最新ニュースインタビューライブレポート

インタビュー_ルミネtheよしもと

2018年9月 5日 (水)

間寛平、抱腹絶倒ライブ『寛平がまとわりつく8人』を「観に来いよ、おっさんを!!」と熱烈アピール! 2丁拳銃・川谷、シベリア文太と鼎談!!

9月23日(日)、東京・ルミネtheよしもとにて『寛平がまとわりつく8人』が開催されます。

こちらのイベントは、通常公演で行われている間寛平班のスペシャルコメディ拡大版。ボケにボケまくる寛平に、水玉れっぷう隊・ケン、2丁拳銃・川谷修士、ギンナナ・金成公信、山本吉貴、ニブンノゴ!・宮地謙典、夫婦のじかん・山西章博、国崎恵美といった7人の精鋭がツッコみまくり、シベリア文太が新たな笑いを起こすというドタバタコメディは毎回、客席がうねるほどの爆笑を起こし続けていました。

そんな人気企画が、満を持して単独イベントとして開催するということで、間寛平、川谷、シベリア文太にインタビューを敢行!
ライブの見どころを伺ったのですが、後輩たちの素晴らしさについて熱く語る寛平、その熱さに応えようと発言するも滑舌の悪さに伝わらないシベリア文太、そんな2人に鋭くツッコむ修士......と、はちゃめちゃな展開に。この鼎談を読むだけでも、このイベントの面白さは十分に伝わるはず。めいいっぱい笑いたいという方は、ぜひとも劇場へお越しください!

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(左から:2丁拳銃・川谷修士/間寛平/シベリア文太)

 *  *  *  *  *  *

――まず、どんな経緯でこのイベントを開催することになったのかを教えていただいてもいいですか。

寛平 3年ほど、ルミネの通常公演でスペシャルコメディとしてやってたんです。

修士 間寛平班としてね。1回目からめちゃくちゃウケて、みんな、手応えをすごく感じていて。

寛平 若手たちがとにかくすごいんですよ。みんなツッコミがうまくて毎回、笑いをめちゃくちゃ取ってたんで、「もう3年目になるし、単独で1回やってみる?」って訊いたんです。そうしたら「やりたい」って言うたから、開催することになりました。最初は『寛平がまとわりつく7.5人』というタイトルで。

修士 なぜか師匠が0.5人でして。

寛平 そうそう。文太は入ってなかったんですけど、もう1人欲しいなってなったときに入ってもらって。そこから、タイトルが『~8人』となりました。こいつも腕があるから、笑いがドッカンドッカン!

シベリア文太(以下、文太) あぁ~!! 来たら、いいなぁ!

修士 いや(笑)、来たらいいなぁ、じゃないですよ。それに、ちゃんと笑い来てますって!

――(笑)。

修士 内容としては、物語のあるコメディを何本かやっていくというイベントですね。

寛平 今までルミネでは3つのお話をやってるんですけど、今回もその中からやろうかなと思ってます。1本目がスーパーで。

修士 2本目が医者、3本目がおっさんとじいさんしかいない定時制の学校。宮地が師匠と打ち合わせをして毎回、台本を書いてくれています。
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――台本があるとはいえ、寛平さんや文太さんにツッコミ陣がどんどんツッコんでいくということは、遊び的なアドリブが繰り広げられるということですよね?

修士 そうです、そうです。みんな、勝手に遊び始めるんですけど、ナリ(金成)とか最強ですよ。

寛平 ええよなぁ。山本はうまいこと回してくれるし、山西のツッコミもいいよな? キレイでばーんと決まるツッコミ。いっつもいいなぁって褒めてたら、あいつもちょっと調子乗ってきたけど。

修士 ふはは! 師匠にええぞって言われたら、そりゃあ調子に乗るでしょ。

寛平 声が透き通ってて、ええツッコミです。修士もすごいんですよ。セリフをきちんと喋りながら自分なりに笑いを取っていくし、周りにもツッコむ。自分の立場と役目をまっとうしてるよな?

修士 ありがとうございます。バランサーですからね、僕は。

寛平 このライブ、うちの嫁が観に来てるんですけど、終わってから「めっちゃおもろかったわ」って毎回、言うてくれて。お笑いがものすっごい好きで、大阪にいる若手漫才師のこともめっちゃ知ってるくらい詳しいから、「あそこはこうしたほうがええんちゃう?」ってアドバイスをくれるんですよ。例えば、文太やったらよう喋られへんから「ちゃんとした専門用語を渡して喋らせるようにしたら?」とか、キャバ嬢役の国崎が地味な衣装を着てたら、「キャバ嬢らしい派手な洋服にせなあかんで」とか。で、それを宮地に伝えて変えたりもしてて。

修士 必要ですね、奥様。今後、演出家として入ってもらったらいいんちゃいます?

寛平 (笑)。その嫁がスペシャルコメディ観て「今の中堅芸人、ほんまにすごいな」って言うてた。「器用やなぁ、今の子は。あんた楽やろ?」って。

修士 いえいえ、僕らもツッコミが7人おらんと成立せぇへんなって思ってますよ。しかも、師匠は僕らに合わせてボケてくれてるというか。僕らは一生懸命、師匠に毎回食らいついてるんですけど、ツッコミそれぞれの世界観を組んで遊んでくれてるんじゃないかなって思ってます。

師匠 いやいや、ほんまに楽やで。みんな、ボケを全部、拾うてくれるし、ツッコんでくれるからすっごい気持ちいい。安心していられるよ。

文太 僕も師匠はほんまに達者やなぁって思ってました。観るのは@×○☆*△......。

寛平&修士 えっ、なんて?

文太 (笑)。寛平師匠のボケを観ていて、あんなボケできないなと思います。6000人の☆△×○*@......。

寛平 ......ん? なんて? 全然聞き取れへん!
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――よしもとに所属する芸人6000人の中でも、寛平さんのようなボケ方ができる人はほかにいない、って言ってました。

寛平 ありがとう、ありがとう。誉めてくれてたんやなぁ。

修士 ふはは! ええこと言うてんのに、何人通訳がいるんですか!

文太 (大きな声で滑舌よく)袖にいる芸人がボケに爆笑するって、なかなかないことですから。

修士 同じ物語でも毎回、展開が違うし、師匠が毎回とんでもないミラクルなボケを繰り出すので、芸人みんなが袖で観てるんですよ。

文太 ほんまに毎回、ボケとツッコミの感じが違いますもんね?

修士 普通、絶対的なセリフは変えないもんですけど、師匠はどんどん変えてきますし、その面白さが通常を超えてきますからね。元々のものでも十分おもしろかったのに、さらに変えて笑いを起こせるっていうのはなかなかできることじゃないなと感心します。あと、周囲の若手をビビらせないのもすごいなと。師匠が相手やと、若手はどうしてもその存在にビビってしまいがちですけど、そういう気持ちにさせない空気感を持ってらっしゃるので、後輩がのびのびと楽しくやれる。そこは、ほんまにすごいです。

寛平 だって、俺が「ここ、ちゃんとせなあかんやないか!」って言うだけでも、みんなに戸惑いが出てくるやろ? そこから何かしらの溝ができそうというか。

修士 師匠はそういうこと、僕らには言わないですよね?

寛平 言わない。まだ20歳くらいの(この世界に)入ったばっかりの子には「こうしたほうがええで」とか「こうせんとウケへんやろ? ここが余分やんか」とか言うたほうがええかもしらんけど、このメンバーは言わんでもわかるやんか。「ここがダメやった」っていうのは感覚や頭......いろんなところで感じるから、いちいち言わんほうがええねん。

修士 ありがたいですねぇ、そう思ってもらえているのが。

――だからこそ、修士さんが言われたように、みなさんがのびのびと楽しみながらやれていると。

寛平 そうそう、それがいちばんやからね。

文太 僕は△×@☆*○+¥......。

寛平 (ぽかーんとした表情で)へぇ!? なんて?

文太 ふふっ。僕はまだ追いついてないな、もっとがんばらなあかんなって思ってしまいます。笑いも少ないんじゃないかなって思うたりして。

修士 いやいや、兄さん、めちゃめちゃウケてますやんか。

寛平 うん。今まで文太がやってきてないパターンでやってるから、めちゃくちゃ面白いで。
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――川谷さんは、ツッコミとしてどんなことを感じてらっしゃいますか。

修士 いろんなツッコミが集まってるんで、勉強になります。ただねぇ、僕は毎回楽しんでるだけなんです。もちろん演じてはいますけど、自然と笑うてる。というか、笑うてまうんです。

寛平 ほんまにめっちゃ楽しいんですよ。あれ、なんなんやろうなぁ? いっつも不思議な気持ちになるわ。お客さんも一体になってくれるしな?

修士 はい、なんなんでしょうね? ひとつ言えるなら、観終わったあとにすごく幸せな気持ちになれるライブやなということ。やってる僕らはほんまに幸せで、出番が少なかったとしても苦じゃない。袖で観ていても、ほんまに楽しいし、お客さんも毎回楽しんでくれていてありがたいライブなんですよ。

寛平 文太はほかの班も出てるやんか? どう?

