吉本新喜劇の酒井藍が、このたび女性初の吉本新喜劇座長に就任することが決まりました!
酒井藍は、2009年9月に吉本新喜劇「第3個目金の卵オーディション」合格後、新喜劇に入団。ぽっちゃりキャラを生かし、「ブーブー。ブーブー。私、人間ですねん」のギャグで一躍人気者に。近年では数々の公演でリーダーを務めており、今年1月のMBS『よしもと新喜劇スペシャル』では初の座長を担い、3月には『よしもと新喜劇映画 女子高生探偵あいちゃん』初主演。舞台やテレビなどで幅広い世代の心をつかんできました。関西での認知度は新喜劇内でも屈指であり、またその人柄から先輩や後輩からも慕われています。若干30歳で荒削りなところもありますが、今までにない新たな風を吹き込んでくれるとの期待を込め、吉本新喜劇58年の歴史で初の女性座長に任命されることになりました。
女性が新喜劇座長に就任するのは、1959年に『よしもとヴァラエティ』として始まって以来、初めてのこと!
皆さまへのお披露目は、7月26日(水)〜31日(月)、なんばグランド花月で開催される『酒井藍座長就任公演』となり、こちらで口上も行う予定です。
これを祝して、5月26日(金)、生國魂神社にて、吉本新喜劇座長酒井藍就任奉告祭がおこなわれ、ご祈祷しました。
その後、囲み会見が行われました。
酒井藍は「このたびはお集まりいただき、ありがとうございました。まだ座長になるという実感がわいていないのですが、新喜劇初の女性座長として、これまで先輩方が築き上げてくださった歴史を引き継げるようにしっかりがんばりたいと思います」とご挨拶。さらに「何よりうれしかったのは、(末成)由美姉さん、(若井)みどり姉さん、(浅香)あき恵姉さん、(未知)やすえ姉さん、そして近い先輩方や後輩のみんな、女性座員の皆さんが『やったー!』と喜んでくれたことです」と続けました。
また、5人の座長からのお祝いコメント(※)に対しても、「皆さんええこというてくれてました。胸に刺さりました」としみじみ。
本日の華やかな着物は大槻衣装さんが用意してくださったそうで、「これだけ大きな振袖があるのは大槻衣装さんぐらい。2パターン用意していただき、華やかな方を選びました。華のある座長になりたいです」とにっこり。7月26日(水)からの『酒井藍 座長就任公演』では、袴姿で口上を述べます。「ポスター撮影の時にこの袴を着させてもらい、身の引き締まる思いで緊張しました。すっちー座長の時、口上を生の舞台で拝見したんですが、あそこに座るんやと思うと想像がつかないです。たくさんの先輩や周りの皆さんに支えていただきながら、感謝の気持ちを忘れずに、座長になることをお客様やテレビの前の皆様に伝えられるようにしっかり務めたいと思います」と意気込みを。一方で、心配なこともあるようで、「口上は10分ほどあるんですが、夏休み公演で1週間毎日3、4回あるので、ヒザだけ爆発しないように。口上の前はしっかり柔軟して挑みたいです」とのこと。
座長就任の任命を受けたのは、5月10日になんばグランド花月で開催された酒井藍単独公演『しん・酒井藍・きげきっ・ドキッ!』の打ち上げ後のことだったとか。「ずっと、足元をコチョコチョされているようで、ずっとフワフワしている感じでした。まずはドッキリかとも思いましたし、正直、信じられませんでした」と率直な気持ちを。
記者から「予兆は感じていた?」との質問には「周りからも『がんばりや』と言われていましたし、自分でも『なれたらいいな』という気持ちはすごいありました。でも実際に『座長になってもらうで』と言われた時は、こめかみを殴られたぐらい衝撃がありました」とも。
