佐久間一行20周年DVD『佐久間一行SHOW2016~NOW~』発売&Twitter漫画『ふでばこ君』書籍化! 「ぜひ楽しんでください。つたわれ~」
昨年芸歴20周年を迎えた佐久間一行が、昨年8月に開催したオール新ネタの単独ライブ「佐久間一行 SHOW 2016『NOW』」と、「佐久間一行20周年記念公演『コントセレクション』」などのライブから厳選ネタを収録した2枚組DVDが、3月22日(水)発売。そして先日のライブで、今夏の単独ライブのテーマは「海外」と発表になりました。また、Twitterで連載していた漫画「ふでばこ君」が書籍化され、4月6日(木)発売。これらの見どころを本人に直撃しました。
――まずは、DVDに収録される20周年記念の単独ライブ「佐久間一行 SHOW 2016『NOW』」は、どんなライブでしたか?
20周年のベストではなく、20周年の今できる最新のことということで「NOW」というライブになりました。ルミネじゃなく、初めて外小屋の恵比寿ザ・ガーデンホールという劇場でやったんです。初めての劇場ということあって、今までの中で準備期間が長いライブでしたね。いつもは5ヶ月くらいなんですけど、2015年の年末恒例ライブで発表して2016年の8月開催なんで8ヶ月くらいかけました。
――会場を変えようと思ったのは?
ずっとルミネで単独をやってきて、ありがたいことに2014年からは3Daysでやらせてもらってるんですよ。2014年が初めての3Daysで、2015年は初めてジョイントという形で、ココリコの田中(直樹)さんとか、ロバートの秋山(竜次)とか、ピクニックやシューレス・ジョーとかゲストを呼んでコントをやって、自分の中で毎年ステップアップしてる感じなんですよ。じゃあ20周年何やるかってことで、ルミネで1週間くらいやんなきゃとかいろんなこと考えたんですけど、そういう増やし方は違うなと思って。ちょっとキャパを増やして、外の小屋でやってみたいと。
――DVDの特典映像にも収録されてましたが、準備のために何度も劇場に足を運んでらっしゃいましたよね。
やっぱりネタ書くときに劇場を考えながら書いたりもするんですよ。ここ幅があるなとか、実際に劇場を見てみないとわからないですから。だから何回も通ったんですが、特に意味なく「ここでやるんだよな~」と思って、ただ恵比寿に行くっていう日もありました(笑)。だから恵比寿に詳しくなりましたね。上品ですよね、特に恵比寿ザ・ガーデンホールの周りが。親とか親戚のおばちゃんたちもライブに来たんですけど、「何ここ、すごいキレイ」って気に入っちゃって。単独ライブよりも、ガーデンプレイスに心持ってかれてましたね。
――このライブの中でも、特に思いを込めたネタは?
最初の「一番楽しいところ」から最後の「階段」への流れですね。「階段」は、このライブのテーマでもあるんです。20段上っていくっていう。そういうテーマとか、この広さの劇場だからできる演出とか、そういういろんなところをひっくるめて好きですね。
――Disc2には、20年間の中から厳選ネタを披露したライブが収録されています。
夏の単独は「今」をテーマにやったんですけど、やっぱりコントセレクションもやった方がいいかなってことで。3月から沖縄から北海道まで各地を回って、夏に最新ネタをっていうテーマでやったんですよ。ベストっていうよりは好きなものを選んでやる「コントセレクション」ですね。夏にやった「何をやっているのかわからないが演出ですごいと思うしかないSHOW」ってネタがすごい気に入っちゃって、2ヶ月後にルミネでやった「コントセレクション」でもすぐやって、両方ともDVDにも入ってます。20周年のセレクションに、こんなにすぐ入っちゃうんだ⁉って(笑)。
――「コントセレクション」で昔のコントをやってみて、いかがでしたか?
なんでこんな風にやってんだろうとか、昔はバイオレンスだったなとか、ありますね。バキューンって撃たれて貫通しちゃって血がピューとか。自分的には漫画みたいな感じでやってるんですけど、酷いことしてるのも結構多かったですね。若さが出てたなと。
――ネタはアレンジせず、当時のままでやられたんですか?
