最新ニュースインタビューライブレポート

インタビュー

2018年12月29日 (土)

『KIMODORI』を発刊したレイザーラモン・RGへインタビュー!「オシャレと認識されていない芸人がスタイルブックを出すまでのサクセスストーリーが詰め込まれた1冊です」

12月14日にレイザーラモン・RGによる自身初のスタイルブック『KIMODORI』(リットーミュージック刊)が発売されました。

本著はRGが発明したスニーカー越しの自撮り"キモ撮り"の魅力を余すことなく詰め込んだスタイルブック。これまで自身のインスタグラムに投稿してきた"キモ撮り"の収録ほか、レクチャーやお気に入りのアイテムの紹介、ぁぃぁぃさんとOKAMOTO'S・オカモトレイジさんそれぞれとの対談なども掲載されている、スニーカー&ストリートファッション好きもちろん、流行に敏感な方、インスタグラムの魅力を知りたい方などに必読の1冊となっています。
よしもとニュースセンターでは、著者であるRGにインタビューを敢行。こだわり抜いた本について、のめり込んだスニーカーについてはもちろんのこと、趣味を究めることの素晴らしさなど、大いに語ってもらいました。

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(レイザーラモン・RG)

 *  *  *  *  *  *

――まず、できあがった本についての感想を聞かせてください。

「誰かに手に取ったときの紙質がオシャレって言われて、たしかに!と思いました(笑)。この手に取らないとわからないこのオシャレさを、まず実感してもらいたいですね。しかも、おっきめのウィンドブレーカーだとポケットに入っちゃうんですよ。ほら!」
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――身軽な人でも持ち運べる軽さと大きさ、いいですね!

「かさばらないっていうのはいいですよね。スタイルブックなので、いつでもどこでも気軽にパラパラとめくれるのも、いいところだなと思います」

――キモ撮りを始めたのは、どういう経緯からだったんですか。

「インスタグラムで、ひっそりとキモ撮りをやってたんですよ。そもそも僕はスティーブ・ジョブズのネタをやってるくせにAndroidのスマートフォンを使っているんですけど(笑)、3~4年前に使っていたISAIっていう機種が下にカメラが付いているタイプだったんです。その頃、又吉(ピース)がオシャレやとか言われて、なんとなくお笑い界にあった"芸人が服装を気にしてるのはイタい"っていう雰囲気が変わりつつあった時期で。後輩たちがWEARに私服をばんばん上げていて、僕もやりたかったんですけど当時Androidではできなかった。カメラは下に付いてるわ、WEARはできないわということで、自分のスマホでできる自撮りを開発していたら、いつの間には靴中心の撮り方になってキモ撮りができちゃったんですよね」

――偶然の産物だったんですね。

「そうですね。元々、世界で流行ってほしいなと思って始めた撮り方だったんですけど、オリエンタルラジオの(藤森)慎吾が真似してくれてちょっとだけバズっただけで流行ることはなかったんです。やから、その後はスニーカーを撮るときの1つのポーズとして時々、提案しているくらいでした。そうしたら、リットーミュージックさんが本を出しませんかと声をかけてくださって。え?と驚いていたら、指原(莉乃)さんが真似してくれて。さらに、『アメトーーク! 』の「スニーカー芸人」が放送で撮り方をレクチャーしたら盛り上がってきたんですよね。ほかにもドレッサー賞をいただいたり、スニーカー関連のお仕事もちょこちょこいただけるようになってきたのも大きかったかもしれないですね」

――スニーカーには元々、興味はあったんですか。

「好きでしたけど、集め始めたのは4年くらい前からです。当時、バイクの大型免許を取っていたとき、教官に『足首を守るために、できればブーツかハイカットのスニーカーを履いてください』って言われたんです。ブーツは重たいから嫌やったんで、ハイカットのスニーカーをいろいろと探してみたらエアジョーダンの復刻版を見つけて。あぁ、そんなに高くないんや。買えるんやなと思ったことをきっかけに集め始めました。バイクの免許を取りに行ったのも、RGツーリングクラブの活動でチュートリアルとかとツーリングしてたとき、僕が250ccのバイクに乗ってて、みんなのバイクを羨ましがってたらチュートリアルとかが『大型免許、取ったほうがいいよ』って背中を押してくれたから。で、教習所に行ったら教官からハイカットのスニーカーを勧められて、興味を持って。ちょうど僕についてたチャラいマネージャーがスニーカー好きでいろいろと教えてくれただけじゃなく、チョコレートプラネットの松尾、シソンヌ・長谷川とか詳しい後輩たちも周りにいたのでスニーカー同好会を作ってライブを始めたら、どんどん広がっていったんです。グループLINEが広まりだした頃やったんで、情報交換が頻繁にできるようになったのも大きかったですね。テクノロジーと人脈に恵まれて、スタイルブックを出すまでにたどり着きました!」

――わらしべ長者感、半端ないですね(笑)。

「まさに、わらしべ長者ですね。この本は、オシャレと認識されていない芸人がスタイルブックを出すまでのサクセスストーリーが詰め込まれた1冊です。もちろん毎日、インスタグラムに写真を上げて、それなりのお金を使ったからできたことでもありますけど、スタイルブックを出すまでのノウハウについては......今流行りのオンラインサロンでも始めて教えましょうかね(笑)。まぁ、元々興味があったんですけど、オシャレやと思われるにはスタイルの良さが必要やったり、全身買い揃えるとすごくお金がかかったりするじゃないですか。髪型にも気をつけないといけないですし。けど、スニーカーにこだわってるだけで、オシャレをしているように見えるんですよ。僕は坊主で美容院代0円、洋服もハイブランドはまったく着ていません。なんやったら3本のズボンを履き回してますが、スタイルブックが作れるくらいのバラエティ豊かな写真が撮れる。それは全て、スニーカーのおかげなんです」

――オシャレは足元からってよく言いますしね。

「そうなんです。しかも、足元が強調される撮り方をしているので、オシャレに気を配っている人だと思われがちなのも大きなポイントです」
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――では、今回の本でRGさんが特にこだわった点を教えていただけますか?

「写真を撮影する時点でめちゃくちゃこだわって撮っているのはもちろんなんですけど、スタイルブックを出すと決まった時にいろんなスタイルブックを集めて研究しました。だから、全てにこだわりましたし、スタイルブックあるあるが詰め込まれた1冊でもあります」

――ぁぃぁぃさん、OKAMOTO'S・オカモトレイジさんそれぞれとの対談も読み応えがありました。

「ぁぃぁぃは以前ラジオを一緒にやってたんですけど、すごくノリが合う子ですし、インスタグラムにすごく力を入れていると聞いたのでいろいろと聞いてみたかったんです。で、実際じっくりと話してみたら、インスタグラムに載せる写真1枚1枚に熱いものを持っている女の子だということがわかったので、今では先生と呼んでいます。レイジくんもインスタグラムに狂ってるくらい、バンバンと写真を上げていくという意味では、先生ですね。2人とも20歳くらい年下なんですけど、刺激をもらいたくて登場いただいたんですけど、インスタグラマーどころか、今後、表現者になりたい人は必ず読んでもらいたい対談になっています。僕、44歳ですけど、今回の対談中に何度も頭をぶん殴られるようなカルチャーショックを受けましたから」

――例えば、どういったところが衝撃的だったんですか。

「ぁぃぁぃだと、いつも街中の壁を探しているという言葉ですね。自分がどう映るかじゃなく、トータルでどう映るかを大事にしているからこそ、いい壁を探しているっていうのは衝撃的でした。彼女はインスタをパッと開いた時の、ホーム画面の統一感も大事にしているらしいです。レイジくんに関しては、"フレックス"っていう言葉。僕の細川たかしさん的な髪型を見て『すげぇフレックスっすね』って言い出して。最初どういう意味なのかわからなかったんですけど、"こいつ決まってるぜ"っていうような意味で使う言葉らしいです。レイジくんの"イケてるとかセンセーショナルじゃなくて、フレックスがハマることをしたい"っていうのは名言でした。あと、"かっこいいと思った時点で過去"っていう発言もすごくいい。常になんだろう、これって思われていたいっていう彼の考え方に、その通りだなと思いました。......さっき、取材をしてくれたライターさんが編集部にこの本を持っていったら、本当にかっこいいと思っているのかボケなのかわからないと言われたと話していて。レイジくんの言葉に準ずるなら、『KIMODORI』はすげぇフレックスな本なんだなと実感しました」

――なるほど。では、数多あるスニーカーから、RGさんが大事にしている購入ポイントは?

「かっこいいと思ったから買っているだけですね。店頭からなくなってしまって何度も悔しい思いをしたことがあるので、欲しいと思ったら買います。実は最近、スニーカーコンサルタントもやっていまして。なんかいいのない?って抽象的な言葉を投げかけられたとしたとき、3つくらいの提案した中から好きなタイプを教えてもらって、このタイプが好きなら今、店で売っているのはこのスニーカーですって伝えるというもので、次長課長・河本さんとか野性爆弾・くっきーさんには何度かリピートしてもらいました。スニーカーっていろんなカスタム方法があるんですよ。例えば、デザイン的に難しいものがあったとしたら、この子がいちばん映える履き方は一体なんなんだろうと考えて、洋服を変えたり、紐を変えたりしてバランスを見るんです。なんならサイズを大きくしたり、小さくしたりすることもあるんですよ」

――劇場の福袋とかで「RGさんにスニーカーを選んでもらう権利」とかあれば、興味を持ってくれるお客さまもいそうですね。

「あぁ、そういうことを何かしらのかたちでやれたらいいですね。その場合、この時期にこのお店ではこのスニーカーが必ず置いてありますっていう情報もお伝えできると思います。漁師が毎日、海を見て潮の流れを読んでいるように、僕も靴場を漁場として何が今あるか、常にチェックしてますから。新宿は劇場(ルミネtheよしもと)の近くに有力ショップがいくつかありますし、よしもと本社に来るまでにもいろいろとお店があるので遠目から"あぁ、あれあるな"とか常にチェックしてます」
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――RGさんって多趣味ですけど、好きになるとかなり深くのめり込むタイプですよね。

「これが好きって言うといろんな人がいいものを教えてくれるから、そうなっていくんやと思います。SNS、そしていろんな人にすぐ出会える東京にいる恩恵が大いにありますよね。......東京好きやわぁ!」

――(笑)。

「ははは! 人の気持ちに応えたいと強く思っているから、スニーカー業界やスニーカー好きな人が勧めてくれたものは取り入れたくなるというか。この業界に片足を突っ込んだからには、何か為になりたいっていう気持ちになっちゃうんですよね。......あと、芸人としての目標――例えば、『THE MANZAI』の決勝に行くとか『R-1ぐらんぷり』の決勝に行くとか――がひと段落したから、スニーカーとかの趣味により興味を持てるようになったのかもしれないです。やっぱり本業はちゃんとしたいというのがありますから、賞レースの決勝に出ることができたからこそ次の段階に進めたのかもしれないです。......かまいたち・山内もめちゃくちゃスニーカーが好きで、レアものをバンバン買ってるんですよ。普通なら本業をちゃんとしろってツッコまれそうなところですけど、かまいたちはどの賞レースでも勝ち残っているし、テレビに出たら爆笑を取っている。で、そういう趣味も充実させているからかっこいいんですよね。あとね、何か1つのハマるって大事なことなんじゃないかなって思うんですよ」

――趣味は、生活に潤いをもたらしますから。

「楽しいことが生活の中にあると、幸せ細胞が増えますからね。例えば、デスク作業の多い仕事をしているなら、ペンや椅子にこだわってもいい。眼鏡をかけているなら、いろんな眼鏡を買って毎日変えてもいいと思うんです。僕も続かなかった趣味は、いくつかありました。けど、スニーカーは毎日楽しめるし、毎日テンションを上げられるアイテムだから残ったんです。やから、みなさんも自分のテンションを上げられる何かを生活に取り込んでほしいですね」

――スニーカーに興味を持ってみたいなという人には、ぜひこの本を読んでもらいたいですよね。

「私、レアものは持ってないから恥ずかしくて好きだと言えないって思ってる人もいるかもしれないですけど、この本にはレアもの以外も載ってます。だから、自分がかっこいいなと思ったら買ってみてください。で、ピースサインをするくらいの気持ちでキモ撮りに挑戦してもらえると嬉しいです。自分でカッコつけて撮ると恥ずかしいですけど、『RGがやってるから今、みんなの中で流行ってるんですよ』って言えば挑戦できるじゃないですか。これから寒くなりますけど、パーカーとかウィンドブレーカーのポケットに入れて、持ち歩きながらスニーカーと一緒に楽しんでもらえたらいいなと思います」

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『KIMODORI』
著書:レイザーラモン RG
価格:1100円(税別)
リットーミュージック刊【レイザーラモン】【RG】

2018年12月26日 (水)

平成最後の年越しは2会場同時開催! 『もっともっとも~~~っとマンゲキカウントダウン2018→2019』チームリーダー6組インタビュー

よしもと漫才劇場メンバーが総出演するカウントダウンライブが『もっともっとも~~~っとマンゲキカウントダウン2018→2019』。
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よしもと漫才劇場とエディオンアリーナ大阪の2会場で同時開催されるこのイベント。漫才劇場では歌ウマ芸人が自慢の歌声を披露する『マンゲキ歌合戦』、エディオンアリーナ大阪では、アインシュタイン&見取り図の黒チーム、トット&プリマ旦那の白チーム、祇園&吉田たちの赤チームの3チームが、様々な競技で競い合う『マンゲキ大運動会inエディオンアリーナ』が行われます。運命のカウントダウンまで、残り時間はあとわずか。各チームのリーダーを務める6組に意気込みを聞いてみました。

