今年で14回目を迎える高校生の漫才コンテスト「ハイスクールマンザイ2016~H-1甲子園~」決勝大会が大阪・なんばグランド花月にて開催されました。「ハイスクールマンザイ」は、イオングループとよしもとがタッグを組んで、漫才に青春を懸ける高校生たちを応援する大会。過去13年で約7,500組、約15,000人もの高校生が出場し、北海道から沖縄まで、全国のイオンモール・イオンショッピングセンターの会場で高校生が「人を笑わせる」という貴重な体験をしてきました。最近ではパンサー・向井や横澤夏子など、ハイスクールマンザイ出身の芸人の活躍も目立ってます!
今年は初めてWEBエントリーを実施し、4月から募集した動画応募にのべ1,500名を超える高校生がエントリーしました。そして動画審査を勝ち抜いた出場者が全国6カ所で行われた地区決勝大会に出場し、勝ち上がった全8組が笑いの殿堂・なんばグランド花月に集結。MC担当のタカアンドトシとアシスタントの宮澤佐江さんが登場すると、全国各地から駆けつけたそれぞれの応援団から割れんばかりの歓声が! すさまじい熱気に包まれる中、全国から勝ち抜いた8組のファイナリストが舞台に並びました。
続いて審査員の紹介です。高校生たちへのアドバイスを求められたNON STYLE・石田は「今後のライバルになるかもしれないので差し控えたい」、井上は「クソガキどもがんばれよ!」とエールを送り、タカから「お前こそクソ人間じゃねえか!」とツッコまれていました。板尾創路は、「優勝するために必要なこと」を尋ねられ、「楽しんでやることではないでしょうか?」とアドバイスを。審査員長はオール阪神・巨人。「将来の夢を持ちながら、漫才をやってください!」とエールを送りました。応援席レポートは藤崎マーケット。大盛り上がりの客席から、応援団のみなさんの熱気を届けます。「ハイスクールマンザイ」のネタの持ち時間は3分。全組のネタが終わったところで審査に入り、優勝コンビが決定します。優勝コンビは、お笑い奨学金50万円とNSC入学金授業料免除が授与されます。昨年の優勝コンビは、今大会も出場しているパンケーキでした。はたして、今年の栄冠を手にするのはどのコンビなのでしょうか?
トップバッターは関東エリア地区代表、前大会覇者のパンケーキ!
矢島裕也さん(左/東京都立小平西高等学校3年)と、松尾裕人さん(右/東京都立小平西高等学校3年)からなるコンビです。滑舌が悪い松尾さんが「ラジオのパーソナリティができる」と言い張るのですがボケを連発し...。巨人は松尾さんに「去年より滑舌、悪くなってない?」と笑い、「滑舌が悪いから聞こう、聞こうとして引き込まれる」とも。矢島さんには「去年よりうまくなってる。トップバッターとしては良い出来だったと思います」と太鼓判。石田は「ふたりがマッチしてて、見やすかったです」と、トップバッターをやり遂げたふたりを称えました。
続いては、中国・四国エリア地区代表・センチメンタルジャーニー。
川中蓮さん(左/広島県立高陽東高等学校3年)、西村滉祐さん(右/広島県立高陽東高等学校2年)のコンビです。万引き犯と万引きGメンの、こっけいなやりとりが続く軽快なかけあい漫才。終わった後は「やりきりました」と全てを出し切った様子。阪神からは「ひとつずつのパートの声がはっきりしていてよかったです」とお褒めの言葉が。板尾も「確かに落ち着いていて、すごく聞きやすかったです。ちょっと硬さがあったのかな?という気もしました」と感想を。
3組目は近畿エリア地区代表・午前午後。浦田勇太さん(左/大阪府立茨木高等学校3年)と前田颯志さん(右/大阪府立茨木高等学校3年)からなるコンビです。クレーマーと店員という設定で、クレーマー、強盗のひとり2役でボケまくる前田さん。合わせるツッコミの浦田さんですが、予期せぬ展開が待っていました! 堂々のステージでしたが、「緊張しました」「足がガクガク震えた」と緊張していたそう。「舞台袖からこのふたり面白そうと思っていた」と巨人。「非常におもしろかった」と語り、とくに浦田のツッコミを「あんな自然なツッコミはなかなかできない」と絶賛。NON STYLE・井上は「いい意味で関西人ぽくない漫才で、ゆったりとした中でのスピード感がよかった」と感想を。
