『シソンヌライブ[モノクロ]2018』が3月1日よりスタートするシソンヌへインタビュー! じろう「コントを生で観るという新しい体験を」
3月1日(木)より『シソンヌライブ[モノクロ]2018』が、ついにスタートします!
『シソンヌライブ[モノクロ]』とは、シソンヌの2人が全47都道府県行脚を目標に、新作コントを披露する公演時間約60分のコントライブ。恒例となっている単独ライブ『シソンヌライブ』は公演時間約90~120分と長尺で、衣装やセットにもとことん凝った内容となっていますが、本ライブはより手軽にコントを楽しんでもらいたいという2人に意向で衣装替えもなく、小道具やセットも使わずに、たった2人だけで魅せるシンプルなコントが堪能できる内容となっています。
皮切りとなる東京での3公演は、あっという間に完売。そんな人気のあるコントライブが、地方であるいは地元で観られるチャンスです!
2016年から始まった『~[モノクロ]』も、今年で3年目。今年こそ全国制覇と意気込むシソンヌにインタビューを敢行! 3月1日(木)&2日(金)に東京・イマジンスタジオで開催される初回公演、また全国公演へ向けての心境、昨年のさまざま仕事を経験してのコントへの向き合い方など、さまざまに語ってもらいました。
(向かって左:じろう/右:長谷川忍)
* * * * * *
----『シソンヌライブ[モノクロ]』がいよいよ始まりますね。
じろう 自分らの単独ライブみたいなもの自体、ほぼ1年ぶりくらいなんですけど、1年が早かったですね。
長谷川 あぁ......そうか。確かに、1年も経った感じはしないですね。
じろう 昨年から書く仕事が多かったので、新ネタをつくるのが1年ぶりだっていう感覚もないんですよ。もちろん、新ネタをつくることへの新鮮な気持ちは多少あるんですけど、書き始めてみたら自分らのネタはつくってなかったんだなと実感しました。
長谷川 寄席とかでもちろん自分らのネタはやってるんで、何もやってなかった訳ではないんですけど、じろうが言うように新ネタをやるのは久しぶりなのでちょっと不安もありつつ、楽しみもありつつという感じですね。
――久しぶりだということを意識すると、緊張感も高まると。
長谷川 初日を終えるまではあるでしょうね、どうしても。
じろう 一発目なので、不安が大きいというか。そこでウケるかどうかっていうのがわかるので緊張感はありますけど、楽しみでもありますよね。あと、昨年の『~[モノクロ]』は2~3ヵ月空けながら9公演やっていて、固まり切らなかったというか。
長谷川 "もう少しやりようがありそうだな"って空気のまま、やっていたネタも1本くらいあったというか。(公演の感覚が空いている分)常に緊張感があったのはよかったんですけど、一昨年のほうがテンポがよかったような気がしたというか......。お客さんが楽しんでくれていたんですけど、自分達の感覚としてはそうでしたね。
じろう 『シソンヌライブ』のときも1~2週間くらいガッと一気にやるのでその日その日で積み上げていくものがありますし、(コントが)変わっていく楽しみもあるんです。けど、間が空くとどうしても感覚がプッとフラットになっちゃう。その点、今回はスケジュールがギュッとしているのも楽しみですね。
長谷川 今回、1日で2公演やるところも多いんですよ。
じろう だからある意味、修行です(笑)。全公演合わせたら100回近くやることになりますし、夏の単独ライブも入れたらマジで150回くらい単独ライブをやってることに......。
長谷川 1年の半分くらいやってることになるなぁ。
じろう この1年が終わった頃には、とんでもないコントスキルが......!
