旅行したような気持ちになれて。で、気がついたら、パソコンで原稿を書きながら笑ってるときがあったんですよ。ほんまにアホみたいな感じなんですけど(笑)」

――え、書きながらですか?(笑)

「はい。書いてるときに"あれ? 俺、今......笑うてたんちゃう?"みたいな。書いていることがおもろいからじゃなく、思い浮かべることが楽しかったから笑ってもうたんでしょうね。そういう感じを、できるだけ文章に出したという気持ちで書きました。54クラブの中やと、FC琉球のコラムはスタジアムに行ってすぐ書いたものなので、ホットな感じが出てるのがおもしろいなと思ってますね。僕、どこかのクラブを応援しているわけではないですし、実はどこかのクラブのサポーターになったこともないんですけど、スタジアムに行ってサポーターのみなさんと一緒に楽しみたいっていう気持ちは大きいんですよ。同じ釜の飯を食う、じゃないですけどね。あとね、家で試合観ながら、チャントを歌うときもあります(笑)。シュートを打ったときにこの選手のチャント、始まらへんかなとか思ったりもしますね」
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――スタジアムへ行かれたときはメモを取らず、自宅観戦のときだけメモを取ると聞いたことがあります。今回、コラムに書かれているさまざまなエピソードも、書き留めていたりはしていなかったんですか?

「してなかったですね。試合が終わってミックスゾーン(註:取材対応の場)で選手の方々と喋らせてもらったとき、ええ話してくれたから書いといたらよかったなって思うことは、たまにあります。けど、その反面、記憶に残らへんくらいの話やったら、別に残さんでもええんかなって思ったりもする。ほんまに印象的な話やったら、聞いた瞬間に残ると思うんですよね。それに書き留めてなくても、家に帰るまでに"そういや、あの選手、あんなこと言うてたなぁ"って頭の中で反芻すると、記憶に残るものなんです」

――肌で感じるということを大切にされてるんですね。

「そうですね。サポーターの方とスタジアムの内外で一緒にご飯を食べるときに、『実はこの辺、どうなんですか?』とかメモを取りながら話しかけたら、相手も喋りづらいじゃないですか。やから、この先もメモは取らへんやろうなと思います」

――巻頭で対談されている中村憲剛選手とは中継や取材などで話す機会は多々ありながら、じっくりと話すのは今回が初めてだったそうですね。中村選手は選手がこう思ってくれていたら嬉しいなと思うことを話してくださっていた印象で、川崎のサポーターの方々だけではなく、全クラブのサポーターの方に読んでいただきたい対談だなと思いました。

「本当に(Jリーグに所属する)選手がみんな、こんなことを考えてくれていたら嬉しいなっていう話がたくさんありました。考えてサッカーをやっている人の言葉って、やっぱりすごいですよね。いいパスを出したとか点を取ったとかだけじゃなく、Jリーグ、フロンターレというクラブをある種、俯瞰で観ている選手の言葉は重いなと感じました。それに、お客さんに喜んでもらうために、どんなことをやっていくのかっていう発想ってすごく大事なんやなと。サッカーだけじゃなく、いろんな仕事に通ずる話をしてくれた気もしています」

――よしもとニュースセンターを観てくださっている方は芸人さんのファンが多く、Jリーグを観に行ったことがない方も多いのではないかと思います。そんな方々へ、Jリーグの魅力を伝えるならば?

「先ほども言いましたけれど、難しいことは考えないでいいんです。例えば、音楽を聴くときに、コード進行だとか譜面が読める読めないだとか考えないじゃないですか。ライブのときは半音下げてるぞ、とかわからなくても、聴いて好きかどうか、気持ちいいかどうかで楽しめるものじゃないですか。サッカーを観るのも同じで、最初から細かいルールとか戦術を知っておく必要はない。観てみて、心地いいなと思ったチームを応援したらいいんじゃないかなと思うんですよね。もしご近所にスタジアムやクラブがあるなら、とりあえず観てみてほしい。ユニフォームを着て、歌を歌わなあかんって思ってる人も多いでしょ? 俺できひん、人前でユニフォームを着て歌われへんでって思ってる人も中にはいるんでしょうけど、隅のほうで1人でお酒を飲みながら観てもいい。好きな見方で好きに楽しめるものなので、スタジアムに一度、足を運んでほしいですね。あとね、この本にも書いてるんですけど、Jリーグって入場料を払わなくても楽しめるものがいっぱいあるんですよ」

――スタジアムの外にいろんなイベントをやっていたり、飲食店を出していたりするクラブもたくさんありますもんね。

「サッカーに興味はなくても、みんな、食べることへの興味はあると思うので、スタジアムまで行って外でご飯を食べてイベントを観て帰ってもいいんじゃないかと。そのうち、1回でもスタジアムに入ってサッカーを観てもらえたらと思うんですよね」

――お子さん連れであれば、各クラブにはかわいいマスコットもいますし。

「マスコットもおって、おいしいものもあって。なんなら知ってる選手がサインをしてくれることもある。入場料を払わなくてもこんなに楽しめる場所って、基本ないですよね? そういうところが近所にあるってすごくうらやましいことなので、行かないともったいないなと思います」

――「ひらちゃんのおすすめTOP5」では各地のおすすめグルメやスポットが紹介されていますから、ぜひチェックして足を運んでいただきたいですね。

「そうですね。今、Jリーグのクラブがない県、例えば和歌山や奈良の方にも読んでいただきたい。で、今あるクラブがもしJリーグに上がったらこういう感じになるんかな、とか感じていただけたら嬉しいですね」
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――そもそも、平畠さんはJリーグを深く楽しむようになったのは? お仕事として関わったことも大きかったと思いますが、面白さみたいなものを感じたのはどういうきっかけがあったんですか。