最初に報告したのは、新喜劇座長の任命を受けた際、たまたま隣の部屋で打ち合わせしていたという小籔千豊。「そのときは周りにたくさん人がいたんで、『がんばりや。でも調子乗ったらあかんし、これで満足したらあかん』と言われました。でもふたりになった時に『本当におめでとう。今度、新地においしいお寿司食べに行こう』と言っていただきました。小籔さん、けっこうツンデレなんです」と語り、記者陣を沸かせていました。
女性座員の中で最初に伝えたのは森田まりこだったとか。「まりこ姉さんも、泣いてくれてました。(宇都宮)まき姉さんも泣いてましたし、あき恵姉さんもすごく泣いてくれて...。こんなに自分のために泣いてくれる人がいるんやなと思うと、私も泣けてきました」としみじみ。
両親には、新喜劇座長の任命を受けた直後に電話で報告したそうで、「両親は10時ぐらいには寝るんですが、電話したのが夜の12時ぐらいだったので、半分寝ていましたが『大丈夫か!?』とびっくりしていました」と笑顔で語りました。
初の女性座長ということに「いいのかなと思いますし、よりがんばらなあかんなと思います。パンツですけどふんどしをしめ直さないとあかんなと思いました」とし、「元気いっぱい、パワーいっぱいなのはもちろんのこと、お客さんも観ていて楽しい、やってる側もすごく楽しい、全員が楽しめる新喜劇を作っていきたいなと思います」と決意新たに語りました。
「これまで『◯◯長』になった経験は?」との質問には、「これまで長になったことはないんですよ。高校時代に柔道部に入ってたんですけど、部員6人しかいなくて、女が2人しかいなくて、副キャプテンはやったことあるんですけど」とのこと。
「恋愛面は遠のいちゃった?」との質問には、「いくたまさんは、日本初の結婚式場という場所でもあるので、もちろん座長がいちばんですけど、ちょっとだけそういう面でもあやかれたら(笑)」とし、さらに理想の恋人として「アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが一番好きで、日本人ではダイアン・西澤さんがいちばんかっこいいと思ってるんですけど、最近、心くすぐってくるのは山﨑賢人くんです。」と恋愛のご利益にちゃっかり便乗!? するお茶目な一面も垣間見せていました。
これから座長として新たなスタートを切る藍ちゃんを、これからも応援してくださいね!
※【現座長お祝いコメント】
<内場勝則>
酒井藍さん座長就任おめでとうございます。しかも女性初座長です。
みんなに愛されるキャラクターなので大丈夫だとは思いますが、今までの、一座員という訳にはいきません。
体重だけでは無く責任という物が重くのしかかって来ます。
プレッシャーで痩せる思いでしょうが新喜劇の横綱になって下さい。
そして我々には出来ない女性目線の楽しい吉本新喜劇期待してます!
<辻本茂雄>※辻のしんにょうは点一つです。
吉本新喜劇、初めての女性座長就任おめでとう!
色んなプレッシャーあると思いますが、そのプレッシャーに打ち勝って頑張って下さい!
酒井藍ワールドの新喜劇と座長になってからのパワーアップした乗りツッコミを楽しみにしてます!
<川畑泰史>
藍ちゃん!座長就任おめでとう!
初の女性座長!
めちゃカッコええ!
藍ちゃんは、凄い努力家で、全ての座員から愛されている、素晴らしいデブです!
健康面以外は何の問題もないと太鼓判を押させて頂きます!
新喜劇に女性旋風を巻き起こして下さいね!
皆様、藍ちゃんの新喜劇で大いに笑って癒されて下さいませ!
おめでとう!
