最新ニュースインタビューライブレポート

ライブレポート

2014年2月18日 (火)

5upよしもと卒業公演 藤崎マーケット単独ライブ「おもしろマーケット THE FINAL」

2月15日(土)、藤崎マーケットの単独ライブ「おもしろマーケット THE FINAL」が、5upよしもとにて行われました。これまで何度も開催されてきたこのシリーズも、いよいよ今回でいったんファイナルに。ブリッジVTRでは過去の「おもしろマーケット」を振り返る内容も織り交ぜ、超満員の観客を前に、卒業にあたってまさに集大成といえるステージを披露しました。

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冒頭、暗い場内にゴングの音が鳴り響き、バレンタインを記念したタイトルマッチが行われるとのアナウンスが…すると、まずはチャンピオン・田崎が客席後方から通路を通って舞台へ! 王者らしくトロフィーを抱え、自信満々の表情です。続いて名前をコールされたのは「コンドル笹岡」。自身の名を連呼する超ダサいテーマソングに乗って、こちらも通路から舞台へと向かいます。予想を軽く覆すライバルの姿に、戸惑いを隠せない田崎。テーマソングには、出身地をはじめとする細かい個人情報がてんこ盛りで、客席は早くも大爆笑です。試合が始まってからも、コンドルの奇行はとどまるところを知らず…。

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オープニングのVTRは、NSC大阪入学からこれまでのふたりの歩みを思い出写真とともに綴るもの。ラララライ体操や『オールザッツ漫才』Foot Cutバトルでの雄姿、田崎のダイエットなど、観客にとっても懐かしいシーンがいっぱいで、何度も笑いや歓声が上がっていました。

1本目は漫才から。立ち見席には「藤崎大好き」というメッセージボードを掲げる人もおられ、舞台に登場したふたりを喜ばせます。ネタに入ると、ネット上に蔓延する批判に心傷めるトキを、田崎が何とか元気づけようとする展開に。ネガティブぶりを炸裂させるトキは、やがて田崎にまつわる都市伝説の数々まで持ち出し、ついには観客たちをも疑惑の対象に!

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ネタの合間には、これまでの「おもしろマーケット」で上映されたさまざまなブリッジVTRから、傑作選をお届け。1つ目は田崎のテレビ初出演の模様でしたが、それがなんと『NEWS23』! 初々し過ぎる田崎の姿にどよめきが起こります。

2本目はコント「思春期」。夜道でばったり出会ったクラスメイトの男女を演じ、何故か女子(田崎)はセグウェイに乗っているという破天荒な設定で笑わせます。10代ならではの微妙な男女の距離感ややりとりも、さすがの観察力&演技力で見せたふたり。そのぶん、セグウェイの異色ぶりが際立ち、笑いを増幅させていきます。

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次のブリッジVTRは、2011年に流された「次回予告シリーズ」。信濃そば、中央軒、そして今はなきグリルしき浪という“楽屋出前御三家”に乱入して勝手に繰り広げられる次回予告もどきは、5upよしもと近隣グルメガイドとしても役立ちそう!?

3本目は再び漫才です。いつも通りネタを始めたものの、ボケてもボケても全く面白くなくなってしまっているトキに、ひたすら翻弄されていく田崎。何でも「10年目やから変えようかなと思った」(トキ)そうですが、その意欲は裏目裏目に出てしまい…。

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お次は藤崎マーケットの代名詞でもある「おるおるモノマネ」! 「コンビニで立ち読みしてる友達によくするノリ」「イカ焼きの音」などを繰り出し、客席を爆笑の渦に巻き込みました。

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一方、トキと田崎がそれぞれのピンネタで勝負するコーナーも。トキは「女性」「男性」「親戚」と書かれた3つのフリップとともに登場。「男女を同時に笑かすのは不可能だとわかった」「ライブを見に来た親戚が面白くなかったと言う」との理由から、それぞれにピンポイントで対応する鉄板のボケを用意したとのこと。例えば女性に向けては「キラキラネーム」、男性に向けては「コラボ」、さらに親戚の皆さんに向けては身内にしかわからない出来事などをテーマに次々とボケまくりました。中でも親戚向けのボケで多出される「ミネコおばさん」が謎を呼びます。

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田崎は「リアル人生ゲーム」と題し、人間の一生に起こるさまざまなあるあるを演じていきます。細かいツボをくすぐりまくりの、こちらもピンポイントな笑いの数々で盛り上げました。

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最後のブリッジTVRは、2013年に流された「ほこ×たさ」。絶対に笑わない田崎と絶対に(田崎を)笑わせるトキがガチンコ対決します。あの手この手で笑かしにかかるトキを前に、2分間耐えられたら田崎の勝ち。序盤は自称「ロボット」の田崎がクールにかわしていましたが、破壊力120%のガチャピンでトキが形勢逆転、見事勝利しました。

締めくくりのネタも漫才で。時代劇に憧れているというトキのため、悪役を買って出る田崎。しかし、その演技に納得がいかないトキに詰めまくられ、漫才中とは思えない気まずさが漂います。気づけば田崎は舞台袖に追いやられ、トキひとりでの時代劇なりきり!? さらに、心を入れ替えてからの田崎の演技でも度肝を抜きました。

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盛りだくさんなライブを終えてのエンディングでも、「卒業後はジュンク堂の2階に移ります」「島根県に行きます」などひたすらボケ続けて笑わせたトキ。最後は来場者に単独ライブ恒例のお土産「おるおるモノマネトレーディングカード」のプレゼントも! 田崎は「これからも単独は定期的にやっていきたいです」「卒業してもよろしくお願いします!」と元気いっぱいにメッセージを送っていました。

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藤崎マーケットの動画はこちら⇒http://ynn.jp/u/291/

【藤崎マーケット】

2014年2月17日 (月)

5upよしもと卒業公演 アキナ第3回単独公演「よっし!!!」

2月14日(金)、アキナの第3回目となる単独ライブ「よっし!!!」が、5upよしもとにて開催されました。客席は、立ち見も出る大入満員! 漫才にコントにVTRに、アキナの魅力をぎっしり詰め込んだ濃〜い内容で、5up卒業のステージを飾りました。

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まずは「秋山と山名」と題した漫才から。「もしも明日、地球に悪魔が現れて戦うことになったら誰を守る?」そんな問いかけに、山名は「今日ここに来たお客さんです!」と宣言。バレンタインデーを激しく意識した言動で笑いを誘います。地球を守るといえばアンパンマン、というわけで実際にふたりでやってみようということに。しかし、一度しかアニメを見たことがないという山名が演じるアンパンマン像は超独創的! 秋山が必死で軌道修正するも、掟破りのキャラクターはいつしか独り歩きを始め…?