文太 僕は石田(靖)さんの班とほんこんさんの班に出てるんですけど、(笑いの生み出し方は)それぞれ違いますね。例えば、ほんこんさんの班は計算された笑いなんですけど、寛平さんの班は想像できないところで笑いが起こっていく感じで。

修士 即興に近い部分も多いですからね。

文太 そう、ドッカーン!っていう想像を超えてくる笑いが毎回、起きているなと思います。

寛平 この班に入って、ケンちゃんは変わったよな? それまでは自由にボケてみんなにツッコまれるような感じの笑いはあんまりしてなかったけど、たまたまみんなにツッコまれるようなことがあって。そのとき、"あ、これでええんや"って思うたんか、生き生きとボケるようになったし、みんなにツッコまれて笑いをどんどん起こすようになった。

文太 そこから、石田班でもドーンとウケを取るようになりました。

修士 金成、山本、ケンさん、山西......こんなすごいヤツらおんねんぞということを、今回のライブでもっとみなさんに知っていただきたいですね。年齢問わず、誰でも楽しめますから。
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――どんな方に観に来ていただきたいですか?

修士 スペシャルコメディで観てくれたお客さんに、今回もまた観に来てもらえたら嬉しいですよね。同じ設定でも、同じ内容ではないですから。

寛平 そうやね。出てるのはみんな、おっさんやけど、10代や20代の若い子が観に来てくれたら嬉しい。そういう子らは、今テレビに出てる若い芸人を観に行くんやろうけど、来いよ!! おっさんを観に! おもろいねんから!と言いたいですね。

修士 (笑)。10代、20代のみなさん、ケンさんが吉本坂46に選ばれてアイドルになりましたから、このライブにはアイドルも出るぞ!とも言いたいです。

寛平 ほんま、若い子に来てほしいわぁ。そんで、その子らが高校を卒業して大学に行くんか行かんかして、もしよしもとに入ることになったとして、「あのとき、観に行ってたんです」とか「このメンバーに入りたかったんです」って言われたら嬉しいやろなぁ。

修士 どんな想像してるん!? そこまで飛躍するもんですか?

文太 ふふふ!

寛平 メンバーにアイドル的な子もほしいなぁ、国崎には悪いけど。

――吉本坂46の暫定センターに選ばれたスパイク・小川さんとかどうですか? スパイクさんは相方・松浦さんもメンバー入りしましたし。

寛平 入れよう! ちょっと言うといて!

修士 わっかりました。とにかく、この1回目はめちゃくちゃ大事なライブ。損はさせません! ほんまに楽しかったと思ってもらえるはずなので、ぜひ観に来ていただきたいですね。

寛平 おもろかなったり、腹が立ったりしたなら、俺の体に落書きしてもええから観に来てほしい。ライブが終わったあと、みんなでロビーに上半身裸でおるから、腹立った人は文句を書いてください。これ、書いといてな?

――では、書かせていただきますね。

寛平 俺、ロビーで絶対、待ってるから! すぐ落ちるマジックも一緒に置いとくし。

修士 え、すぐ落とすん? 書かれるのは嫌がらんのに!?

寛平 うん。鬱憤を晴らしてくれてええなと。腹立ったらやで? おもろかったら、書かんといてな!

修士 じゃあ、ペンはこちらで用意します! みなさん、ぜひお越しください!
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【間寛平】【シベリア文太】【川谷修士】【2丁拳銃】

2018年8月25日 (土)

ハワイ公演も決定!おきなわ新喜劇をプロデュースするゴリが見どころを語る

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ハワイ移民の3世が母親を探しに沖縄にやって来るというモチーフで、笑い満載の楽しい舞台となる、第5回おきなわ新喜劇ツアー『心がつなぐアロハイサイ!』公演が9月3日の東京公演を皮切りにスタートします。今回は東京、大阪、那覇、石垣に続き、なんとハワイ公演も決定! そこでおきなわ新喜劇をプロデュースするガレッジセール ゴリに本舞台の見どころ、そして今回のハワイ公演に向けた意気込みを聞きました。

――2014年に始まり、今回で5回目を数える「おきなわ新喜劇」ですが、吉本新喜劇と沖縄の方言・音楽・風習をミックスさせて、沖縄独特の文化・歴史を笑いながら学ぶというテーマで行われてきました。沖縄のお客さんのリアクションはいかがですか?

ゴリ:やはり沖縄の地元ネタをやると、皆さんすごく喜んでくれますね。俺たちの土地のことをいじってくれてるということで、みんなケタケタ笑いますし。東京や大阪の人が見たら、いったい何がおかしいんだと思われるかもしれませんが、皆さん本当にケタケタ笑ってくれていますね。

――やはり沖縄ならではの新喜劇だということなんですね。

ゴリ:ただ、本番前という緊張感をお客さんがあまりくんでくれないんですよ。本番前なのに、楽屋に何十人と役者の知り合いが入ってきて、「サーターアンダギー食べなさい」とか「天ぷら持ってきたよ」とか。こっちとしては着替えて、メイクとかもやりたいんですけど、「写真撮って」とか。おじいちゃんは「トイレはどっち?」と聞いてくるんで、「あっちです」とか言って。楽屋裏は大変ですね(笑)。

――第5回公演となる『心がつなぐアロハイサイ』は、戦後、戦争の被害が大きかった沖縄に、ハワイの移民が豚や洋服、ワクチンなどを送ったという実話がモチーフとなっていると聞きました。これは沖縄の方にとっては有名な話だそうですね。

ゴリ:もちろんです。ハワイから沖縄に豚が送られてきたというのは、沖縄の人はみんな知っている話なので。だからその話を入れながらも、根本的には笑ってもらうことが一番ですから。沖縄の人には笑っていただいて、そして東京や大阪の人には「沖縄の人って世界中に移民として渡っているんだな。そして戦後は、ハワイ移民が故郷のためにお金を集めて、豚だワクチンだ服だというものを送ったことがあったんだな」ということを知ってもらいたい。そういった沖縄の情報をひとつだけでも持って帰ってくれるだけで、僕はいいと思うんです。だからたくさんの知識を詰め込みすぎると結局、忘れてしまいますけど、とりあえず一個だけ。例えば空手がテーマだったら、実は沖縄が空手発祥の地なんだ、ということを一個だけ、持ち帰ってもらえればいいなと思って作っています。

――吉本新喜劇の伝統を守りつつ、沖縄らしさもミックスさせるということで。どれくらいのバランスで考えていますか?

ゴリ:基本的にやはり笑えないとお客さんは来ないと思うんで、吉本新喜劇の要素が6割。沖縄の要素が3割くらい。そして残りの1割が沖縄の豆知識という感じの配分でやっています。

――ゲラゲラ笑っていくうちに、いつの間にか沖縄の知識がスーッと入ってくるという。

ゴリ:そうですね。で、今回の幕間では、ひとりで三線を弾いている比嘉りゅうた(ありんくりん)が登場し、語り部をするという新しい試みをやります。そういうのは吉本新喜劇ではやらないことですからね。そしてゲストには、きいやま商店が来て、歌も歌ってくれるんで。そういう意味で、南国沖縄の爽快感みたいなものが出ると思います。そういう部分が「おきなわ新喜劇」らしさかなとは思います。

――第2回公演の時に、「香港、タイ、ハワイ、ブラジル、ペルーと沖縄県人会があるところ全てに行きたい」とゴリさんが意気込んでいたことがありましたが、今回、その中のひとつであるハワイ公演が見事、実現しましたね。

ゴリ:やっときました。沖縄移民の県人会がある場所に行ってやりたいという思いがあったので。これがひとつの成功例としてうまくいけば、ブラジルだ、アルゼンチンだ、ペルーだ、チリだと。沖縄の人がいっぱいいるところに行けると思うんで。本当にうれしいです。5年に1度の「世界のウチナーンチュ大会」に行ったときも、同じ沖縄出身で、世界中で生活している人がこんなにいるのかと。それくらいの人たちが集まりますからね。みんないろんな国の国旗を振っているんですけど、流れている血は沖縄ですから。移民として世界に渡っていって。そこで貧しい生活や重労働をしながら、なんとか頑張って生き抜いて。子孫を残して。自分たちの地位を確立している人たちなんで。そういう沖縄の人たちの力強さとか、そういう部分も僕は誇りに感じています。

――その景色は圧巻でしょうね。

ゴリ:そういう集まりを見たときに、今度は僕たちの方が、彼らが生活している国に行って、おきなわ新喜劇を観てもらいたいなと思ったんです。そこで「世界のウチナーンチュ大会」でもやらせてもらったんです。そうしたらその会場にも、世界中から来ている沖縄の人たちが来てくれて。言葉が分からなかったと思うんですが、それでもなんだか楽しそうに見てくれて。これだと思ったんです。だから今回、海外で見せられることになって、非常にうれしいですし。メンバーみんなも、ただただ仕事という理由でハワイに行けるということで、非常に喜んでいます(笑)。

――そういう意味で、ハワイの人たちも楽しみにしているんじゃないでしょうか?