<小籔千豊>
藍ちゃんが座長になるのは本当によかったです
藍ちゃんはおもしろいのはもちろんの事、気配り目配りが細やかにできる子なんです。
リーダーに必要な公正さもあります。
藍ちゃん新座長のおかげで益々新喜劇は勢いづくでしょう。
<すっちー>
「初の女性座長ということで、男性にはない女性ならではの感覚で新しい風を吉本新喜劇に吹き込んで、
吉本新喜劇を一緒に盛り上げていきましょう。なかなか大変な仕事なので、ガリガリになるかもしれません。
もし、ガリガリになったら座長ダイエットという本を出して下さい・・・。」
◼︎公演情報
『酒井藍 座長就任公演』
2017年7月26日(水)〜31日(月)
場所:なんばグランド花月
【酒井藍】
Amazonプライム・ビデオの新しい日本オリジナル・シリーズとして、バラエティ番組『今田×東野のカリギュラ』が、2017年6月9日(金)よりAmazonプライム・ビデオにて見放題独占配信されます。
本シリーズは毎週金曜日に1話更新での配信を予定しています。
Amazonプライム会員は、Amazonプライム・ビデオの無料アプリを利用してお手持ちのAndroid/iOS端末、Amazon Fire TV、Fire TV Stick、Fireタブレット、ゲーム機、スマートテレビにて視聴、またはダウンロードいただけるほか、オンライン(www.amazon.co.jp/primevideo)でも視聴が可能です。
"カリギュラ"とは"禁止されるほど試してみたくなる心理現象"のことで、本作は、今田耕司、東野幸治をMCに迎え、今の時勢では実現しづらくなってしまった企画を取り上げていくバラエティシリーズです。
未だ減らないオレオレ詐欺の被害に着目し、芸人たちの両親もそんなオレオレ詐欺のターゲットになるかもしれない、ということに警鐘を鳴らすドッキリ企画『うちの親は大丈夫!母ちゃんオレオレ詐欺選手権』、猟師が高齢化し減少、野生動物の生息数が増加する中で近年注目されている"狩猟"にMCでもある東野幸治氏が体当たりで挑む『東野、鹿を狩る』など、エンタメ視点で現代の社会問題にスポットライトをあてた様々な"カリギュラ"企画をお楽しみいただけます。
▼今田耕司コメント
今までにない、インパクトのある番組になるような気がします。
なかなか地上波では許可が下りなくて、やればおもしろそうなことをなんでもやっていきたいです。
セレブパーティーにも潜入してみたいです。
"Amazonプライム・ビデオで面白い番組をやっているな"と皆さんにご覧になっていただき、"地上波も負けられない"と相乗効果でテレビ全体が盛り上がればいいと思います。
▼東野幸治コメント
Amazonプライム・ビデオに参加できて感謝しています。
色々な企画があるなかで、自分がやりたいことを入れさせてもらっています。
(『東野、鹿を狩る』企画が楽しかったので)猪とか熊とか色々な生き物を食べ尽くしたい気持ちでいます。
地上波では規制があってできないことをできたり、なかなか会えない人と会える場にもなってほしいなと思っています。
▼Amazonプライム・ビデオ コンテンツ事業本部長
アジア・パシフィック リージョナルヘッド ジェームズ・ファレル氏
吉本興業と著名な司会者である今田耕司氏と再び番組制作ができることを、
また数々の番組でMCを務める東野幸治氏を迎えられることを大変嬉しく思っています。
斬新なお笑い番組としてご好評をいただいている『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』シリーズと同様、
この番組でも地上波ではまず見られない、動画配信ならではの企画をどんどん取り上げていきます。
ご期待ください。
【今田耕司】【東野幸治】
木登り中に落下して左鎖骨と肋骨9本を骨折し、休業していた間寛平が、5月26日(金)MBS「ちちんぷいぷい」で復帰します!
これに先立ち、5月25日(木)、復帰会見を行いました。会見場に姿をあらわすと、まずは「いろいろホンマにすいませんでした」と一礼。さらに「みんな、アホやと思ってるでしょ!」と笑いを誘いながらも「一回、あの世に行ってきました」と落下時の状況を説明。
