俳優賞1位はピクニック!「この劇場にはいちばんお世話になっている」と受賞を喜ぶ!!『神保町花月10周年特別企画「anniversary Awards!!」』レポート
12月24日(日)、東京・神保町花月にて『神保町花月10周年特別企画「anniversary Awards!!」』が開催されました。
若手芸人を中心とした、芝居を行う劇場として2007年7月7日にオープンし、今年で10周年を迎えた神保町花月。公演数も506回となったことから、このたび、過去の作品から観客の投票によって作品賞、脚本賞、演出賞、俳優賞を決定するアワードが開かれました。
MCを務めるのは、同劇場での公演に多数出演しているピクニックとシューレスジョー。「アカデミー賞は1年に1回やってますけど、神保町花月は10年で初めて。出演する芸人さんも移り変わっているので、"この人達が出てるんだ"とか楽しんでもらえれば」と呼びかけたピクニック。シューレスジョーは「知ってる芸人の頭皮状況も変わってたりしますからね」と細くして、笑いを誘います。
その後、本日の出演者である佐久間一行、POISON GIRL BAND、クレオパトラ・長谷川優貴さん、竹内健人、ゆったり感、かたつむり、サンシャイン・信清淳、ボーイフレンド、ランパンプス、ワラバランス、ヒラノショウダイが非常に短いレッドカーペットを通って、客席から登壇。1人ひとり呼び込んで壇上に登るだけなのですが、芸人がこれだけ揃うとそうはいかず。それぞれ様々なボケを見せて、観客を湧かせました(なお、ゴールドバーグは途中から参加しました)。
まずは、作品賞の100位から20位まで発表されます。
ワラバランス・宮崎は「僕らは『夏野台学園シリーズ①「ディメンションチェンジ!」』に出させてもらいました。僕が警察官役で、盛田がデビルの役をやらせてもらいました」とコメント。75位の『オーディション』に出たと切り出したのは、かたつむり・岡部。「それ、俺も出てたよね?」と話に入った佐久間が「どんどん人がいなくなるヤツ?」と話しかけるも、「え?」と返す岡部。「え? ラフ・コントロールが出てて......」(佐久間)「そうです! チョコプラ(チョコレートプラネット)が出てて!」(岡部)「そうそう!」(佐久間)と会話は弾むも、佐久間の「人数が減っていくヤツでしょ?」という質問には、きょとんとする岡部。肝心の内容は忘れ去ってしまったようです。
「僕が(61位の)『謎ト答』(の台本)を書きました」と告げたのは、長谷川さん。この公演に出演していたと言うゆったり感・中村が「この作品には思い入れがあって。思い出していいっすか? ファンファンファン......本当にすごかった」と言い出すと、「漫才はやめてくださーい!」とツッコむ相方の江崎。「最終的に殺される話だったので憶えている」と続けると、「俺が殺す役だった」とピクニック。「えっ!」と江崎が驚くと、長谷川さんも「ピクニックさんいたの忘れてて、あっ!と思った」と話します。
出演はないものの、竹内にとって思い出深いのは65位の『L.A.F.U. theatrical performance vol.2 ~宇宙ボーイズ漂流記』。「俺、6ヵ月間、神保町花月に泊まってたけど、(芸人の)知り合いが来なくなったからもう(家に)帰ろうと思った作品」と話すと、POISON GIRL BAND・吉田も「この公演後、自分達のライブで楽屋に言ったんだよ。芸人だったら差し入れはおにぎりとかから揚げなんだけど、L.A.F.Uは『冷蔵庫の生ハム取ってー』って言ってて、全然違うと思った」と笑いながら回想しました。
ボーイフレンド・宮川は「『ラブ・オール!』で、30歳にしてエア卓球をやった」と思い出を話しつつ、相方・黒沼とエア卓球を実践。白熱する様を表現しつつ渾身のスマッシュを決めるも、黒沼にスマッシュ返しされて「本当は決まってたんだよ!」と叫ぶ宮川。大きな笑いが起こった見事なコンビ芸に、ピクニックは「ネタ禁止でお願いします!」と指摘します。
54位の『いつだって、スリーボールストライク』に出演したと言うのは、POISON GIRL BAND。吉田が「オコチャさん(冨田雄大)が書いた作品。トータル(テンボス)さんが出てて」と話すと、野茂英雄さんが当時、所属していたドジャーズのトレーナーとキャップを着用した阿部へ「だから今日、野茂着てるの?」と周りからツッコミが。阿部は「高校球児の役よ。甲子園で優勝するかしないかのチームに、こんな中肉中背のヤツいねぇよな」と笑いました。