ゴリ:今まで、沖縄の喜劇をハワイに持っていくということは、おそらくなかったと思うんですよ。沖縄とハワイは同じ南国ですが、なかなか頻繁に行き来できるわけではないので。だから僕らが沖縄の風を持ってきて。その上で自分たちのルーツである、沖縄の風と音楽と笑いを味わってもらって。やっぱり同郷っていいなというのをハワイで感じていただけたらうれしいなと思います。それにしても懐かしいですね、ハワイは、ゴリエちゃんのPVを撮った場所なので。

――ご縁があったんでしょうね。

ゴリ:本当にこの公演が決まるとは思わなかったですよ。こういうことが現実になるということはそう簡単にいくものでもないですからね。そういう部分で、沖縄県に対しても感謝ですし、そうやって尽力してくださった吉本のスタッフにも感謝ですし。その分、期待を裏切らない内容をしなければいけないなと思います。

――あらためて意気込みをお願いします。

ゴリ:今回は5周年という節目ですし、海外公演も決まったということですが、まだまだ、おきなわ新喜劇の知名度は少ないので。これからはおきなわ新喜劇を観たいから、沖縄に観光に来る、ということになれば、おきなわ新喜劇の意味があると思うんですね。こちらから東京や大阪に出かけていって、いろんな人に沖縄のことを知ってもらって。それをきっかけに、沖縄にも足を運んでもらえたらと思うんです。やはりなんばグランド花月を見ているとうらやましいですよ。1日に何回も公演をやって、全部が満席ですから。観光の一環として定着しているんですよね。だから沖縄もああいう風になるように、地道に頑張っていくしかないですね。


●日時・会場:
【東京】 9月3日(月) 19:00開場/19:30開演 @ルミネtheよしもと
【大阪】 9月5日(水) 18:30開場/19:00開演 @なんばグランド花月
【ハワイ】 10月17日(水)①15:30開演②18:30開演 @ハワイ大学
【那覇】 11月6日(火)・7(水) 18:30開場/19:00開演 @琉球新報ホール
【石垣】 11月28日(水) 18:30開場/19:00開演 @石垣市民会館 大ホール

●出演者:
ガレッジセール、普久原明、福田加奈子、宮川たま子、ありんくりん
田仲メリアン、宝眞榮日也美、仲地智子

●ゲスト:きいやま商店 ※ハワイ公演除く

●チケット料金
【東京・大阪】 前売4,000円/当日4,500円
【那覇・石垣】 前売3,500円/当日3,900円
        (※中学生以下 前売3,000円/当日3,400円)

●チケット一般発売:
【東京・大阪】  好評発売中
【那覇・石垣】  8月18日(土)~

●チケット取扱:チケットよしもと 、ファミリーマート、ローソン、チケットぴあ ほか

2018年7月 4日 (水)

7月20日に単独ライブを開催する横澤夏子へインタビュー!「今までの集大成にしたい」と意気込みを語る!!

7月20日(金)、東京・ルミネtheよしもとにて、横澤夏子が単独ライブ『出版ガール』を開催いたします!

自身の28回目の誕生日&入籍して1年と、記念すべき日に開催を決めた横澤夏子へインタビューを敢行。仕事の中でいちばん好きだと語る単独ライブへの意気込みはもちろん、「今回で一旦、単独ライブを落ち着かせたい」と語る真意に迫りました。
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――28回目の誕生日、そして入籍から1年経つ7月20日に単独ライブを開催されるわけですが。

「あぁ、入籍のことまでありがとうございます! そのことは特に意識してないんですけど(笑)、誕生日に単独をやるのは成長した気持ちを持って歳を重ねたいなと思ったからなんです。毎年、1年が始まる1月と新学期が始まる4月に決意表明してるんですけど、7月ってなんだかすごくダレる感覚がありません? 年末になると、また来年がんばろうって思えるんですけど、夏って目標を決意できる機会がないので、単独をやって新たな決意を持とうという思いもありました。何より、誕生日に何かしら記念に残ることをやるのが好きなんですよね(笑)」

――1年に何度も決意表明する辺り、計画性のある横澤さんらしいです(笑)。

「仕事の中でいちばん好きなのが、単独ライブなんです。もちろん準備は大変ですけど、終わったあとは"やってよかった、またやろう"って前向きな気持ちになれるし、誕生日に単独をやると次の歳へのいいスタートが切れる気がしてます」
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――どんな単独ライブになりそうですか。

「今回も、出会いたてホヤホヤの女の人たちを見せる発表会のような感じになるのかなと。今はまだ構想段階ではあるんですけど(注:インタビューは6月中旬に行われた)、いつもやってる『横澤夏コレクション』では私がこの半年で出会ったいろんな女性をファッションショーみたい発表しつつ、新たに細かいネタもいろいろとやりたいなぁと考えてます。あと、今までやったキャラクターの成長した様子も見せられたらいいなと。例えばOLネタだったら少し違うランクに進んでいるとか、自分の年齢と一緒に歳を重ねた女性像をお見せしたいですね。とにかく、今後に残るネタをたくさんやりたいなと思ってます」

――20代になりたての頃と今、チョイスする題材に変化は感じますか?

「感じます、感じます。昔の何冊かあるネタ帳を見返すと、"すごく低レベルなことでイライラしてたじゃん!"とか"私、こういう人が許せるようになったんだな"とかわかってすごく面白いんです。例えば、前は(大勢がいる中で)動かない女の子がすごく苦手だったんですけど、今は動かないほうが得してるんじゃないかと思ったりもしますし、動かないのをわざわざ見つけて怒ってるほうが性格悪いんじゃないかって考えたりもするんです。今回のネタも達観している人は、"あぁ、こんなところでイライラするなんて、横澤夏子はまだまだお子さまね!"って思うかもしれないですけど、それが今の私なので楽しんでもらえたら。もし毎回観に来てくれている方がいるなら、"横澤夏子って成長したじゃん。そこにイラつかないで、ここを面白がれたんだ"って思ってもらえたら嬉しいですね」

――テレビの仕事が増えると、一般の人と触れる機会って少なくなるような気がします。芸人さんの中にはネタ探しのために街へわざわざ出る方もいるみたいですけど、横澤さんはどうですか?

「地元の友人や一緒に遊ぶ仲間は変わらないですし、みんなが覆面調査員のようにいろんなネタを常に提供してくれるので(笑)、そんなに以前と変化はないかもしれないです。確かに、仕事で出会う人は偏ってしまうところもあるかもしれないですけど、ロケに行くといろんな人に出会えるから面白くて。私、今回の単独で本当は『代々木公園でバドミントンのラリーが10回続かない女』っていうのをやりたかったんです。いざネタを作って作家さんに見せたら『面白くない!』って言われてボツになっちゃったんですけど(笑)、それも代々木公園でロケに行った時に公園にいる人を観て"あの人いいなぁ"って思ったところから思い浮かんだものだったんですよね。あと、ロケでトレンドのお店に行かせてもらうこともあるじゃないですか。食べ物のお店に行った時に"あぁ、こういう人が並んでるんだな"とか"みなさん、並びながらずっとおしゃべりしてるんだな"とか感じたことと、自分が実際かき氷か何かを食べるために友達と並んだ経験を混ぜて、前回の単独で『ローストビーフに並んでる女』っていうネタを作りました(笑)。だから、相変わらずネタに困ることはないですね」
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――女性への興味も尽きることはないですか?

「尽きないですねぇ。だから、さっき話したように半年間で出会った女たちを発表するネタづくしの単独をお届けする予定なんですけど、実は今回で単独ライブはちょっとお休みしようかなと思ってるんです。だからと言って海外留学するわけでもないんですけど(笑)、インプットするために一区切りしたいなと思ってるんです」

――あぁ、そうなんですか!!

「そうなんです〜。で、次は違う単独のかたちをお見せしたいなと考えているので、今回の単独ライブはネタづくしにして、今までの集大成を観ていただきく予定です!」

――今後、例えばどんなことをやってみたいんですか?

「私、今までの単独でお客さんに書いてもらったアンケートをすべて、保管してるんです。そこにはみなさんが気になる女性たちがたくさん書かれているので、そういう女性たちをネタにするライブもやってみたいですし、オフ会みたいに20人くらいのお客さんの話を聞くトークライブも興味があります。もちろん、単独ライブは大好きなので、気が変わってまたネタだけのライブもやろうと突然、思うこともあるかもしれないです」

――それを聞いて、ちょっと安心しました。では、これまでの集大成となる今回の単独ライブ。どんな方に観に来ていただきたいですか?

「私の単独ライブを観に来てくださる方は、性格悪いと思うんですよ。ふふふ! だって、わざわざ横澤夏子で検索して、ライブの情報をチェックしてくれて、チケットを買ってくださってるわけじゃないですか。本当にありがたいですし、来てくれて嬉しいので、そういう方々があぁ、スッキリした! 成仏成仏!と思ってもらえるような単独にしたいですね。で、私のネタに出て来たような人と現実に出会った時に、"あぁ、横澤夏子が言ってたわ。デジャヴだわぁ。免疫できててよかった!"と思ってもらえたら嬉しいなと思うので、人間関係でモヤモヤしている人はぜひ観に来ていただきたいです。で、アンケートに『こんな人がいるんです』って教えてもらいたいです」

――女心を知ってもらうために、男性にもぜひ足を運んでもらいたいですよね。

「そうですね。私のネタを観てわかる女心なんて、男性にとっては知りたくないイヤな部分かもしれないですけどね(笑)。最近、男性のお客さんも増えてるんです。私のネタで笑ってくれていると、"あぁ、男性も気づいてるんだ"ってわかって嬉しいので、大きめの女子会に紛れ込んだくらいの気持ちで観に来てほしいですね。とにかく今回は女の私が作った女の塊が詰まったネタづくしの単独です! ぜひみなさん、観に来てください!」
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【横澤夏子】

2018年6月 1日 (金)

舞台『幼児・小学生・戦隊ファン向け 夏休み企画「ももたろう」』を立ち上げたNON STYLE・石田明へインタビュー!