--------チームのメンバーを見たときの印象を教えてください
アインシュタイン・稲田(以下稲田)「僕たちは黒チームは黒に合う、男臭い人が多いなって」
見取り図・盛山(以下盛山)「チームカラーに合ったね」
稲田「熱い戦いを見せられるんじゃないかなって思います」
盛山「運動能力だけで言ったら、黒チームは結構いいですよ」
アインシュタイン・河井(以下河井)「泥臭いメンバーやね」
盛山「パワー型ばっかり」
河井「ヒューマン(中村)さんもおるし」
盛山「ヒューマンさん、どこがよ!」
全員 笑
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--------白チームはいかがですか?
プリマ旦那・河野(以下河野)「白チームは女性が多いですね」
トット・桑原(以下桑原)「華やかな感じ、白い印象です」
トット・多田(以下多田)「男芸人もラニー(ラニーノーズ)とかヘンダーソンとか、爽やかな芸人が多いという印象ですね」
河井「タナからイケダとか」
盛山「いぶし銀もエエとこや!」
河野「真べぇ(ダブルアート)とかこじまラテ(なにわスワンキーズ)とかもいるので、バランスは取れてるかなと思いますね」
多田「運動会向きのいいバランスちゃうかな? のむちゃんは?」
プリマ旦那・野村(以下野村)「人生は夢っていう新しいトリオの圖子(ずし)って女の子と星霰(ほしあられ)が、ごっつヤバいです」
桑原「黒チームにミルクボーイ内海っていう角刈り先生がいるんですけど、ウチの白チームの丸亀じゃんごっていうのも角刈りなんです。この角刈りを確保できたっていうのが大きい」
盛山「...それなんかしらこない?」
全員 笑
桑原「もうな、最近緊張すんねん!」
全員 笑
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--------赤チームは?
吉田たち・ゆうへい(以下ゆうへい)「バランスは(他のチームの)間くらいなんじゃないですか?」
祇園・木﨑(以下木﨑)「これと言ってまとまりがない...」
吉田たち・こうへい(以下こうへい)「あまりしゃべったことない方が多いので、これを機に仲良くなりたいですね」
全員 笑
祇園・櫻井(以下櫻井)「そうですね、2019年はこのメンバーと仲良くなることを目標にいきたいですね」盛山「若手多いよね?」
河井「確かに」
ゆうへい「でも若手を補うくらい...ベテランも多い」
全員 笑
河井「青空さん、span!さんがグッと上げてはる」
櫻井「子育てでいつも帰りはるのに、この時間大丈夫かな〜」
ゆうへい「門野さん(パーフェクト・ダブル・シュレッダー)もいますし」
櫻井「門野さんが無茶苦茶実は...っていうね」
盛山「十手リンジンもおるし、アスリート多いな」
河井「それで言うたら黒チームはおらんなぁ...」
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--------それぞれどのチームが強そうですか?
河井「競技にもよるけど...平均していいのは白のような気がする」
こうへい「カウントダウンっていうので総合格闘技的なものがあれば、多分黒はめちゃくちゃ強い」
河井「赤は競技によって出すメンバーのセンス次第かな」
木﨑「田中ショータイム(フースーヤ)とか皆川(ネイビーズアフロ)とか、クセがすごい、曲者が多いんで」
桑原「黒は多分ふざけすぎて優勝はないと思います」
櫻井「黒、ちゃんとやらなさそう」
見取り図・リリー(以下リリー)「黒はちゃんとやりますよ」
桑原「変な動きしすぎて、エディオンアリーナでスベる...」
河井「前半ウケるけど中盤くらいから怪しい」
桑原「そう、濃すぎてヤバそうな」
野村「白はマルセイユ・別府とか美たんさん・光美とか武者武者・杉岡とか、ダンス経験でけっこう体力もある...」
全員 「あ〜(納得の様子)...杉岡!?(笑)」
櫻井「あ〜って言うてもうたから返して」

--------各チーム、期待している人は?
河井「黒は濱田がどこで出るかですよね、濱田祐太郎が光る競技があるのか」
リリー「僕はマジでポップマン・加藤ですね。アイツのこと、何も知らないんで、未知数なんでどんだけ伸びしろがあるか」
盛山「なんで急に立ち上がったん!?」
リリー「どうしても伝えたかった」
全員 笑

--------白チームは?
盛山「おらんでしょ!」
桑原「そうですね、やっぱ僕は...そうですね...」
全員 笑
桑原「ボケへんから! (Dr.)ハインリッヒの運動してるとこがみたいっていう」
全員 「あ〜」
盛山「運動してるとこ、見たことない」
河井「確かにな、楽屋か喫煙所でしか見ぃひん」
盛山「どんな女や!」
多田「僕、自転車立ちこぎしてるん見たことあるんですけど、わろてまいました」
河井「イメージなさすぎて」
野村「ウチはダブルアート・真べぇとなにわスワンキーズ・こじまラテと武者武者・杉岡っていう、けっこうガッチリ系が...」
全員 笑
櫻井「全部に当てはまらんよ!」
河井「どういう位置づけやねん、おまえのなかで!」
野村「パワー勝負になったら負けないと思います」

--------赤チームはどうですか?
こうへい「はっきり言って、誰が注目かというのは愚問ですね」
全員 「オーッ!」
こうへい「...熱いお茶のまつさかです」
全員 笑
櫻井「あいつが運動できへんって誰もみたことない、実はめちゃくちゃできるとか」
多田「チームメイト木﨑が、違うやろ!って言うてる」
木﨑「僕が代表して言いますわ」
全員「誰?」
木﨑「パーティーパーティー・平川」
全員 笑
ゆうへい「まあウチのツートップですね」
こうへい「あと木﨑さんです」
全員 笑
木﨑「やめてやめて!」
野村「木﨑さんは現役リトルリーグなんで」
木﨑「違うわ!」

--------チームで活躍できそうな競技、ジャンルは?
盛山「黒は完全に綱引きです。僕ら、とある番組で綱引きで対戦したことあるんですけど、大人数での綱引きのコツというのを掴んでるので」
河井「大人になってからみんなやってないもんな」
多田「白はリレーかな」
河井「白、リレー速そうやなぁ」
桑原「自衛隊子安とか」
こうへい「赤は、もし二人三脚とかあるんやったらまつさか(熱いお茶)と平川(パーティーパーティー)のペアで...」
全員 笑
河野「吉田たちでやって!」
多田「ハインリッヒ出すし、双子対決とか見たいでしょ」
河井「俺らもおらんかな、双子」
ゆうへい「確かにミキもおるし、チームワーク的には良さそうですね」

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--------では最後にひとりずつメッセージ、意気込みをお願いします
河井「漫才劇場所属の全組が集まるというのは、ほぼ初めてに近い、カウントダウンで良い年越しをみんなでできたらと思います」
稲田「ふざけそうだと言われてますが、笑い声の点数も一等賞取りたいなって思います」
全員 「ふざけてるな〜」(笑)
盛山「大きいとこで、大晦日に芸人たちと過ごすこと、なかなかないと思うんで、会場一体となって2019年迎えられたらなって」
リリー「漫才劇場で培ってきたすべてを、この運動会にぶつけようと思います。運動も笑いも一等賞取ります」
多田「白チームは、メンバーのバランスがいいと思います。運動系もしっかり取りに行くし、笑いもみんなでやるし。個人的には爆ノ介のおもしろ応援グッズとかあったら、楽しさが増すんじゃないかなと思ったりします」
桑原「そうですね、やっぱこのチーム...ここでこのチーム...(笑)」
全員 「めっちゃしらこい! くわこい!」(笑)
桑原「多田が吉本坂46なんで、この子がアイドルになれるんじゃないかっていうのが出てくるかもしれないなっていうのは見てると思います」
河野「こんだけたくさん芸人さんいるんですけど、野村は多分一番運動神経ないほうなんでケガが危ないっていうのと、僕も今年ターザンの占いで運勢最下位なので、最終日に...」
全員「いつまで言うてんねん、もうエエねん(ブーイング)」
河井「おまえ、SNSやめてくれ! 全芸人で一番おもんない!! 今日の幸せと不幸と嫁かるた、三本柱」
全員 笑
河野「不幸なことが起こらないようにしたいと思います!」
稲田「...俺、おまえのこと好きやから言うけどな...あれホンマにおもんない」
全員 爆笑
盛山「今日の不幸せ、値打ちコイて週一やからね」
こうへい「昨日、ボヘミアンラプソディ観に行ったんですけど、感動して映画館出たときに、でっかいポスターの前でめっちゃおもんない写真撮ってるなって思ったら河野が撮ってた」
全員 爆笑
河野「たまたま撮ってたんや、めちゃくちゃ恥ずかったわ!」
河井「だから河野はこれを機にSNSをやめます」
野村「2018年の漢字は"わざわい"と決まりましたが、ネガティブな言葉は本年に置いていき、白チーム息の合ったプレイで"わざあり"といったところを見せたいですね...」
全員「なんやそれ!」(爆笑)
河井「今の短い間にようショート落語作ったな!」
盛山「若手の意気込みちゃうやろ!」
櫻井「僕は個人的に今年大きなケガをしてしまって...。どこかが痛いとかあれば、僕調べたんで何々が切れてるな、とかわかるんで」
河井「もう一本切るかもしれん」
櫻井「櫻井のもう一本にも期待してください」
木﨑「僕はみんなのなかで断トツにちっちゃいので、エディオンアリーナを一番大きく使いたいなって」
全員 笑
盛山「そんなウマないっすよ」
稲田「がんばったな」
木﨑「はい、いやがんばったなってやめてえや!」
全員 笑
ゆうへい「祇園さんと同じチームということで、いっしょに引っ張っていこうと思ってるんですけど、どこかで絶対みんなライバルなので。僕は櫻井さんのアキレス腱を切ろうと思ってます」
櫻井「なんでやねん!もう1アキレスいかんて!」
こうへい「僕らチームリーダーなので、言うてみたら赤チームのエンペラーですから、熱いライブにして、パーティーパーティーな...」
全員「チーム全部入れていくんかい!」
こうへい「斜に噛んでいきたいです!」

--------ありがとうございました!
カウントダウンイベントでは様々な限定グッズやフードもご用意しております!
皆さま、年越しは是非マンゲキメンバーと過ごしましょう!

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大阪チャンネルpresentsもっともっとも~~~っとマンゲキカウントダウン2018⇒2019
~平成最後に漫才劇場史上最大規模の年越しイベント!マンゲキメンバー半端ないって!!!そだね~!~マンゲキ大運動会inエディオンアリーナ大阪
《日時》2018年12月31日(月) 19:00開場 20:00開演 24:30終了(予定)
《場所》エディオンアリーナ大阪
《チケット》前売り4500円・当日5000円
《出演者》トット、アインシュタイン、祇園、見取り図、吉田たち、プリマ旦那、他 よしもと漫才劇場メンバー総出演

2018年12月23日 (日)

『マシンガン大みそかマウス』を開催する天竺鼠・川原へインタビュー!!「やばいライブになりそうです!」

1231日(月)、大阪・サンケイホールブリーゼにて、天竺鼠・川原克己によるライブ『マシンガン大みそかマウス』が開催されます。

本ライブは、川原が大阪時代にスタートさせたトークライブ。"変な人を呼ぶ"をコンセプトにゲスト1人を招いて行われる本ライブは現在、『マシンガンマウスプラス』とタイトルを新たにして東京・ヨシモト∞ホールにて不定期開催中となっています。
そんな『マシンガンマウス』が、大みそかに大阪へ再上陸。スーパーマラドーナ・田中一彦、藤崎マーケット・田崎佑一、アキナ・山名文和をゲストに迎えて行われる今回のライブでは一体どんなことが起こるのでしょうか。

よしもとニュースセンターでは、主催者である川原にインタビューを敢行! 今年12月29日から東京・有楽町マルイにて開催される個展『天竺鼠 川原克己 Maenomeri展~みなさんの前のめりを卵とじにします~』、来年1月に発売される絵本『ららら』についても伺いました。

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(天竺鼠・川原克己)

 *  *  *  *  *  *


――早速、お話を伺えればと思いますが。

「あの、えーっと......なんのライブやろ?」

――大みそかに行う『マシンガン大みそかマウス』です。キャパが900強の会場でやるみたいですね。

「あぁ......すごくいっぱい......。えぇ......騙されたぁ......!」

――えっ!?

「その日、僕めっちゃ出るでしょ?(レイザーラモン)RGさんのあるあるカウントダウンライブの前に、僕のライブがあって、そのもう1つ前はアキナと藤崎マーケットと僕ら3組のライブなんです。で、『マシンガン~』が終わったら、たぶん僕は祇園花月のカウントダウンライブに出ることになってるはずなんですよね。..................騙されたぁ~! 会社が一生懸命、大阪までの新幹線のもとを取ろうとしてるー!」

――(笑)。

「ネタだけとかだったらいいんですけど、3組のライブっていうことはずっと出ずっぱりでしょ? そのあとやから、ファンの方には申し訳ないですけど『マシンガン~』の頃には疲れ切ってると思います」

――まだ2公演目なので、体力があると信じています。『マシンガンマウス』は大阪にいた頃からずっとやっていたライブで、東京に来られてからも定期的に開催されてるんですよね。

「そうですね。最初はゲストを1人だけ呼んで2人でトークしてたんですけど、そこからタイトルが『マシンガンマウスプラス』になって。東京での2回目からずーーーっと出てもらっているジャルジャル の後藤さんがほぼレギュラーみたいになってます。最初は2回連続、3回連続っていう悪ノリから始まって。後藤さんも『もうええって!』みたいな感じやったんですけど、そこからやめられなくなりまして、後藤さんのスケジュールがいける日にライブを入れてますね。だから、後藤さんなしでの『マシンガン~』は久しぶりです」

――大阪での開催自体、久しぶりなんですよね。

「ロフトプラスワン WESTで『ほろ酔いマシンガンマウスプラス』っていうのをやってましたけど、確かに久しぶりですね。山名とセルライトスパ・大須賀と、ゲストとしてヒガシ逢ウサカ・今井が来て、坊主4人で飲みながら喋って。で、僕の坊主がみんなより伸びてたんで、公開坊主にしようってなってバリカンを持ってきてもらって、お客さんの中からくじを引いて当たった1人に刈ってもらおうとしたら、ちょうど美容師の人に当たって」

――すごい偶然(笑)。

「川原さんの髪切りたかったんですって言われて、お互いが願ったり叶ったりで手際よく、きれいな坊主にしてもらいました。もっと恐る恐るみたいな感じになって、ぐちゃぐちゃになることも考えてたんですけど、きれいに......。ハートつくってって言うたら、きれいなハートにもしてくれましたね。そのライブ、夕方くらいからやってて22時くらいには終わる予定だったんです。けど、もうちょっとやろう、もうちょっとやろうって伸ばして結局、夜中の1~2時くらいまでやりました。今回ももしかしたら、長引いてカウントダウンをしちゃうかも。RGさんを待たせてしまうことになるかもしれないですね」
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――変な人をゲストに招くっていうのが、このライブのコンセプトなんですよね?