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オープニングVTRに続いて、息つく間もなく2本目のコント「女トラッカーとアルバイト青年」に突入。山名演じるワイルドな女性トラックドライバーに、ほのかな恋心を抱くアルバイト青年・秋山。山名のセクシーなタンクトップ姿でいきなり度肝を抜いた後は、バツイチだという彼女の離婚の理由が明かされ、またまた客席騒然! 秋山の思いは遂げられるのか、いや、遂げられても大丈夫なのか? 笑いはもちろんハラハラ感も楽しめるネタで沸かせました。

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ネタの合間のブリッジVTRは、ふたりが卒業を前に、お世話になった方々へお礼の手紙を届けるというドキュメンタリー。まず最初のターゲットとなったのは、秋山のお母さんです。朝6時というまさかの早朝訪問を受け、最初は戸惑いを見せておられましたが、心のこもった山名の手紙には思わず感涙…卒業公演ならではの感動のひと幕に。

3本目のコントは「リトルバードとビッグスター」。楽しみにしていたビッグスターの来日公演に、同行するはずの友人・秋山の「ペットの病気」が理由で行けなくなってしまった山名の恨み節が炸裂します。やがてふたりの会話は「命は平等」という重いテーマにまで及び…? 

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再びブリッジVTRでは、次に山名の実家へも向かうことに。自分は早朝から秋山の実家に押しかけたくせに、いざ自分の番になると「お母さんが驚くから」など理由をつけては家に入れないよう画策する山名。押し問答の末、秋山は窓越しに外から手紙を読み上げさせられたうえ、終わるや否やピシャリと閉められてしまうという仕打ちを受けてしまいました。しかもこの手紙ツアー、まだ終わりではないようです…。

4本目のコント「猿と勇者」では、RGPを思わせるファンタジーの世界へ紛れ込んでしまった大学生・秋山が右往左往。森の猿たちを救う“勇者”に選ばれたものの、本人は自覚ゼロ、パジャマ姿で戦える様子ではありません。容赦なく襲いかかる敵にはもちろん全く歯が立たず、クセが強過ぎる猿の従者・山名のエキセントリックな振る舞いも相まって、森は血塗られたカオスへと変貌!?

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ブリッジVTR次の舞台は、なんと山名の同期である守谷日和の実家! 山名と守谷は5年ほど同居しており、その心遣いに日々助けられてきたとのこと。そこで、お母さんにぜひともお礼を伝えたいとはるばるやって来ましたが、出てくるのはなぜか暴言ばかり。下ネタまで連発し、お母さんを困惑させる山名でした。


5本目のコントは「失恋した奴と友達想いの奴」。失恋を引きずり過ぎの秋山と、感情移入が激し過ぎる山名のやりとりで笑わせつつ、終盤は予想外の“あるモノ”がふたりの心を癒すことに。満面の笑顔でのダンスシーンも見物です。

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ブリッジVTRもついにラスト。すっかり日が落ちた後、再び秋山のお母さんを訪ねます。驚きを隠せないお母さんに、朝と全く同じ手紙を読む山名…当然ながら感涙シーンはなし。そんなお母さんを、山名は「がっかりしました」となじり続けるのでした…。

ラストコント「街にサーカスがやってきた」では、山名の身体能力が披露される展開に。サーカス入団を夢見る友人マルコ(山名)のため、入団テストの準備を手伝うスタンリー(秋山)。軽業も檻の掃除も全くクリアできない山名に対し、容赦なくハードルを上げていく秋山のSっぷりがお見事。追いつめられながらも時折意外な身軽さを見せる山名との対比で、大いに盛り上げました。

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ちなみに終演後は、秋山作のイラストが描かれたカードを来場者全員にプレゼントしたふたり。思わぬバレンタインのサプライズで、お客さんを喜ばせました。



【アキナ】

2014年2月16日 (日)

5upよしもと卒業公演 ミルクボーイ単独ライブ「ちゃんボーイミルク」

2月13日(木)、ミルクボーイの単独ライブ「ちゃんボーイミルク」が、5upよしもとにて行われました。21時半という遅めの開演時間でしたが、多くのお客さんが詰めかけ、ふたりの記念すべき卒業ライブを見守ります。

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まずは三八マイクを前に、漫才からスタート! ステージに登場したふたりは、にぎわう客席に驚きを隠せない様子です。ネタのテーマは「デブとマッチョ」。ボディビルダーとして日々、筋肉増強に余念がないマッチョ代表・駒場と、色白&豊満ボディのデブ代表・内海が、それぞれの主張を展開していきます。さっそく自己紹介がてら、駒場が肉体美を披露することに。ところが内海も負けじと大きなお腹を惜しげもなくさらし、客席は爆笑に包まれます。

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最初のうちは「これからは僕もマッチョになろうと思う」と野望を語る内海でしたが、駒場は「簡単になれると思うな!」と檄を。気づけばふたりの会話は「デブ×マッチョ」の仁義なき戦いの様相を呈していき…果たして勝ったのはどっち!?

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続いては「いろんな人に意見をもらおう」と題したコーナーへ。いよいよ5upよしもとを卒業するふたりが、「これからどうすべきか」さまざまな人から意見をもらおうというもので、テーブルの上には封筒に入った手紙がズラリ。お笑い界からはミサイルマン・西代、女と男・市川らの名前があったほか、ボディビルダー、パチンコ店店長など、実に多彩なジャンルの方々がミルクボーイの将来についてアドバイスをくれました。試しにテレビ局スタッフの方からの手紙を開けてみると、そこには「芸人には何か秀でたものが必要」との言葉が。想像以上にガチな意見が書かれていることに衝撃を受け、ふたりは早くも及び腰に…。

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そこで、駒場はマッチョに新しいものをプラスして、オリジナリティを打ち出すことを宣言。キレイ好きで掃除が得意なことから、掃除とエクササイズを合わせた「掃除ササイズ」という新たなウリを考案中だと明かしました。しかし、ぞうきん掛けをしながら腹筋を鍛えるなど、ステージでいくつかの「掃除ササイズ」を実演したものの、まだかなり改良の余地があるよう。ひとまず今後に期待、となりました。

一方の内海は「早食いが得意。15秒で牛丼が食べられる」と胸を張りますが、駒場は「一回も食べられたことないやん!」と即却下。自称「ちょびヒゲが世界一似合う顔」についても、実際につけヒゲを装着したものの客席の反応は今ひとつと、将来に不安が募り始めます。

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西代からの手紙には、状況に応じた「頼るべき吉本社員」の名前が。これに駒場は「さすが何の賞も取らずあの位置まで上り詰めた人」と、褒めているのかけなしているのかわからないひと言。と、ここでなんと西代&市川がステージに乱入するというサプライズが! 後輩の卒業公演ということで、舞台袖からハラハラしつつ見守っていたというふたり。しかし、駒場のまさかの暴言に驚き、思わず姿を現してしまったようです。