7月23日(月)より、東京・ルミネtheよしもとにて、NON STYLE・石田明作・演出による舞台『幼児・小学生・戦隊ファン向け 夏休み企画「ももたろう」』が上演されることになりました。

誰もが知っている昔話『桃太郎』にコメディ要素とアクション要素をたっぷりと加えた本作、幼児・小学生・戦隊ファン......もちろん全世代が楽しめるカッコよくて面白いヒーローショーとなっています。
今回は作・演出、そしてももたろう役を演じる石田に、本作の制作に至ったいきさつ、舞台の観どころ、演出家としての面白さなど、さまざまに語ってもらいました。
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――本作を立ち上げた経緯をまず聞かせていただけますか。

「お笑いってお子さん連れ歓迎と言っている割に、そんな雰囲気ないよなっていうのがありまして。舞台を観に行くのが好きやったうちの奥さんも、子供が産まれてからは中々行きにくくなってしまったらしいんですよ。ヒーローショーを楽しんでいるお母さん方もいるでしょうけど、子供たちが夢中になっている間の休憩みたいなところもあるやろうし、ストレス発散まではなってないやろうなと思って、お子さんも楽しめてお母さん方のストレス発散にもなるような舞台を夏休み限定でもできたらいいなと思ったんです。で、どの時間がいいのかをいろいろと考えたんですけど、昼間はやること多いし、夕方なんか家を出ていけるかい!って話じゃないですか。なので、午前中にやることにしました」

――昔話の『桃太郎』を題材に選んだのは?

「誰もが知っている物語で、集中しなくても話についていけるというのが重要かなと。公演中、赤ちゃんがぐわ~んと泣き叫ぶ中でもついていけるでしょうし、途中からでも(ストーリーに)戻ってこられることが大事やなと思って選んだんです。『桃太郎』にはいないキャラクターが出て来たりするんですけど、流れは変わらないですし、ホームページには絵本を乗せて、流れを予習してきてもらうこともできるようにしていて。女の子が好きな要素として川村真洋さんにも出てもらいますし、ヒーロー戦隊という男の子の好きな要素もある。で、お笑いっていうみなさんで共有できる要素ももちろんあるので、いろんな角度から楽しんでもらえる舞台になっているんじゃないかなと思いますね。あと、初恋タロー・こうすけに主題歌を作詞作曲してもらって歌ってもらったんですけど、ついつい口ずさみたくなるような曲なので、ぜひチェックして観に来てもらえたら嬉しいです」

――今回、本格的なアクションもあるそうで。

「そうなんです。お母さん方に楽しんでもらいたい、子供たちにかっこいいと思ってもらいたいというのがあるので、締めるところは締めようということで、今、必死に殺陣の練習をしてます。練習用に買った竹光を家で振っていると、嫁と双子がぽかーんと観てますよ(笑)。お子さんを飽きさせない演出としては、子供が好きなものもふんだんに盛り込んでいく予定です。もちろん、いろんな世代の方に観に来ていただきたいんですけど、お子さま連れをターゲットにしている辺りを了承していただければ。いつもより騒がしいライブになってしまうかもしれないですけど、その状況も楽しんでもらえたらありがたいです」

――出演者も、石田さんが声を掛けられたんですよね。

「仲のいい人、動ける信頼できる人に出てもらうことになりました。いぬ役の小澤くんは『海洋戦隊ゴーカイジャー』でレッドをやっていた人で、シアターGロッソで中に入った経験もあるんです。僕が演出した『ダンガンロンパ THE STAGE』に出てもらって以来、仲よくしていて、一緒に呑んでいる時に『やってよ』って言ったら『石田さんが言うならやるよ』って快諾してくれて。『オレ、中もやったことあるしね』って言うから『じゃあ、やってくれる?』ってお願いしたら、ほんまにやってくれることになったんです。さる役のこうすけときじ役の赤羽は変身するとプロのスーツアクターに変わるんですけど、小澤くんは自分自身。プロフェッショナルなスーツアクター2人と並ぶことになるので、今回のために体を作り直すって言うてくれました。あと、御茶ノ水男子・しいはしジャスタウェイとカートヤングさんのようにちゃんと動けるメンバーを揃え、グランジ・五明は鬼っぽさで選びました(笑)。ウエスPは鬼役ですけど、世界に匹敵する芸を見せるシーンもあります。みんな、楽しみにしてくれてますよ。最初に声をかけた時は『ありがとうございまーす』くらいの軽い感じやったんですけど、今朝会ったときにいろいろと見せたら『なんか......すごいですねぇ』って言うてくれました」
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――石田さんは外部の舞台にも出られていますが、他ジャンルの方々との交流によって舞台をつくる際の着想に広がりも出て来るんじゃないですか。

「どんどん広がっている感じはしますね。舞台をつくるときもそうですけど、例えば映画を書くときにも"この人、出てくれるかな"とか思いながら書くことはありますね。仲がいい役者が増えると舞台を観に行く機会も多くなりますし、観ていたらこういう演出家さんおんねや、こういうやり方面白いな、こんなことしはんねやとか驚きがあって、色々と自分の中で貯蓄が増えていくんです。今回、殺陣をお願いした殺陣師さんも、この前つかこうへいさんの舞台『熱海殺人事件 CROSS OVER 45』に出たときに教えていただいた方なんですよ」

――いろんな演出家の方の演出を身を以て体験することも勉強になるんでしょうね。

「勉強になってますねぇ。僕って表面っぽく演出することが多いというか。それがお笑いの良さやったりするんですけど、表面じゃないところでの見せ方とかかっこいい演出が得意じゃないんです。けど、2.5次元の舞台然り、つかさんの舞台とかもかっこいい。今回は照明の限度もあったりするんですけど、相談できる方も増えていることもかなりプラスになってますね。また、演じるという点ではこの前の『火花~Ghost of the Novelist〜』なんかはわかりやすいですけど、自分とは真逆の人格を演じられるのは面白いですよね。あとねぇ、僕が何より言いたいのは、生ものって面白いよっていうこと。僕が初めて生で観たのは、シェイクダウンさん(お~い!久馬と後藤秀樹のコンビ)の漫才で。"こんな面白い仕事があんのか!"と衝撃を受けて、芸人を目指すようになったんです。で、実際やってみたら難しいからこそ、編集できないからこそ、舞台って面白いんやなと感じました。今回だって、これだけ公演をやっても一度も同じものがない訳じゃないですか。それが、舞台のよさですよね。お客さんそれぞれが勝手にズームしてくれたり、引きで観てくれたりするのも楽しいところやなと思ってます」

――"よしもと むかしばなしシリーズ"と銘打たれていますが、今後いろいろと展開していく予定なんですか。

「そうですね。ももたろうをしっかりとつくったので、今後いろんなところでやりたいなと思ってはいます。正直言うと、今回の公演日数だけでは余裕で赤字なんですよ(笑)。けど、お金儲けでやってるわけじゃない。夏休みにご家族でいい思い出をつくってもらうためにやっていることですし、こういう新しい試みを行なうことで、お笑いそしてルミネという劇場でやれることの間口が広がればと思いますし、子供たちにはお母さんの笑っているところを観てもらいたい。子育ての中ではどうしても厳しい顔になってしまうことが多いと思うんですけど、お母さんの笑顔を観れば"舞台とかお笑いってステキなんやな"とちっちゃいながらに思ってくれるんじゃないかなと。なので、家族全員で観に来ていただければ。赤ちゃんが泣いている声も公演のBGMやと思ってますので、気軽に足を運んでもらえたら嬉しいです!」
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【石田明】【NON STYLE】

2018年5月24日 (木)

『KOK キングオブコドウグ~小道具ネタNo.1決定戦~』を主催するチョコレートプラネットへインタビュー! 長田「ゆくゆくは賞レースにしたい」と意気込む!!

6月15日(金)、東京・ルミネtheよしもとにて『チョコレートプラネット presents「KOK キングオブコドウグ~小道具ネタNo.1決定戦~」』が開催されます。

こちらのライブは、小道具ネタを持つ厳選された芸人10組がそれぞれ珠玉の小道具ネタを披露し、No.1を決定するというもの。ライブを開催するに至った経緯や小道具への熱い思いなど、主催者であるチョコレートプラネットにインタビューを敢行しました。

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(向かって左:長田庄平/右:松尾駿)

 *  *  *  *  *  *

――今回のライブは、どういう経緯で開催に至ったんですか。

長田 漫才、歌ネタ、リズムネタとかいろんなジャンルがある中で、小道具もジャンル化されていいんじゃないかなと考えたんですよね。僕ら、NSCの頃から小道具を使っていろいろとネタをやってきましたし、小道具芸人を集めてイベントやりたいなと思っていたところ、今回、ルミネの劇場からオファーをもらったので、せっかくの機会を活かして小道具コント芸人のNo.1を決めるライブをやってみようと思いました。僕ら自身、2014年の『キングオブコント』でポテチのコントを披露してからフィーチャーされて、いろんなところからお声がけをいただくようにもなって。その辺りから小道具づくりの魅力っていうか、コントと小道具の関係性に惹かれていったんですよね。

――ちょっとトーンが......かなり真剣な感じですね。

松尾 ふふっ、どういう立場の人だろ?って思いますよねぇ。

――(笑)松尾さんはどうですか?