事故が起きたのは4月30日。宝塚市で動画配信サービス「ツイキャス」で木登りの様子を生配信している時、寛平曰く、「ビルの3階の高さぐらい」から転落。「普段はハーネスをつけていたけど、慣れてきたのもあってその時は外していた」といい、「木がボキッと折れて、『やってもうた!』と思った瞬間からもう意識がない」と話しました。目の前が「真っ黒から真っ白に」なり、その後は痛みから意識を失うほど。また、肋骨が折れた衝撃で肺に血がたまり、ひと晩かけて肺の血を除去。「いつもは『血ぃ吸うたろか〜』いうてる僕が、肺にたまった血を吸われてました」と壮絶な状況だったことを明かしました。入院生活は15日間にわたり、入院中は、坂田利夫が毎日、朝9時から昼ごろまでお見舞いに来てくれたそう。また、明石家さんまもお見舞いに駆けつけ、「『来週、ゴルフやで』と言われた」と明かし、記者陣を沸かせていました。さらに寛平は「僕、木と喋れるんです」とも。実際、木から転落した日も、木に登る前に「登るで」と木に声をかけたといいます。すると木は「オレ、古いからヤバいで。やめとけ」と忠告してくれたにもかかわらず、木登りを敢行したため「木の言うことを聞いておけばよかった」と語りました。続けて「木には感謝している」と明かし、寛平が木から転落した際、他の幹が左半身に当たり、クッションの役割を果たしたことで命拾いしたそうです。「もし幹に当たらずにそのまま落ちてたら、首の骨が折れてたかもしれない。幹に助けられた。またお礼を言いに行きます」と木への感謝を語りました。
記者から「もう木登りはこりごり?」と尋ねられた際は、「気持ちとしてはまだまだ登りたいけど、嫁に怒られるから。でも、次からちゃんとハーネスをつけて登りたい」と木登りへの意欲は薄れていない様子。
まだ骨は繋がっていない状態で、話したり、歩いたりするのは大丈夫ですが、走るのはまだ無理だそうで、「お医者さんからマラソンは7月まではダメと言われている」とのこと。
最後に、復帰後初のギャグとして「かい〜の」風に「いたいの〜!」を披露。「本当に心配かけてすみませんでした。アホやな〜と思うでしょう? まだまだアホなことやらせてください!」と挨拶し、肋骨が9本折れたことにかけて"肋骨戦隊キュウレンジャー"のポーズを決めて復帰をアピールしました。
【間寛平】
5月11日(木)に、ピース・又吉直樹の小説第2弾『劇場』(新潮社刊)が発売されました。
本作は劇作家・永田と女子大生・沙希との恋愛模様、幼なじみと劇団を立ち上げて劇作家としての成功を夢見る永田の理想と現実の狭間で葛藤など、ものづくりを志す若者のリアルな姿が描かれています。
今回は、単行本発売に先駆けて行われた合同取材会でのインタビューを公開します。
* * * * *
――まず、今作で演劇を題材にした理由を教えてください。
「演劇が好きな表現のジャンルの1つだからですね。演劇以外の設定も考えてはみたんですけど、いちばんスッと入って来たということです」
――又吉さんは芸人さんですが、役者さんの相違点ってどんなところに感じましたか?
「劇団に所属している方や演劇をやっている方とお話ししたとき、演出や演じるということに対する意識は明らかに違うなと感じました。舞台に立ってお客さんの前で何かを表現するっていう共通点はありますけど、明らかな違いがあった。それを具体的に説明するのは難しいんですけど、演劇を題材にしたのは......例えば、主人公・永田と恋人・沙希の出会い方とか東京で何かしら夢を持っている人っていうことを考えたときに、自分がいちばん(物語へ)入っていけたいうか。楽をしたということじゃなく、演劇をつくる人達がどんなふうに世界や日常の風景を見ているのかを考えるのは楽しいやろうなと思ったんです。もしかしたら、格闘家とかでも面白かったかもしれない。サッカー選手も空間の把握の仕方とか特殊なものがあるので面白いんでしょうけど、そのとき書きたいと思ったのは劇作家という設定でした」
――今作の執筆にあたってのスタート地点は?
「東京で暮らす若い男女の関係性を書いたら何か見えてくるかな、っていうところがスタートですね。それに僕、コントを作るときはコンビなので、登場人物は2人で。むちゃくちゃ変な人がいて、それに対して全うな人が正していくという関係性というよりは、変な人に対して一見真っ当そうに見えるけど、実は変な人が出てくる。そういう変な人と変な人が関わっていくほうがいびつなかたちが出て来るんで、僕は好きなんです。『火花』では先輩後輩っていう関係性を描いて見えてきたものが結構ありましたし、恋愛というのも興味が......ふふふっ、興味があるっていうと自分が妖怪か何かみたいですけど(笑)。まぁ、一度じっくり考えてみたかったということです」
――実際書いてみて、男女の関係性について魅力を感じたところは?
