千原兄弟、12年ぶりの単独ライブ開催!『赤いイス』ライブレポート
8月24日(金)~26日(日)の3日間、恵比寿ガーデンホールにて千原兄弟の単独ライブ 『赤いイス』が開催されました。
千原兄弟としては、2006年に紀伊國屋サザンシアターで行われた『15弱』以来、12年ぶりの開催となる本公演。
来年の結成30周年を間近に控えて開催された今回のライブのタイトルは、もともと昔やろうとしていたライブのタイトルだったそう。残念ながらジュニアのバイク事故によりその時は頓挫してしまいましたが、12年ぶりに晴れて日の目を見ることに。
とはいえ、ネタは昔のものではなく、今現在の千原兄弟がやりたいと思う新作が披露され、テレビでおなじみの2人の、テレビでは見られないコントが満載のぜいたくなライブとなりました。
ここでは、最終日である26日の公演の模様をレポートします。
最初のコントは「ドラオケ~Dramatic Orchestra~」。部長と部下が、仕事帰りに『カラオケ館』ならぬ『ドラオケ館』に立ち寄ります。そこで繰り広げられたのは、『喧嘩』や『青春』などのテーマに沿った映像に合わせて一言セリフを言う『ドラオケ』なるもの。盛り上がり、ついつい延長をしてしまう2人なのでしたーー。
続いては「四十九日」。殺人事件の被害者である息子の四十九日を迎えた父親(ジュニア)の元に、担当刑事(せいじ)が線香をあげにやってきます。惨殺された息子を殺した犯人が未だ捕まらないことへの不満を訴える父親の言葉を申し訳なさそうに黙ってじっと聞く刑事でしたが、そのとき突然父親の口から聞き覚えのあるジングル音とともに"ホンマでっか!?"な情報が飛び出し......。この上なくシリアスな状況とホンマでっか!?な情報のミスマッチさが爆笑をさらっていました。
「島津美沙紀さんと脇坂莉恵さん」では、初対面の2人の主婦が、たわいもない日常生活を話題に、互いの家庭の話で盛り上がり、お互い褒めあうのですが、実はその会話はとある商品のCMに使われるためのもので......。CMディレクターが会話をプレイバックして、「ここ、いただきます!」などと言うたびに笑いが起こるコントとなりました。
「天才外科医 一ノ瀬隼人」は、昨日ドイツから帰ってきたばかりという天才外科医・一ノ瀬隼人がさっそく難手術でその腕を振るうことになるのですが、腕は確かでも初めての手術室に勝手がわからず、壁にある大量のスイッチを前に右往左往するハメに......。
虫(蚊)を主人公にした「昨日言うてたヤツ」では、蚊がVRを使って蚊の目線の疑似体験をするさまを見せたり、「GOLD Eight Teacher」では、金八先生のような外国人の先生(ジュニア)が卒業式にみんなに『贈る言葉』ならぬ『プレゼントワード』を贈るのですが、どのコントも映像が効果的に使われています。
「佐々木自動車板金工業」では、大事な妹の手術の日なのに仕事を休まず車の下にもぐって作業に精を出す作業員の男(ジュニア)のところに何度も妹のことで電話がくるのですが、電話を受けた工場長(せいじ)が男を呼んでから返事をするまでの時間が異様にかかり......。なぜそんなに返事が遅いのか、その理由が明かされる場面では笑いと同時に驚きが広がっていました。
「眼帯」「お祝いスピーチ」「区役所」「スタバ」「北村陽斗」「飛行機」「ドライブスルー」と、短編コントを連作のように立て続けに見せ、最後にオチがついて拍手喝采が起こったところで、続いてのコントは「僕たち2匹を拾ってください」。
捨て犬2匹(ジュニア、せいじ)が「僕たち2匹を拾ってください」と書かれたダンボールに入れられているのですが、まずは捨てた飼い主に文句を言う2人。「大型犬の老犬2匹一緒に捨てれる!?」「14年一緒にいて、15年目に捨てる!?」とありえない!と激怒する2匹ですが、やはり捨てられたショックは大きいようで、通りすがりのかわいい飼い犬をディスりまくる2匹。さらに人が近づいてくると媚びてしまい......。面白くも物悲しいコントとなりました。
最後に、最初のコントの続きに絡めて別のコントのオチをつけるという見事な構成で幕を閉じた「赤いイス」。すべてのコント終了後、ふたたび舞台に現れた2人は「今日はちょうどええ」と、1日1回の夜公演という形態に満足した様子の笑顔で登場。
なんでも前日は1日に2回公演があったそうで、「(2本目では)せいじがコントが1本終わるたんびに、袖で『もうあかん』『もう無理や』って」とジュニアが言うと「やり方変えなあかんな。着替えとか無理やし」と、この歳で1日2回公演は無理だと力説するせいじ。このあともまだ続くせいじのグチに、たまらず「......やめてまえ!」と暴言を吐くジュニアに爆笑のお客さんでした。
【千原兄弟】