38位の『凛―RIN―』は、ピース・又吉直樹が初めて神保町花月の公演で脚本を手がけた作品。シューレスジョーが「ここで出たか」と言えば、ピクニックは「又吉さんが書いたんだよね。僕も出させてもらいました」としみじみ。35位の『ソビエト』は、平成ノブシコブシが主演を務めた作品。ピクニックが同劇場で初めて出演した作品だそうで、「(『勇者ヨシヒコ』シリーズなどで知られる)福田雄一さんの脚本だったんですよ」と話すと、客席から驚きの声が挙がります。
ここまで、ほとんど喋ってないかたつむり・中澤。ピクニックに「何か出たものないの?」と振られて、「(31位と32位の)『西遊記物語』です。銀閣役でした」とだけ返す彼に、竹内は「芸人辞めた人?」とツッコみました。
20位の『籠の城』は、カリカ、犬の心、POISON GIRL BAND、しずる、ライス、かたつむりによるユニット「東京シュール5」の公演で、ライス・田所仁が脚本を担当。「僕らはスケジュールが合わなくて出られなかった」と話すのは、POISON GIRL BAND。「トップ3に入ると思ってた」と驚きつつ、「仁くんの処女作がとんでもない作品だって、噂がまわってきて。チャリティーライブのオークションで、この直筆の脚本を出したらとんでもないことになったって聞いたよ」と話します。
10位にランクインした『キラリ☆白虎隊 後編』に出演していた信清は、「この作品のために黒髪にしたんですから」と嬉々。中村は出演作『限・界・密・室』が9位にランクインしてガッツポーズ。当時の演じる自身の映像を観て「若っ!」と驚きつつ、「2時間くらいの芝居で、(演出家の方に)『中村さん、絶対ボケないでください』って言われてて苦しい公演でした」と振り返ります。
7位の『エクセレント!!~言葉が無くても届くもの~』は、家城の作・演出作で、ランパンプスの初出演作。も、かたつむり・林が引っかかったのは、グランジ・佐藤大の表記。「下條幽太郎のときじゃん!」とツッコむと、シューレスジョーは「(この表記に関しては)裏方さんと揉めました。が、下條にするとややこしいから、こっちにしました」と説明しました。
5位にランクインした『ピクニック』は、ピクニックが5つのオムニバスに挑戦した同劇場50回記念公演。この発表までに、犬の心・押見を"オシケン"と呼んで劇団員にするというミニコントが繰り広げられていたため、「ちなみに、オシケンさんも演出してます」と説明します。
VTR中に登場した中澤の見事な斬られっぷりにざわめきが起こったのは、4位の『マジで忠臣蔵!! 前編』。再現するも、「全然違う!」「アシカショーみたいになってた!」と芸人たちからクレームが入ります。
2位は、同劇場2作目となった犬の心主演の『THE MOMO-TARO』。当時、非常に話題となった作品で、ピクニックは「ルミネでも再演したし、ツアーもまわってましたよね」と懐かしがりました。
栄えある1位に選ばれたのは、『絶望が持った音~ある師弟の想い~』。
「若手の作品だよね?」と話しかけるピクニックに、「僕らも出てました」と答えたゴールドバーグ。同劇場支配人から賞状を受け取ったランパンプス・寺内は、「テーマがSMだったんです。オコチャさんが『寺内ってSだよね』って聞いてきたんですけど、ものすごい作品になっててビックリした」と感想を語りました。
そのほか、脚本賞、演出賞、俳優賞の発表も。
脚本賞で1位に選ばれたのは、冨田雄大。VTRで、冨田は「いくつかの作品が上位にランクインしていると聞いているので、リメイクもやっていただけるのではないかなと。1位に選んでいただきまして、ありがとうございます。」と感謝しつつ、「スタッフの方に(冨田の作品のファンがいると)言っていただくことがあるんですけど、ファンの方を実感したことはございません。一度、姿を見せてほしいです」と呼びかけます。
演出賞で1位となったのは、家城啓之。こちらもVTRで喜びのコメントが寄せられたのですが、いつも以上にぼさぼさしたヘアスタイルに、客席からくすくすと笑い声が。コメントではなぜか終始、某施設を作っている人を演じ切っていました。
俳優賞の1位に選ばれたのは、ピクニック!
自身の名前が映し出された途端、胸を手で押さえて方々に挨拶。そして、「この劇場には、いちばんお世話になっていると思います。投票ありがとうございました!」と深々とお辞儀しました。
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