「僕自身、結婚もしていませんし、恋愛っていうもの自体よくわかっていないというか、すごく難しいものだと思ってるんです。基本的に人は好きですし、女性を好きになることももちろんあるですけど......なんて言うんですかね? 人間と人間が出会って知り合って関係を深めていくっていう行程は、人によってバラバラじゃないですか。そういうことも含めて面白いなと思います」
――沙希は非常に優しいというか、永田を包んでくれる女性ですよね。全てを受け入れる女性というのは、太宰治が描く女性ともイメージできますが。
「あぁ......太宰の小説に出てくる女性はいろいろといるので一概には言えないんですけど、『ヴィヨンの妻』は支える女性が描かれてますよね。でも、『キリギリス』のように女性は反撃する短編もある。太宰の短編に出てくる男女の関係性って、男性のダサいところ全部気付いてんねんぞっていうところを意識して書いているものもあると思います。太宰がああいうふうに書いているから、自分はこう書こうとは考えてなかったですね。僕は設定から入ったというよりは、男女2人の日常的な暮らしを描いている中で仕事やコンプレックスに対して我がままだったり、自己中心的な部分があったりする主人公に対して、女性が正直にどう反応するかを想像して書いていっただけ。全てを受け入れる女性として描いた訳ではないですね」
――『火花』では神谷と恋人・真樹として男女の関係を描いていましたけれど、『劇場』では前作より女性に対しての意地悪な視点――例えば部屋のオシャレに関してなど――見えにくいところも描いていたと思います。そういうのは、前作で書き足りないと感じたから描いたということはありますか。
「『火花』を書く前に、この小説の冒頭50~60枚くらいを書いて編集の方に読んでもらっていたんです。なので、書き足りなかったというよりは『劇場』のイメージみたいなものが先にあったからこそ、『火花』でああいうかたちに出たのかもしれないです」
――執筆途中に『火花』を書き上げたということですけど、『劇場』を書きあぐねていたのはどういう点だったんでしょうか。
「結末を考えずに書いていたので、2人がどうなっていくのかというところで永田などの登場人物に対して大丈夫か? っていう不安なところが、僕の視点としてあったんですかね?......そもそも、書きあぐねてたんかな? とにかくいちばんパワーを使ったのは、その辺りかもしれません」
――主人公・永田は他者に対する妬み嫉みを持っている部分がありますが、その辺の表現で難しかったところはありますか。
「永田は、徹底的に他者を認めないっていう人間ではない。周りの能力の高さとか魅力とかに気付いているからこそ苦しんでいて、認めたくないっていう部分が強い人やと思うんです。そこに感情移入していくのは大変やったんですけど、想像するとなるほどなと思う部分もありました。書いている僕も若い頃、妬み嫉みを持ったときって一瞬あったと思うんです。けど、僕自身はどっちかと言うと見ないようにしていたというか。初めから負けるって決めてたほうが楽やな、みたいな。這いつくばってますっていうスタンスのほうが、例えばたまにラッキーなことがあったときもすごく得した気持ちになれる気がしていたんです。でも、永田は甘んじない。這いつくばってますっていうのはカッコ悪いと思っているし、勝ってますって思い続けるのもカッコ悪いと思っている。そういうスタンスって相当しんどいやろうなと思うんですけど、タイプ的には嫌いじゃない。問題点はいろいろとある人ですけど、いちばんしんどいやり方を選んでいるという部分で応援したくなりますよね」
――モデルになった人は身近にいるんですか?