4組目は北海道・東北エリア地区代表、北海道からやってきたコンビ・ササタニ。佐々木翼さん(左/北海道石狩南高等学校2年)と谷保和也さん(右/北海道札幌あすかぜ高等学校2年)は、北海道・東北エリア初の優勝を目指します。幼なじみのふたりは、小学校の頃の思い出という遠足をふり返るのですが...? ネタ後、「人が多くて怖かった」と話した佐々木さんは、タカから「札幌だっていっぱいいるだろ!」とツッコまれていました。阪神は「お客さんの笑いが来たところでエンジンがフルスピードでかかった気がしました」と感想を。板尾は「出だしは外したけどよく持ち直してゴールしました」との言葉が。
5組目は東海・北陸・甲信越エリア地区代表・カリアゲモーターサイクル。
田村境祐さん(左/静岡県立新居高等学校3年)と、彫りの深い外国人顔、石川ケンジロさん(右/静岡県立湖西高等学校3年)のふたりがハイテンポ漫才で魅せます。「外国人イジリをやめてくれ」という石川さん。しかし、スペイン語をしゃべりまくるなどイジってほしがっているとしか思えないボケが炸裂! 巨人は「パワーもあって、練習したあとがすごく見えて僕は大好きです。でも練習やりすぎて、言葉がかぶっているところがあったかも」とのこと。NON STYLE・石田からは「もうプロの喋り方で、スピード感と躍動感があってお客さんもびっくりしたと思います」とも。
6組目は九州・沖縄エリア地区代表・たきたてごはん。
大柄な坪井太郎さん(左/福岡県立香椎高等学校3年)と伊藤実桜さん(右/福岡県立香椎高等学校3年)の男女コンビ。「こう見えてもダイエットをしている」と言いはる坪井さんにツッコミの伊藤さんが探りを入れると...? 阪神は「聞いてて、とても楽しかった」と安定感に太鼓判。伊藤さんの声を「すごくはっきりとしていて聞き取りやすかった」。板尾は「輪郭がはっきりとした漫才で、オリンピックの体操の得点でいうと技は高得点」との感想。
7組目は関東エリア地区代表・コンカラー。
佐藤涼太郎さん(左/青稜高等学校2年)、大西脩斗さん(右/関東国際高等学校2年)のコンビは弾丸のボケとツッコミが持ち味。「彼女が欲しい」という大西さん。女の子に告白する練習をするのですが、相手役の佐藤さんがボケ倒して...。巨人は「高校生らしいネタでした」としつつ、言葉の使い方についてアドバイス。阪神は「テンポがあってよかった」、板尾は「すごく可能性を感じた。もっと他のネタも見てみたいと思わせてくれるふたりでした」と興味しんしんでした。NON STYLE・石田は「理想的な盛り上がり。後半にどんどん盛り上がり、いい構成だと思いました」と感心していました。
いよいよ最後のコンビです! 近畿エリア地区代表・テトロドキシン。
福島和希さん(左/神戸市立科学技術高等学校3年)、東 稀一朗さん(右/神戸市立科学技術高等学校3年)は、正統派漫才で近畿エリア代表の意地を見せます。「親孝行がしたい」という東さんに、矢継ぎ早なボケで答える福島さんのテンポのよい漫才。巨人は「非常に喋りがスムーズ。全然緊張してないように見えました。非常によかった」と感心。阪神は「僕自体は彼らに高得点」とし、その理由を「これはハイスクール"マンザイ"です。彼らだけなんですよ、マイクの位置から動かなかったのは」と高評価。板尾は「確かに伝えようとする気持ちがすごく伝わってきた。マイクにも気を使いながら自分たちのおもしろいことをはっきり丁寧に伝えるんだというのがわかった」と感想を。そして「今回はすごい接戦になりそう。どうなるかわかりません」とも!NON STYLE・石田は「福島くんのベテランの風格で、堂々としていてよかった。東くんの喋り方と目線が絶妙にイライラする(笑)。僕ならイジってしまう」キャラに注目していました。井上は「東くんは『おれと同じ匂いがするな』と」と似たものを感じ取っていた様子でした。
巨人が思わず「何組はそのままプロで出てもいけそうな子がいる」とうなるほど、近年稀に見るハイレベルな戦いが繰り広げられた今大会。
審査結果が出るまで、ZAZY、おいでやす小田がネタを披露しました。
いよいよ結果発表です!