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市川は、自分のアドバイスも聞くよう要求。曰く「資格を取るべし!」。ファイナンシャル・プランナーをはじめ数々の資格保有者として知られる市川ならではの助言ですが、ふたりが持っているのは唯一、内海の「けん玉二段」だけ。しかも、その資格は小学校の頃、日本けん玉協会会員だった担任の先生の前で技をやって見せ、口頭で合格を告げられただけのものだそうで、「本当に有段者なのか?」との疑惑が噴出しました。

そんな状況を打破すべく、またまたスペシャルゲストの登場です。先ほどのエピソードにも登場した、内海にけん玉を伝授したかつての担任の先生が、わざわざ姫路から駆けつけてくださいました! 現在は日本けん玉協会姫路支部長を務めておられるそうで、この日は特別に内海の初段段位試験を行ってださることに。さあ、ミルクボーイの今後を占う(?)内海のけん玉チャレンジに突入です。

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用意されたボードには、初段取得に必要な10の技と成功ノルマが。これをそれぞれ10回のうちに成功させなければなりません。けん玉知識がないお客さんや西代、市川、駒場でも、かなり難しいことはわかります。しかも、たくさんの人に見守られるステージ上での試験とあり、緊張度MAXとなるのは間違いなし。内海は「けん玉初段」を名乗れるようになるのでしょうか?

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1つ目の世界一周、2つ目の灯台、3つ目のけん先すべり、4つ目の地球回しまでは、少し失敗もありましたが難なくクリア! ここで上着を脱いで気合を入れ直す内海に、西代からは「何で最初から脱がへんねん! そういうとこが腹立つ!」とダメ出しも。とはいえ次々と技をクリアしていく姿に、思わず「アカン! ヤバい! ソチ五輪より楽しい!」(西代)と大興奮の応援団3人でした。

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6つ目のうらふりけんに続き、7つ目の宇宙一周は、難易度がアップしているにもかかわらず1回で成功。これには客席も大いに沸きます。しかし、8つ目のうぐいす、9つ目のつるしとめけんと終盤にさしかかり、内海の体力はそろそろ限界に…。膝や腰のだるさを訴えますが、当然ながら試験は待ったなし! 最後のはねけんも苦しみながら成功させると、応援団も客席も大喜び、歓声と拍手が沸き起こりました。ところが、まだ終わりではなく、ここまでの技に加え「もしかめ」(♪もしもし亀よ〜の歌に合わせ大皿・中皿に交互に乗せる技)200回クリアも必要になることが発覚。内海はふらふらの状態で、途中から「自分が何やってるかわからへん!」と叫ぶなど、「ついに命運尽きたか…」と不安に包まれる瞬間もありましたが、これも無事にやり終えついに初段合格! 先生から証書を受け取り、内海は晴れて「けん玉初段」芸人へとステップアップしたのでした。

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卒業公演ながら、後半はけん玉チャレンジという異色のライブとなった「ちゃんボーイミルク」。しかし、新たな“武器”をしかとつかんだふたりは、晴れやかな笑顔で「またこれからも応援してください!」と呼びかけていました。



ミルクボーイの動画はこちら⇒http://ynn.jp/u/989/

【ミルクボーイ】【ミサイルマン・西代】【女と男・市川】

2014年2月15日 (土)

吉本新喜劇×ヤノベケンジ

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2月14日(金)から2月16日(日)まで、よしもと祇園花月で開催されている『吉本新喜劇×ヤノベケンジ』。この公演は、巨大ロボット“ジャイアント・トらやん”などの大型彫刻作品で知られる現代アーティスト、ヤノベケンジさんと吉本新喜劇がタッグを組んだ前代未聞の公演です。アートと笑いの融合は、どんな化学反応を起こすのでしょうか?

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今回のお芝居はヤノベケンジさん原案の「トらやんの冒険」。舞台は1970年。日本万国博覧会の開催を控え、日本中が盛り上がるなかの、とある大阪の街でのお話です。日本万博が開かれる万博公園のおひざ元にある花月旅館。その隣にあるラーメン屋では、ラーメン屋の主人、池乃勝則(内場勝則)は出産を目前に控えた妻・やすえと幸せいっぱいに暮らしていました。かたや勝則の父親、トらやんこと池乃虎次郎(池乃めだか)はバクチ大好きのダメおやじ。この日も借金取りに追われ、息子の勝則に借金を肩代わりしてもらう始末…。

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そこで偶然出会ったひとりの男。実はこの男、ネオクリーンエナジーという、次世代エネルギーを開発し世間を騒がせた超有名人、安尾博士(安尾信乃助)だったのです。せっかくなので勝則の家に来てもらい、タコ焼きをふるまうことにしたのですが、食材を買いに行く途中でトらやんは交通事故に……!!

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医者に「全力は尽くしましたが、今夜、乗り越えられるかどうか……」と通告され、うなだれる勝則とやすえ。その姿を見た安尾博士は「私が開発したネオクリーンエナジーシステムを搭載したロボットに改造すれば、お父さんを救うことができます」と提案します。悩みつつも博士にトらやんの運命をゆだねる勝則とやすえ。

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ネオクリーンエナジーシステムを搭載したロボットとして復活したトらやん。見た目はそのままですが、その体には驚くほどの能力を備えていました。そのミラクルなパワーに大はしゃぎのトらやんは、「6年前(1964年)に開かれた東京オリンピックに出たかった」と言い出します。そこで、安尾博士が開発したタイムマシンで1964年の日本へ旅してみることに。

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しかし、安尾博士とトらやん、勝則が降り立ったのは2020年。二度目の東京オリンピックが間もなく開催される日本だったのです。しかも、時代は流れて2020年では、ネオクリーンエナジーは危険物とみなされて禁止されていたのでした。ネオクリーンエナジーを搭載したトらやんは、警察に追われ……。一方で、ネオクリーンエナジーの力を悪用して世界を征服しようとする秘密組織、ゲッカーもトらやんの存在を狙っていました。

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トらやんはスキを突かれ、ゲッカーの一味に誘拐されてしまいます。しかも、アジトでゲッカーの意のままに操られる体に改造されてしまい……。

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なんとかしてトらやんを見つけ出した勝則たちでしたが、改造されてしまったトらやんを救い出すことはできるのでしょうか……!?

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吉本新喜劇おなじみのギャグ満載で笑いはもちろん、ハラハラする展開、さらにちょっぴり切なく心が温まる、いつもの新喜劇とはひと味違う結末が待ち受けています。また、今回の劇中に登場するタイムマシンなどの小道具やアジトといったセットなど、舞台芸術は京都造形芸術大学の卒業生と在校生が一緒になって作ったもの。それだけに、アート色いっぱいの、これまでにない吉本新喜劇に仕上がっていました。

 

 

公演終了後、客席で観劇していたヤノベケンジさんも舞台上に登場!感想を聞かれ、「まさかこんなお芝居になるとは……感無量です!」と大感激の様子でした。

この公演は、2月16日(日)までよしもと祇園花月で上演中です! アートと吉本新喜劇の奇跡のコラボをぜひその目で!