松尾 僕はなーんも思ってないです!
長田 ふざけんなっ!
松尾 (笑)相方がつくる小道具って、どんどんクオリティが上がってきてるんですよね。そのすごさを、僕はいちばん間近で観て来た分、ほかの人のつくっているものを観てもある程度、どんなものかわかるんですよ。例えば、段ボールをガッチガチにテープで巻いてたりすると、ちょっとなぁとか。
長田 ディテールだよね?
松尾 そう! 長田はすごく器用で、普通の人のレベルがマックス10だとしたら、15くらいあって。僕も普通の人よりできるんですけど、超器用な相方がいるからやってないだけなんです。
長田 確かに、松尾はいちばん信用できる補佐です。
松尾 もっと言うと、僕がいちばんの小道具だと思ってるんですよ。長田さんのね?
長田 いやいや、まずつくってないから(笑)。哲学的な感じになっちゃってるけど大丈夫? タモリさんの赤塚不二夫さんへの手紙みたいな感じ? え、そんなカッコいい感じになっちゃう?
松尾 ふふふ......とにかく楽しみですね。

――出演者は強者ぞろいですけれど、どうやって選ばれたんですか。

長田 No.1を決めるにあたって、クオリティの高い小道具コントをしているなと思った人を集めたというか。僕が小道具を観て、"うわぁ、これいいな"とか"よくこんなのつくれたな"と惹かれる人達をブッキングしました。
松尾 関西からクロスバー(直撃)さんが来てくれたり、雑味の強いインポッシブルさんがいたりだとか多種多様ですよね。ジグザグジギーだけ、大丈夫なのか?っていう気持ちがありますけど(笑)。
長田 彼らは、単純に僕らが好きだから無理やり入れました。
松尾 他の人は小道具があるかどうかを聞いてから出て欲しいと頼んでるんですけど、ジグザグジギーだけ聞かずに勝手にオファーしまして。
長田 一応あるのは知ってたんですけど、自分でつくっているのかわからなくて。一応、自分たちでつくってるかどうかも審査対象にはなるんですけど、プロデュースもアリかなと。まぁ、ジグザグジギーに関しては「なかったら、つくって」くらいの気持ちです。
松尾 「なんでもかんでも呼ぶの、やめてくださいよぉ」って言ってましたけどね(笑)。
長田 そこはしょうがない。俺らに好かれたジグザグジギーが悪いっすね!

――そんななか、いちばん強敵だなと思っているのは?

長田 やっぱりクロスバーさんですね。小道具と作品をいくつか観させてもらってるんですけど、バランスがめちゃくちゃいいし、クオリティもすごくて一目置いてます。まぁ、みなさん、奇想天外な小道具をつくってくる手強い方々なので、負けられないっすね。......めちゃくちゃ面白そうなコンテンツなんですけど、客観的に考えるとメンバーが渋すぎる!
松尾 お客さん全員、野郎なんじゃないかっていうくらいのメンツだよね。女の人こないんじゃない?
長田 そうなんですよねぇ。8.6秒バズーカーとかフースーヤみたいにポップな小道具芸人が現れてくれれば嬉しいんですけど。
松尾 ミキが小道具つくってくれればねぇ?
長田 面白いね。今、ツアーをやってるんですけど、いろんな動きをするドクロのサンパチマイクをつくったので、それで漫才師の人達にネタをやってもらえたら。ツアーではもちろん僕らがやってるんですけど、ガチンコの漫才師がやっていたら面白いですよね。
松尾 あぁ、面白い! 和牛さんとかやってくれたらうれしい。
長田 僕らがつくった小道具でネタをやってもらうみたいなイベントもできたらいいですね。

――面白そうです。そちらの開催も期待してます! ところで、No.1はどうやって決定するんですか。

松尾 ぶつけ合って最後まで頑丈だったものが勝ちとか?
長田 頑丈バトルじゃねぇし! まぁ、本来は小道具とコントのバランス、クオリティなどを審査員にジャッジしてもらおうかなと思ってたんですけど、審査員を捜すのが難しいなと。以前、大宮ラクーンよしもと劇場でプロットライブをやらせてもらったんですけど、その時は木に打ち込んであるネジを各々が抜いて、いちばん長いネジだった人が勝ちっていう......(笑)。それはちょっと茶番みたいになってしまったんですけど、今回も小道具に特化したかたちで決めたいなと思っています。

――なんのネタをやるかは、もう決めてるんですか。

長田 今、絞り込んでいるところです。周りの人のネタとのバランスもあるから、何をするか決めるのが難しくて。
松尾 当日の楽屋が楽しみですね。小道具ネタやってる人って、小道具が本番前に急に動かなくなることがあるから、直前まで調整してる。言ったら、ロボコンと一緒ですよ。
長田 本番で動かなくて、楽屋で泣いてる......とかあるよな(笑)。
松尾 泣くよねぇ~。僕らも単独ライブでつくった小道具が動かなかったことがあったです。僕はしょうがないなぁっていうくらいだったんですけど、長田がライブの合間ずっと半田ごてで直してるのを観て"この人、何やってんだ?"って思いました。
長田 僕らは小道具がうまく動いてくれるかどうかが重要なので、動かないのがいちばん怖い。今回のライブでは、こういうあるあるトークもしたいなと思ってます。

――幸い、ルミネtheよしもとから東急ハンズは近いですから。

長田 東急ハンズが近くにあると、本当に安心する。何かあれば、すぐに行けますからね。よしもとの劇場は比較的、必要なお店が近くにあるので割と安心ですね。
松尾 最悪でも100均があればね。
長田 そう。なんとか応急処置はできますから。

――自ら小道具をつくることができるメリットや強みって、どんなところにあると思いますか。

長田 自分達が思い描いていた動きができる物がつくれるということですね。細部にまでこだわって追究してつくれる分、ジレンマがない。つくってもらうと、どこかが違ったりするんですよ。それ、わかる?
松尾 うん、わかる。衣装とかもそうなんですけど、"オレらが求めてたのは普通のブラックじゃなくて、マットブラックだったんだよなぁ。光沢のない感じがよかったんだけど、言い方が悪かったのかな"って思うことがある。けど、そういうのが......。
長田 全くない。ほかの人にはわからないところかもしれないですけど、僕らとしては(笑いの)伝わり方が違ってくるのでこだわりたいところなんです。例えば、ポテチのコントで出て来るクリーナーのスピードはめちゃくちゃこだわりました。あれはモーターを1からつくったんですけど、ギアを変えてどれがいいか、相方に何回も聞きましたね。
松尾 「ちょっと観てもらっていい?」って、モーターのスピードを。ウィン!がいいのか、ウィ~~ン!がいいのかを「どっちがいい?」って......、さすがに僕もちょっとわからないこだわりだったんですけど(笑)。
長田 ふははは! 早すぎるより遅いほうが面白いと思ったので、あのスピードになりました。

――今後、このイベントに関して展望は考えてるんですか。

長田 ゆくゆくは『キングオブコント』と並ぶ(コントの)賞レースにしたいなというのがありますよね。ただ、ニーズがないというか、小道具芸人がまだまだ少ない。今回いろいろと調べたんですよ。僕らが知らないコンビはいるんでしょうけど、知名度がある人の中では少なくて。野性爆弾さん、もっと言えばくっきーさんが小道具界のパイオニアだと思ってるんで、時間が合えばいつか出ていただけるとすげぇありがたいですね。とにかく、今回開催することで、小道具をやってる芸人に光が当たればいいなと。
松尾 大事な1回目。出演してくれる人達も、この記事を読むと思うんですけど......。当日はいっちばん気合いの入った小道具を持って来て欲しいですね。
長田 そうやな。で、できれば東急ハンズさんやmakitaさんにスポンサーになってもらいたい。賞金もでっかい規模で出せるようになれば、小道具芸人の幅ももっと広がるのかなと。
松尾 ポスターのいちばん下に、あの東急ハンズのマークが入ってるとかね。
長田 トロフィーも、あの手のかたち。面白そうなので、実現させられたらいいですね。
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【チョコレートプラネット】

2017年8月18日 (金)

今年も良作の新ネタに期待大! 8月27日に単独ライブを開催する囲碁将棋をインタビュー!!

8月27日(日)、東京・ルミネtheよしもとにて、囲碁将棋による単独ライブ『文田根建』が開催されます。

学生時代の同級生らしい掛け合いと絶妙なセンスの共有が魅力的な彼らの漫才。毎年、夏に同劇場で開催している恒例の単独ライブでは約120分、ノンストップで新作漫才を繰り広げています。
自ら「僕らの漫才は緩い」と言い切る2人による単独ライブ。披露するネタについて「競馬で言うところの調教を観てもらっている感じ」(根建)「それか、石焼ビビンバ。焼き方をミスったら失敗する可能性もあるよっていう感じ。他の芸人さんの1つ手前くらいから見せている気がする」(文田)と語るように、できたてホヤホヤのフレッシュな新作が観られるのが特徴です。

2015年に復活した『M-1グランプリ」では優勝を期待される1組でありながら、昨年はまさかの準々決勝敗退。「悔しかった」(根建)「地獄でした」(文田)と話す2人が、今年の単独でどんな新ネタを披露するのか。さまざまな話を、ゆる~く且つ熱くいろいろと語ってもらいました。

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囲碁将棋(向かって左:文田大介/右:根建太一)

*   *   *   *   *   *  

――毎年、恒例となっている夏の単独ライブが、もうすぐ開催されますね。この単独ライブ以外にも、毎年、多くの新ネタイベントをやっている印象がありますが。

根建 他の人がどれくらい作ってるのか知らないので、多いかどうかわかんないですけど。
文田 まぁ、作ってるほうじゃないかなとは思いますね。(2013年に開催した)神奈川県58市町村ツアーの時は毎回2本くらい新ネタをやってたので、全部合わせると100本以上作ってたのかもしれないですけど、全く残してなくて。
根建 ほとんど1回しかやってないから、ストックっていう感じではないよね?
文田 そうだね。あの時のネタは、普段着られない洋服っていうか。一見ちゃんとした洋服に見えるんだけど、映画とかの衣装で1回着るだけのもので。
根建 うん、タンスにすら仕舞ってない洋服みたいなもんでしたね。
文田 ただあの経験をしたことで、ネタは割とすぐ作れるようになりました。

――今回の単独は、どういう感じになりそうですか。

文田 全体的な打ち合わせは、まだ1回もしてないんです。(註:インタビューが行なわれたのは8月上旬)。けど、ネタはもう大体できてます。
根建 僕らって作家3人くらいがみんな、パソコンを開いていたり、何時に全員集合みたいな感じじゃないんです。最悪、作家と1回も打ち合わせをしなくても、単独はできなくもないというか。
文田 昨年なんか、経費も全く使わなかったよね。けど、お客さんはお金かかってる単独が観たいですよね?
根建 せっかくの単独だし、派手な演出が観たくないっすか?

