海原やすよ ともこの演出で贈る、なんばグランド花月の未来予想図を描いた寄席『Top of Namba Grand Kagez』をレポート!
12月20日(木)、なんばグランド花月で海原やすよ ともこが演出を務めた寄席『Top of Namba Grand Kagez』が行われました。こちらは、未来のなんばグランド花月を支えるメンバーを想定した寄席で、一部・二部構成でお届け。錚々たる顔ぶれが続く中で、それぞれのトリを海原やすよ ともこ、中川家が務めました。
作り込まれたオープニングVTRに満員の会場から期待感がにわかに立ちのぼります。そして出演コンビの写真とコンビ名が大画面に映し出されるたびに歓声が起こり、万雷の拍手に迎えられてスタートしました。
一部のトップバッターは祇園です。木崎のナルシストキャラ「キザキ」が冒頭から大暴れ、客席に降りてのアピールもありました。その隣で手綱を握る櫻井は時に冷静に、時に翻弄されながらもしっかりとコントロールしていました。
吉田たちは双子の強みを生かした漫才を。「理想のデート」のネタでは、こうへいの斜め上を行くボケに会場は大爆笑。新入生向け部活紹介のネタでは、クラブ内で起こった出来事と、そのクラブが持つイメージとのギャップに盛り上がりました。
『M-1グランプリ2018』ファイナリストの見取り図が登場。二人の姿が舞台上に現れると「おお~」という声が上がり、拍手もより厚みを増しました。表情一つ変えず適当なことを言うリリー。盛山の悲痛な叫びが響き渡るごとに、会場からは大きな笑い声が起こりました。
12月9日になんばグランド花月で25周年記念イベントを開いたばかりのCOWCOWは、ベテランの風格を漂わせながらゆっくりと歩いてセンターマイクの前へ。二人の息ピッタリの「バレー部挨拶」の漫才では、途中で多田がネタを飛ばしてしまうというアクシデントも。会場はさらに盛り上がり、最後にびしっと合わせ技を決めた時には大きな拍手が起こりました。
ダイアンは職務質問の漫才を。警官役をする西澤の容赦ないボケにタジタジの津田。無神経にあれこれ言ってくる西澤警官、津田をコーナーに追い詰めます。一方で形勢逆転の瞬間も訪れるなど、シーソーゲームのようなやり取りで魅了しました。
一部のトリは海原やすよ ともこです。出囃子が流れた瞬間、女性たちの歓声が響き渡り、手拍子が自然発生。ふたりがステージに現れるとその歓声はさらにボリュームを増しました。モノトーンの衣装も印象的。「最近はマイクの位置の取り合いなんです。やすよが横から押してくるようになって...」と親しみのある話題で惹きつけるともこ。やすよがいかに天然か、二人の楽屋での光景も目に浮かぶネタや、"大阪のおかん"の強さを説いたネタで笑いを誘いました。
二部のトップを務めたのはネイビーズアフロです。高学歴を生かした英会話ネタで沸かせました。また、開口一番に皆川が「今日は一部・二部合わせて3000円。1組あたりでいうと272円! 272円分の漫才をたっぷりお楽しみください!」と現金なアピールを。それに対して「お値段以上に頑張ります!」と気合をいれた羽尻でした。
いぶし銀の光を放って登場したのはプリマ旦那。前半は野村が老成された話芸でまくしたてます。中盤から後半にかけては、あうんの呼吸でボケとツッコミの応酬を。緩急自在に会場の空気を操り、観客を見事に唱和な世界観へと誘いました。
藤崎マーケットは関西地区でオンエアされるCMのネタから。多くのお客様にとってなじみある描写で一気に掴んでいきます。また、舞台ならではの言葉のチョイスにも拍手喝さい、ホストをモチーフにした漫才ではエキセントリックなトキの言動に盛り上がりました。
「かっこいい男になりたい」とその美学を追求する漫才で魅せたのは笑い飯。ですが、披露されるのはダメなパターンばかり。ふたりもまた舞台だからこそ楽しめる表現を連発し、会場は爆笑でした。
二部の大トリは中川家です。大人の男の哀愁も感じさせる社交辞令の笑顔をはじめ、ふたりの細かな描写でひと際、輝きを放ちます。CEOを扱ったネタでは、そのハイソな日常を描きつつも庶民的な光景も織り交ぜ、親近感で魅了。車の路上教習を受ける生徒と教官のやり取りでも"あるある"な場面を連発し、楽しませました。
エンディングではやすよ ともこと中川家が登場。「通常のNGK公演では7組のネタと新喜劇をするのですが、今日は未来のNGKというコンセプトでネタのみの二部構成に。将来、今日出演したメンバーがNGKでしっかりネタをできるようにという思いを込めました」とやすよ。ともこも「みんなネタがかぶることなく、すごかった!」と声を弾ませました。
「生の舞台で、お客様の前に直接立つことができてうれしい」とやすよ。「また2回目もできたらうれしいです!」と第一弾の成功に感謝し、第二弾開催への期待を寄せると、その気持ちに応えるように会場からも大きな拍手が。なんばグランド花月の舞台で11組の漫才師がしのぎを削り、そして、笑いを作っていく姿に心を打たれました。
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