 

 

吉本新喜劇×ヤノベケンジ

 

日時:2014年2月14日(金)・15日(土)・16日(日) 18:30開場/19:00開演

会場:よしもと祇園花月

出演:内場勝則、池乃めだか、やなぎ浩二、Mr.オクレ、吉田ヒロ、安尾信乃助、中田はじめ、烏川耕一、山田亮、高井俊彦(ランディーズ)、森田展義、清水けんじ、辰巳智之、青柳裕之、中尾星太、森本瞬、未知やすえ、山本奈臣実、井上安世、森田まりこ、岡田直子(新喜劇)、しゃっきー、北山麻衣加

料金:前売3500円 当日4000円(全席指定)

お問い合わせ:チケットよしもと☎0570−550−100(10:00〜19:00)

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千鳥と仲の良い友達たち

1月31日(金)、千葉県・よしもとイオンモール幕張劇場にて『千鳥と仲の良い友達たち』が開催され、千鳥、ジャルジャル、中山功太、ダイアン、とろサーモン・久保田、POISON GIRL BAND、ネゴシックス、なかやまきんに君&サバンナ・八木によるユニット「ザ☆健康ボーイズ」が出演しました。

オープニングは、千鳥の2人が登場。「『千鳥と仲の良い友達たち』やから、(出演メンバーが)し~~~ぶい!」(ノブ小池)「こんなに渋いメンバーはそろえられない!」(大悟)と豪語する2人。「ジャルジャルだけがスター。『爆ハリ!』のついでに出てくれた」というノブでしたが、大悟曰く「ジャルジャルすら、すでに渋くなってきている」とのことです。さらには、とろサーモン・村田がインフルエンザにかかり、久保田が1人で出演することも報告されました。

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まずはジャルジャル、中山功太、ダイアンがネタを披露しました。

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前半ネタメンバーと久保田が登場して行われたのは、『訳ありエピソードトーク』。「ほかで喋ったことはないけれど、千鳥に聞いてほしい」と思うエピソードが、それぞれ語られました。

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「おじいちゃんの話なんですけど、笑っていいのかわからない」と切り出したのは、ジャルジャル・後藤。戦時中、命からがら不時着した島で、お腹があまりにもすきすぎて、森に実っていた物を食べたそう。「いま考えるとパイナップルらしいんですけど、皮ごとむしゃむしゃ食べたせいで、口の中がずたぼろになったらしいんですよ。これ……笑っていいんですかね?」とためらう後藤に、「まぁなぁ」と同調しながら、「笑ってええよ」と優しく答える大悟です。

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ジャルジャルの2人から「津田さんや!」「浪速のキユーピーや!」と散々いじられたダイアン・津田は亡くなったお父さんの話を。3回忌のときに金庫がみつかり、「親父がなんか残してたんちゃうかなと兄貴が釘抜きであけたら、中に入ってたんはボールペンのキャップだけやった」というエピソードに、「うわ~! 悲しすぎるねぇ」とノブ。大悟も「津田の親父は悲しすぎるよな」と返答。入院しとるときにお見舞いに行ったら喜んでくれて。“いっつもテレビを観とります。いまも観とりました”って言われたけど、そのときテレビに映っとったんは黒人のバスケット選手やった」と思い出話を語りました。

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以前のマネージャーに大激怒しているのは、久保田。新しいマネージャーから「番組から高校の卒業アルバムを貸してほしいと言われている」とお願いされたものの、卒業アルバムは以前のマネージャーに預けっぱなし。どうやらなくしてしまったらしいそのマネージャーは、ブチギれる久保田に「すみません、コピーしてホチキスで止めて渡します」と返答したそうです。

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「で、ルミネで会ったから、“卒業アルバム返して”言うたら、“あります、持ってきました”と言われて。渡されたのを今日持ってきたんですよ」と取り出したのは、ホチキスで止められた卒業アルバムのコピー。久保田の高校の同級生である相方・村田に借りてコピーしたようですが、「モノクロ?」と笑いながらツッコむ千鳥。「僕もそう言うたら、カラーですって言うんですよ。こいつ、目ぇおかしいんかと思ったら、俺のクラス写真のところだけカラーなんです!」と見せた途端に、出演者もお客さんも大爆笑! 久保田の怒りは納まりそうにありませんでしたが、「そのマネージャーさん、おもろいやん」と笑うノブでした。

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その後、POISON GIRL BAND、ネゴシックス、ザ☆健康ボーイズ、千鳥が登場。それぞれ、ネタを披露します。

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後半ネタ組とともに行ったコーナーは『ザ☆健康ボーイズにチャレンジ」。
ネゴシックスとPOISON GIRL BAND・阿部が、ザ☆健康ボーイズに挑戦するという企画です。千鳥・大悟とPOISON GIRL BAND・吉田による“Wだいご”による勝ち予想も行われました。

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「合わせて大喜利対決」では“日本一馬鹿な高校の時間割。国語、数学、あと何と何?”というお題に対して、なかなか答えられない阿部とネゴシックス。たまらず大悟が「そんなに悩む答えじゃなかったじゃろうが!」と喝を入れます。

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続く、「目隠しハイタッチ対決」では、阿部&ネゴシックス以上に空振りばかりのザ☆健康ボーイズ。ただただ時間だけが過ぎていきます。「こんなコーナー、よそでは観られない」(大悟)「観られるとすれば、児童館くらい」(吉田)と出演者もあきれるほどのぐだぐだっぷり。

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最後のコーナーも4枚のTシャツから乳首丸空きのTシャツを選んだチームが負けという、なんだか不思議な(?)内容。結果、阿部が選んでしまったのですが、「このTシャツもらってもいいんですかね? これはこれで、オシャレかなと。これ着て3人で飲みに行くのもええかなって」となぜか1人だけ、テンションの高い八木でした。

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【千鳥】【サバンナ】【八木真澄】【なかやまきんに君】【ザ☆健康ボーイズ】【POISON GIRL BAND】【ダイアン】【とろサーモン】【久保田和靖】【ネゴシックス】【中山功太】【ジャルジャル】

爆ハリ! MC:ジャルジャル(1/31)

千葉県・よしもとイオンモール幕張劇場では、月曜日担当のしずる、火曜日担当のパンサー、水曜日担当のジャングルポケット、木曜日担当のピース、金曜日担当のジャルジャルというノリにノっている人気若手5組が出演するライブ『爆ハリ!』を開催中です。こちらは月曜日から金曜日の17時より1時間、「幕張から世界へ! 次世代の笑いを配信!」をテーマに、視聴者参加型の相談コーナーやLINEを使っての大喜利など、さまざまな企画を行っています。

今回は、1月31日(金)に行われたジャルジャルの『爆ハリ!』の様子をお届けします!