なんと、拮抗する実力溢れる熱戦に応えて今年から審査員特別賞と準優勝を新設。優勝の前に、この2組が発表されることとなりました。
審査員特別賞を受賞したのは、東海・北陸・甲信越エリア地区代表・カリアゲモーターサイクル! そして準優勝は関東エリア地区代表・コンカラーとなりました。2組とも優勝を狙っていただけに、「悔しいです」とも。まだ高校2年生のコンカラーは「来年は必ず獲ります!」と決意を新たにしていました。
そして優勝は、近畿エリア地区代表・午前午後!
近畿だけに、応援団が大勢いた客席からは「うぉー!」と大歓声があがり、たち上がって自分のように喜び、うれし涙を流す友だちも。賞状を読み上げる巨人の声がかき消されるほどでした。
巨人は改めて、「本当に差がなかった」とハイレベルな戦いだったことを語りました。そして「なんばグランド花月はプロでもなかなか立てない舞台。思い出でもいいし、プロとして漫才したいという気持ちでもいい。プロを目指すならがんばってもらいたいですね」と語りました。
大会直後に行われた囲み会見では、優勝コンビの午前午後、タカアンドトシ、オール阪神・巨人、板尾創路、NON STYLEが登壇しました。
優勝した午前午後は、大阪府立茨木高等学校3年生。ふたりとも野球部で、夏の全国高校野球選手権大会が終わり、野球部を引退した直後からネタの練習に取り組んだといいます。
浦田さんは、「練習しながら『このネタで大丈夫なんかな?』と不安になることもあったりして、コンビのコミュニケーションが取れなくなったりよくない状況の時もあったんですが、目標に向かって、一緒に最後までがんばって、結果がついてきてよかったです」と感想を。前田さんは「ネタの時間や演技力のことでダメ出しがあったり、壁にぶつかったこともあったけど、観客の応援のおかげで最高の結果に終われてよかった。うれしいです」と語りました。
今後のことを聞かれた際は、前田さんは「考え中です」、浦田さんは「できればこの世界で、もっと大きなタイトルを獲れたらなと思います」と意気込みを。巨人からは「大学に行きながらやったらいいねん」というアドバイスも。
MCのタカアンドトシも感想を。タカは、「今年は、優勝がどのコンビかというのがわからないほどの接戦で、稀に見るハイレベルな戦いでした。でも、納得できる結果になり、見ごたえのある大会になりました」とレベルの高さに驚いていた様子。トシは「技術をぬきにして、おもしろいと思った午前午後が優勝してよかったです」と語り、「僕らの高校時代とは比べものにならないぐらいレベルが高い」とも。すると、高校時代のタカアンドトシを見ていたという巨人から「君らもおもしろかったで!」とお褒めの言葉が! 思わず「ありがとうございます!」と感謝するタカアンドトシでした。
コンビ結成を持ちかけた浦田さんは、「将来はお笑いを考えていたし、優勝したらNSC入学金授業料が免除されるから、家族に負担なくできると思ったので」と出場した経緯を明かすと巨人から「親孝行や」、NON STYLE・井上からも「まっとうな理由です」との感想が。前田さんは、「実は2年生の頃にも誘われたんですが、野球の大会とかぶって出られなくて。僕はあまり深く考えてなかったんですけど、今年になって言われて『そんなことあったな』と思い出したぐらいなんですけど、『去年、約束したやん』と若干脅し(笑)みたいな感じで、了承せざるをえなくなって」と語り、記者陣を沸かせていました。また、野球部だったふたりは、浦田さんが背番号16番のセカンド、前田さんが背番号17番でサード。夏の全国高校野球選手権大会大阪予選では、7月22日に行われた3回戦で履正社に6回コールド負け。ネタ前の意気込みでも「高校野球では履正社にボコボコにされたけど、優勝するぞ!」と語っていたのでした。ちなみにコールド負けに対しては「完膚なきまでに負けたので、悔しさはなかったです」とふたり。野球からはきっぱりと足を洗うとも語っていました。
ひとまずは大学進学を考えているというふたり。将来はお笑いの道を目指しているという浦田さんの第一志望は神戸大学医学部。将来は「まだ考え中」と話す前田さんは京都大学工学部を目指しているそう。文武両道に加えて「日本一おもしろい高校生」の称号も手に入れたなると、将来は輝くばかりです!
また、巨人は午前午後を「緊張であがっていたと思うけど、応援団や友だちが会場にたくさん来てくれていたので、あがり度を抑えてくれたと思います」とし、「(昨年覇者の)パンケーキはトップバッターでしたけど、もし3番目、4番目やったら結果はわからんかったと思いますよ。それだけに、順番的にも午前午後はいいところを引いたのでは」と語りました。
【オール阪神・巨人】【板尾創路】【タカアンドトシ】【NON STYLE】