「基本、変な人と絡んで変な空気になって変な感じで終わるっていうのが、そもそものスタートで。普通にツッコミができはる人が来てくれたら、いっぱいツッコんでもらって、僕もいっぱいボケちゃって上手に終わるライブになるんでしょうけど、変な人を呼ぶと僕も自由にできないですからね」

――川原さんはそういう状況を楽しんでいるわけですね。今回のゲストは田中さん、田崎さん、山名さんですが。

「田崎はツッコミですけど、ボケもできる人なんで。田崎と山名は同期で、田崎はNSC大阪26期生の中でいちばんまともだと言われてたんですけど、実はいちばん頭がおかしいんですよ。前からロボット説があったくらいで、あいつはお客さんの前では上手に笑ってるから気づいてない人が多いと思うんですけど、腹の底から笑ってるのを見たことがない。目の奥が笑ってないところがあるなと、同期みんなでは話してたんです。そうしたら案の定、突然、結婚してましたって言い出して......。いや、彼女もいないって言ってたんですよ? 発表する前日にロケバスかなんかで、同期のかまいたち・濱家と話してたらしくて。田崎と濱家ってめちゃめちゃ仲よくて、プライベートのことでもなんでも今まで話し合ってきてたんですって。で、濱家が『どうなん、彼女は』って聞いたら『うん......おらんねんなぁ』みたいなことを言うてたのに、次の日、何年も付き合ってた彼女がいて結婚しましたって発表したんです。濱家は怖すぎて、2人で喋ってたときのあの嘘なんなん?って震え上がったらしいです。これ、しかもボケでやってるわけじゃないんですよ。濱家が『なんで言わんかったん?』って聞いたら、相手のことを考えてたからみたいな言い方をされたらしくて。奥さん、タレントさんなんかなっていう噂もあったんですけど、めちゃくちゃ一般の方やったんです」

――えぇ......かなり怖いですね。

「めちゃめちゃ怖いでしょ。未だになんで隠してたんかわかってないんで、サイコパスということで選ばせてもらいました。田中さんは本気でおかしい人ですからね。やばいライブになりそうです!」

――山名さんも変なんですか? 穏やかな方のように見えますが。

「あいつも上手にやってますけど本当は変なヤツなので、世には出てない変なところをバラしていきたいと思います。あいつが大阪に住んでるとき、寝てたらこれくらい(そら豆くらいの大きさ)の塊が1~2個、布団の中に落ちてて怖いって相談されて。ネズミが入り込んでんのかなって言うてたんですけど、いろいろと調べたら『俺の×××やってん』って。部屋まで行って、それを見せられました」

――(笑)。今回のライブでは、ゲスト3人それぞれとトークするんですか。

「まだ決めてないんですけど、今までの流れだと1人ずつ呼び込んで話して最後にみんなで喋ることになりそうです。あとは毎回、僕も含めてそれぞれがやりたいことをやるっていうコーナーをやってるんですけど、それはやろうかなと思ってます。やりたいことっていうのは僕と2人ででもいいですし、お客さんとでも1人ででもなんでもいいんです。普通の企画コーナーは散々やってきたし、お客さんも観てきたから、成功するかしないかはさておき、してみたいことをやってもらおうと思っていて。この前でいったら、後藤さんは自分が書いてきた歌詞のAメロをダイアン・西澤さん、Bメロを僕、サビの最初を西澤さん、最後を僕って別々にそれぞれメロディをつけて歌わせて、本番にそれを流してました。山名も田崎もそういうことはやったことがないと思うから楽しみですし、田中さんが何をするのかも楽しみです」

――お客さんが900人強入る、かなり大きな会場でやることについてはどうですか?

「おっきいっすね。......でもまぁ、無視感は出ますよね。900人がシーンってなる空気は結構、見どころではあるかもしれない。そう思うと、お客さんがたくさん来てくれるのが楽しみになりました」
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――あと、大みそかに行われるライブということで、今年を振り返ってもらいたいなと思います。どんな1年でしたか?

「そうかぁ、もう年末ですね。僕はまだ七夕気分が抜けてない状態だから、1年経つって言われてもピンとこないですね。まだ七夕が昨日のことのように思えて、織姫さんと彦星さんは会えたのかなぁとかまだそういう気持ちなんですよね」

――七夕......(絶句)。川原さんにとって重要な行事なんですね。

「まぁ、そうですね。七夕がどうしても忘れられない。みんな、よく頭からすぐ抜けられるなって思います」

――意外とロマンチストですよね?

「あははは! そうっすねぇ。みんな、願いごとは叶ったかなぁとかずっと考えてます。だから、(このライブを行う)31日までに七夕気分が抜けていたらいいですね。ファンの人は心配してくれてると思うんですよ、七夕気分が抜けてないなって。だから、なんとか31日に七夕気分を忘れて、年始を迎えたいと思います」

――川原さん、12月29日(土)から東京・有楽町マルイでの個展、さらに来年の1月に初めての絵本『ららら』の発売も控えてるんですよね。

「そうです、そうです。東京の人は『マシンガンおおみそかマウス』に来るより、ぜひ個展に来てください。そこでは今、新しく描いている絵を何点かと、広い空間を僕がプロデュースしていろいろとやらせてもらいます。あと、コントの被り物みたいなものが多いので、1日1つどれかを被って写真を撮れるようにしたり、豪華なゲストを招いてイベントもやる予定です」

――絵本は?

「いつか絵本を出したいなと思っていて、昔、ブログに書き溜めてたんです。それを基本としたもので、10何個の物語がある短編絵本になっています。これは物語がメインで、絵は物語に合わせた描いてますね。絵本っていうと子供が楽しむものになるかもしれないですけど、大人が楽しめる話もあるんで手に取ってもらえたら嬉しいですね」

――絵や文章を創作することが表現として楽しいと。

「はい、楽しいですね。今、個展に向けて油絵を描き始めたんですけど、面白いですよ。ムンク展とかフェルメール展とかゴッホ展とか日本に来ている(画家の展覧会)が全部行きましたけど、しっかりとした絵でボケてる人はいないじゃないですか。(野性爆弾の)くっきーさんとか上手ですし、(キングコングの)西野さんとかもきれいな絵を描かれますけど、しっかりとした色使いの絵でボケたいなと思ってるので、そういうものを今いっぱい考えています。絵は絵で興味があるんで、個展ではしっかりとした絵で笑えるものを出すつもりです」

――いろんな活動ができるのが、芸人さんのいいところでもありますもんね。

「そうですね。昔、絵本を出したいってなったとき、出版社の人に誰向けのものですかって聞かれて。子供向けなら子供向け、大人向けなら大人向けにしてもらいたいって言われて、じゃあいいですって話自体がなくなったんです。それとは違うかもしれないですけど、ジャンルのよくわからないものを今後いろいろと作っていきたいですね」
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【川原克己】【天竺鼠】

2018年12月22日 (土)

神保町花月今年最後の公演『愛ない逢いたい大晦日2018』に出演する冨田雄大、犬の心、コロウカン・川端、ぬるぬるオータカインタビュー!

12月28日(金)~12月31日(月)まで、東京・神保町花月今年最後の作品『愛ない逢いたい大晦日2018』が上演されます(※31日はカウントダウン特別公演)。

本作は脚本・冨田雄大(オコチャ)によるオリジナルストーリー。そば屋を営む夫妻の夫婦愛を中心に、店員や常連客たちの今年1年の人間模様を描いたハートフルな物語です。
ニュースセンターでは、冨田と元バンドマンの店主を演じる犬の心・押見、そば屋を訪れる劇団の座長役を務める犬の心・いけや、さらに、去年NSCを卒業したばかりのフレッシュなメンバー、劇団員役のコロウカン・川端とぬるぬるオータカに、演じるキャラクターや見どころについて尋ねました。
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(前列左より:犬の心・いけや賢二、押見泰憲/後列左よりぬるぬるオータカ、コロウカン・川端武志、冨田雄大)

 *  *  *  *  *  *  *

――まずは、この物語ができた経緯を教えてください。

冨田:年末のカウントダウン公演をやるということが先に決まっていて、じゃあとことんそっちに寄せようということで、大晦日をテーマにしました。年越しそばのイメージで舞台をそば屋にして、基本中の基本に行こうと。そこから考えて、うまくいった1年の人、そうでもなかった人、代わり映えしなかった人、全員含めて"1年間お疲れさまでした"という話を書こうと思いました。
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――キャストの皆さんは脚本を読まれていかがでしたか?

押見:僕は初日の本読みで涙が出ました。年齢なのか境遇なのかわからないですけど、涙が出たし、今でも稽古をしていて後半になると目が潤むので、本番までなんとかこの涙腺で行ってほしいなと思っていますね。
冨田:やりなれちゃうと困るからね。
いけや:僕はオコチャ作品もだし、神保町に出ること自体もすごく久しぶりなんです。楽しみにはしていたんですけど、台本を読んで「ああ、らしいな」と思いました。言葉の走りがオコチャ節だなっていうか。自分の役を見たら完全に気が狂った役だったので、まぁやりやすいなと思いました。
冨田:いけやさんの役が唯一のわかりやすいボケですね。
いけや:すごくいいですよね。スマートな感じでいられて、で、笑われるので。非常にやりやすいです。
川端:僕も1回目の読み合わせのときにめちゃめちゃ泣きそうになったんですけど、1年目で泣いちゃイカンと思って我慢しました。
冨田:泣いていいんだよー。
押見:いや、1年目は泣かないほうがいいな。
川端:終わったあと、押見さんが泣かれていたので「これは泣いてもよかったのかもしれない」とは思ったんですけど、よかったです。初めてこんな泣けるような作品をやれるので、すごく楽しみです。あと、僕は昨年までNSCに行っていたんですけど、いけやさんは授業でお世話になっていて。いけやさんが殺陣をつけた舞台にも立たせていただいたんですけど共演はなかったので、今回は一緒に出られることになってうれしいです。
ぬるぬるオータカ(以下、オータカ):僕は初めての本公演で不安だったんですけど、本読みさせていただいたときにめちゃくちゃいい話ですごく楽しみになって。僕もNSCのとき、(川端と)一緒の舞台に出たんですけど思いっきり動く役ではなかったので、今回いけやさんにかっこいい殺陣つけていただいてやるのがすごく楽しみです。
いけや:最後の卒業公演は、川端に主役をやらせてて。オータカはもうなんだか覚えてないですけど(笑)。
オータカ:俺は端役でしたから。

――キャラクターはある程度、アテ書きなんですか?

冨田:犬の心さんの役は、僕の中にいるおふたりに寄せて書いていましたね。そういう意味では限りなくアテ書きに近いかもしれないです。僕が笑っちゃうおふたりの部分をしっかり出したいなと。

――それもあって、押見さんはぐっとくるものがあったのかもしれませんね。

押見:より近いとあんまりよくないですよね、この役は。でもまぁオコチャの意図しているところとしてはわかりますね。カタギじゃない感じの仕事している人みんなに共通する何かがあって。わかるぞっていうことがありすぎて、それが涙の理由なんでしょうね。俺も女を泣かしてきましたからね。
川端&オータカ:ははははは!

――奥さんに迷惑かけてきたなとかいう思いでもあるんですか?

押見:奥さんにも迷惑かけてますし。だから、エライもん書いてくれたなっていうのがありますよね。今ちょうど奥さんと知り合って以来の一番大きいケンカをしている最中なので、タイミングとかも全部エグいんですよね。
冨田:おお......(笑)。
押見:この芝居、奥さんには見せられないです。
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――いけやさんはご自身と重なる部分というのは?

いけや:まぁ、でもあんな感じなんじゃないですか、俺って。かっこつけてヘンなこと言ってる、みたいな。
冨田:押見さんは困ってると面白くて、いけやさんは"そんなにかっこいいと困る"っていうぐらいかっこよくするとキマるんです。(いけや演じる)鬼ヶ島みたいな人って、わりといると思うんですよ。これをかなり薄めたような感じの人。
押見:口だけ番長みたいなね。

――川端さん、オータカさんの役の見せ所について、それぞれどう感じていらっしゃいますか?

川端:僕らの役はずっといけやさんについていってるんですけど、ひとつきっかけがあって、そこでいけやさんに対しての感じが変わるんですよね。
オータカ:そうですね。ガラッと一瞬変わるところがあって。途中まで従順だったのが変わるその瞬間は見てほしいです。
川端:あと、僕らは滑舌が大事なところがあるので、そこを頑張っていますね。
押見:難しいよな、言葉の羅列って。でも芸歴1年目は責任を感じてやっていると思うし、絶対覚えられるよ。これが5年目ぐらいになると適当にやりだすんだろうけどね。
川端:大先輩の皆さんと一緒なので、どちらかというと素直にうれしさで舞い上がっています。
オータカ:自分もそうですね。ずっと本公演に出たかったんですけど、NSCでも演技選抜には入っていなくてあんまりお芝居には自信がなくて。今回はオーディションみたいな形でこういう風に出演させていただくことになったので、うれしいです。稽古でも「うわ、すごいなぁ、こんな感じなんだ。がんばらなきゃ」って思ってます。
冨田:稽古が楽しいってとってもうれしい言葉ですね。15年ぐらいその言葉聞いてない。確かに1回目は初めてでうれしかったなって、その頃を思い出しました。
押見:ウソついているんじゃない?
川端:いやいやいや!
オータカ:なんでですか!
押見:稽古は稽古だからね。でもこういう1年目なんて、お笑いへの憧れが強くて1つひとつの仕事が楽しい時期なんだろうなぁとは思います。
いけや:教え子との共演っていうのは照れくさくはありますけど。殺陣の授業では基礎しか教えていないので、今回はバシバシっとちゃんと育てたいですね。
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――では、いけやさんと押見さんの見所は?

いけや:僕はやっぱり殺陣を見てほしいです。ふたりがついてこられる範囲でやろうかなと。手数少なく動けるようにやりたいなと思います。
冨田:殺陣の前のかっこいいセリフを見てほしいですね。
押見:いけやはオコチャ独特のセリフ回しがやりにくそうだけど。台本覚えにくいってよく言ってるよね。
いけや:うん、覚えにくい。
冨田:クセがあるみたいでね。でも、いけやさんは最後にバシッと決めてくれますから。観れば、きっと「フゥー!」っていう歓声を上げると思います。
押見:僕はこの劇場とずっと関わらせていただいていて泣くシーンもけっこうやってきましたけど、今回初めて本当の涙が流れるかもなって、自分に期待しているというか。稽古の段階では我慢しているので、本番で涙がポロリと流れたらいいなと思います。
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――冨田さんのオススメのシーンはどこでしょうか?