ちょっとマイルドにしたところはありますけど、ほぼほぼ当時の感じでやってます。その方が面白いかなと思って。でも、当時の熱にはかなわないなと思いました。当時は、これが全力で面白いと思ってるからそのテンションでやってるんですけど、今は一歩引いて見ちゃってるんで、当時の自分をいじりながらやってるんですよ。「なんでこれやっちゃったんだよ」とか思いながら(笑)。もちろん今できる技術でわかりやすく、より伝わるようにやることはできるんですけど、当時の一生懸命さにはかなわないだろうなっていう印象です。下手だけど、また違った魅力があったんだろうな。
――DVDには、特典映像の選択画面でずっと見てると実は...など楽しい仕掛けもありますね。
今回のDVDはいつもよりシンプルな作りなんですけど、特典映像のところだけは遊びがあってもいいかなってことで。流しっぱにしてても面白いので、そこも見て欲しいですね。あとはDVDの中でも紹介してるんですけど、「自由な暮らし」のセットの中に美術さんが作った遊びがあるんです。そうやって美術さんにも楽しんでやっていただけてるっていうのがうれしいですよね。
――先日、夏の単独ライブについて発表がありましたが、今年のテーマは「海外」ですね。
一度も海外に行ったことがないので、5月くらいに海外に行って、今年の単独ライブはその国の名前をタイトルにしたライブをやろうと思ってるんです。よく海外にいくと価値観も変わるって言うじゃないですか。だから海外に行って価値観が変わった状態でネタを書いて、ライブをやろうと。
―― 一度も行ったことがないという未知の世界「海外」のイメージは?
めちゃくっちゃ怖いです。水を飲んじゃいけないとか、いろんなNGがありすぎて、もう怖くて。潔癖症だしなー。でも、そういうのも面白いなと思って。海外に行っていろいろ変わっても、嫌なものは嫌なままでも、どっちも面白いかなと。
――では、DVDを楽しみにしてくれているみなさんにメッセージを。
20周年の"これまで"と"今"がつまった2枚組なんで、ぜひ楽しんで見てください。そしてこれからもお楽しみに!ってことです。つたわれ~。
――Twitterで連載されていた漫画「ふでばこ君」が書籍化されますが、新たに追加したり描き直したところも?
ほぼほぼ全編描き直してますね。1話から441話まで描く間にどんどん絵がうまくなって、そしたら1話がすごい下手に見えちゃって。絵も違うし、わかりづらいところは追加のシーンも画いたし、多少セリフで補足も入っています。
――ご自身のお気に入りの展開は?
ふでばこ君たちのファスナーがとれちゃって、それを仲間の証にするっていうのが僕の中での最初のポイントでしたね。特に男性が好きなんじゃないかなと思うのは、もうダメだって思った時にはさみ鳥がバーッと飛んで助けにくるところ。あそこを早く描きたくて。そこが自分の中での序盤のピークポイントですね。描いていくうちに思い入れが高まってきたのは、たてなが君っていう細長い子。すごい失敗しちゃうんですけど、とにかく一生懸命で、みんなから好かれてる。それが好きです。
――渾身の1枚は?
クライマックスのはさみ鳥のシーンは、書きながら泣きそうになりましたね。2015年の1月から8月に描いてたんですけど、みんなが「次も楽しみにしてます」って言ってくれるから、どんどんノッてきちゃって。忙しくて描けなくても大丈夫なように、画ける時にまとめて描いて順番に出していくようにしてたんですけど、あまりに反応がいいとうれしくてすぐ更新しちゃって。「あーまたやっちゃったー」って自分の首を絞めるっていうのを繰り返してました。
――帯には芸人のみなさんからのコメントが掲載されますが、印象的なコメントは?
本当はもっと多くて、めちゃくちゃな数の芸人がコメントしてくれたんですけど全部書ききれなくて。みんなのコメントも自信になりましたね。
サバンナの高橋(茂雄)さんには「これめっちゃ面白いな。インスタグラムでもやった方がいい」って言われて、後からそっちでも全部公開しました。高橋さんとそこまで交流なかったのに、たまたまTwitterで流れてきたのを見たからって、そう言ってくれて。めちゃくちゃうれしかったですね。
ブックの装丁は名久井直子さんという方が担当してくださって。『情熱大陸』に出るくらい、この世界ではすごい人なんです。又吉の本も担当したことがあって、「名久井さんが担当するなら本買う」っていう人がいるくらい。そんな方がこれを担当してくれるなんて。今回の書籍化は、全てがありがたいことしかないですね。
【佐久間一行】