NSC東京24期生が青春物語を熱演! 芝居公演『男祭』レポート
現在、プロのお笑い芸人を目指して奮闘中のNSC東京24期生。11月23日(金)~25日(日)、東京・神保町花月にて、そんな彼らがネタや芝居の成果を披露する中間発表会が行われました。
最終日に行われた芝居公演『男祭』は、高校時代に後悔を残したままパッとしないキャンパスライフを送るハラ(ナイトメアカオスドラゴン・原)が、タイムスリップし青春をやり直す物語です。
オープニングは、ハラが所属するダンスサークルのパフォーマンスで幕を開けます。サークル所属の学生を演じるのは、尾島亜寿紗、かとまゆ、北川先生、ぎょーむてーけー・木林、サチコ、上下関係・仁木、なるちゃむすん、ビートバン・佐々木、ひょっとこおかめ・工藤、ペガサスとミラーボール・ヲ、ベストコンディションズ・八次、ペペロンチーノ・キャンディ、ポンプラス・浅野ら、ダンス選抜メンバー。全員で見事に揃ったダンスを披露します。
大学で浮いているハラは、その原因が自分の高校時代にあると思っていました。あの時全力を出せていたら......。でもあんな男だらけの生活には戻りたくない......。そんな矛盾した思いを抱えるなか1本の電話を受け取った彼は、その直後、ひょんなことから高校時代にタイムスリップしてしまいます。
ハラが通っていたのは、全寮制の男子校・神保町高校。そこで応援団に属していたハラは、かつての仲間たち――熱血なヤマジョウ(ユトレスト・山條)、ずっとわけのわからないことを叫んでいるニッタ(ポンプラス 新田)、硬派ぶっているモリ(ビギナーズラック・森)、新人のナツメ(灘ジェニー・夏目)と再会します。
"校長から頼まれるがままに水泳部の応援をしてしまった"という過去を変えたいハラ。強豪校相手に戦う野球部の予選一回戦を応援したいハラは、今度こそは後悔しないようにと、校長(セイゴマン)および水泳部のタナベ(ダイバー・バレル・田邉)にキッパリと自分の意思を伝えるのでした。
応援団のメンバーはそれぞれ個性的なキャラクター揃いで、ボケたりツッコんだりと息の合った掛け合いを見せます。また、校長は強すぎる沖縄弁、タナベはまったく例えになっていない例えネタで笑いをかっさらっていました。
一方、フルイチ(金魚番長・古市)、フクシマ(ナイトメアカオスドラゴン・福島)、コガ(こがだんごくん)、アイザワ(バイブスバイバイブス・相澤)、ヤベ(リュックサック・矢部)、オオタニ(バレーボーヤ・ピッピ大谷)ら野球部メンバーは、顧問のフクナガ(成天・福永)、マネージャー・コウヨウ(ペガサスとミラーボール・光洋)のもとに一応集まってはいるものの、まったく野球の練習に熱が入っていません。
そんな彼らの姿に落胆し喝を入れるハラ。スエミツ(ピンクドミサイル ・末光)、シシド(バレーボーヤフルーツボンバー・獅子童)、サカハシ(バイブスバイバイブス・坂橋)ら不良グループにも、せめて出場停止になるようなマネだけはしないようにと釘を刺します。しかしその忠告もむなしく、3人の不良は強豪・吉本高校のキキョウハラ(桔梗原健悟)、スケガワ(バイブスバイバイブス・助川)と一触即発な事態に! ......と思いきや、サカハシが大声でイキがるシシドにキレて彼をボコボコにするという仲間割れ的な展開になり、意外な流れに客席も思わず笑ってしまいました。
その頃、主将のクシノ(灘ジェニー・櫛野)は、吉本高校から転校してきたばかりのオオイシ(フルメタルボタル・大石)と話をしていました。有能なピッチャーでありながら、試合に出たがらないオオイシを説得していたのです。オオイシがクシノの言うことをスルーするも、クシノがしつこく食い下がる流れが繰り返され、その天丼ぶりがシリアスなシーンの中にも笑いをもたらします。
そこにやってきたハラは、幼馴染であるオオイシに試合に出るべきだと説得するのでした。なぜなら、オオイシの父親は1年後に死んでしまうから――。タイムスリップ直前、その死の知らせを受けたハラは、未来を変えるべく動き回っていたのでした。しかし、父親のせいで転校するはめになったというオオイシは、野球に対して強い拒否反応があるようです。
ハラの異常な情熱に動かされ、応援団のメンバーはサボり気味な野球部を見張ることに。そして、野球部の生徒たちも少しずつ前向きになってきます。オーラの話ばかりするフクシマと、フルイチやニッタのアドリブでのやり取りには客席からも大きな笑いが起こっていました。
一方、ハラはオオイシの父(正天・成田)と会って話をしていました。借金の問題で転校せざるを得なくなったということで、父親も、オオイシが野球を再び始めることはあきらめているよう。しかし、ハラの行動は彼の心を動かしたのでした。
野球部はオウエン(ユトレスト・おうえん)という吉本高校の怪物級ピッチャーに恐れをなしつつ、クシノがやる気がなさそうに見える顧問のフクナガに思いをぶつけたことで、徐々に団結力を高めていきます。その熱は応援部にも波及し、そしてついにはオオイシにも......。主人公・ハラの奔走が実を結ぶアツい展開に、思わず引き込まれます。
1か月特訓を積んだのち、いよいよ迎えた試合当日。吉本高校と繰り広げる白熱の試合は3回を終えたところで、3-3の同点に。結局負けてしまったけれど、強豪とここまでやりあえたこと、全力を出せたことにハラは満足していました。
そんな彼を未来に連れ戻すのは、なんとフクシマ。思い返せば、高校のころ、フクシマなんていう人物はいなかったのです......! 衝撃の展開に客席からも思わず驚きの笑いが漏れました。
こうして未来に戻ったハラを待っていたのは、大学で浮いていない自分と、オオイシからの「親父が退院した」という報せ。ハラにとっていやだったはずの男だらけの生活も楽しい思い出に変わり、かつての仲間たちとの集まりを"男祭"と称し楽しむ余裕ができたのです。希望あふれるエンディングには、さわやかな気持ちにさせられました。
最後には、ダンス選抜メンバーがステージで「落書き」を踊り、演技選抜メンバーは客席で応援。その楽しげな様子には、思わずほっこりさせられました。NSC東京24期生の、今後の活躍に期待大です!