――ただでさえ、毎年コント筋肉をガシガシと付け続けているのに、さらにコントスキルまでどんどん上がってしまうと!(笑)
長谷川 ははは!「コントしかしてませんでした」って言っていい人にはなっちゃいそうですね。
――夏に開催する『シソンヌライブ[sept]』は約1ヵ月の長期公演という新しい挑戦の場ですが、『~[モノクロ]』の開催を重ねることによって、そのチャレンジへ向けてのいい流れもできそうですね。
長谷川 僕らもそんな感じはしていますし、いい方向に転がりそうな気もしています。『~[モノクロ]』と『シソンヌライブ』って似ているようで似てないものなので、この春から始まる『~[モノクロ]』を観て、夏に『シソンヌライブ』を観て、さらに下半期にある『~[モノクロ]』を観てもらえたら、いろんな変化を見せられると思うので、そういう楽しみ方もしてもらえたら嬉しいですね。
――ネタを担当しているじろうさんに伺いますが、久しぶりに自分達のネタづくりに取り組んでみて、ほかの執筆の仕事との違いみたいなものは、やはり感じていますか。
じろう そうですね。ドラマとかの脚本を書いてみて思ったのは、演者が違うと計算通りにはいかないんだな、自分の中にある方程式みたいなものが通用しないんだなっていうことで。『~[モノクロ]』は――道具やセットがない状態でやるので書き方としては特殊なんですけど――自分らのネタなので、"確実にこれはウケるだろうな"とか、ある程度は計算できる。自分がこう言って、長谷川さんがこう言ったらウケるっていう方程式は山ほどあるんですけど、その感覚をほかのものに当てはめても面白くならないこともあるし、逆に何気ない台詞でも言う人が違えばこんなに伝わり方が変わるんだなっていうのは勉強になったので、そこで得たいろんな発見を活かしていきたいですね。
――長谷川さんもプレイヤーとして、『スマートモテリーマン講座』などの外部公演を経て、芝居とコントとの見せ方の違いなども感じられたんじゃないですか。
長谷川 うーん、そうですね。じろうが書いてくれたものなら「こことここだけは守ってくれたらいい」とか言ってくれますし、わからないところはすぐ訊けますし......。言われずとも、(求められていることを)多少は汲み取れると思うんです。書いてるじろうからすれば「もうちょっと汲み取ってほしい」という気持ちもあるかもしれないですけど、自分らのライブでは2人でなんでもできる分、気を遣わないでいいところはあるんですね。けど、ほかの公演で僕らに第3者、第4者が絡んでくると、2人の感じでやっちゃいけないとはわかっていても(長年の関係性で良さがわかっている分)、じろうに対して贔屓目になってしまうというか。コンビでの関係性だけでやってしまうところがあったので、やり過ぎないように。かと言って、引っ込んでいるだけでは出ている意味がないので、僕以外のボケ全員をバランスよく観つつやってました。そういうバランスを観るという点では勉強になりました。
――初日へ向けて稽古の日々だと思いますが、改めてどんなところに『~[モノクロ]』の良さを感じていますか。
長谷川 やっぱり実験的な場所ですよね。
じろう 通常の『シソンヌライブ』だと、モノが用意できないとか表現できないっていう理由で諦めるコントもあるんです。けど、そういう必要がないライブなので、より踏み込める感じがあるというか。諦めるというストッパーを外したネタができるんですよね。逆に言うと、普通のネタを思い付いたとき、"これなら『~[モノクロ]』でやる意味ないな"って判断してしまうのが辛いところでもある。だから、前回で言うと餅つきのコントのように、このライブならではのネタもつくらないといけないんだろうなとも思ってます。......あのネタは杵も臼もないんですけど、観てくれた人の感想ではちゃんと想像できたみたいで。マイムや目線をちゃんとするっていうこだわりがある訳でもないんですけど、ある程でやっていたら、想像力を働かせて道具が見えると言ってくれる人がいたりして。
長谷川 ふふふ、お客さんをだいぶ洗脳しつつやってます。
――(笑)。いやいや、お2人の表現力の賜物ですよ。
長谷川 だいぶ前ですけど、本番ギリギリまでネタができなくて、じろうがただ歩くだけっていうコントをやったことがあったんですよ。3〜4分、それだけで押し切って。当時はあんまりウケなかったんですけど、あの頃よりお互いがどうやればいいかが多少はわかっているので、今やったらあのネタもウケるんじゃないかなって思いますね。あと『~[モノクロ]』は、いい意味でカチカチっとしてないところが楽しいですよね。『シソンヌライブ』は基本アドリブなしで、段取り通りにやっていくことが多いんですけど、昨年の『~[six]』は1~2回、稽古でやったじろうのボケが(本番で)急に入ってきたり、僕も違う言い回しでツッコんだりできて。ああいうの(展開力)は、このライブから派生できたものだと勝手に思ってます。まぁ、セットや衣装もない状況でウケるって、本当に楽しいですよ。例えば、相方が女性役をやってたとしても、見た目は普段通りじゃないですか。
じろう ただのおじさんですからね(笑)。
――カツラすら付けてないですもんね。
じろう そうですね。だから、ストロングなライブだなって。体1つでいろんな状況、設定、キャラクターを表現していくんですからね。
――今回、東京公演のチケットはあっという間に売り切れてしまったそうですが、それ以外の公演にも足を運んでもらいたいですね。では、最後によしもとニュースセンターをご覧になっている方々へ、初日に向けて、全国へ向けての意気込みをお願いします。
長谷川 3月1日の東京公演から始まりますが、年末に観る頃には全く味わいが違うネタもあるかもしれません(笑)。地方はまだお席に余裕がありますし、金曜日や土日、祝日に公演がありますので、小旅行がてら、ふるさと納税のテンションで観に来ていただければ! あと、里帰りがてらにもぜひ! お待ちしております!
じろう 地方は普段、コントを観る機会のない人たちに観てもらいたいという思いを込めて出向くので、ぜひ僕らの顔を観に来てもらえたらなと。人生で新しいことに挑戦するのは、大切ですから。生活に刺激を与えることは大事ですし、同じリズムで生活している方は新しい波を立てるという意味でも来てもらえれば。
長谷川 うん、そうだな。
じろう 生で観るのってこんなに面白いんだなっていう発見もあると思いますので、来ていただけたら嬉しいですね。コントを生で観るという新しい体験をしてみてください!
【シソンヌ】