まずはオープニングトーク。『理解不能者』というコントについて、「僕が力を抜いて、体ごと倒れるところがあるんですよ。そこでお互い笑かし合いしてるっていう話を、このライブの2回目のときやったかな? にしたんですけど」と切り出す福徳。ジャルジャルの代表的なコントということもあり、「100回以上やりまくってるから、マンネリを防ぐためにそうしている」(後藤)そうで、最初はつねり合いから始まり、お腹をぐーで殴ったりと、お客さんには見えないところでふざけているというのです。

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「でも、その話した次の日の浅草花月で、いよいよやったらあかんレベルのことやった!」と吠える福徳。膝蹴りをしたと主張するのですが、後藤は「そっちが新しいのやってきたやん」とひょうひょうと言ってのけます。さらに、「後藤がキャッチしてくれると信じて落ちてるのに、この前なんか地面にバチンと言った」と攻める福徳でしたが、それにも「やせてもらわないかん。重すぎるわ」と笑いながら返す後藤です。

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歯医者に通っているという後藤。待合室で流されていたMr.ビーンのコメディに、70歳近くのおばあちゃんが肩を揺らしながら笑っていたというエピソードを語ると、「むっちゃかわいいやん!」と福徳。「うん。それに、Mr.ビーンのストライクゾーン、すごいなと思った」と後藤も感心します。

福徳が小さい頃好きだった漫画は『浦安鉄筋家族』。「あれ、おもろいねんて。ハイセンス」と絶賛すると、「それやったら『ジャングルの王者ターちゃん』読んでほしいわ」と後藤。「真剣じゃないときのボケ数がすごい。まさに緊張と緩和やねん」とアピールしていました。

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『爆ハリ 金曜知事選政見放送』の配信が終わると、「リピーターはお気づきかと思いますけど、散髪しました」といきなり報告する後藤。「ハワイで散髪したら変なふうにされたから、何回か行ったかなっていう顔なじみの美容院へ行った」と話すと、福徳は「切ってるときは(美容師さんと)喋らへんの?」と質問。「この前、“後藤さんってあんまり喋らないんですね。喋らないし、本も読まないんですね”って、このタイミングで言うんか?っていうことを言われたけど、気持ち悪いんかなって」と首を傾げる後藤に、福徳は「美容師さんが来るまでは本を読むけど、来たら絶対(本を)置くし、ケータイもいじりたくない。切られている間、何してるのがいちばん正しいのかわからへん」と同調していました。結局、美容師さんと会話するのが得策だということで決着しました。

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絵が下手だという2人。「まあまあ描けるくらい。画力には納得してないよ。人は描けるけど、バイクとか車は描かれへん」と言う後藤にたいして、「俺はめっちゃ下手」と言いきる福徳。それならば画力対決をしようということに!
お客さんが提案したお題は「ふなっしー」。福徳は描きながら「うわー! わからん!」と叫びます。

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「あんだけ観てるのになぁ。どうなってたっけなぁ?」と後藤も困った様子でしたが、かなりいい感じの「ふなっしー」に! それを観た福徳は「できてないと言いながら似てる。結構できてるやん」と予防線を張った後藤に不服そう。そんな福徳の描いた「ふなっしー」はちょっと(?)微妙なできあがりに。「手ぇないやん! 色も分かれてへんし」とダメ出しする後藤に、福徳は「笑かそうとかじゃなくて、ほんまにわからへんねん!」とうろたえます。

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続いて「猫」を描いてみることに。ハンデを付けて15秒で描いた後藤ですが、先ほどの福徳の絵を観ているからか「罰ゲームどうする?」と余裕綽々。結果、想像とおり、福徳が罰ゲームを受けることになりました。

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エンディングでは「お友達を」(後藤)「本当にお願いします!」(福徳)「1人3人誘ってもらえば、1階の客席は埋まりますから」と呼びかける2人でした。

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●ライブ情報
爆ハリ!
<出演者>
月曜:しずる
火曜:パンサー
水曜:ジャングルポケット
木曜:ピース
金曜:ジャルジャル
<開演>17時(終演18時)
<会場>よしもとイオンモール幕張劇場
<チケット>前売1200円/当日1500円
チケットよしもと:http://yoshimoto.pia.jp


【ジャルジャル】

2014年2月12日 (水)

【ライブレポート】幕張にこのメンバーが集まったんだから面白くない訳がないライブ

2月10日(月)、よしもと幕張イオンモール劇場にて、夜ライブ「幕張にこのメンバーが集まったんだから面白くない訳がないライブ」が開催されました。

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出演したのはLLR、竹内健人、ジューシーズ、ライス、しずる、フルーツポンチの6組。よしもとの若手を代表する芸人たちが集結しました。客席は家族連れや高校生、仕事帰りらしいサラリーマンなど、多彩な顔ぶれ。イオンモール内という便利な立地もあってか、ショッピング帰りの方も多いようでした。

まずは竹内健人の進行でオープニング。「おわらいライブ初めての人手を挙げて」「幕張に初めてきた人手を挙げて」など、最初から客席を巻き込んで盛り上がります。

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ライブ第1部はネタ披露。まず登場したのはLLR。冒頭、福田が「僕たちテレビにほとんど出てないんで、今日見たお客さんはラッキーですよ。珍獣見れたようなものですから」と自虐ネタ。遠足なのにランドセルで学校に来てしまうなど「おっちょこちょいなヤツ」をテーマに漫才を繰り広げました。

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さらに2番手のフルーツポンチが「お芝居が教えてくれたこと」をテーマに、演技あるあるネタを展開。「コンプリート」の決めポーズで観客を盛り上げます。

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その後ライスの親子のキャッチボールをシチュエーションにしたコント、ジューシーズのトリオを組んだばかりという設定での3人の練習風景のコントと続き、会場のテンションも上昇。
そして最後はしずる。銃で撃たれても死なない男とその理由を知りたい男の不毛でナンセンスなやり取りで、しずるワールド全開。観客を引き込みました。

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続く第2部は、「買い取りものボケゲーム」。しずるの村上が司会になり、LLR、ライス、しずる・池田チームと竹内健人、ジューシーズ、フルーツポンチチームの二手に分かれ、ものボケで対戦しました。
お題となる品物は、ネギ、カブなどの食品から鉢植えや千葉ロッテマリーンズの旗、バッグ、謎のお面まで、どれもイオンモール幕張新都心内で実際に販売している商品。ウケなかったら自腹買い取りということで両チームが熱戦を繰り広げました。
結果は8ポイント対7ポイントで竹内チームの勝利。さらに果敢に勝負に挑んだものの撃沈も多かった池田が、合計金額約8,000円の商品を買い取るという結果になりました。


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そして第3部は「幕張合唱部を作ろう」。合唱部を作ってみんなで大会に出たい!というLLR・福田の呼びかけの下、なんと合唱部を結成することに。
初回となる今回は「ハナミズキ」を課題曲に、パート分けを行いました。指揮のライス・田所をはじめとしてパート分けされていく中、なぜかラップ(ジューシーズ・児玉)、ボイパ(LLR・伊藤)、さらには元合唱部員のヤンキー(しずる・池田)と、謎の配役も。
出来上がった幕張合唱部の「ハナミズキ」は武田鉄也のモノマネあり、ラップあり、客席からヤンキーの乱入ありと、まるでミュージカル。最後は客席を巻き込んでの大合唱になりました。
今後もライブの度に課題曲を設定し、練習を続けてコンクール出場を目指すという幕張合唱部。さらに「一人ひとりのキャラ設定やバックグラウンドもきちんと考えていきます。いずれは映画化を目指します!」と福田。目標は来年の沖縄国際映画祭とのこと。
よしもと幕張イオンモール劇場でしか見られない、この新しい挑戦。これからも目が離せません!