冨田:犬の心さんはじめ、うるとらブギーズさんとか工藤(史子)さんとか巧みな方たちと、1年目のフレッシュさの交わり具合っていうのが年末にふさわしいのかなと思います。あとは、押見さんが無駄な努力をするので......。

押見:今年2本、神保町で出ているのはどっちもオコチャの作品なんですけど、マジでその後何の役にも立たないような無駄な努力をさせるんですよ。前回はダンスで、三浦大知と欅坂46を踊って。一応、吉本坂46のオーディションがあったので踊ってみたんですけど、きっちり落とされました。今回も何かしらがある予定です。
冨田:その辺を観ていただければと思います。
押見:あと今回、工藤(史子)さんがいいですよね。もう10年以上のつきあいですけど、お互い老けたなと。でも、ちゃんと老けて、それがいい味になっているんですよ。
冨田:31日のカウントダウン公演は、その前日までとは違うわちゃわちゃバージョンになっているんです。すごくいいことを思いついていて、それができそうなのでぜひカウントダウン公演にも来ていただけたら。僕、今年40歳になったんですけど、40年の中で一番いいアイデアっていうぐらいのことができそうなんです。それをぜひ見届けてください。
押見:俺、41歳だけど、「これ最高だ!」と思ったやつがそうでもなかったりするから。だって自己新でしょ? 世間的な一番かどうかは知らないけどっていう。
冨田:そう、そうです。"40年の自己新だと思ってるものでさえ大したことないんだ"っていう感想を持ってもらってもいいですし。
押見:でも、今回の作品は本当にいいお話なので、ぜひたくさんの人に見てほしい。ただ、メンツがね、地味なんですよ。食べ物で例えると、色味は茶色いんだけど食ったらすごく旨いやつ。スクールゾーンがちょっとだけ色ついてるのかなと思ったんですけど......。
冨田:橋本は鮮やかだね。
押見:でも久しぶりに会ったら茶色くなっていました。明るい茶色と濃い茶色みたいな、それぐらいの違いです。でもおいしいです。茶色い食い物って旨いですからね。
冨田:おいしい。
押見:うるとらブギーズが一番茶色いかな。同期の中でも特に茶色いからね(稽古場にいたうるとらブギーズ・八木に「同期、誰?」と声をかけると「オリエンタルラジオです」と答える)。......ね、もうエライこっちゃでしょ?
冨田:ずっと這いつくばってきたすごさですよね。真っ茶色になっちゃった。

――(笑)。皆さん、いい味が出ているというっていうことですよね。

押見:いい味、いい味です、マジで。本当にいい味のお芝居なので、いろんな方に来ていただきたいです。
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【犬の心】【押見泰憲】【いけや賢二】【コロウカン】【川端武志】【ぬるぬるオータカ】【冨田雄大(オコチャ)】

2018年12月20日 (木)

「来年もひょっこりさせてください!」 書籍第二弾『もっとひょっこりはんをさがせ!』発売記念ひょっこりはんインタビュー

12月20日(木)に、書籍『もっとひょっこりはんをさがせ!』が宝島社より発売されました。


本作は、今年8月に出版された『ひょっこりはんをさがせ!』に続く第二弾で、日本各地の風景に溶け込んだひょっこりはんを見つけたり、ひょっこりはんを使った遊びがギッシリ詰まった一冊。


今回は、ひょっこりはん本人にインタビューを敢行し、本作へのこだわりに加え、年頭からブレイクをはたした1年を振り返ってもらいつつ、大御所との緊張の共演、同じサークル出身者の台頭、コンビ時代、さらには今後の展望など、たっぷり伺いました。

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    *   *   *   *   *   *


――『もっとひょっこりはんをさがせ!』の出版、おめでとうございます!


ありがとうございます!


――まず、8月に出版された第一弾『ひょっこりはんをさがせ!』の反響はいかがでしたか?


すごいよかったです。子供に渡したら喜んでくれたっていう話から、SNSでもみんなでワイワイ楽しんでいますといった声が聞けました。芸能人でも買ってくれた方がいて、辻希美さんがブログに載せてくれたり。そうやって家族で楽しんでくれているのは、うれしいですね。


――5刷で10万部突破というのは、部数的にもすごいですね。


ありがたいですね。


――その好評を受けて、12月20日に第二弾『もっとひょっこりはんをさがせ!』の出版となりました。出来栄えはいかがですか?


めちゃくちゃいいですね。一作目の改善点も含めて、もっとこうしたいと思ったことや、一作目で出来なかったかった案を入れて、より深みも出たと思います。絵の中に物語の要素があったり、47都道府県の名産が隠れていたり、ちょっとしたお勉強にもなりますよ。写真の中からひょっこりはんを探す『ひょっこりはんをさがせ!リアル』は、もともと自分のSNSでやっていて、『おはスタ』でも企画にしてもらいました。あとは、アルファベットからひょっこりしている『ABCからひょっこりはん!』では、無茶なポージングをしているんですけど、アルファベットの勉強をし始める子供にはいいですよね。コピーしてトイレに貼ったり、切ってカードにしてくれてもいいですし(笑)。


――お子さんのほうが見つけるのは早そうですね。


そうでもないんですよね。うちの母親やおばあちゃんは、めちゃくちゃ見つけるのが早かったです。身内やからわからへんけど(笑)。


――よく見ると、ザ・ビートルズのパロディー(『アビイ・ロード』のジャケット)とか、大人じゃないとわからないネタも。


普通に見たら、ただ4人の男が歩いているだけですよね。


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――いろんな要素が詰まっていて、幅広い方に楽しめそうですね。この1年を簡単に振り返っていただきたいのですが、ブレイクのきっかけは、やはり元旦放送の『おもしろ荘』(『ぐるナイ おもしろ荘 若手にチャンスを頂戴 今年も誰か売れてSP』)でしょうか?


それが全ての始まりかなと思います。1年前はブルゾンちえみが出ていて、毎年、誰かしら売れる芸人が出てくる流れのある番組ですよね。そこでインパクトを残せたのは大きかったです。放送直後からSNSでの反響が鳴り止まなくて、1月後半くらいからはバーっと仕事が入り、3月、4月くらいから休みがない状態が続いていますね。


――優勝したのは同期のレインボーさんでしたが、ブレイクしたのはひょっこりはんさんで、そのあたり、両者の間に気まずさみたいなことは生じていませんか?(笑)


僕は全然ないです(笑)。向こうはあるかなと思ったんですけど、芸風が違いすぎますよね。特に池田は、お笑いに対してストイックなんですけど、「ひょっこりはんが優勝なら素直に喜べる」って言ってくれて。でも、レインボーが優勝でよかったです。2組ともおいしいですし、僕は優勝するタイプではないと思うので。


――レインボーさんの「キレイだ」っていうキラーフレーズをひょっこりはんさんが、ものすごい勢いで上回った形でしたね。


コントのワンフレーズとキャラクターという違いはあるかもしれないですね。レインボーも仕事は広がっていますし、知ってもらうきっかけは大事だなって思います。


――確かに人気番組でインパクトを残したり、大きなコンテストで結果を残すのも、知ってもらうきっかけですからね。今年、一番大きかった仕事といえば?


全部、大きかったんですけど、なんでしょうねえ...。


――例えば、お笑いBIG3には、お三方ともお会いしましたか?


(明石家)さんまさんはお会いしていますけど、ビートたけしさん、タモリさんはまだお会い出来ていないです。さんまさんは衝撃的でしたね。『(さんまのお笑い)向上委員会』では、緊張でずっと震えていました(笑)。また、千原ジュニアさんや雨上がり決死隊さんがいる前でネタをやるっていう怖さもありますよね。


――緊張感が伝わってきます。他に大御所の方との共演というのは?


『ダウンタウンDX』で、アッコ(和田アキ子)さんからひょっこりしたり...その時もドキドキでした。乃木坂46とか若い子と共演するのはなんともないんですよ。ノリもいいし、動けるから、ちゃんとひょっこりはんが出来るんですけど、林家木久扇師匠とか、すごい難しかったです(笑)。まず、音に合わせて動くのが難しいですし、わかりやすくやって、ウケなきゃならないですからね。


――いずれは『徹子の部屋』で、黒柳徹子さんともひょっこりしてほしいですね。


一緒にひょっこりしたり、「面白いですね」って軽くあしなわれたり(笑)。呼んでいただけますかね?


――わからないですけど、見てみたいです(笑)。バラエティー以外に、ドラマにも出演されました。


結構評判が良くて、声のお仕事もしたんですが、結構特徴的な声らしくて、みんなマネしてくれるので、声とか演技のお仕事とか、そういう広げ方も出来たらいいですね。

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――この1、2年で言えば、にゃんこスターのアンゴラ村長さんやハナコの岡部さんなど、ひょっこりはんさんと同じ早稲田大学サークル『お笑い工房LUDO』出身の芸人が台頭著しいのも、トピックではないでしょうか。


すごいですよね。僕が入った当時は、10人、20人しかいなくて、『スマブラ』ばっかりして、呑みに行っても烏龍茶しか飲まないような、そういう暗い面白さがある(笑)サークルだったんですけど、僕が3年か4年の時、(『平成30年度 NHK新人お笑い大賞』優勝の)Gパンパンダとかバーっと人が入ってきて、雰囲気とかがガラッと変わったんです。すごい盛り上がり始めて。そこがごっそり芸人を目指して、今、結果が出始めている感じですね。


――どちらかというと自由な風潮のサークルなんですか?


そうですね。かぶってはいませんが、後輩のアンゴラ村長とかカニササレアヤコとか、自由で面白いですよね。最初からお笑いを目指して、プロの世界に入ると、固くなっちゃうと思うんですよ。僕も、固くなりましたから。サークルではその自由な時間というか、面白いと思っているものをストレートに表現出来るんですね。そのあたりを大学時代に得たのは大きかったかなあと。


――ひょっこりはんさん自身、コンビ時代を経て、ピンになり、大学生時代の芸風に戻った感じですか?


確かに僕がピンになる時、大学時代を振り返りましたね。何をしてもよかった学生の時期に、何を面白いと思っていたのか...とか考えました。本能で動いていた時期を。


――『有吉ジャポン』では、元相方で構成作家の南部さんからメッセージが届いていましたけど、その後、連絡を取ったりは?


いや、何もないです(笑)。オンエア上は、数行だったんですけど、実はA4で2枚くらいの手紙をもらっていて、まだ読めてないんですよ(笑)。コンビって難しいですよね。でも、僕がこうなるには、必要な過程ではあったし、お笑いのことをいろいろ教えてもらったので、感謝しています。


――今後のお話もお聞きしたいのですが、まず『R-1ぐらんぷり2019』へはエントリーされますか?


今年は出ないですね。去年は、『おもしろ荘』のあとに予選へ出たんですが、1回戦敗退でした(笑)。そもそも比べるような芸風でもないし、コンテストというよりは、自分のペースでひょっこりはんを広げていこうと思っています。


――それからこの季節、屋外会場でのイベントなどは、寒くないですか? 細身ですし。


寒いっすね(笑)。営業は10分とかなので、まだいいですけど、外でのロケが怖い(笑)。ずっとこの衣装で外を歩いて、まわりも「大丈夫ですか?」って、気を遣ってくれるんですよ。それも申し訳なくて。


――裸芸人、薄着芸人が雪まつりへ出演するのも、ひとつの流れとなっていますが(笑)。


面白いとは思いますけどね(笑)。とにかく明るい安村さんに聞いたら、スタンバイしている時、ベンチコートを着ていても「着ていないと一緒だ」って言ってました。今のところ、オファーが来てるかどうかわからないですけど、「北海道」っていう案件がチラホラあって、怯えています(笑)。

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――要注目ですね(笑)。最後に読者へのメッセージをお願いします。


はい。『もっとひょっこりはんをさがせ!』には、シールがついていて、前作の『ひょっこりはんをさがせ!』にも貼れて、オリジナル問題のコンテストもやっています。甥っ子、姪っ子へのプレゼントにもいいと思いますよ。あと、子供たちがこんなに「ひょっこり」してくれているので、いろんなイベントをやったり、地方や海外にも行って、もっとひょっこりはんを伝えていきたいです。ぜひ、来年もひょっこりさせてください!(笑)


【ひょっこりはん】

2018年12月19日 (水)

いよいよ開幕! 2丁拳銃の100分間ノンストップ漫才単独ライブ『百式2018』開催記念 2丁拳銃インタビュー 

今年で芸歴25周年を迎える2丁拳銃が、12月21日(金)の名古屋公演を皮切りに、全国3都市で単独ライブ『百式2018』を開催します。

センターマイク1本を前に、100分間ノンストップでひたすら漫才をする驚異のライブとして好評を博してきた2丁拳銃の『百式』。今年で芸歴25周年を迎え、ますます磨かれ、円熟味を増した他の追随を許さない彼らの至極の漫才は必見です!

今回のインタビューでは、そんな彼らに、『百式2018』への意気込みはもちろん、これまでの25年を振り返ってもらいました。

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ーー芸歴25周年の記念の年に開催される今回の『百式2018』は、これまでのベスト盤的な内容ではなく、オール新ネタで行われるそうですが。

小堀裕之(以下、小堀) そうなんです。それに、今年は改めてコントにも挑戦したんですけど、コントのことを考えてる中で「これ、漫才でいけるな」みたいな思いになったりもしたので、漫才にもちょっとコントの血が入るのかな?という気持ちもあります。

ーーコントをやることが、漫才にもいい刺激になってる、みたいな。

小堀 なったらいいなってとこですね。

ーーネタはいつもどんなふうに作っているんですか?

川谷修士(以下、修士) ネタの叩き(部分)は小堀が考えて、それが出来上がりつつある頃に僕が入る、という感じです。この日は来てくれ、みたいに言われて、ちょこちょこ入っていく感じですね。

小堀 ある程度材料があって、「これ、どう?」って確認することもあれば、「これ、箱だけ渡すから、中埋めてきて」みたいなこともありますし、ネタによって違いますね。

修士 宿題形式みたいな。

ーー25周年ならではのネタなんかもありそうですか?