「いないんですけど、例えば物語の冒頭、発射台というかたちは、自分の若い頃の感覚を頼りにしたところもありましたし、僕らくらいの世代の若い頃ってどんな感覚やったかなっていうのは多少ヒントにしたというか。まぁ......割と、僕の周りにはああいうタイプの人が多いんですよ(笑)。『永田はひどいヤツや。あそこまでのヤツは見たことない』とか言うてくる友達がいるんですけど、"お前、割とそうやけどな"って思ったりしてます。もちろん、僕にもそういう部分があるでしょうし、永田ってそこまで突飛な人物ではないと思いますね」
――同棲しているという状況において性的な描写は欠かすことができないものではないかと思うのですが、今作でそういう部分の描きが少ないことについてはどう考えていますか。
「性的なものを描くっていう方法もありますよねぇ。でも、描こうと思わなかったというか、描かんとこうとも思わなかったというか。自然とこうなって......あの、別に強がる訳じゃないんですけど、描くのが恥ずかしかったとかではないですよ?(笑)」
――(笑)。
「男女が性的な意味で結ばれるのも重要なポイントではあって、描いてあってもおかしくないですもんねぇ? うーん......もしかしたら、2人がお互いのことをよくわかっていないというところから段々と日常の会話の中で距離を縮めていくという中で、裏にある2人の繋がりを想像してもらえるようには描いたんかなとは思ってますけどね」
――芥川賞を受賞されてから2作目の小説となりますが、注目される分、執筆へのプレッシャーや難しさも当然あったんじゃないかなと思います。
「『火花』でいろんなご意見をいただいて、僕の耳に直接届くものは大体誉めてくださったものやったんですけど、その誉めてくださった感想の中に意図的にやったのかわからない部分がたくさんあった。で、僕の特性ではなく、たまたまよかった部分もあったのかなとか肯定的な意見の中にもぶつかるところがあったので、次作を書くときに誉められたことをもう1回全部やろうとか批判された部分を直そうとか、ついつい考えちゃって。『火花』を書く前に書いていた50~60枚の原稿は気に入ってたんですけど、(『火花』が世の中に出て)いろんな感想をもらってからその原稿に戻ったときに、いろんな人の視点が僕の中に入ってしまって世の中の人全員がわかるものを書こうとしてしまったんです。で、始まりの場面を変えてみたり、主人公の職業を変えてみたりといろいろと試して、もっとわかりやすく小説に入っていきやすいようにしたいと考えて3回くらい書き直しました。そうやって時間をかけて書きながら1年くらい経って段々と落ち着いてきたときに、当たり前のことに気付いた。そもそも、僕はみんなに好かれている人間じゃない。ごく一部の人が頑張れって応援してくれて今まで生きてきただけなんや。なんでお前が、みんなの要望に応えようとしてるねん。好きなことをやるっていう前提を忘れてるやん、と思ったら吹っ切れた。そこで、それまで書いたものを読み直したら、やっぱり最初に書いた60枚がよかった。わかりやすさは置いといて、体重乗ってるなと思ったので――もちろん細かい部分の表現は変更してますけど――最初に書いたものを採用して続きを書きました。僕みたいなもんは、自分のできることしかやれないっていう基本的なところに戻れたのがよかったですね」
――吹っ切れた時期は、『火花』を発表してから1年後くらいだった?
「1年くらいは怯えていて、"あ、これでいけるかも"と思ったのは昨年9月くらい。割とまとまった原稿が書けた時期があって、書いている時に少なくとも僕は疑いなく好きやなとかこの世界を描いていきたいなと思えていました。まぁ、厳密に言えば、今もビビってますけどね(笑)」
――前作も今作も、才能というものがテーマとして描かれていますが、又吉さんご自身、才能を題材として描き続けるのは何か理由があるんですか。
「今36歳で、芸人になろうと思って上京したのが18歳のときでした。養成所に入ったので、400~500人くらいの人達がみんな、自分に才能があると思って集まっている中で、僕は二面性みたいなものを持っていて、"いける"って思うときと"絶対ムリや"って思うときっていう2つの思いが当時からあったんですね。で、なぜ才能の話を書きたかったのかなというと年々、自分の可能性を信じる感覚みたいなものって薄れていくと思うんです。18歳くらいのとき、もっと言えば中学生の頃ある日、突然、スーパーパワーが宿って世界の悪と戦えるようになるんじゃないかとか、急に世界の格闘家が集う大会に出て優勝する日が来るんじゃないかとかって考えていた。もちろん、そんな日は訪れないんですけど、こうしたいって思うことが実際にできないっていう......現実の落差っていうんですかね? その距離間みたいなものが、そのまま苦しみに繋がっていったりするんじゃないですか。恋愛でも、この人と付き合いたいと思っているのに付き合えないのは苦しい。僕は子供の頃からモテへんとか怒られるとか考えやすくて、さっき話したように負けから入るっていう考え方をするところがあるんですけど、それでも若い頃は才能みたいなものへの希望をもう少し持っていたと思うんです。うちの相方(綾部)がニューヨークへ行きますけど、みんなどこかで"これは無理や"って緩やかに諦めるじゃないですか。綾部はそうしてないのがすごい。例えば、さっき話したように若い頃は希望と現実の落差でもっと苦しめたんですけど、歳を重ねるとそういうことって少なくなると思う。夢を持っている若者に「できることとできひんことがあるで」とか言うおじさんとか苦手なんですけど(笑)、こと自分のことになると無理やって自己判断してしまうときもある。そういう感覚を振り返れたり、感情が伴ったりするというところから、こういう題材を選んだように思います」