――どうでしょうね? 囲碁将棋さんの場合、がっつりと新作が観られるので、純粋に漫才を楽しみにしているファンの方も多いと思いますけどね。

文田 1ボケしかないショートコント、例えば会社コントで1ボケして「お前、誰だよ」くらいで終わるものに本物のコピー機を置いたり、エキストラの人にいっぱい出てもらったりして、かかった経費をモニタに映す案は毎回出るんですけど、「なんか......嫌みだよなぁ」ってなくなってます。

――(笑)ネタは大体できているとのことですけど、仕上がりはどうですか?

文田 悪くはないと思います。
根建 うん、そうだね。ただ、本当にいいかどうかは、舞台に出て実際にやってみないと毎回わからないですけど。
文田 僕ら、ネタ合わせがかなり少なくて。本番前に1回だけ、初めて喋るだけのネタもあるんです。だからこそのあの緩さなんですけど(笑)、でもそれ、いいところじゃないんです。「私、1回観たら、台本の台詞覚えられるんです」っていうことでもなくて。
根建 ただ、僕きっかけのものはあんまりなくて、必ず言わなきゃいけない台詞は文田が言うようにしてます。
文田 めっちゃスピーディーなカッチリしたネタもやってみたいとは思うんですけど。
根建 M-1とかだと、ちょっとスピーディーな感じにはなるよね?
文田 まぁ、それでも緩いけどね。毎年、単独では短いネタで7分、長いネタで10分以上のものを2時間くらい繋げてやってるんですけど、7~8分のネタって賞レースでやるのには3~4分に縮めないとダメじゃないですか。けど、僕らは台詞を何も変えなくても4分に縮められるんですよ。

――速度とか間を変えるだけなんですか?

文田 あと、余計なことを言わないようにすれば、ですかね。
根建 昔は"4分ってすっげぇ長いなぁ"と思ってたんです。初めて10分ネタとか言われた時、焦ったよね?
文田 うん。20分漫才を初めてやった時は、ひと月半くらい前から用意してました。
根建 めちゃくちゃビビってましたよ、「20分もやるの?」って。NSCの時は今よりスピーディーだったし、もうちょっとツッコんでたんですよ。それこそ一字一句間違えないようにやってましたけど、なんとなく今みたいな感じに変わっていきましたね。

――単独ライブをやったり、新作漫才を作ったりすることについては、どんなことを思ってますか?

文田 どうなんですかね? 作らなくていいなら、作らないかもしれない。
根建 確かに、ライブがないとあんまり作らないですね。やっぱりM-1があるからじゃないですか? 単独とかネタライブをやってるのは。
文田 僕ら、月1000万円稼ぎたいみたいな金欲はないんです。今はいい意味で休みが多くて、コンスタントに週2回くらいあるんですよ。給料がめちゃくちゃ高いわけでもないけど、私生活のちょっとした余裕が漫才にもいい影響を与えているのか、今回、ネタができるのが早かったんですよね。
根建 確かに、ネタにかけられる時間はいっぱいありますね。
文田 芸人はこうじゃなきゃダメだとか気を張って生きるより、今くらいの楽しさのほうが、僕らはいいネタができるような気がしてます。

――金欲はないとして、芸人としてはどんな欲を持っていると思ってますか。

根建 やっぱりM-1優勝じゃないですか。優勝してからが勝負って言われますけど、もし達成できたら性格的にはめちゃくちゃ満足すると思います。1年間くらい浸るかもしれない(笑)。

――(笑)昨年、ライスさんが『キングオブコント2016』で優勝したので、同じ9期生の囲碁将棋さんに年末のM-1を獲って欲しいと思っていた方も多かったんじゃないかなと思います。が、昨年はまさかの準々決勝敗退で......。

根建 あぁ、はい。あれはマジで悔しかったですねぇ。
文田 地獄でした。受かったような気もしたけど、ダメでしたね。久しぶりに落っこちたから、今年は1回戦の2分ネタからスタートなんですよ。芸歴3年目以来です。僕ら、M-1は決勝こそ行ってないですけど、毎年、準決勝までは進んでいて。『THE MANZAI』は2回、決勝に行っていて、それ以外でも毎年20位以内には入っていたんで、割とエリートなんですよね。だから準決勝まで行って当然だろうと思ってましたし、"受かりたい"っていう気持ちより"落ちたくない"っていう気持ちのほうが大きかった。でも昨年、準々決勝で落ちて、"3回戦とか準々決勝行く前で落ちたらダサすぎるだろ"とか思ってた気持ちがなくなった。もちろん落ちないほうがよかったんでしょうけど、落ちたことでスッと気持ちが楽になりました。

――落ちたくないっていう後ろ向きな気持ちを持って挑むより、攻めようとか面白い漫才をやろうって前向きな気持ちを持っていたほうがいい影響も出そうですね。そういう気持ちの変化も含めて、いい状況の中で作られたという今回の新作漫才が、非常に楽しみになりました。あと、今年のタイトル、すごくシンプルですよね。

根建 ある大物2人をもじっているんです。ポスター観てもらえればわかるんですけど......どうですか?
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――あ! 王・長島ですか?

根建 そうです! 僕の独断と偏見で決めさせていただきました。ポスター撮影はユニフォームにもこだわったんです。文田、ちょっとだけ王っぽい顔してるでしょ。
文田 気持ち......ね?
根建 うん。あと、「プロ野球チップス」を出したかったんですけど、いろいろとあって「プロ野球ダガシ」として僕らのトレーディングカードを付けて発売することになりました。カードは30種類あって、サンプルを観ましたけど結構いい感じで。マフラータオルも販売するので、ぜひ買っていただきたいですね。

――では、最後によしもとニュースセンターを読んでくださっている方へ、単独ライブの意気込みをお願いします。

文田 普段お笑いを観ないお友達を連れてきても、恥をかかせないようにします。1人で来ている方は、お友達を2~3人連れて観に来てください。ルミネがオッケーだったら、ペットも可にします!
根建 いや、ダメだよ(笑)。
文田 犬の世話があって、20時以降は外出できないって人がいれば。もちろん、カゴには入れてもらうけど。
根建 ダメだよ、吠えるって!
文田 まぁ、犬がいなかったら行ってたなぁって思ってる人も来てもらえれば! 4K放送も入ってますけど、「このネタは放映できません」みたいなものが多いかもしれないので劇場で観てください。

――根建さんもぜひ一言。

根建 最初は家族だけでやろうと思ってたんですけど、急きょお客さんを呼ぶことになりました。
文田 それ、結婚式のあるあるじゃん!
根建 ふふっ。せっかくの新ネタなので、ぜひ観に来てください。あと、「プロ野球ダガシ」も買ってください!
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【囲碁将棋】

2016年12月23日 (金)

12月30日に10周年記念ライブを開催するえんにちへインタビュー! アイパー滝沢「僕らの成長を観に来て」と来場呼びかけ!!

12月30日(金)、東京・ルミネtheよしもとにて『~えんにち結成10周年記念単独ライブ~「極める道」』を開催されます。

元旦をコンビ結成日としているえんにちにとって、10周年という区切りの最後に行なう今回の単独ライブは特別な意味合いがあるよう。大宮を拠点に活動を続ける中で地元の人と触れ合いながら漫才のスキルアップを図る彼らに、単独に向けての意気込みを伺いました。

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(向かって左:アイパー滝沢/右:望月リョーマ)

 *  *  *  *  *

――10周年を記念する単独ライブ、いよいよ開催が近づいてきましたね。

アイパー滝沢(以下:アイパー) そうですね。10周年記念の単独ライブはちゃんとやりやかったので、ルミネにやらせてくださいって直々にお願いしました。1月1日からは11周年目に入っちゃうんで、どうしても10周年のうちに単独ライブをやりたかったんですよね。
望月 だから、たくさんのお客さんに来ていただかないと......ヤバいんですよ(笑)。
アイパー そうなんです! ネタはもう仕上がっていて詰めるだけ。僕ら、最近ネタつくるのが早いんですよ。打ち合わせしたら、その日のうちにできちゃいます。
望月 ラクーン大宮よしもと劇場で毎月、新ネタライブをやっていたんで、月1本は新ネタがつくれるようになって。ただ、面白いかどうかとなると......っていうところもあるので、今回はネタが早くできた分、詰める作業に時間を費やしてます。
アイパー 早めにネタをつくったのは、ルミネでやることにちょっとビビってるからっていうのもあるんですけどね(笑)。

――関東にあるよしもとの常設劇場ではいちばん大きな劇場ですから、やはり特別な気持ちがあるんですね。今回はどんな単独ライブになりそうですか?