小堀 "ならでは"はあんまりイメージしてないですね。というより、"25年がんばって漫才やってたらこんなんなりました"っていうことなのかな?っていう。だから、「25周年の2丁拳銃ってこんなん」みたいな。それがたまたま、今年から本気でコントに取り組んだ25年目やからこんなんになった、ってことになると思います。
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ーー芸歴25周年ということで、改めて振り返ってみていかがですか?

修士 「まだまだなんかなぁ」っていうのはありますね、僕の中では。漫才もコントも、人間的にもまだまだだなぁ、って(笑)。いろんなレジェンドもいっぱいいますし。最近一緒にやらせてもらってる(間)寛平師匠なんか、もうすぐ芸歴50周年なんですけど全然人間力が違うんで......。そういういろんな方を見てると、「まだまだだな」っていう気がします。"25周年"っていうのも、僕はあんまり好きじゃないんですよ、ホンマは。あんまりそれに重きを置きたくないというか。祝ってもらうのはいいんですけど、今まで応援してくれてたお客さんに対しての「ありがとうございます」っていう意味合いの方が僕は強いですね。自分らが25年やってきたことを「がんばってきたなぁ」じゃなくて、「25年間やらしてくれてありがとう」みたいな気持ちが強いです。先ほどコイツ(小堀)が25周年ということに対してコチョコチョ言うてましたけど、コイツ、「25周年」って付けたらチケット売れ行きよくなるんちゃうかっていうぐらいですよ(笑)。
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ーー(笑)。でも確かに、周年ってみんな大事にするというか、ビジネス的にも利用する部分があったりしますよね。ミュージシャンなんかでもよくありますし。

修士 音楽のことでしょ?(小堀が)バンド、やってるじゃないですか。そういう脳ミソになってるんですよ(笑)。

小堀 (笑)。

ーーまた(修士の)奥さんに怒られたりして(笑)。

小堀 いや、ホンマですよ(苦笑)。

修士 まぁまぁ、でもホンマに、「まだまだだなぁ」という気はしますよ。
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ーー小堀さんはどうですか? 改めて25年を振り返って。

小堀 そうですね。芸歴が長いことによっていいこともあるんですけど、でもそこに頼ってたらあかんなっていう自分もいて。キャラ的には「ヘドロパパ」ですから、あんまり崇められにくいところではあるんですけど(笑)。芸歴じゃなく、ちゃんと芸でみんなを納得させなあかんなっていうのはありますね。だから、プレッシャーでもあり、ありがとうっていう25年でもあります。
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ーー25年は長かったですか? 短かったですか?

修士 これはよく言われることですけど......あっという間でしたね(笑)。

小堀 特に東京に来てからがあっという間ですね。東京に来て18年になるんですけど。「え? 18年もおったっけ?」って。

ーーでは、25年の活動を振り返って「いちばん思い出深いこと」といえば、どんなことが思い浮かびますか?

小堀 やっぱ大きいコンクールの決勝に出たっていうのが、2003年と2014年やと思うんですよ。「M-1グランプリ」と「THE MANZAI」。『百式』も2002年ぐらいから始めてると思うんですけど、"100分"っていう、陸上で言ったら長距離の(漫才の)体になってたところを、大会は4分っていう。もうホントに「競技が違う」っていう感じなんですよね。距離だけじゃなくて。短距離走と幅跳びぐらいの違いかもしれないですね。それをコンクールがあることでギュッとできた年なんですよね、2003年が。「M-1」はラストイヤーだったんで、そこでまたしばらく長距離の漫才をやってて、そしたら「THE MANZAI」が始まって、そこでまた体を作り直したりして。でもその時は全員が後輩、みたいな。正直な話、歳をとるのはイヤだなというか、ネタもずっと若くいたいところがあるんですよ。でもその年は華大(博多華丸・大吉)さんが優勝して、「コンクールって年取っててもいいんだ」みたいにも思って、ワクワクもあったり。そういうビックリがあった年なんで、漫才をやってる上では思い出深い年でしたね、2003年と2014年は。

修士 僕はやっぱり東京に来たことなんで、2000年ですね。東京に来て、仕事がなくなって、初めての壁というか、それを経験したのが2000~2002年あたりというか。それでも、僕らは周りから「ラッキーや」ってよう言われるんですけど、そこから変わったんじゃないですかね。僕はそれで『百式』が生まれたと思ってますから。

ーー『百式』の歴史イコール"2丁拳銃の東京での活動の歴史"というか、ライフワークみたいなものだと。

修士 そうですね。当時はまだ漫才師って言われてなかったかもしれないです。"アイドル芸人"とか(笑)。

ーー確かに、大阪時代はそんなイメージがありましたよね。

修士 人気先行型というか。かといってすごく人気があったというわけでもないんですけど、ネタがあまり認められてなかったという感じはあるんですよね。極端に言うとですけど。で、「M-1」の予選で落ちて出れないっていうのが2年続いて、「出れないんだ!」っていうのがあり、仕事も徐々に減っていき......っていう中で、漫才をもっとちゃんとやらなあかんのちゃうか、みたいな感じになって『百式』をやりだして。それから"漫才師"って呼ばれるようになったと思ってるんですよね、僕は。僕らが今、"2丁拳銃って漫才のイメージがあります"って言われるのは、東京に来てからかな?と思ってます。若い頃はたぶん、いわゆる"テレビタレント"になりたかったはずやと思うんですけど、「漫才って大変やし、でもすっごいオモロいな」って思ったのもたぶんその時期なんじゃないかって。で、漫才をがんばるようになって、そういうのを板尾(創路)さんが見ててくれたっていうのがあって、『火花』に出ることもできたんで、感慨深いものがありますね。

ーー自分が信じてやってきたことが報われるというか......。

修士 主人公とは年齢が全然違うのに、「この漫才の主役はおまえやねん。これまでずっと見てきたから」みたいなことを言われたときに、すごく嬉しくて。

ーー板尾さんに言われたら嬉しいですよね。

修士 そうなんですよ。高校生の頃からテレビで見てた、レジェンドじゃないですか。でも、「たぶん僕らのことはそんなに好きじゃないやろな」っていうのがあったんですよね。板尾さんってやっぱりセンス高い人やから、僕らは好かれないやろなぁみたいな気持ちがどっかにあって。交わらないだろうなと思ってたんです。そしたら「おまえはあんまり見てないと思ってたかもしれんけど、オレは見てたからなぁ」って言われたとき、ホンマに嬉しくて、「漫才師でよかった」って思いましたね。だから、近々でいうと、僕は去年から今年にかけても印象深いというか、ある種ターニングポイントになるんじゃないかなって思ってます。『火花』にも出れたし、10月からはBSフジの『中川家&コント』っていう番組にも出させてもらったり。Amazonで木村祐一さんが声だけの料理番組(『リアルクッキング』)をやってはるんですけど、そのアシスタント役にも選んでもらって。そういうのも始まったので、勉強やなって思ってます。

ーーなるほど。ところで、『百式』の醍醐味はどんなところにあると感じていますか?

修士 やっぱり、『百式』のコンセプトでもある"はけない"っていうところですね。自分でやってて言うのもあれですけど、好きですね。

小堀 100分もあって、僕らのイベントで僕らしか出ないんで、1個掘れるというか、時間をかけられるっていうところですね。コンクールならそれこそ4分にせなあかんところを10分でも20分でもやっていいし、そんなネタがあってもいいわけじゃないですか。そういう、いききれる感じが好きです。そのネタを劇場にかけるときは、短くしたり「これはちょっと言いすぎや」とか、ガマンしなあかんところがあるんですけど、ガマンせんといきたいところまでいけるっていう楽しみがあって。100分もあるんやからそんなんが10分あってもええやろ、みたいな。

ーーできるだけ全部、やりたいことはやれるみたいな部分というか。


小堀 だから結構、初日は長くなってしまうことが多いんですよ。120分ぐらいやったこともあったり。それで(ネタを)2本ぐらいカットしたりするんです。

修士 1回しかやったことないんですよ、100分ちょうどって。

ーーそうなんですか!? でも確かに、100分ちょうどなんて難しいですよね。逆に毎回きっちり100分だったらビックリします(笑)。

修士 (笑)。ホンマですよね。でも、目指してはいるんですけど、こんだけやってきて1回しかないんですよね。
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ーー逆に、『百式』の難しい部分、苦労するところはどんなところですか?

小堀 去年ぐらいから、僕はちょっと、体力的にしんどさは感じてきましたね。後半わりと動くネタやったから、スーツの素材のせいかもしれないですけど、汗でビッシャビシャになって......(笑)。「オレ、こんな汗かいたっけ?」みたいな。そういうのはちょっと出てきだしましたね。

修士 体力的なものはありますね。僕は「100分間はけない」っていうシステムが好きなんですけど、体力的にいうとそれはまた別の話で。これはよしもとのすごいところやと思うんですけど、(劇場の)通常の出番が3回あったあとに『百式』やるときあるんですよ。劇場の1回の出番が10分として、その日は130分やってるんですよ。それはさすがにクタクタになりますね。

ーー確かにそれは大変そうですね......。では最後に、改めて意気込みとメッセージをお願いします!

小堀 今の僕たちにできる100分の漫才を切り取って出させていただきますので、しっかり目に焼きつけて帰ってください!

修士 会場をいっぱいにしてください(笑)! 友達、彼氏、彼女、ご家族、全員連れてきてほしですね。

小堀 あなたの100分を2丁拳銃に貸してください。「笑い」という利子を付けてお返しします。
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【2丁拳銃】

2018年12月12日 (水)

笑い飯・哲夫が自身初の本格青春小説『銀色の青』について語る!「改めて読んで、時間返せやって思いました」

今年11月に初めての本格青春小説『銀色の青』(サンマーク出版刊)を発刊した笑い飯・哲夫。

本著は、そこそこの進学校に通う高校生・田中清佐(きよすけ)が、ある日、クラスメイトで野球のエースピッチャー・ベースに100円を貸したことから始まる物語。思春期ならではの心の葛藤、友達との距離感など細かやな心の機微が繊細且つ緻密に描かれた1冊となっています。

よしもとニュースセンターでは、笑い飯・哲夫を直撃。発売から1ヶ月以上経った現在の心境、そして本著への思い、読書家として知られる彼が思う本のよさなど余すところなく語ってもらいました。
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 *  *  *  *  *  *

――発売前は小説を出すこと自体を随分と恥ずかしがっていた哲夫さんですが、時間が経って心境に変化はありましたか?

「今はもう諦めている感じですね。いつも例えていることなんですけど、風呂場で自作の曲をカッコつけて歌うてて、あがった時に母親から『あんた、歌うまいやん』って言われるのって、めっちゃ恥ずかしいじゃないですか。まさにそういう気分やったんですけど、今は全然知らん人から面白かったと言われるようになったので、恥ずかしい気分がだんだんマシになってきました。桂吉弥さんっていう落語家さんや本を渡した後輩がめっちゃ面白かったって言うてくれてますし、いろいろと反響もチェックさせてもらってます。売れ残るのがいちばん嫌なんで売れ行きや評判が気になって、めっちゃ検索するようになりました」

――そんな心配をよそに、書店からの評判がよくて初版からすぐ増刷されたと伺いました。

「最初に1万部刷ったと聞いて、えぇ、1万?って驚いてたんですけど、増刷になりまして。本屋さんが置いてくれるんはありがたいんですけど、売れ残るんちゃうかと未だに心配です」

――小説についてはいかがですか。発売して少し経ったので、また違う気持ちが湧いてきたんじゃないかなと思いますが。

「製本されたもので読み返してみたんですけど......おもろいですねぇ。後味ゼロにしたい、なんでこんなん読まなあかんかったんやっていうのが最終的な読後感になればいいなと思ってたんですけど、自分で読んでみて"時間返せや"と本当に思いました」

――ははは! 確かに......最後までにいくと、そんなことだったの?感は持ちました。

「そうでしょう。全然読む価値ないやんって思うというか、そこを目指してたんです」

――普通、小説を書くとなると形として残る分、価値あるものにしたいと思いそうですけど、哲夫さんはそうではなかったんですね。

「えぇ。価値のある本をいろいろと読ませてもらっているので、自分がそんなところに乗り込むなんてことはできないなと。やから、真逆にいった感じですね」
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――高校生が登場するお話は、どういう経緯で決められたんですか。

「出版社さんとの打ち合わせで後味ゼロのものや時間を返せってなるものを描きたいという話をしている中で、貸した100円を返してくれへんってずっと悩むしょうもない話にしようということになって。そういうことで悩むのは高校生かなというところからの自然な流れで、こうなりました。100円って返してくれんでもええやんってなりそうでもあり、返してほしいなって思う金額でもあるっていう、あるあるですかね。みんな、1回はそんなん思ったことあるんちゃうかなと思ったので、そういう設定にしました」

――読後感にそういう意図があったとしても、100円を返してほしいと悩む話を膨らませるのは大変だったんじゃないですか?

「そうですね。ただ、スカみたいな題材だけに紆余曲折、右往左往する様を入れていくのは、作業として楽しかったです。出版社さんから100円を返してほしいと悩む内面描写だけで終わらせんとってくださいね、波は作ってくださいねと言われていたので、そういう波を作るのが楽しくて。あと、僕は三島文学の喩えの量とか心理描写が好きなので、多大にパクってる感じがあります。そう、パクリです。今まで自分が読んできて、あれおもろいな、これおもろいなって思った部分が自然と染み付いているので(そういう描写が)入ってしまいました」

――パクリというより、影響を受けた部分が表現として反映されたということですよね(笑)。好みの文体に近くなるのは自然な流れだと思いますが、本作を拝読して10代ならではの世界の狭さがよく表れているなと感じました。また、笑い飯さん、哲夫さんが作られる笑いの世界観とも近しいものがあるなとも思ったんですが。

「1つの設定があったとして、その手前のところでずっとボケ合っているというのが、割と好きですからね。例えば、おばあさんの重たい荷物を持ってあげるという設定なのに、歩き出しのところでウンコを踏んでしまって、結局おばあさんのところまで行き着かへんみたいなんが好きなんです。やから、100円返してくれなんて早よさっさと言えやっていうだけのことなのに、その手前でずっと悩んでいるっていうところは、手前でボケる感覚と確かに似ているかもしれないですね。結局、僕は引っ張りが好きなんです。千鳥で言うたら、おぬしっていうネタとか好きでツボにハマりましたし、もうええって!みたいなお笑いが好きなので」

――主人公の清佐は100円のこともそうですし、友達のことも女の子とのことも考えが割と留まっている人ですよね。

「うだつが上がらんというかね。一歩が踏み出せない感じって誰しもが持っていたことでしょうから、その辺も思春期のあるあるなのかなと思ってます。自分のことを全部入れていると思われるかもしれないですけどそうじゃなくて、8%くらいの自分自身の中のあるあるを投入している気がします。僕の高校時代の同級生ってみんな、めっちゃいいヤツらだったんです。正五角形の性格分布図があったら均等に正五角形ができる雰囲気のヤツが多かったんですけど、今回はいろんな人格を集めて、正五角形の1つの頂点をぶわーっと伸ばしたような人を3人ほど作り上げました。そうなると自然とスクールカーストが生まれるんじゃないかなと思うんですが、頂点にいる人間でも結局、思春期のあるあるの部分が存在すると思っているので、ぜひスクールカーストの頂点にいるような人にも読んでもらいたいですね」

――執筆期間はどれくらいかかったんですか?

