笑いとがん医療の実証研究Ⅱ、第二弾「わろてまえ劇場2018」を開催!
12月20日(木)、大阪国際がんセンター1階ホールで行われたのが、第二弾となる『わろてまえ劇場2018』です。このイベントは、がん患者の免疫機能や生活の質などに"笑い"の機会が与える影響を検証する"笑いとがん医療の実証研究Ⅱ"を実践するため行われたもの。昨年からスタートし、関西に拠点を持つ『松竹芸能』『米朝事務所』『吉本興業』(50音順)の協力のもと、"笑い"を楽しむことで免疫機能や生活の質がどう変わるのかを検証します。12月10日に続く開催に、今回も多くの人が集まりました。
まずは、前説のラフ次元が登場。自己紹介ネタ、梅村の実家エピソードでしっかりと盛り上げました。ここから『わろてまえ劇場』がスタート。一番手はもりやすバンバンビガロです。まずは挨拶代わりにバルーンを使ったマジックを披露。早速、歓声と拍手を浴びます。それからボールなどを使って会場とコミュニケーション。観客と力を合わせてのネタでは爆笑をさらいました。ラストに観客をステージに上げて披露したマジックでは、会場中から拍手が起こりました。
次に登場したのは松竹芸能のなすなかにし。いとこ同志であることを明かすと、会場からはかすかなどよめきが。本人たちも「中途半端でしょ!」と自虐ネタで笑いを取ります。現在、東京で活動しているとのことで、大阪との違いなどをネタに盛り上げました。
トリを飾るのは、桂文珍。文珍がステージに姿を見せると会場からは拍手が起こります。「わろてまえ劇場は免疫力を高めていただこうというもの、その数値を学問的に科学的に証明していこうということで、去年からやってること」と話し、自身も2回目と明かしますが、「これに出た人がみな病気になる」とぽろり。「ざこばさんが...」と先輩落語家の話しをおもしろおかしく披露すると、客席は爆笑。さらに兄弟子の文枝や西川きよしのエピソード、笑福亭鶴瓶、桂南光と開いている3人会についてなど、話しはあちこちに飛びますが、会場は話題が変わるたびに爆笑です。自身の父親や母親との日常の何気ないやりとりに過ぎないエピソードも、文珍にかかればたちまち面白話に変わります。
そして、自身が70歳になったことにも触れ、名前が出てこないという話しから物忘れについてのトークを挟み、『粗忽長屋』へとつなげます。押さえ気味のトーンで進めつつ、ここぞというときにはグッとストーリーへ引き込む話術に、気がつけばすっかり物語の世界へ。サゲのあと、「ではお元気で!」の言葉に、会場は大きな拍手に包まれました。
イベントのあとには、がん対策センターの宮代勲所長が取材に応じました。昨年に続いて2回目となった今回について、免疫に関係する項目、QOLに関係するという項目などを調べて、前回いくつかの候補が出た、その候補が本当にそうなのかというのを確かめるのが今回の主目的だったと話しました。「笑い」ということに関しては、程度や表情など、やはりかなり個人差があるとのこと。それを数値化しようとパナソニック株式会社と共同研究して、感情推定技術というものを用いて数値化するという試みを行っていると話し、免疫機能に関わると従来から言われていたもの以外に、さらに新たなものがないかということにも取り組んでいると話しました。
今日のイベントについては、「後ろから見ていましたが、皆さん楽しまれていたように思う」と笑顔。がん患者さんだけでなくお連れさん、スタッフ、関係者、皆さんに楽しんでもらえたらというのでやっているので、手応えは感じられたと振り返りました。研究の結果については、できるだけ早く発表できればと語り、昨年度よりは発表までの時間を縮めていければと期待を込めました。お笑いの持つパワーについては、根拠を明確にすることが大切と話し、笑いに力があるということをサポートするデータがあれば、皆さんの役に立つと思う、笑うことで平たく言うと元気が出るということがわかれば、そういう機会を持とうかということにもつながっていくと思うと話しました。
【桂文珍】【もりやすバンバンビガロ】