「最初は......意地ですかね。元々、サッカーが好きで、そういう番組も観てたんですけど、中途半端にやってたり、サッカーがあんまり好きじゃない感じって、観ている人にすぐバレるじゃないですか。自分はそうなりたくないという思いで、最初、全スタジアムに行ったろうと思ったんです。で、スタジアムに行っているうちに知り合いが増えてきて、おいしいものもわかってきて......最終的には結局、人とか場所に面白さを感じたんですかね。試合の中ですごいシュートが観られるのはもちろん嬉しい。やけど、もっと段々と全体を楽しめるようになっていったんです。僕はそもそもスペインのサッカーが好きで。今でも好きなんですけど、若い頃はもうちょっとコテコテやったというか、サッカーってこうでしょみたいなものもありましたし、戦術だとかピッチにだけフォーカスを当てている感じやったんです。けど、スタジアムへ足を運んでお客さんと話す中で、サッカーの違う楽しみ方を知ったというか。やから、Jリーグを観に行ってるみなさんに、違う楽しみ方を教えてもらったようなところはあるかもしれない。そう思えたことは嬉しくありますし、サッカーの見方が広がったなとも思います」

――例えば、海外の試合をテレビなどで観ていると、南米のチームもヨーロッパのチームも同じ歌をチャントとして歌っているなと感じたりするんですけど、Jリーグってクラブによって応援のカラーがものすごく違いますし、オリジナルのチャントも多い。そういうところも楽しいですよね。カルチャーとして確立されたものがあるなと感じます。

「海外サッカーが好きな人の中にJリーグって歴史ないでしょ、文化ないでしょっていう人もいますけど、ちゃんと見ればクラブごとに色があるし、文化もある。そういう、行ってわかることってたくさんありますよね。お客さんの気質も、クラブによって違うじゃないですか。スパーズのお客さんってずっと『聖者の行進』を歌っているイメージがありますけど(笑)、Jリーグのサポーターって毎年、新曲を出してくる。そういうところはすげぇなと思いますし、一方で清水エスパルスはJリーグ発足年の開幕戦、たしか横浜フリューゲルス(註:かつてJリーグにあったクラブ。1998年に横浜マリノスに合併され、事実上消滅)との試合でしたけど、あのときに完成していた応援を今だにやっているじゃないですか」

――清水のサンバは聴いていて、本当に楽しいですよね。

「開幕からあの応援をやってたっていうのは、ほんまにすごいなと思います。鹿島アントラーズの応援歌を海外のチームが歌っていたりもしますし、すごくローカルなことがワールドワイドに広がっていくのも面白さの1つですよね。あと、サポーターの方にもクラブの理念が根付いてたりするでしょ? 2016年の『Jリーグアウォーズ(註:全行程終了後に開催される年間表彰式)』のときやったかな? 鹿島のサポーターの女性の方と喋っていて、『今年はよかったですね。世界で2位になりましたし』って言うたんですよ」

――あのシーズン、鹿島は2シーズン制の1stステージを制してチャンピオンシップへ進んでリーグ優勝したのち、日本で開催されたクラブチームの世界的な大会『FIFAクラブワールドカップ』へ開催国枠で参戦。見事に勝ち進んで、決勝では世界的な強豪クラブであるレアル・マドリードと対戦。一度は2-1と勝ち越しながらも、延長戦で敗れて2位に終わったんですよね。国内最多の19冠を誇る鹿島は、とにかく"勝ちにこだわる"クラブとしても知られています。

「僕からすれば、自分が応援しているクラブが世界で2位になるってすごいことやなと思ったんです。やけど、僕の言葉にその女性は本気で悔しがりながら『チャンピオンになりたかった』って返してきた。選手やスタッフだけじゃなく、サポーターにもクラブのイズムが染み込んでいる。それもゴリゴリのサッカー好きな兄ちゃんじゃなくて(笑)、普通の女性も勝ちにこだわっている鹿島ってすごいなと。そういうところも、また面白さの1つやなと思います」

――また、ヨシモトブックスの担当者が各クラブに本の告知をお願いしたところ、特に平畠さんがこれまで密に関わってきたであろうJ2のクラブのみなさんがSNSで紹介してくださったそうで。それが単なる紹介ではなく、温かいコメントが添えられていたところにも感動しました。

「あぁ......(と、顔をほころばせて)。J2のために!とか、そんなたいそうなつもりではやっていなかったんですけど、フラットに観たいなという思いはずっとありました。J2ってある種、独特の文化がありますから、その面白さもこの本で発見してもらえたら嬉しいです」

――自分の好きなクラブ以外のことは知らないというサポーターやファンもいらっしゃるでしょうから、ほかのクラブの良さもこの本を通して知っていただけるといいですね。

「そうですね。サッカー自体はすごく好きな感じの人に『相手チームの選手って、誰がすごいんですか?』って聞かれることもあるんです。そりゃそうやな、自分の好きなチームのことは詳しいけど、相手のことは知らんねんなとたしかに思うこともあるので、いろんな良さを知っていただければ。平畠のおっさん、こんなことをおもろい思うてるんやっていう気楽な感じで読んでもらえたらいいですね」
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【平畠啓史】

『平畠啓史 Jリーグ54クラブ巡礼~ひらちゃん流Jリーグの楽しみ方~』

著書:平畠啓史
定価:本体1500円+税
ページ:240P 版型:A5判
発行:ヨシモトブックス
発売:株式会社ワニブックス

『平畠啓史 Jリーグ54クラブ巡礼~ひらちゃん流Jリーグの楽しみ方~』出版記念サイン&2ショット撮影会

日時:10月11日(木)18時30分〜20時30分まで
場所:戸田書店 静岡本店(静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー2F・1F・BF)