「大体3~4ヶ月かな。昨年の12月末にインフルエンザになって、仕事を5日間休まなあかんことになったんですよ。その間、めちゃめちゃペンが進みました。あと、僕は5冊の本を出しているんですが、今まで架空の人物に架空の名前を与えたことがなかったんですよ。とにかく照れくさくて。以前、官能小説を書いたときも固有名詞はまったく出してなくて、なになにな奴っていう描写にしているんです。やから、固有名詞を与えたというのが、自分の中では一歩踏み込んだ作業になりました。また、敬体と呼ばれるですます調ではなく、常体と呼ばれるである調で書いたんですが、それも5冊目で初めてでした。言い切りにすると、体言止めが有効に使えるんですよね。で、使うと、めっちゃカッコよくなるんです。そこも恥ずかしくて。インパクトを残すために編集者さんも『ここは体言止めにしたほうが』みたいなことを言うてきて、さっきもやったから恥ずいねんなぁと思いながら(笑)、体言止めを使わせてもろうてます」

――登場人物に名前をつけたり、体言止めしてたりするのが恥ずかしいなんて、今まで思ったことがなかったです。

「恥ずいんですよぉ。僕とか私っていう一人称も今まで使ったことがなくて。今回も僕やったらかしこまりすぎてるし、俺やったらイキりすぎてるし、私やったら主人公が男の子の場合はちょっとおかしいしって考えていたら使えなくなったんです。で、一人称で始めるよりは、主人公に固有名詞を用いた神目線にしたほうが、自分の恥ずかしさはましかなと思ったんですね」

――主人公の名前はどうやって決められたんですか?

「『犬神家の一族』に出てくるスケキヨっていう名前が好きなので、逆さにして清佐にしたんです。そういうアホらしさが入ってくると、照れが半減するわけですよ」
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――(笑)。どうしてそんなに恥ずかしいんでしょう?

「なんででしょうね? 元々、恥ずかしがり屋の目立ちたがり屋で、芸人をやってるのも目立ちたいからなんですね。ちっちゃい頃は目立ちたいと思っていても恥ずかしいから前に出られへんかったんですけど、段々前に出られるようになると目立ちたがり屋のほうが上回ってきて。けど結局、根底にあるのが恥ずかしがりなのでこだわりっていう部分に恥ずかしさが集約してしまうんです。で、俺なんかが体言止めしてええの?とか思ってしまうわけです」

――ある意味、自分を客観的に見すぎてしまっているんですね。

「そうかもしれないですね。あと、今作の中で僕とは書いてないですけど、たまに一人称目線になっているところもあるんですよ。三島の文体でよくあるのは、ナレーションが情景描写をしているのかなと思いきや、主人公の目線やったりするっていうことなんですけど、今回はこれもパクらせてもろうてます。あと、過去形の中に時たま現在形を入れることによって、風景が浮き上がるという書き方も取り入れていて......。そういう手法、カッコいいんですよ。やっちゃってるんですけどねぇ、恥ずいんです! カッコつけやなぁって思われることをやってます(笑)」

――(笑)。

「あと、クエスチョンマークとビックリマークとかの記号を使うのも、恥ずいから使いたくなくて。今までメールやSNSでもほんまに使ったことがないんですけど、歴史に残る大事なメッセージを書くときだけ、ビックリマークを入れるようにしてるんです。最近使ったのは、小室哲哉さんが引退しはったときかな? Twitterに『TKサウンズは最高です!』って書いたんですけど、この本では使ってません。なんやったら、クエスチョンマークも使いたくなかったんですけど、1ヵ所だけ入ってまして。(と、本をめくり出して)......18ページにあるんです。編集者さんがつけてきたクエスチョンマークに全部つけたくないって返したつもりやったんですけど、消し忘れたのかもしれないですね。けど大事な箇所なので、ここだけはあってもいいかなと思います。ないしは、編集者さんがここだけつけたほうがいいという意図で残してくれはったんかもわからないですけどね」

――哲夫さん、本がお好きだと思いますが、どんなところに魅力を感じているんですか。

「本のよさって半分読んだ時に、"半分まで来たー"って思えるところですよね。そこから早よオチが知りたくて、読むスピードが上がるんですけど、もうちょっとで終わるっていうヒリヒリ感、もうちょっと続いてほしいのに終わってしまうっていうワクワク感をページ数で確認できるのがいい。あと、5ページくらいしかないって思う瞬間は、袋とじくらいのありがたみが表れてるなとも思います」

――そういう意味でも、本著は本で読むことが活きている気がしますよね。オチが......ああいう感じですから(笑)。

「そうですね。さっきも言ったように、後味ゼロになるか、そりゃ何も残らんわなっていう気持ちを楽しんでもらえるはずです」

――今回は恥ずかしがりながら小説を書き上げましたが、今後も執筆への意欲はありますか?

「売れ残ると俺なんかが書いてはあかんのやと思いますが、もし売れ残らないならば書きたいですね。今はまた別の本を書いてるんですけど、依頼をいただければ書いていきたいなと思います。が、とりあえずはこの本が売れ残らないように、みなさんに買っていただければありがたいですね」
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【哲夫】【笑い飯】

2018年12月11日 (火)

クリスマスの神保町花月は熱い卓球芝居でポカポカに! 白坂英晃&ボーイフレンド・宮川&村田翔平インタビュー

東京・神保町花月のクリスマス公演にあたる『2.74のプリエール‐ラブ・オール!新章 -聖夜の奇跡編-』が、12月22日(土)~12月24日(月・祝)の3日間で全4回上演されます。


『ラブ・オール!』とは、2015年5月に『ラブ・オール!』が初上演され、同年11月に『ラブ・オール!2nd Season』と回を重ねた神保町花月の人気作品。
熱い試合のシーンを盛り込んだ卓球と卓球を取り巻く人間模様が描かれ、今回もフレッシュな芸人も含め、多彩な顔ぶれで卓球ドラマに臨みます。


ここでは、『ラブ・オール!』シリーズ全作の脚本・演出を務める白坂英晃(はらぺこペンギン!)さんに加え、夢と恋人を一気に失った元卓球選手の剣持スグルを演じる宮川英二(ボーイフレンド)、高校時代まで天才と呼ばれるも、大怪我を負い、大学卓球界で苦戦している西條レン演じる村田翔平の3名に、意気込みや稽古場の様子を伺いました。

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※向かって左から:白坂英晃、村田翔平、宮川英二(ボーイフレンド)


     *   *   *   *   *


――シリーズで言えば、前回から3年空いての上演となりますが、どうしてこのタイミングでの新章だったのでしょうか?


白坂 封印していたわけじゃないんですけど、また僕の中の熱が上がってくるのを待とう思っていて、そろそろウズウズしまして。


――白坂さんをウズウズさせる何かがあったんですか?


白坂 なんもないです(笑)。3年前にやった時から手応えがあるシリーズで、お客さんにも満足してもらえたし、演者も気合を入れてやった公演だったので、やるからには下手こきたくないなあというのもあったし、いいメンツが揃ったらやろうかなっていう気持ちもあったんですね。この公演に関しては、ほぼ100%、僕がキャスティングしているんですが、ちょうど宮川くんみたいなベテランの方も出てくれるし、村田のような若いけど、ちゃんとお芝居も出来る人も出てきているので、タイミング的にそのへんの融合が出来そうっていうことですね。


――タイトルの『2.74』は、「二テンナナヨン」と読めばいいのでしょうか?


白坂 そうです。卓球台の長さが2.74メートルで、"プリエール"は祈りとかの意味なので、それでだいたいことはわかっていただけるかと思いますが、卓球台があったから出会えた人たちの話ですね。

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――宮川さんは、2015年11月の『ラブ・オール!2nd Season』にも出演されていました。


宮川 オファーをいただいた時は、どの役をやるかわからなかったんですけど、脚本を読んだらこれまでの『ラブ・オール!』とのつながりがちょっとだけありつつ、また新たな役をいただいて、「あー、またあの熱い部活が帰ってくるんだなあ」って思いましたね。


――卓球を題材にしていますが、その後、実際の卓球に興味を抱いたりは?


宮川 めちゃくちゃ興味を持ちました。『2nd Season』に出演した時、チキータ(バックハンドで強烈な球を打つ技のひとつ)の使い手の役だったんですけど、動画もめちゃくちゃ見ましたね。当時初めて知って、その時も結構メジャーな技だったんですけど、今は当たり前にどの選手も使っているんですよ。
白坂 Tリーグ(日本国内のプロ卓球リーグ)が始まったり、今、日本の卓球がめっちゃ盛り上がってますよね。
宮川 張本智和選手とかどんどんニュースターが出てきましたよね。
白坂 3年前は、卓球をどこまで熱くやれるのかっていうのがあったけど、今、現実の卓球が激アツだから、俺らはもっと頑張らないと(笑)。
宮川 お芝居の中での卓球も、世界レベルになってきてますよ(笑)。

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――村田さんは、今回がシリーズ初出演ですね。


村田 はい。『ラブ・オール!』シリーズは、好評だったっていう話は、噂的に聞いていて、しかも、そのシリーズに出ている人は、軒並み売れているっていう話も聞いていたので、オファーをいただき光栄です。
白坂 その頃、村田はまだNSCにさえ入っていないんだよね。
宮川 今、芸歴何年目なの?
村田 2年目です。
宮川 2年目ーっ!? いやー、上手いっすよ。2年目の僕、ふわふわしていました。白坂さんに、「もっとこうした方がいいよ」って、いっぱい指導受けてました(笑)。
白坂 宮川くんの2、3年目くらいの時、ちょうど演出していたので、毎月一緒だったもんね。ボーイフレンド強化月間(笑)。そう比べると、村田の完成度は高いよね。

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――NSC入学以前に、役者の経験があるんですよね?


村田 ちょっとだけ舞台を...。
白坂 僕が「村田はもともと役者だから」って、すごく芝居をやっていたみたいに、在学中からいろんな人に言いふらしちゃって、ハードルあげちゃったよね(笑)。
村田 NSCの入学時、何かかまさなきゃと思って、一回しか舞台出たことないのに「ずっと役者をやってました」って嘘ついたのが、ひとり歩きしちゃいまして(笑)。
白坂 でも、基礎は出来ているし、演技は2年目じゃないですよ。役者に必要なものは、なんとなく村田は最初から持ってるので、そこは今回も、存分に使わせてもらおうかなと。なので、宮川くんと村田に大事な役をお願いしました。


――稽古は順調ですか?


白坂 まだ、稽古は3回だけなんですけど、シリアスなシーンがあったかと思えば、急に強烈なキャラクターで笑いを取らなきゃいけなかったり、忙しいんですよ(笑)。大変なんですけど、詰め込んで詰め込んで、ものにしていくしかないですね。
宮川 お客さんはジェットコースターのような感覚が味わえると思いますよ。ガンガン揺さぶられて、しまるところはギュッとしまるので、興奮して観てもらえるかと。
白坂 あと、全員で18名が出演するんですけど、全員持ち味を出していると思います。本来の持ち味を。
村田 白坂さんが、全員のことを把握しまくっていますからね(笑)。
宮川 白坂さんのすごいところは、NSCの講師でもあるので、授業をしながら、「こいつは咲くぞ」っていう人材を在学中から探しているんですよ。村田もその一人だし、他のメンバーも、そういう人たちだから、みんなかなり上手いです。
白坂 みんな目をかけていたやつらですね(笑)。

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――その中から、コンテストで優勝したり、ブレイクされた芸人もいるわけですね。


白坂 『ラブ・オール!』組は多いですね。おばたのお兄さん、レインボー、ひょっこりはん...僕が教えた中では、あのへんが一番メディアに出ていますね。ちょうど彼らが、3年前にやった時、芸歴が3年目の時かな? ヨシモト∞ホールでもちょうど頭角を現し始めたくらいの感じの年だったと思うので、時期的には今回のキャスティングと似ているんですよ。プール、まんぷくユナイテッドとか期待しちゃいますね。3年前の彼らにも、本来の持ち味はこうだよねっていう役を渡していて、今回も同じように当て書いているので、ここから開いてくれたらいいなって思います。
宮川 僕からしたらみんな後輩になっちゃいますけど、劇場でも活き活きやっているし、ネタも面白い子たちが集まっていますね。


――村田さんはコンビ解散されたばかりですが、今後はピン芸人で活動するのでしょうか?


村田 来月、再来月くらいからコンビを組んで活動したいと思っています。


――コントですか?


村田 そうですね。これまでコントしかやってこなかったので。
白坂 そりゃ絶対コントですよ。


――宮川さんのように、漫才師でもお芝居やられる方もいますよね。


白坂 漫才師でも、神保町花月で回を重ねていくと、芝居が上手になっていくんですよ。勘がいいからなんでしょうけど、宮川くんは、その中でも芝居が上手な漫才師さんですね。それはもう、それはもうな役にしています(笑)。
宮川 ホントに素晴らしい役をいただきました(笑)。

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――稽古場の雰囲気はいかがでしょうか?