よしもと幕張イオンモール劇場では毎日お笑いライブを開催中。この劇場でしか見られないライブも多いです。最新のライブ情報は、よしもと幕張イオンモール劇場のHPをチェックしてみましょう!


よしもと幕張イオンモール劇場
http://www.yoshimoto.co.jp/makuhari/




【LLR】【竹内健人】【ジューシーズ】【ライス】【しずる】【フルーツポンチ】

第7回よしもとクリエイティブフォーラム(ゲスト講師:菊池武夫さん)

2月9日(土)、吉本興業東京本部にて、デザイナーの菊池武夫さんをゲスト講師に迎えた『第7回よしもとクリエイティブフォーラム』が行われました。

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『よしもとクリエイティブフォーラム』は、スタッフ&クリエイター養成所「よしもとクリエイティブカレッジ(YCC)」が2013年度4月から始めたカリキュラム(通年)で、島武実氏を主幹講師に、各界の一流クリエイターを月替わりゲスト講師として迎えており、これまでにエッセイスト・小説家の石田千さん、建築家の荒木信雄さんらが登壇。
今回のゲスト講師・菊池武夫さんも、YCCと芸人&タレント養成所「吉本総合芸能学院(NSC)」の在校生及び見学者を前に、『TAKEO KIKUCHI』などで世界的に知られる大御所デザイナーならではの含蓄ある授業を展開しました。

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授業は、YCC事務局スタッフの広瀬郁哉の進行により、受講生が質問し、菊池武夫さんが答える形式で進行されます。
最初の質問は「先生は多趣味で、いろんなことを経験されてそれをお仕事にされてますが、私も好きなことを仕事にしたくて、このYCCに入学しました。自分が好きなことを仕事にした方がいいですか?」という、エンタテインメント業界を目指す者にとって、普遍的とも言える悩みについて。
菊池さんは、「デザイナーになったのは、好きでなったというよりも、得意だったからというのも少しある」として、絵を描くために入ったものの、あまり勉強しなかったという大学時代について振り返ります。そして、百貨店に出す洋服をデザインしたことで、「これが仕事になれるのならなれるのかなっていう、ボヤーって何となく先が見えた。人と違うような考え方も出来るのかなと、自分独自の形が表現できるような」といった確信からデザイナーの道へ進んだとのこと。

やはり洋服、ファッション系の質問が集中し、「相方が女性で、奇抜というか人と違うファッションをやりたがるんですけど、個性的なファッションとヘンなファッションの境界線はどこですか?」という男性のNSC生の質問に、「難しいね」としながらも、文明開化や敗戦といった日本の歴史を踏まえて丁寧に説明する菊池さん。

さらに、漫才師の衣装について、かつては「すごい目立つ洋服着てたじゃないですか。ギラギラしてたり、ものすごい色のスーツを着てたり」とド派手だったのが、最近では「芸人でかっこいい方、結構多いよね。俳優の方よりも野暮ったくないし、ファッションで言うとわかっててオシャレしてる」と称えます。しかし、「かっこいいことが(お笑い芸人にとって)はたしていいのかどうか、わからない。イコールなんですか?」とNSC生に質問する一幕も。

また、その質問した男性は「かっちりしすぎないジャケットスタイルで、世に出ていきたい」とプランを語りますが、「やめた方がいいかなあ(笑)」と菊池さんに笑われます。

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見た目がシュッとしていて、そのせいで笑ってもらえないと嘆くNSC生には、「逆向けばいいんじゃない? かっこ悪く見えるように、でもかっこいいっていうね。そこまで洋服のことまで考えてみたら面白いかも」、さらには「楽器持った方がいい」といった意外性のあるアドバイスも!

ものづくりに関する質問では、「才能があるから出来るものなのか、才能がなくても毎日、続けることによって、いいものが出来るのか…」と訊かれ、「才能があるかないかって、自分でもわからないじゃないですか。でも、やりながら自分が才能あると信じることは出来ますよね」「自分がやってることを他と比較しながら、自分しか出来ないようなものと感じられれば、それは才能を見つけたみたいなところがあるんじゃないかな」と返答。菊池さん自身については、「信じてはいますよ。自分が才能あるというのは」と言い切ります。

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また、自分のやりたいことと求められているものとのギャップについて、反応がその場で返ってくるお笑いの世界は未知としながらも、「自分が信じてるものは、捨てなきゃいいんだよね」「相手の言うことのなかに、自分のやろうとしてることと何か共通観を見つけるという方法は、仕事の根底なのかも」と仕事観を伝授。
この話題を振られた島武実さんも同意し、「相手のニーズに合わせて自分を変えていくんだったら、自分のバックボーンがなくなり、自分ではなくなってってしまう。相手をうまい形で説得していく、わかってもらえる努力が必要」と、重みのある発言が出ました。

さらに、まだ100%の出来栄えじゃないのに、タイムリミットがあり、世に出さなければないことについては、「100%なんてない。100%がないからやってられるのがあると思うんですけど、いつも何か欠点を見つける癖が出てしまう」と、一流クリエイターの意外な素顔を垣間見せます。

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着想や感性といったクリエイティブに関する質問も多くあり、自分の目を養うため、極力歩くという菊池さん。「車も好きなんですけど、会社に行く時も歩くし、45%くらいは歩きます。その時に触れるなかに、いろんなものがあるわけですよ。いいものもあればそうじゃないものも。そうやって体で覚える」「画像で観たり知識として入ったとしても実感がないから、情報としては入ってるけど、ホントに言うと向き合ってない」と、実体験の重要性を訴えかけます。

その一方で、本や映画、絵などを見て感じることは、クリエイションする上で重要だとし、美術館の学芸員話を例に、「みんな同じものの見方しなきゃいけないわけじゃない」「自分が感じてる時が大事」と感性の極意に言及。
また、「僕らの仕事っていろんなところに適応するようなものを作りたいと思ってるから、遊びって重要なファクターだったんですよ」と、“遊び”の重要性も熱く語り、かつては朝まで飲み歩き、いろんな人に出会い、人間観察もしていたそうです。