望月 ニューヨークでも通用しそうなものだよね?......って、多くの人に来てもらうために、大ボラ吹きましたけど。
アイパー ははは! まぁ、新ネタをたくさんやって、ブリッジVTRでは過去を振り返るようなものを流すので、楽しいと思いますよ。普段はあんまりやらないコントもやりますし、編み物を題材とした漫才もやります。
望月 漫才としては、今までのスタイルは捨てずに次の展開をちょっと感じさせるようなネタもできあがってます。その漫才が......。
アイパー 凶と出るか。
望月 いやいや、"吉と出るか"を先に言ってくれるかな? 吉と出るか凶と出るか、でしょ?
アイパー あぁ、そうかそうか!(笑)
望月 とにかく今までの集大成を見てもらいながら、新たに攻める11周年......12年目に繋がる単独ライブになると思います。

――先ほど、大宮の劇場で新ネタライブを開催していたとお話しされていましたけれど。

望月 月1回、3本くらいの新ネタをおろすライブをやってたんです。僕ら、目的なないとなんにもしないので、気合いを入れるためにやっていたというか。
アイパー そう。自分らのケツを叩く目的だったよね。
望月 最初は中旬に2本おろすライブと下旬に3本おろすライブ、月に2回やってたんです。けど、新ネタをおろすことを意識しすぎてネタのクオリティが雑になるのはよくないなということで、月1回になりました。それをやった1年間があったから、今回は早くネタを仕上げることはできたんです。
アイパー まぁ、その新ネタが凶と......いや、小吉と出るかはわかりませんけどね。まぁ、楽しみです。僕らにとって挑戦的なライブになるので、お客さんもおっかなびっくりで来て欲しいですね。
望月 おっかなびっくりって! お化け屋敷じゃないんだからね。30日まだ空いてるよっていう人は是非、観に来ていただきたいですね。
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――2015年の7月から、さいたま市"住みます"芸人にも就任してますけど、根付いて来たなっていう実感はありますか。

望月 僕は実際、大宮に住んでいるので、大宮の人達とはすごく仲よくなりました。お金を払わせてくれない居酒屋さんが3軒、ラーメン屋さんが2軒あって、その辺のお店に今回の単独ライブのポスターも貼ってもらってます。
アイパー すげぇ! いいですね、住んでる人ならではの動きですよね。
望月 「お酒代だけでも払わせてください」って言うんですけど、いらないって言われて......ありがたいですよね。
アイパー 仕事でも、越谷の小学校でやってた漫才教室がちょっとずつ広がっていて、今年は大宮の小学校でも教えたりできました。僕としては今後、編み物のワークショップなんかもやれたらいいなと思いますし、"住みます"芸人やってるなっていう実感は確実にありますよ。
望月 今回の単独ライブ、埼玉の人にも観に来て欲しいですね。

――大宮から新宿までは埼京線で1本ですし、多くの方が足を運んでくれるといいですね。コンビ結成してからの10年間はどうでしたか?

アイパー 僕らはNSCを卒業して3年目くらいで組んだんですけど、順風満帆だったんじゃないですかね?
望月 この状況を順風満帆とは言わないんじゃない? すごく上手くいってる訳ではないよね?
アイパー そうかそうか。『笑いの金メダル』2代目チャンピオン、『爆笑オンエアバトル』15連勝......チャンピオン大会も4回くらい出ましたから、スタートはよかったですよね。けどまぁ......これは毎年言ってるんですけど............来年は俺らの年になるんじゃないかなと思ってます。

――おっ! ブレイクすると。

アイパー そうです! そういう気がしてます!
望月 アイパーさんは常に"俺たちは売れる"って言ってますけど、僕は常に辞めるって言ってます(笑)。
アイパー 辞めたいと思うときはあるみたいですね。今年の初めにも言われました。
望月 「現状維持未満だったら辞める」ってね。

――今のところはどうですか。

望月 現状維持です。だから、ギリギリですね(笑)。
アイパー ただねぇ、本当に売れるとしか思えないんですよ。根拠はないんですけど、"俺、売れるんだな"って冗談じゃなく、常に本気で思ってます。
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――そういう中で、来年やりたいことはありますか? 今年は同期のライスさんが『キングオブコント2016』で優勝しましたけど。

アイパー むちゃくちゃすごいですよね! ライスは面白いから優勝したのは納得ですけど、まだまだ俺らにもチャンスはあるんだなと希望を持てました。来年はライスに追い付け! 追い越せ!......掴まれ!でいきたいなと。
望月 掴まれ、は変だけど(笑)、追い付け! 追い越せ!でいきたいですね。
アイパー うん。あと、来年は今までとはちょっと違う感じでやっていきたいんですよね。テレビに出るのはもちろんですけど、ちょっと違う跳ね方をしたい。
望月 例えば?
アイパー なんだろう、............PERFECT HUMANみたいな?
望月 安直だなぁ!
アイパー (笑)まぁ、この漠然とした感覚から、正解が出るような気がしてます。
望月 こういうアイパーさんの無邪気な一面も、漫才に反映させていきたいですね。大宮の出番をたくさんいただいているおかげで漫才のスキルが上がったなと実感しているので、今回の単独ライブではそういうところをきちんと見せたい。『M-1グランプリ2016』では銀シャリさんっていうスタンダードな漫才をしている人が評価された。僕らはキャラ漫才ではありますけど、スタンダードなネタを常々やっているので、銀シャリさんに負けないように来年もがんばっていきたいですね。
アイパー とにかく12月30日は、僕らがこの10年で本当に成長してるのかを確かめに来てください! あと、手編みのパーさん耳当ても限定10個売るんで、ぜひ買ってください!


【えんにち】

2016年8月 9日 (火)

ルミネでの初単独を控えるメルボルン、ダンビラムーチョ、ゆにばーすが意気込みを語る!

現在、東京・ルミネtheよしもとでは夏のキャンペーン『ルミネtheよしもと サマーオブラフ2016』のまっただ中。同劇場ヒーローのビッグマウンテンヒデオーと一緒にラジオ体操を楽しむ『フリーライブ2016』ほか、若手から中堅までさまざまな芸人による単独ライブ、劇場ロビーで楽しめる『ロビーステージショー』など、いろんな企画が目白押しです。

そんな中、ルミネでの初単独ライブに挑戦するのがダンビラムーチョ、メルボルン、ゆにばーすの東京NSC16期生の同期3組。8月29日(月)にダンビラムーチョが『ダンビラさんとこのムーチョくん』を、同月31日(水)にメルボルンが『11833人の方のおかげです!』を、9月11日(日)にゆにばーすが『hlam dunk』を開催します。
それぞれ、ホームグラウンドであるヨシモト∞ホールでの単独ライブ開催経験はありますが、果たしてルミネではどんな単独ライブを見せてくれるのか!? 3組に意気込みを訊きました。
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(ゆにばーす=はら/川瀬名人|メルボルン=石橋俊春/松本卓也|ダンビラムーチョ=大原優一/原田吉洋)

3組は、今年3月にルミネでの初単独ライブの開催権を賭けて行なわれた署名バトルに参加。昨年、スタッフから「ルミネで単独をやらないか?」と言われた際に「冗談だと思って笑い飛ばしてしまって、チャンスを逃してしまった」と言う松本は「今回こそ」という思いで、よく知らない会社の100人くらい集まる飲み会に参加させてもらったり、劇場ロビー以外でも署名活動を熱心に続け、11833人の署名を集めることに成功。念願の単独ライブの開催にこぎ着けました。
2年前、∞ホールでの単独ライブでは「そこまでの手応えを得られなかった」と語る松本は、「今、ようやく自分達のかたちが見えてきました。今回は新しい僕らを観て欲しいですし、賞レースでもがんばれるようなネタをつくりたい。前回の50倍のもの、そして6年間の集大成を見せたい」と意気込みを。一方、石橋は「前回の単独はVTRしかウケなかった」と振り返りながら、「今回のテーマは"松本で笑いを取る"。コンビとしてせっかくルミネで単独ができるので、松本をサポートして笑いを取りたい」と意欲を覗かせます。
そんな2人を、川瀬は「コテコテの関西人・松本といかにもボケっぽい石橋による漫才は、初見でも観やすい。普段お笑いにあまり触れてない人でも楽しめるンじゃないですかね」とフォローしました。

大学時代の同級生コンビ・ダンビラムーチョ。「相方がビビリで。"まだ俺らには早い"というのが口癖だったんですけど、僕が失敗してもそれでいいじゃないかって説得してやりました」(原田)と語るヨシモト∞ホールでのコンビとして初の単独ライブは、「昨年のMー1に賭けられるネタが出来て良かった」(大原)と手応えを実感できたものだったんだとか。
大学時代、野球サークルで一緒だった2人はお笑い好きとして仲よくなり、自動車の免許合宿にも一緒に行ったことからコンビ結成。「仲の良さが伝わる漫才がしたい。僕、笑いながらツッコむんですけど、それがダメって言われることも多いんです。でも、僕としてはそこが面白くなればいいんじゃないかと思っていて」(原田)「関西のツッコミの方には『もっとバシッとツッコまれたほうがいいんじゃないか』と良く言われるんですけど、僕らの良さとして活かしていきたい」(大原)と自らのオリジナリティを探求している最中。「平成生まれを代表する漫才師になりたい」と大きな目標を掲げて挑む今回の単独では漫才を中心に、彼らが得意としている「弱小野球部モノマネ」なども見せる予定だそうです。
現在、山梨放送で放映中の『山梨ライブ ててて!TV』で毎週水曜日、中継レポーターも担当している2人。「番組内でも告知してくれるそうなので、山梨からもたくさん来てもらえれば」(大原)と呼びかけました。