宮川 めちゃくちゃいいですよ。芸人しかいないので、まあ、ずっと元気ですよ。全力で稽古をやって、自分が出ていなくても、見てますし、後輩がちゃんとやっていると気を抜けないですね。背中を見せなきゃなって思います。
村田 今回の稽古に限らないんですが、白坂さんの稽古はめちゃくちゃ楽しいんですよ。来るのが楽しみです。
宮川 普通、台本を読み進めて、芸人がアドリブを入れて、かぶせとか入ったら、だいたい2つ目くらいで、「はい、戻そうか」ってなるんですけど、白坂さんは4つくらい見逃しますね(笑)。白坂さんが言うには、「芸人を疲れさせて、自然消滅させてから、次のくだりに進める」らしいんですが。
白坂 押さえつけると余計やるから(笑)。散々やらせて、疲れたらやらなくなるので、そこからが稽古の本番です。

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――芸人を演出する上での独自の演出術ですね(笑)。他に注目すべき出演者を挙げていただけますか。


白坂 みんな注目して欲しいんですけど、『ラブ・オール!』シリーズ全部に唯一出演している光永は、今回、初めて試合に出ます。それは楽しみだし、あとは千葉ゴウ(入間国際宣言)かな。
宮川 ホントにそう!(笑) 今、僕ら自然と笑っちゃいましたけど、マジで見てください。
村田 間違いないです(笑)。
白坂 千葉ゴウを神保町花月でこう使いこなせるのは、僕だけだと思いますよ。
宮川 顔合わせの時、千葉ゴウが白坂さんに深めのお辞儀をしていましたね。「本当にありがとうございます!」って、すごく感謝していると思います。
白坂 あとワラバランスも、今回の使い方は面白いと思うんですよね。相当よく仕上がるイメージです。
宮川 千葉ゴウの相方の西田(どらやき)もいいんですよ。千葉ゴウは見ていただかないと説明できないんですけど(笑)、西田は上手いんですよ。一緒に何作かやりましたけど、こっちも気合を入れてやらないと、食われちゃうくらい。ゴールドバーグも上手いし、みんな上手いですよ。
白坂 僕の公演で使いまわしているメンバーですからね(笑)。もう、これ以上、まんぷくユナイテッドの狩野くんで遊べないかも(笑)。
村田 初めてご一緒する西村ヒロチョさんも上手いですよね。あと、ヒロチョさんとか光永さん、宮川さんもですけど、稽古中に先輩がボケると、ヘンな気分になります(笑)。


――どういうことですか?(笑)


村田 「あ、ボケてらっしゃいますね」...って(笑)。
宮川 わかるわー。僕らもシソンヌさんとか見ていて、じろうさんのボケで腹抱えて笑ってましたね。それを白坂さんが止めるみたいな(笑)。
白坂 じろうさんに限って言えば、「セリフを覚えてくれ」ってことから始まってました。「いいからセリフ覚えて!」って。


(一同爆笑)


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――最後に読者へのメッセージなど、お願いします。


宮川 はい。クリスマス公演で、卓球とクリスマス、一見合うのかなあって思うかもしれませんが、すげー合ってます。クリスマスを感じつつ、卓球の熱さも感じてください。


――ポスターには、サンタの格好をした出演者もいますが、クリスマスとお話はリンクするんですか?


宮川 それは詳しくは言えないんですけど、ポスターでひとつ謝りたいことがあるんですね。僕がセンターにいることで、ちょっとインド映画っぽくなってしまって...。
白坂 思いましたよ(笑)。後ろの奴らは黄色いユニフォーム着てるし。
村田 インド感、増してますね(笑)。


――クリスマスのデートコースとしてはどうですか?


宮川 めちゃくちゃいいですね! 笑えるし、ポカポカした気持ちで、手をつないで帰れる作品だと思います。


――村田さんからもメッセージをお願いします。


村田 もちろん笑えるし、興奮して熱くなれるし、泣けるし、いろんな感情が盛りだくさんになっていると思いますので、平成最後のクリスマスを締めくくるのにふさわしい作品だと思います。濃密で無駄なシーンがないので、絶対観に来て欲しいです。


――村田さんのファンも満足度は高いでしょうか?


村田 そうですね。最初に白坂さんから「かっこいい役にしておいたから」みたいに言われたので、かっこいいシーンしかなくて、試合のシーンもかっこいいと思いますよ。
宮川 卓球の球がないのはポイントだよね。
白坂 だからこそやれるシーンがありますからね。多分、神保町花月の芝居のなかでも、これは見なきゃいけない作品です。神保町花月のお芝居の良さは、多分、全部入ってますよ。神保町花月で一番やるべき芝居だと勝手に思っています。


――卓球ファンにもオススメでしょうか?


白坂 ぜひぜひ。映画の『ピンポン』が好きな方とか、スポーツものが好きな方とかにもオススメだし、全然興味ない人にも見て欲しいですね。


【ボーイフレンド】【宮川英二】【村田翔平】


2018年12月 6日 (木)

舞台「TERRA GIGANT」主宰の堀川絵美にインタビュー!

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12月22日(土)に大阪・HEP HALLで上演される舞台「TERRA GIGANT」。「やっぱりサプライズが好き」と「『問う。』」、「贋作ラ・ラ・ランド」という3本の作品を上演します。主宰の堀川絵美に本公演について、インタビューしました。

――「TERRA GIGANT」ですが、3本の作品それぞれについて教えてください。

堀川 「やっぱりサプライズが好き」は私が脚本を書いたんですけど、女の子3人の芝居ということで「やっぱり猫が好き」を連想しました。でも、内容は全然かけ離れたものになっています。女特有のドロドロ感を出せたらいいなと思っていて。私も、出演するコンビの紅しょうがも普段から仲良しで。3人とも肉食系で、普段から男の話ばっかりしているんです(笑)。なので、日常会話をコメディに乗せたような。私はやっぱり歌とかダンスがすごく好きなので、歌とかダンスも織り込んだドロドロコメディになっているんじゃないかなと思います。もしかしたら男性はちょっと怖いかもしれないです(笑)。

――女の人が聞いたらめちゃくちゃ面白いでしょうね。

堀川 女芸人たちの間で「男にこんな復讐してやった」って笑う話でも、男芸人に言ったら誰も笑わなかったりするので、こんなに感覚違うんやと思って。みんな自分のことやと思って怖がっちゃうみたいで、その辺の差が面白いなと思います。私たち3人の実体験を入れている部分もあって。紅しょうがの稲田さんはNSC大阪の同期なんですけど、私の弟に手を出したことがあるんですよ...(笑)。そういう、なかなかないことをされる人が出ます。あと、紅しょうがは「THE W」の決勝に残っていて、それはすごく喜ばしいことなんですが、優勝されると12月10日以降稽古ができないので、それは困るなと思っているので2位くらいで注目浴びてくれないかなと期待しています(笑)。

――そしてプリマ旦那・野村さんが書かれた「問う。」。野村さんとの二人芝居で。

堀川 「問う。」は、野村さんに書き下ろしていただきました。普段から劇団コケコッコーや、それ以外でもご一緒させてもらっていて。今回夫婦のお話ということですが、まだ私は結末がどうなるか聞かされていないので、すごく楽しみにしています。2年前にも野村さんと「fifth」という二人芝居をやらせていただいて、その時も大どんでん返しがあって、お客様をびっくりさせる仕掛けがあったので、おそらく今回も何か待ち受けているんじゃないかなと思います。

――この夫婦の話というのは、野村さんが「これで行きます」とおっしゃったんですか?

堀川 3本くらい候補を出してくださって。3つとも全然毛色が違うものだったんですけど、その中でこれがいいんじゃないかなと二人で決めました。

――野村さんとは夫婦役ですね。

堀川 野村さんは3年先輩で、年齢は下なんですけど、お互い弟のような兄のような、姉のような妹のような感じです。野村さんとは、いろんな作品をやってきただけに、新しくどんなものができるか楽しみです。

――野村さんの演劇人としての手腕はどういうふうに受け止められていますか?

堀川 野村さんって、SNS とか普段の言動からすると、もしかしたら陰鬱としているイメージがあるかもしれないですけど、実はすごく温かみのある方で、書かれるお話もすごく優しい。人々の生活に寄り添うような、身近なところを書かれていて、誰もが共感できる場所があるというか。すごく人間味のある方なので、それがすごくお芝居に表れているなと思います。脚本を書かれる力が本当にすごいので、今後は映画の脚本とかもやってほしいなと思います。落語もされていて、なんでもマルチにされる方です。劇団コケコッコーも、もっと大きくしたいと思って、来年以降も計画中です。

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――そして「贋作ラ・ラ・ランド」ですが、ワクサカソウヘイさんが作・演出を担われています。

堀川 ワクサカさんはコラムニストで、私は芸人をやる前から雑誌「TVBros.」を買っておりまして、その中で連載されていたんですよ。ワクサカさんの連載はいつも声に出して笑うくらい面白くて。それで、元々ツイッターをフォローしていたんですけど、芸人になって3年目くらいの時に急に思い立ってダイレクトメッセージを送ったんです。「すみません、大阪に住んでいる芸人なんですけど、会いたいのですが、どうしたらいいですか?」って。普段、そういうことは絶対にしないんですけど、なぜかしてしまって。そしたらぜひぜひということで東京まで会いに行きました。同い年ということが判明して、話をしてもやっぱり面白くて。今度、面白いことを一緒にやりましょうとなって、その後、初めて単独をやった時に一人芝居を書いていただきました。それもすごく好評で、やっていて楽しくて。そのときぶりになります。

――「贋作ラ・ラ・ランド」は今回のために作られたんですか?

堀川 今年6月に東京で初めて単独をやらせていただいて、その時に一度、上演しているんです。出演する男性ブランコの浦井くんも同期で、元々大阪にいた子で、すごく仲良くて。お芝居も何度か一緒にやっていているので、ワクサカさんの本で一緒にやりたいなと思ってお願いして、書いてもらいました。これが結構好評だったんです。約30分間、バカバカしさの極みというか、何の内容もない30分なんですけど(笑)、なぜかラストシーンでお客様の大半が泣いていらっしゃったんですよ。「泣くんや!?」と私もびっくりして。実際、終演後にいただいたアンケートでも「自分がなぜ涙を流したのか分かりませんでしたが、感動しました」っていう声が結構、来ていて。それってどういう感情なんだろうと思い、これはぜひ大阪でもと。どんな反応になるのか知りたいと思っていたので実現しました。

――やはり映画「ラ・ラ・ランド」のような...?

堀川 「ラ・ラ・ランド」とは言っていますが、ほぼ関係ないと思ってください。衣装の感じとか、設定が夜の公園というぐらいです。

――堀川さんの舞台では、歌も聞きたいという方も多いのではないですか。

堀川 いつも私の単独ではオープニングに歌うんですけど、今回も1本目の芝居をやる前に歌をやろうと思っています。エンディングも歌で、今回はダンサーの男の子3人、みんな芸人さんですが出てもらって、彼ら含めて8人全員でエンディングは踊ります。野村さんは踊りが苦手でいらっしゃって、2年前に私の単独でもちょっとだけ踊ってもらったんですけど、もう動きがすごくダサくて(笑)。ファンの方が抱いている野村さんのイメージが壊れてしまうんじゃないかなっていうくらいなんですけど、今回も存分に壊していただこうかなと(笑)。振付はTAKE IT EASYの山根千佳さんにお願いしました。すごくかっこよくて。私たちがギリギリ踊れるレベル、ちょっと難しいんですけど、すごいかっこいい、かわいい動きをつけてもらっているので、エンディングもお客様に笑顔になっていただけると思います。

――3作品それぞれ、相手役の魅力はどういうところに感じられますか?

堀川 紅しょうがは、稲田さんとは同期でも一番の仲良しで、8年以上ずっと一緒にいますし、安心感がすごくあります。ただ、稲田さんはお芝居をあんまりしたことがなくて、どんな感じになるのか私も未知数ではあるんですけど、今回はほぼあて書きで。稲田さんってすごく変わっているんですよ。熊元さんの方がいじられているイメージがあるかもしれないですが、実は変なのは稲田さんで。ちょっとした変なところも魅力として出るのではないかと思います。熊元さんは力強さがありつつ、すごく女性なんです。女としての生き様というか、かっこいい後輩なので、そういう面がきっと出るのではないかなと思います。この3人で相乗効果を生み出せたらいいなと思います。

――役者としての野村さんは?

堀川 そうですね...時々佐藤浩市さんに見える瞬間があって(笑)。あれ? 佐藤さん!?ってなるので、「なにわの佐藤浩市」ということで(笑)。野村さんには渋みというか、そういうところがあるので。それと、お笑いの間(ま)も天才的ですし、毎回一緒にやらせていただくたび勉強になっています。気づきを与えてくれる人です。

――そして浦井さん。

堀川 浦井さんも、稲田さんと似ているかもしれないですが、安心感を与えてくれる人です。お客さんもそうやと思うんですけど、優しい気持ちになるというか、あったかいココアを飲んでいるような感じです(笑)。男性ブランコ自体がそうなんです。芸風もそうですし。優しい、温かい気持ちにさせてくれるので、どんなきつい口調のセリフでもすごく柔らかく聞こえるというか、不思議な魅力のある方です。あの柔らかさは何だろうな......毛布。毛布役者です。包み込んでくれるような(笑)。

――女優・堀川絵美としてこの作品にかける思いはいかがでしょうか?

堀川 私はピン芸人という肩書ではあるのですが、この2、3年くらいは一番やりたいことがミュージカルとかお芝居で。それをやるにあたっては実力も全然伴っていないし、経験も足りていないというところで、この舞台でも新しい引き出しを見つけていかなければと思っています。いろんな方に観ていただきたいですね。毎回来てもらったお客様に「お笑いのライブというよりエンタメショーを観た」とか、「チケット代が安すぎた」とか言っていただくことがあって、それを今回も言ってもらえるようにならなければと思っています。

――現時点で、ここは力を入れているというものはありますか?

堀川 今回は今までで一番、チラシに力を入れております。より多くの方の目に留まるように。お笑いファンの方だけでなく、演劇ファンの方にも観ていただきたいと思って...。私は東宝ミュージカルすごく好きで、紙質から帝国劇場や梅田芸術劇場で上演する舞台のチラシをイメージして作りました(笑)。

――そうですね。紙の厚みも違いますね。

堀川 はい、半光沢紙で作らせていただきました。私は、チラシはとても大事なものだと思っているので、まず人目に付くようなものを作って、来てくださった方には--お笑いからしたら前売3000円は高いんですけど、12000円くらいの価値のものをお見せしたいなと思っています。今後、女優と名乗っていきたいと思っているので、そうなるためにあたっては絶対に大事なステップだと思っています。

――堀川さんはよしもとに入ってから女優を目指すようになったんですか?

