銀シャリ、M-1王者らしい怒濤の掛け合いで大きなグルーヴを起こす!『銀シャリ初全国ツアー~優勝してもギンギラ銀にシャリげなく~』東京公演レポート
9月29日(金)、東京・ルミネtheよしもとにて『銀シャリ初全国ツアー~優勝してもギンギラ銀にシャリげなく~』が開催されました。
昨年末に開催された『M-1グランプリ2016』において、12代目チャンピオンに輝いた銀シャリ。今年8月13日の札幌公演を皮切りに、名古屋、大阪、福岡、東京といった全国5大都市を巡るツアーを初めて開催。各地すべて、チケットが発売されてすぐ即完となるなど話題満載の単独ライブは、この日、立見が出るほど満員のお客様を前に、ツアーのファイナルを迎えました。
暗転の中、大型ビジョンに2人のNSC入学願書に貼られた身分証明写真が映し出されると、客席からは歓声とどよめきが。その後、結成当初の2ショット、『M-1グランプリ』への挑戦する日々......コンビとしての軌跡が流れ、昨年M-1で優勝した際のトロフィーを掲げる笑顔の2人の写真が出た瞬間、客席からは大きな大きな拍手が起こりました。
割れんばかりの拍手に迎えられ、おなじみの衣装で登場した銀シャリ。橋本が「ありがとうございます。どうもチャンピオンです!」とちょっとふざけながら挨拶すると、鰻は「単独ツアーへようこそ!」と挨拶。も、すぐさま橋本に「単独ツアーはやってないです。全国ツアーで、単独ライブです」と冷静に訂正され、さらに「もうイラッとした。(橋本側にだけ)鼻毛が出てる......。ケアして!」と注意されてしまいます。
客席に「今回初めて来た人」「今まで来た人」と挙手を求める2人。初めて来た方も多かった一方、今までに来ていた方、さらにいつも足を運んでいる人......さまざまな客層が入り交じる客席に、橋本は「いろんな層の方がいていいですねぇ」とにんまり。
「伝統のカレーやったらいい感じ。新たな味を継ぎ足して、いろんな味が混ざっていって伝統のカレーになっていくってね」と自らのイメージを絶妙な喩えに乗せてつらつらと喋り続けると、しかめっ面で聞いていた鰻は「何言うてんねん」とポツリ。共感する客席がドッと沸く中、橋本が「楽しんでいただければ」と切り出して、漫才をスタートさせました。
この日、披露された漫才は6本。青、赤、白を基調とした衣装漫才ごとに変えながら登場し、漫才の冒頭で衣装について触れていきます。
ドット柄のポップな服装には「うしろシティ風です」と笑う橋本。学ランっぽい衣装では「思想強めの学生みたい」(橋本)「懐かしい感じ」(鰻)、ジャケットにネクタイという格好では「ルパン三世、最新のね」(橋本)など。つなぎ風の衣装では、橋本に「ずっと似合うと思ってた」と誉められた鰻ですが、「つなぎの部分に委ねてる感がすごい。スースーする!」とそわそわしていました。
身近にある日常的な題材から小さなポイントを切り取り、掛け合いによって話をどんどん広げながら観客を異世界へ誘っていく銀シャリ。
しょっぱなの漫才から得意の"上手いこと"をどんどん披露していた橋本のしゃべりは、中盤の4本目の漫才でさらに加速。チンパンジーをキーワードに、その状態をバンドに喩えたりと早口でストーリーをどんどんつくっていくと、鰻がたまらず「小芝居いるか?」と制止。も、橋本は「ジャズみたいなもんやから」とニヤリとします。
続いて「ピアノの弾き始め」というフレーズに、風邪か!」とツッコんだ橋本。我に返ったように「今のは過剰なツッコミですね」と客席に向かって解説しながら、「調子いい証拠ですよ」と呟きます。
勢いに乗る橋本に呼応するように声を張り上げる鰻が、口から客席をなぞの塊を飛ばしてしまうハプニングを起こすと、会場は大爆笑! 互いの出して来る笑いを受けながら楽しみ、且つ観客をも巻き込んで大きな大きなグルーヴを生み出していく様子は、さすがM-1チャンピオン。厚みのある話芸で、次々と大きな笑いを起こし続けました。
幕間のVTRではM-1優勝後、休みがほとんどないという2人が、一緒に休日を過ごすという企画。室内スキューバダイビングを体験したり、都内の居酒屋で昼間からお酒を楽しみながら会話を弾ませながらも、どこか仕事モードが抜け切れない2人に、客席からはほのぼとしした笑いに包まれました。
エンディングでは、「途中、調子に乗り過ぎました」と反省した橋本。対する鰻は、「(橋本の加速する喋りが)いつ終わるんやろ?と思ってた」と振り返ります。
さらに、橋本は「毎年、(単独ライブは)サボることなくやっていきます」と宣言。鰻は「味をしめて来てください!」と独特な表現で、来年の単独ライブへの来場を呼びかけました。
【銀シャリ】