――才能はなくても人生を諦めることはないというか、希望はまだまだあるんだという気持ちもありますか。
「もちろんあります。自分の能力とどう向き合っていくかって、上手な人とすごく下手な人がいますよね。だから、才能があるかないかというよりは、自分の能力や性格をどう活かしていくか。それを考えたほうが、幸福に繋がっていきやすいのかもしれないですね」
【又吉直樹】【ピース】
コミュニケーションアプリ「LINE」におきまして、LINE公式スタンプ『ゆりやんレトリィバァ調子のっちゃってスタンプ』を、5月25日(木)より発売いたします。
『R-1ぐらんぷり』をはじめ、バラエティ番組などで大活躍中のゆりやんレトリィバァが扮するキャラクターやネタが満載のLINE公式スタンプとなっています。
「ちょーしのっちゃって」「落ち着いていきやー」「おおきにです、おおきにと申します、名前?」「涙涙涙」などお馴染みのギャグ、"アカデミー賞""ピアノの発表会""ゆり山マネージャー"などの人気ネタから、ゆりやんがLINEスタンプ用に考えたネタまで、取り揃えました。
さらに実写風のアニメーションにゆりやんらしいかわいい文字とボイスで、楽しく使っていただけるスタンプになっております。
― LINE公式スタンプ『ゆりやんレトリィバァ 調子のっちゃってスタンプ』商品概要 ―
【発売日】
2017年5月25日(木)
【コンテンツ概要】
1セット24種
【購入方法】
「LINE」アプリ内「スタンプショップ」、または「LINE STORE」から購入
[価格:240円(税込)または、100コイン]
「スタンプショップ」・「LINE STORE」にて"ゆりやんレトリィバァ"を検索
URL:https://line.me/S/sticker/8585
※iPhone/Android/PC
【ゆりやんレトリィバァ】
よしもと漫才劇場の芸歴8年目以上の所属芸人"極メンバー"が総出演する、初の「ネタバトル」が、2014年12月1日の劇場オープンから2年半もの歳月を経て、ついに実現される。
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公演は二部構成で行われ、審査は当日の観客(投票)と吉本の各部署の社員が審査員となり、その合計点で判定。順位は公演毎のエンディングにて発表されるが、第二部の終わりでは第一部も含めた総合ランキングの結果から、"その日イチバン面白いヤツ"が決定される。(これは順位予想するだけでもワクワクするではないか!)出場芸人の自慢のネタが一気に見られる"ベスト盤"ともいえる公演は、かなり贅沢といえるだろう。
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優先入場で価格もお得な「通し券」は、前売りのみで発売されるので、こちらも要チェック。ぜひとも、劇場で審査をしながら"歴史的な戦いの幕開け"の目撃者になろう。
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タイトル:「グランドバトル」
日時:6月8日(木) 第一部 開場17:15 開演17:30
第二部 開場19:45 開演20:00
会場:よしもと漫才劇場
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<第一部> MC:スマイル
青空/span!/クロスバー直撃/ジュリエッタ/タナからイケダ/トット/祇園/パーフェクト・ダブル・シュレッダー/デルマパンゲ/ハブシセン/吉田たち/ラビットラ/十手リンジン/ツートライブ/ニメートルズ/ロングコートダディ/黒帯/へべれけ/鱒之介/マルセイユ/おいでやす小田/中山女子短期大学/爆ノ介/虹
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<第二部> MC:スマイル
ヘッドライト/ガチャガチャ/ヒューマン中村/Dr.ハインリッヒ/ビーフケーキ/ミルクボーイ/アインシュタイン/ラフ次元/ジソンシン/てんしとあくま/ヘンダーソン/見取り図/コーンスターチ/ダブルアート/プリマ旦那/サンドロップ/セルライトスパ/大自然/パーティーパーティー/武者武者/モンスーン/守谷日和//シゲカズです/ジャンゴ
※「虹」と「ジャンゴ」は、UP TO YOU!サバイバルステージからの参戦。
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チケット:(第一部・第二部ともに)前売\1,800- 当日\2,000-
◇第一部・第二部の「通し券」\3,000-(前売りのみ)
【チケットよしもとにて発売中】 Yコード999020
※入場順は、通し券→公演毎の前売券→当日券の順となります。
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お問い合わせ:よしもと漫才劇場
http://www.yoshimoto.co.jp/manzaigekijyo/
ピンになってから初めての出演タクトOK!!と、神保町花月では常連のワラバランス、にねんよんくみ、パイソンズに加え、4月の「タカリ語り、リリ」で先輩として役を好演し、しっかりと後輩に背中を見せたかたつむりが出演。今回は各話でスパイスとして登場してくれます!