堀川 まず、よしもとに入ったのが、芸人をやりたいとも女優をやりたいとも思っていなくて、ノリやったんですよ。バスガイドが天職だったので。何度かbaseよしもとに観に行ってはいたんですけど、自分が入りたいとはこれっぽっちも思っていなかったんです。でも、25歳の時に沖縄旅行に行きまして、そこで当たる占い師さんがいると聞き、私はあまり信じないので冷やかしのつもりで行ったんです。手相と顔だけ見て何でも分かるっていう人で、私のことすごい当てて。「あなた、マイクを使う仕事してますよね?」「そうです、バスガイドしてます」「それ合ってますよ。でも26歳になったら絶対芸能界に入ってください」って言われて。「でも私、アイドルとかできないですけど...」って言ったら、「入り口はお笑いがいいと思います」って言われて。で、まあ、捨てるものもないし、いいかなと思って。バスガイドって何歳になってもできるといえばできるので。ただ、私は貯金をしたことがなくて、NSCに入るお金を親に借りなくちゃいけなくて。結構堅い親なんですけど、その親に「実はよしもとに行こうと思ってるからお金を貸してほしい」とお願いしたら、「前からそっちの方がいいと思ってた」ってまさかの賛成で。で、お金を借りて入って、さあ何しようと。そしたら、いきなりネタ見せがあるとなって。その時にコンビを組みたいとも思わなくて、とりあえず一人でバスガイドのネタをやったら結構ウケて、先生から高評価もいただいて。それで、その年の夏に「新人お笑い尼崎大賞」に出て準優勝をさせてもらったんです。その時に優勝されていたコンビの方が賞金10万円で、2位の私が5万円。これ、結局一人5万円やんって思った時に、絶対一人(ピン芸人)やなと思って(笑)。それで絶対に誰とも組まないと決めて。お仕事もちょこちょこ、1年目からいただいていたのでそれをやらせていただきつつ、でも自分は一体、このままどうするんだろうとか思っていたんです。

――それがどのくらいの時期だったんですか。

堀川 2年目ぐらいですかね。ちょうどその頃に「大阪俳優市場」といういろんな事務所の方が出るお芝居に出させてもらって、それがすごく楽しくて。お笑いでウケても気持ちいいけど、お芝居の中で役として表現してウケたときはもっと気持ちいいなと思って。元々お芝居を観るのがすごく好きで、小学校3年生の時から宝塚をずっと観ていて、観に行くのはすごく好きだったんですけど、自分がそっち側に立つということがこんなに楽しくて、気持ちいいことなんやって初めて知ってからお芝居をやり始めたんです。

――『レ・ミゼラブル』のオーディションも受けられたとか。

堀川 ミュージカルはさすがに観るものやと決めつけていたんですけど、よしもと漫才劇場で歌のイベントがあった時に、私が大好きな「レ・ミゼラブル」の曲のパロディを私主体でやったんです。もう全力で再現して。そしたら音響さんに「漫才劇場が始まって以来の、劇場が揺れるくらい拍手が起きた」って言われて。その時の映像を残していたんです。知り合いにその話をしたら、その方が「知り合いのミュージカル関係者に映像を見せていい?」と。それがきっかけで、「レ・ミゼラブル」のマダム・テナルディエという役のオーディションを受けることになりました。受かるわけないと思いながら、一次審査が通って。二次審査は、会場に10人くらい集められて課題曲を一人ずつ歌うんですけど、もうレベルが違い過ぎて。みんなプロで、私はもう恥ずかしいと思って。私の番が回ってきて、せっかく歌うんやったらって外国人の演出の方の目を1回もそらさず歌ったら、「エミサン、パーフェクト!」って、「絵美さん以外退出してください」ってなって、1時間くらいレッスンして、次の審査に進んだんです。これはもっと本気でやれば、もしかして手が届くのか!?と思って一週間くらいレッスンして、気合入れて次の審査に行ったんですよ。で、髪の毛もすごいきれいにして、服もキレイなワンピース着て行ったら「絵美さん、あなたが演じようとしているマダム・テナルディエは、そんなきれいな格好をしているだろうか」と言われて。ほんまや、これでは落ちる!と思って、「ちょっと待ってください!」って髪の毛をぶわ~ってくしゃくしゃにして、逆毛立てて「これでお願いします!」ってやったら、また「パーフェクト!」って(笑)。その審査で結局ダメだったんですけど、オーディションでめちゃくちゃ勉強になったし、本気で取り組むうちに、本当に出たいと思うようになって。

――そうだったんですね。

堀川 そこからですね、『レ・ミゼ』に絶対出たいという今一番の目標が芽生えたのは。2019年版のオーディションも受けたんですけど、前回とはまた違う演出家の方が見ていらっしゃって、前回よりもっと先に進むことができたのですが、やっぱりまだ足りなくて。それがすごく悔しくて、何か経験を積まなければと思ったものの、大きいミュージカルに出ないと経験は積めなくて。そのチャンスがなかなかないのですが、何か来たときにすぐ掴めるような状態にしておかないとあかんなと思ってるところです。

――なるほど、では「TERRA GIGANT」も経験の一つに。

堀川 そうですね。この作品でも何か一つ成長ができたらいいなと思っています。

――2018年は『タクフェス 春のコメディ祭「笑う巨塔」』にご出演されて、東京でも初の単独をされて。堀川さんのイベントとしては「TERRA GIGANT」が締めになると思うのですが、2018年を振り返ってもらいつつ、作品への意気込みと、2019年に向けて抱負をお願いします。

堀川 今年を振り返ると、この世界に入って今までで一番濃い1年で、大阪で、よしもとで活動しているだけでは絶対に経験できなかったこともできたし、いろんな新しいつながりもできました。いろんなことに気づけた1年でした。自分の未熟さとか、驕りがどこかにあったのかなって思ったり。広いところに出たことで自分のちっぽけさを感じて、もっと頑張らないとって。私は怠け癖がすごくあるのであかんなと思えた年でした。私はお芝居を書くのは苦手なんですけど、でも演じるだけよりも書けた方がいいだろうなと思って。演じるにあたっても、いろんな側面から見れるだろうし。自分を甘やかしたらいけないなという意味でも、こういう内容の作品にしました。ただ、第一には、観に来てくださったお客様に心底楽しんでもらえるものをお届けしたいと思っています。ちょっと早めのクリスマスプレゼントになればいいなと思っています。来年は、正直ほぼ白紙状態で(笑)。実は私は2020年にちょっとした野望がありまして...。この年に芸歴10年目になるので、それを記念して梅田芸術劇場で単独をやりたいなと思っていまして...(笑)。

――メインホールですか?

堀川 はい。メインホールです! 2020年に梅芸で満席でやるにあたってどうしたらいいかを逆算して、来年もっとやっていかないといけないなと思っていて。型にはまらずにやらないとなって。好きなこととか、やりたいことをやったもの勝ちなので(笑)。自分と自分が信じる人たちを信じて、自分が面白いと思うことをやりたいなと思っています。

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【堀川絵美】

2018年12月 4日 (火)

M-1での"ゼンチン"が話題のジャルジャル、明日5日より大阪チャンネルで新番組『ジャルジャルの笑いのツボ屋』が配信スタート!

12月5日(水)より映像配信サービス・大阪チャンネルにて、ジャルジャルがメインを務める番組『ジャルジャルの笑いのツボ屋』が配信スタートします。

こちらは、依頼された笑いのツボに入れたいターゲットにツボに入って死ぬほど笑ってしまうという奇跡的且つ最高の体験を味あわせるために、ジャルジャルがその人のツボをリサーチして作戦を企て笑わせるという実験的ドキュメントバラエティー番組です。
よしもとニュースセンターでは、ロケの合間にジャルジャルを突撃。番組の見どころや現在の手応えなどについて話を訊きました。
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(向かって左:後藤淳平/右:福徳秀介)

――すでにいくつかロケを終えているそうですが、やってみての感想をまず訊かせてください。

後藤 依頼者と一緒に、その人が笑いのツボに入れたいターゲットに対しての作戦を考えて、いろんなことを実行するっていう番組なんですけど、ただただ楽しい。楽しいだけです。
福徳 笑いのツボって僕らは年に1回、普通の人なら5年に1回入ったらいいなっていう感じやと思うんです。そういうめったに味わえないことを実現するのは相当難しいけど、非常に楽しくやらせてもろうてますし、いいお笑いにもなってるんじゃないかなと思いますね。作戦の段階で、偽番組が楽しくて。
後藤 ターゲットを笑かすために、ゲストを呼ぶ偽番組っていうのがあって。どうやって笑わせるかは依頼者によって変わるんですけど、ある回でやった番組がほんまにできたら嬉しいなっていうくらい、ゆるくて楽しかったんですよ。
福徳 あれを偽番組にしておくのが、もったいなくなりました。相談するブロックと実際に笑わせるブロックに分かれていて。仕掛けてターゲットを笑わせてツボに入れておさらばできたらいいんですけど、結果、あれは嘘でしたって言わなダメなんです。それが非常に残念。笑わせたことに変わりはないですけど、バラす時だけちょっと悲しいですね。
後藤 喜んでもらえばもらえるほど、「実はウソなんです」って言いづらくなるっていう(笑)。でもまぁ、今のところはいい感じになってるなと思っています。

――見どころのポイントは?

福徳 大きく言えば、つくった壮大なコントをやるっていう全ての行程をを公開で見せている感じの番組ですね。
後藤 僕らはめちゃくちゃ芝居してるので、みんなでユニットコントをしているような感覚ですね。スタッフにもエキストラで出てもらってますし。
福徳 みんな、その世界に入って、ターゲットが見ていないところで演技してるんで、見切れてるところとかチェックしても面白いかもしれない。
後藤 そうですね。隈なくチェックしてもらえると、いろいろと楽しめると思います。回によっては、予定していたことをラッシュでバンバンバン!って、ほんまにネタをやってるくらい隙なくやって笑かしまくってる時もあるんで、楽しみにしておいてもらいたいですね。

――ターゲットをピンポイントで笑わせるって、芸人としての環境ではなかなかないことなのかなと思います。

後藤 そうですね。個人をツボにはめるっていうのは、いつもやっていることと全然違います。大事なのは、如何にハプニングを起こすか。ツボに入るときって大体そうなので、そういう瞬間をどうつくるかの戦いですね。
福徳 笑いのツボっていうのはよくできていて、一発でドーン!と入ることがない。じわじわと外堀からほぐしていって、これがこの人のツボなんやというところを見つけていかないといけないんです。よく打ち合わせで話すのは、奇跡には勝たれへんということで、コケるとか身体的なハプニングはツボに入りやすい。どんだけ策を練っても笑いのツボに関しては、ハプニングに勝るものはないですね。

――これまで情報解禁前だったので、身近なところから相談者を募ったそうですが、今後は一般募集もしていくんですか? また、どんな相談を受けたいですか?

福徳 相談者は大募集です! うまくいく可能性がある人の恋愛を応援してみたいですね。
後藤 人生を賭けた、ここでこの人を絶対に笑わせないと今後がヤバいだとか、その人の人生がかかってるだとか緊張感のある場面で、笑いのツボに入れてみたいです。
福徳 不可能でしょうけど、遅刻しててヤバい人とかいいですよね。

――大失敗を隠している人とか。小学生で、母親に点数の悪いテストを見せられないとかでもいいかもしれないですね。

福徳 あぁ、そういうときってありますもんね。
後藤 うんうん、そういうのもいいかもしれないです。

――では最近、お2人が笑いのツボに入った瞬間って何かありましたか?

後藤 bayfmでやらせてもらってるラジオ番組『ジャルジャル のしゃべってんじゃねぇよ!』で即興コントをやってるんですけど、ある回だけイレギュラーでラジオ小説をやることになったんです。で、きっちり読まなあかんっていうところでツボに入っちゃって(笑)。何も起きてないんですけど(笑いがこみ上げて)台本が読めなくなって、「今週はやめときましょう」ってなりました。

――何が原因かは......。

後藤 いやぁ、わからないです。なんで笑うてんねんって思えば思うほど、ツボに入ってしまいましたね。
福徳 僕もその場にいましたけど、一緒に笑っちゃいました。
後藤 そういう突然、ツボに入る時があるんです。
福徳 僕は、家のテレビを壁掛けにしようとした時。いろいろと調べたら、業者に頼まなあかんってわかったんで見積もりに来てもらったんですよ。で、来た業者の人が「1回、テレビを見せてください」ってテレビを持ったんですけど、その時プリって音がしたんです。
後藤 (笑)。
福徳 屁かな?って思ってから1分後くらいにぶわーーっと笑いがこみ上げてきて、トイレに行って中で「はぁ~~~!」って息を吐いて笑いを全部出しました。業者の人と1対1やったんで目の前で笑うことができなくて......かなりキツい勝負でしたね。

――(笑)。その業者の方は音をさせた時、何も反応しなかったんですか?

福徳 その人もやってもうたなって思ってたんでしょうけど、なんの反応もなかったですね。

――このインタビューを行なっているのは『M-1グランプリ2018』の決勝前ですが、公開は決勝後。優勝していたら......どうします?

福徳 僕ら、実はスーツ(のフラワーホール)に、『ラグビーワールドカップ2019』のバッジを付けてるんですけど。
後藤 もし優勝してたら、その称号を利用して来年、日本で開催される『ラグビーワールドカップ2019』を観に行きたいですね。

――そこはぜひラグビー経験者として、お仕事として関わることができるよう願っています!(笑)では、最後に『ジャルジャルの笑いのツボ屋』について、改めてPRをお願いします。

福徳 あなたが笑いのツボに入ったのは、いつですか? きっとこの番組を観たときでしょう!
後藤 ポスターがコテコテな感じですけど(笑)、内容は新しいことをやっているので、よかったら観て笑いのツボに入っていただけたらなと思います。
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『ジャルジャルの笑いのツボ屋』は、明日5日より配信スタート。詳細は、大阪チャンネルの公式サイト(https://osaka-channel.hikaritv.net)をご覧ください!



【ジャルジャル】