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授業も終盤に入り、これからやりたいことをについて質問されると、「やれてなかったことかな」と菊池さん。
例えば、車のデザインがやりたくてもやれなかったらしく、「ちゃんと生産して人に乗って欲しい」そうで、さらに「作家にもなりたいと思ったことがあるので、小説もちゃんとしたやつを書きたい」と、今年75歳とは思えぬバイタリティを見せます。

最後に、受講生の共通項である“お笑い”について訊かれると、「継続することがものすごく大事」「でも成功してないと、継続できないんだよね」「大変なんだけど、ある面で言うと恵まれてるのかなと思うの。あれだけテレビがあって、発表する場がある」と、現状をしっかり把握している様子。

菊池さんは、「今ここにいる人たちの中で、何人かは残って欲しい。ガッチリ自分のものをつかまえて、仕事でキチンとしたものを作って欲しいなと思います。がんばってください」と受講生にエールを送り、拍手のなか教室をあとにしました。

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なお、現在YCCでは、本年4月入学の第8期生、第4次募集を受付中。
詳細は、公式サイト(http://ycc-yoshimoto.laff.jp/)でご確認ください。

八天改メ 七代目月亭文都 襲名披露公演 大千穐楽

2月8日、京都・祇園花月にて『八天改メ 七代目月亭文都 襲名披露公演 大千穐楽』が行われました。

2013年3月に七代目文都を襲名して以来、全国各地で襲名披露公演を行ってきましたが、この祇園花月で遂に大千穐楽。錚々たる顔ぶれで華やかに、メモリアルな高座を盛り上げました。

先陣を切ったのは月亭方正。113年ぶりに復活した文都という大名跡を紹介し、「大千穐楽」についてのうんちくを。舞台人にとって「秋」という字は忌み言葉であるため「穐」の字を使うとか。そこで「へ~」という声が会場から上がると、「僕から学ぶことなんてないと思ってたでしょ?」とどこか得意げです。そして面白かった仕事の話や、インフルエンザに罹患した話題で会場を沸かして、ネタ「看板のピン」を披露。おやっさんからアホの若者まで、登場人物を巧みに演じ分け、ぐっと引き込みました。

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お次は月亭八光が登場。高座に上がった途端、「お詫びと訂正を…」と神妙な面持ちです。聞けば、先ほど方正が語った「大千穐楽」のくだりにて、「大(だい)千穐楽」と発音した方正ですが、「だい」ではなく「おお」とのこと。「結果、方正さんから学ぶことはなかったということで…」とひと掴み。八光もマクラはインフルエンザ罹患の話題。実は八光が方正にうつしたそうで、病床から「うー…うつしたな!!」といううめき声から始まる電話があったそうです。そして自身のインフルエンザの顛末を語り、子どもの存在に癒されたというマクラから、ネタ「初天神」へ。口達者な一人息子“寅”と天神祭に出かける父親。親と子のやり取りを生き生きと演じました。

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そして師匠の月亭八方。外国人に人気の日本文化といえば…という話題から新作「AKO47」を口演。赤穂浪士の討ち入りを描きつつ、現代の芸能シーンにリンクさせた内容で大爆笑を何度も巻き起こす八方。ですが、クライマックスの討ち入りシーンでは、緊迫感漲る演出で会場を支配。はめものも効果的に、ぐっと会場の意識を集中させて、サゲでまたまた大爆笑。ギャグ盛りだくさんで楽しませました。

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続いては今藤政之祐さんが長唄「五条大橋」を披露され、風雅な雰囲気に包みこまれた祇園花月。普段とはまた異なる趣で、大名跡襲名に華を添えてくださいました。

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中トリは米朝一門の桂米團治さん。八光とは“落語家御曹司”という共通点があり、その悲喜こもごもを。また、2008年10月に五代目を襲名した米團治さんですが、「いまだに違う読みで呼ばれる」と襲名後のエピソードも。ネタは「掛け取り」、主人公が歌舞伎役者然として語る 場面では、「八天」や「文都」、そして「襲名」などの掛け言葉でおめでたい名調子を朗々と。祝祭感もたっぷり、さらに華やかな雰囲気となりました。

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中入りを挟んで、口上を。司会を方正が務め、八光、八方、今いくよ・くるよ、今藤さん、米團治さんがご挨拶、笑いっぱなしの口上となりました。襲名披露の口上では、襲名する者は終始頭を下げたままが常ですが、「知らない方もいらっしゃるので」と文都に頭を上げるように促す八方。ここで改めてご挨拶をさせていただきました。そして八方は、この大名跡の遍歴を語り、「復活することを祈っていました」と、念願かなったりであることに感謝しつつ、「どうぞこれからもご贔屓いただければ」と挨拶しました。

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八光は幼いころの思い出を交えながら、おしゃべりが大好きだという文都の人となりを紹介。八光が小学生の頃、文都に車を運転してもらっている時に、おしゃべりに夢中になり過ぎて前方の車に追突しかけたとか。急ブレーキを踏んだ文都、事なきを得たそうですが、後部座席に座っていた八光はそのはずみでフロントガラスに思いっきり頭をぶつけたそうです。その瞬間、文都が「お父さんに言うたらあかんで!!」。この日まで黙っていたとのことで、「男の約束を果たした」と胸を張る八光。慌てる文都の隣で「今、聞いたわ」と八方も目を丸くし、笑いを誘いました。

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今藤さんは、文都とのなれ初めを。そして「(文都は)月亭では珍しく形を重んじる方。かつ新作も手掛けられています。中村勘三郎さんが常々、“(古典の)形がある上で新作を作ることが型破りだ”とおっしゃっていました。文都さんにもぜひ、型を破る噺家になってほしいです」とのお言葉をかけられました。

今いくよはラジオ番組でのエピソードを交えながら、「文都さんは真面目で、研究、勉強熱心。市民寄席、区民寄席もコツコツ積み上げながら開かれています。チームワークのよい素敵な月亭一門の中で襲名されて、これからますます上を目指して、頑張ってください」とエールを送り、くるよも「以下同文!」と襲名を祝いました。

米團治さんはご挨拶の前に「“だい”千穐楽なのか、“おお”千穐楽なのか、どっちが正しいのかオヤジに聞きました。そもそも千穐楽に“大”はつけないそうです」とのこと。周囲から「なんや!!」という声が上がりました。そして月亭という亭号が復活した経緯をご紹介し、「文都という大名跡をさらに大きくするのは、お客様のお力添えがあってこそ」と、大阪締めによる手締めをお客様とともに行い、口上を締めました。

襲名披露公演、後半のゲストは今いくよ・くるよで漫才を。言葉遊びの連発に、いくよのギャグなど、大爆笑を何度も巻き起こし、文都の高座へとつなげました。

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そしていよいよ大トリ、文都の登場です。一年間、襲名披露公演を行ってきたこと振り返りながら、「疲れました。これがほんとの襲名疲労(披露)」と開口一番。時折、ダジャレを挟みながら、たっぷりのマクラで盛り上げました。そして「わけの分からん男が複数出てくる噺です。これからお話するおことに巻き込まれないように…」といざない、「粗忽長屋」を披露。そそっかしい、アホの男を軽妙に演じて笑いを誘いつつ、摩訶不思議な噺の世界へ惹きこみました。最後は「月亭文都、そして月亭一門を何卒よろしくお願します!」と訴えかけ、にぎにぎしく襲名披露公演を終えました。

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今後は「襲名記念落語会として各地を回っていきたい」と文都。「これからも初心を忘れずに…」とも決意する月亭文都をどうぞ応援してください!

