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2018年12月28日 (金)

年末年始は、沖縄でアート三昧『やんばるアートフェスティバル2018-2019』

2018年12月15日(土)にスタートした、今年で2回目となる沖縄の芸術祭『やんばるアートフェスティバル2018-2019』。
手つかずの大自然が残る沖縄本島の北部「やんばる」と呼ばれるエリアを舞台に、中国や台湾などアジア各地から、そして国内からは北海道から沖縄まで、全国の現代アーティストたちが一堂に会して作品を披露しています。

メイン会場となる大宜味村立(おおぎみそんりつ)旧
塩屋小学校では、滞在しながら作品を仕上げるアーティストも。前夜祭では多彩なアーティストによるライブパフォーマンスで幕開けとなりました。詳しくはこちらの記事を参照。
http://news.yoshimoto.co.jp/2018/12/entry89420.php
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塩屋湾に浮かぶように佇む、旧塩屋小学校。キラキラとひかる水面のほとりには、のんびり釣りを楽しむ村人の姿がちらほら見られます。ゆったりとした、のどかな時間がそこに流れています。
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小学校の門をくぐると目の前に現れる体育館。ここには、沖縄の大自然に根をはる生命力豊かなガジュマルの樹をモチーフに、谷村紀明氏がダイナミックに描いた迫力満点の龍が展示されています。龍の鼻には、沖縄の精霊「ぶながやー」が潜んでいるのでぜひ見つけてみてください。
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また、自作の映像機と楽器を使って映像と音楽のパフォーマンスを得意とし、国内外で活躍する『usaginingen』による展示も。会期中2回に渡りライブシネマショーを開催。幻想的な空間と音楽を堪能できます。(12月16日(日)18:00〜、1月19日(土)18:00〜)
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体育館で楽しめるのはアートだけではありません。地元・大宜味村の元気いっぱいな婦人たちが、美味しいサーターアンダギーや特産品のシークヮーサーのジュースなどを販売しています。アート鑑賞の合間に、ゆっくり腰を下ろして窓の外に広がる塩屋湾の絶景を楽しでみて。
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校舎へ入ってみると、各教室にエキシビション部門が並びます。「生と死の連続性」と「永続する自然」を彫刻で表現する福本健一郎の作品。自身が旅した東南アジアの記憶とやんばるの風景とを呼応させ、滞在中に製作した作品も展示されています。
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映像やサウンドを使ったユニークなインスタレーションも。東京と沖縄を拠点に、日本の音楽シーンのアートディレクションを牽引してきた信藤三雄氏による映像インスタレーション。自身が捉える「現代の沖縄」を、洗練されたイメージで表現しています。
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そしてこちらが、今回もっとも注目されている孫遜(スンシュン)氏が手がけた屏風。モノクロを基調とした隠喩的なドローイングを中心に「日本の居酒屋」を表現するというユニークな試み。
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「居酒屋は秘密的で変革的で革命的な場所である。同時に喜びの場でもある。歴史的に変わりゆく中で、さらに深く日本文化と繋がる。」と語る孫遜。屏風や掛け軸、そして自ら手がけた食器などを用いて一夜限りの居酒屋までオープンさせた作品。
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店内?は、卓に並んだ食事とビール片手に大声で語り合う客たち、調理に走り回る料理人たちでてんやわんや。その喧騒は居酒屋さながら。外国人の視点から捉えた「日本のコミュケーションのあり方」は、私たちから見れば少しあからさまではあるものの、喧騒の中にも日本に対するリスペクトが感じられます。宴は終わりましたが、その夜の余韻を感じるのも「アート」として捉え、作品を鑑賞してみてはいかでしょうか。
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校舎1階にあるクラフト部門の見どころは、なんといっても大宜味村の伝統工芸「喜如嘉芭蕉布(きじょがばしょうふ)」。芭蕉布とは「芭蕉」というバナナの葉に似た植物の繊維を、平織りで織った布のこと。
軽やかな繊維から仕上げられる芭蕉布は、涼やかな質感と飴色の輝きを放ち、南西諸島の気候に適した素材として琉球王朝時代から重宝されてきました。昨年に引き続き喜如嘉芭蕉布事業協同組合理事長・平良美恵子氏の全面的な協力により、芭蕉布の魅力をより深く理解できる展示となっています。普段見ることの出来ない掛け軸や屏風、人間国宝金城次郎とのコラボレーションで生まれたランプなど十分な見応え。
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そのほかには、地元やんばるをはじめ、沖縄県内で作られたやちむん(陶芸)や琉球ガラス、紅型などの工芸品が展示販売用にずらりと並びます。やんばるアートフェスティバル限定の「芭蕉布ピアス」は、数に限りがあるのでお早めに。これらのクラフトはファッション界のカリスマ的存在・熊谷隆志氏による厳選セレクト。今を感じる沖縄の工芸品が楽しめます。
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校庭には、北海道で開催されている「飛生(とびう)芸術祭」のスタッフが製作した『YambaruNest』や淀川テクニックによるその場で捕獲したゴミでつくる生き物「やんばるオオゴミウオ』などの屋外展示が楽しめます。去年同氏が製作した「タカアシガニ」は別会場のカヌチャリゾートで引き続き展示されています。
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(海の生命のインテリジェンス/河口洋一郎@海洋博公園海洋文化館1Fロビー)
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(大宜味村人看板計画2018/仲本賢@大宜味村立旧喜如嘉小学校)

メイン会場のほかには、本部町の海洋博公園や、オクマプライベートビーチ&リゾート、大宜味村旧喜如嘉小学校跡地など合計8箇所で現代アートが楽しめる、広域に展開するイベントとなっています。
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期間中の土日は、キャンドルナイト、音楽ライブ、ワークショップなど家族揃って楽しめる内容が盛りだくさん。ぜひ公式ホームページを参考にして、年末年始、興味のあるイベントに合わせてアート三昧なひと時をお過ごしください。


やんばるアートフェスティバル2018-2019
会期|2018年12月15日(土)〜2019年1月20日(日)
入場|無料
主催|やんばるアートフェスティバル実行委員会
共催|大宜味村 島ぜんぶでおーきな祭
後援|環境省那覇自然環境事務所 沖縄県 北部市町村会 国頭村 東村 名護市 本部町
同時開催|文化庁メディア芸術祭 やんばる展
問合せ|やんばるアートフェスティバル実行委員会(よしもとエンタテインメント沖縄内)
電話|098-861-5141(平日10:00〜18:00)

http://yambaru-artfes.jp
平成30年度沖縄観光コンテンツ開発支援事業