一度で3話分楽しめる今回のお話。是非、劇場までお越し下さい♪
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【タイトル】神保町花月第485回公演「動くな。」
【会場】神保町花月
【脚本】福田晶平
【演出】浅野泰徳(ジャングルベル・シアター)
【出演】タクトOK!!、ワラバランス、パイソンズ、にねんよんくみ/かたつむり
【あらすじ】男は私に言った。「動くな」とーー。 『動くな』という言葉から始まる、いくつかのお話。
【日程】
6月2日(金)...19:00開演
6月3日(土)...13:00開演/16:00開演
6月4日(日)...15:00開演
【チケット】前売:2000円/当日:2300円
【Yコード】 999-070
【かたつむり】【タクトOK!!】【ワラバランス】【パイソンズ】【にねんよんくみ】
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の庭園デザイナー・石原和幸が、5月23日~27日まで、イギリス・ロンドンの高級住宅街チェルシーのロイヤルホスピタルにて開催されます「王立園芸協会チェルシーフラワーショー2017」にて、【アーティザン(庭師)部門】ゴールドメダルを受賞致しました。
イギリスのロンドンで毎年5月に開催される「チェルシーフラワーショー」は、エリザベス女王が総裁を務める英国王立園芸協会(RHS)が主催の150年以上の歴史と権威のある国際ガーデンショーの最高峰となります。チケット入手困難なイベントで、毎年15万人もの入場者で盛り上がるフラワーショーです。
2004年に初出品してから今回で12度目の出場を果たし、2006年以降、計9個目6年連続となるゴールドメダルを受賞致しました。今年度の作品名は『Gosho No Niwa~No Wall ,No War~』(壁が無い庭は平和であることの証。)この世界が今後平和であって欲しいという石原の想いをこの庭で表現しました。
<本人コメント>
昨晩もイギリスでテロ事件がありました。
こんな時代だからこそ、『壁のない庭=平和』というコンセプトが評価されゴールドメダルを頂けたのだと思います。
これからも私の庭を通じて、花と緑で笑顔を世界に発信していきたいと思います。
<石原和幸(いしはらかずゆき)プロフィール>
[緑の空間デザイナー]
1958年生まれ。長崎県出身。22歳で生け花の本流『池坊』に入門。以来、花と緑に魅了され路上販売から店舗販売を経て、庭造りをスタート。
その後、苔を使った独自の世界観の庭が国際ガーデニングショーの最高峰である「英国チェルシーフラワーショー」で高く評価され、2016年まで前人未到の計8個(2017年で計9個)の金メダルを獲得し、ショーの総裁を務めるエリザベス女王から「あなたは緑の魔術師ね」との言葉をいただく。
日本の玄関口でもある羽田空港(第一ターミナルビル内)にチェルシーフラワーショーで金メダルを獲得した作品「花の楽園」を再現。
2015年からは渋谷区とともに渋谷の緑化事業の一環として渋谷ハチ公前庭園をプロデュース。
2016年JR大阪駅北側の再開発区域「うめきた2期」に花と庭園のオアシス「うめきたガーデン」をプロデュース。
日本国内のみならず、「世界を花と緑でいっぱいに」をスローガンとして活動中。