月亭八方の動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/666/
今いくよ・くるよの動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/239/
月亭方正の動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/673/
月亭八光の動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/640/

【月亭文都】【月亭八方】【今いくよ・くるよ】【月亭方正】【月亭八光】

2014年2月 9日 (日)

烏川耕一のひょっとコメディー~我ら秘密捜査課~

1月31日、道頓堀ZAZAにて「烏川耕一のひょっとコメディー~我ら秘密捜査課~」が行われました。とある警察署の“秘密捜査課”に勤務する烏川扮するベテラン刑事のやまさんと、安井まさじ扮する中堅刑事のヤス、そして吉田裕扮する新人刑事の吉田という3人によるワンシチュエーションコメディー。吉本新喜劇とはまた異なる芝居公演に初めて挑んだ烏川ですが、ボケとツッコミの応酬激しく、またアッと驚く大どんでん返しもありの、終始笑いっぱなしの楽しい時間を作り上げました。

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ここは秘密捜査課。何のために集められ、どんな任務を授かるのか、誰も知らない謎の課。それだけに、やまさんもヤスも暇そうにしています。そこへ新人の吉田が配属されてきました。「どんな凶悪犯も自白させる脅しのやまさん」「不死身のヤス」と自らを名乗る先輩刑事たち。ちょっと怖そうな二人ですが「アレの時間」になると大はしゃぎ。「アレの時間」とは、勝手に署内放送をする時間のこと。好き放題に言いたいことを言うやまさんとヤスに、逐一ツッコむ吉田。そのうち、吉本新喜劇の座員の小ネタも飛び出し、様々な情報が署内に響き渡っていました。

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先輩風を吹かして吉田を振り回していた二人ですが、実は吉田が警視総監の息子と判明してからは態度が一変。吉田を恐れるようになりました。そうしてボケて振り回すことはなくなったものの、今度は妙な電話が次々と。住人の要望に応える山さんとヤス。時報もすれば、携帯電話会社のガイダンスもし、お客様相談窓口もするなど、どこか楽しそう。それを見た吉田が「僕も出たい」と懇願するのですが、新人には無理だと一蹴。そして吉田が鳴った電話に出ようとしても、1コールで切れるなどして出られません。実はヤスが自分の携帯電話からかけていたもので、ここでも先輩たちに振り回される吉田。また、一連の電話もすべて、暇つぶしのために考えられた、ただの遊びでした。

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新人をおちょくりながら暇つぶしをしていたのですが、ここへ来てやまさんがマル秘任務が入ったことを告げます。警察内部に潜むマフィアの内通者を探すという指令を受けた3人。キーワードは「星」。星に絡んだものを所持するヤスや吉田ですが、それらを見せ合っているうちに事件はだんだん迷路へ…。そして暇で仕方なかった秘密捜査課も急展開を見せ始めます。

実は吉田がある任務を背負ってこの課へ配属されていたことが舞台上では明白に。その任務を遂行するため、大金をちらつかせ二人を惑わす吉田。そして二人の目の届かないところで謎の組織にコンタクトを取り、プロジェクトが順調に進んでいると報告。何かを企んでいる様子です。

ですが、そんな吉田の策略もあっさり二人にばれてしまいます。何をしているのか自白を迫るやまさん。さすがは“脅しのやまさん”だけあって、ついに落とされた吉田は、一部始終を語り始めるのでした。物語はまさにクライマックス、ボケてはツッコミの繰り返しで笑いっぱなしだったのですが、ここでは3人とも迫真の演技で惹き込みます。笑い声が響いていた会場は一変、水を打ったような静けさに。息を飲む展開に、お客さんの意識も一つになって舞台に注がれていることが伝わります。

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そうして緊張がマックスになった時、やまさんが衝撃の一言を放ち、それまでの緊迫感がはじけ飛びました。お客さんからも「ええ~!?」という驚きの声が一斉に上がり、肩の力が一気に抜け、どっと笑い声が起こりました。

エンディングでは、「新喜劇とは違うお芝居なので、お客さんが戸惑ったりしないか心配だった」と烏川。この「ひょっとコメディー」を立ち上げた経緯を「3人ぐらいでやるお笑いができたらと思ったことと、若手が新喜劇よりもポジションを上げて、スキルアップできる場を作れたらと思って」と打ち明けました。また、前半で吉田や安井がセリフを噛んでいたことを鋭く指摘していました。

そして吉田は、「初めての経験でしたが、めちゃ楽しかったです」と満足げ。また、「普段の新喜劇だったら、何かあった時は誰かが助けてくれるけど、今回は3人だけだったので、重圧がありました。でも失敗もせずやれてよかったです」と無事、エンディングを迎えて安堵した様子でした。

予想外のオチが待っていたこのお芝居ですが、実は安井は稽古中にオチが分かっていなかったと暴露する烏川。それだけに、「オチの瞬間、お客さんが“うわ~”って言って、分かってはるんや~って思いました」と安井。そんな安井に烏川は「キャスティングをミスったと思いました。ネタばれしそうなタイミングが本番中にもあって…」と実は気が気じゃなかったことも明かしていました。

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この「ひょっとコメディー」、今後も第2弾、第3弾も続けていきたいと展望を語った烏川。次回上演の際にもぜひ、お越しくださいね!

なお、3月30日にはなんばグランド花月での「ひょっとこ感謝祭」が開催決定! こちらは新喜劇のメンバーたちも駆けつけるお祭りイベント。烏川の持ち味を存分に楽しめる時間になること間違いありません。ぜひお運びください!

烏川耕一のひょっとこ大感謝祭2014春

日時:2014年3月30日(日) 19:10開場 19:30開演
会場:大阪・なんばグランド花月
料金:前売3000円 当日3500円
出演者:烏川耕一、池乃めだか、未知やすえ、島田珠代、清水けんじ、すっちー、吉田裕、安井まさじ、松浦真也、酒井藍、他
チケットよしもと http://yoshimoto.pia.jp/

烏川耕一の動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/630/
安井まさじの動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/32483/

【烏川耕一】【安井まさじ】【吉田裕】