7月4日に開催された『サマーオブラフ2016』の概要発表会で、単独ライブ開催をサプライズ発表されたゆにばーす。8月12日(金)、ヨシモト∞ホールで『ゆにばーすが断固たる決意で8本ネタやるLIVE』が控えていることもあり、さらに大きな挑戦を突然提示されて困惑しきりの川瀬ですが、「∞ホールは僕らのことを知っているお客さんが多いので、僕らそれぞれの得意とするフリや人間性みたいなものもたくさん出せると思うんです。けど、ルミネはそうじゃない人も来てくれると思うので、丁寧なネタも半分くらいは必要なんかなと」と冷静に分析。「そういうところを怠ると、とんでもない単独になってしまう」と気を引き締めます。
2ヵ月連続の新ネタづくりにもブレインとして頭を抱えている様子の川瀬。一度、はらもネタづくりに努めたことはあるそうですが、「つくったんですけど......ふふふ」と笑います。川瀬曰く、状況を全て台詞で説明する構成だったようで、話しを聞いていた大原は「え、それユニットコント?」と動揺。「ネタづくりの才能はないので、川瀬に任せます! 川瀬ならルミネという大舞台にあったネタをつくってくれると思います!」と相方を絶大な信頼を示した、はら。自身は「家族と親戚を呼びます!」と集客に集中することを宣言します。川瀬はこの発言に呆れつつも「大舞台にあったネタをつくれるようにがんばりますよ」と静かに語り、「正直、ネタさえ良ければ、ネタで信頼を勝ち得れば観に来ていただけると思います。とにかくいいネタをつくります!」と気合いを入れました。

成功に向けてネタづくりはもちろんのこと、「ルミネは大きな劇場なので、どれくらいお客さんが来てくれるのか......チケットの手売りもがんばりたい」と気合い十分な3組の単独ライブ。若手コンビによるフレッシュなチャレンジを見届けに、ぜひとも劇場へ足を運んでください!


【メルボルン】【ダンビラムーチョ】【ゆにばーす】

2016年7月25日 (月)

8月20日より全国ツアーをスタートさせるトータルテンボスへインタビュー! 大村「1年に1回、恒例の予定にしてもらえれば」と来場を呼びかけ!!

毎年、夏にオール新ネタで挑む全国ツアーを開催し続けているトータルテンボス。今年のツアー『トータルテンボス全国漫才ツアー2016「脱帽」』は、8月20日(土)、沖縄・よしもと沖縄花月での公演を皮切りに、全国15ヵ所で16公演開催されます!

ホームグラウンドである東京・ルミネtheよしもとでは今年も2daysで、また千秋楽は笑いの殿堂、大阪・なんばグランド花月! 7月31日(日)までは、昨年のツアーの様子を収めたDVD『トータルテンボス全国漫才ツアー2015「餡密」』付きチケットも発売中です。
毎年、新ネタを引っさげて全国を回る彼らに、ツアーの楽しみ方やネタづくり、また最近、芸人達の間で囁かれている"トータルテンボス真の勝ち組説"についてなど、さまざまな話を訊きました。

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(向かって左:藤田憲右/大村朋宏)

 *  *  *  *  *

――今年のツアーは例年通りの暑い時期に、また暑い沖縄からスタートとなりますね。

藤田 そうですね。本来、最南端からツアーすべきだって、いろんな方に言われていて。
大村 ......言われてないですね。

――(笑)。

大村 芸人の中には初日を重要視する人もいるんですけど、僕らは千秋楽に合わせているというか。例年、初日は地元ということで静岡が多いんですよ。今年も静岡でもよかったんですけど、ゴールである千秋楽からいちばん離れている初日は出来的にそこまでブラッシュアップされていないものをお届けすることになるので、どこが支障ないか。............沖縄だね、ということになりまして。
藤田 おいっ!! 怒られるぞ、沖縄の人に。
大村 ふはははは! まぁ、毎年、初日の(会場の)お客さんには言っちゃってるんですけどね。「つたないものをお届けすることになりますが、今日のつたなさが後々のいい結果につながります。無駄はないんです、みなさん」って。
藤田 初日は台本通りっていう感じで、面白味もなんにもない漫才なんですよ。
大村 そんなことはないだろう?(笑)まぁ、1~3ヵ所目くらいまでは、どうしてもウケない箇所が如実に出てしまうんですよね。
藤田 何がウケるかウケないかは、どれだけ年数を重ねてもお客さんの前に立ってみないとわからないですからね。
大村 だから、ツアーの複数箇所に来てくれる人が多いんですよ。

――それは漫才がどんどん進化していくから、ということですよね。

藤田 そうです。お客さんもシミュレーションゲームをしているような感じなのかもしれないですね。だから、俺らのツアーは育成ツアーです! ビフォーアフターみたいな感じというかな?「あんなにボロボロだったネタが、こんなに素晴らしく! なんということでしょう!」(と言って、『大改造!! 劇的ビフォーアフター』で流れる音楽を口ずさみ始める)」
大村 ふふふ。いや、それはもちろん、言い過ぎですけどね。

――ブレインである大村さんとしては、初日から面白い漫才をつくっているという自負はある訳ですよね。

大村 もちろん、胸を張ってお見せしてますよ。
藤田 でも、初日は大村の台本力の面白さだけで。掛け合いとかっていうプレイヤーとしての面白さはゼロです。
大村 やめろよ、そうなら! 初日からプレイヤーとしての面白さを6くらい出せないなら芸人やめようぜ!
藤田 ふふふふふ。

――(笑)初日まで1ヵ月を切っていますが、今はどんな感じですか?

藤田 7月の初めくらいからネタづくりに取りかかったんだっけ? 
大村 うん。今は地獄の時期というか、今年は6本やりたいなと思ってるんですよ。で、今できている3本のネタを藤田と合わせていて、8割できている4本目のネタともう1本を今月中につくっちゃえば、来月は練習に集中できるかなという計算ですね。もう1本は、1回だけテレビでやった漫才もやっちゃおうと思ってます。ただ、いくら日にちがあってもね......。
藤田 客前に出ないとわかんないもんなんですよ、こればっかりは。どんだけきっちり暗記して憶えていても、客前で実際にやってみないとかたちにならないんです。
大村 そう。"あれはいらねぇな"とか、"あそこは意外とハマったから広げよう"とかは、お客さんに観てもらわないとわからない。だから、ツアーっていいんですよ。若手とか1回こっきりのね?
藤田 単発で単独ライブが終わっちゃうもんね。
大村 まぁ、しょうがなくそうなっちゃってるんでしょうけど、ツアーを毎年やらせてもらえる僕らのは恵まれてるので、そのチャンスを活かし切らないと。14ヵ所回るなら、回るごとに進化しないといけないんです。
藤田 まぁ、台本を憶えるのは年々早くなってるしなぁ?
大村 ......それは僕の中で一度、痛い思いをしちゃったから、というか。藤田をネタの軸にしちゃうと、まぁ憶えないんですよ。それで苦労した年があったんで基本、僕が軸を取っている構図にして藤田の負担を減らしました。
藤田 大体、漫才ってツッコミがネタ振りしてボケがボケるとツッコミがツッコむんですけど、俺が憶えられないんで大村がネタ振りしてボケて、俺がツッコんでるっていう......結構な気持ち悪いかたちの漫才なんですよ(笑)。
大村 そういうかたちでしか無理なんです。それくらい、藤田の記憶力はポンコツなので。『THE MANZAI』の予選に、藤田がネタ振りするネタを持っていったときは地獄だったもんなぁ?
藤田 うん、あれは地獄だった。
大村 たださえ緊張してるのに、自分の台詞も憶えてなくて。芸歴17年目くらいだったけど、台詞飛んでましたからね。やってる年数って関係ねぇんだなと思いました。

――そうやっていろんな作り方を試しつつ、しっくり来るかたちを生み出していくんですね。

藤田 そうですね。最終的には、俺たちの漫才のフォームになります。
大村 2年くらい前、漫才のかたちを変革したんですよ。藤田もボケて俺もボケて、お互いにツッコみ合うみたいなかたちを試したんですけど......まぁ、不評で!(笑)
藤田 俺らとしては新しいものに挑戦しただけなんですけど、"あ、おかしな方向にいってる"って思われちゃって。「終わってんな、こいつら」って言われたよね?
大村 よく観たよね、その意見。「ガッカリした」っていう感想をよく観るんですけど、DVDを観てくれた人なんですかねぇ? 
藤田 1本だけ、そういうかたちを試せばよかったんですけど、全部の漫才そうしちゃったからね。......ふふふ。
大村 ははは! で、昨年は元のかたちに戻して。
藤田 そうしたら、「これこれこれ!」ってなったんだよね?
大村 だから、今年も多少、実験的なものはありますけど、単独ならではというか単独でしかできないこともやっていきたいなと思ってるんです。今までは、あわよくば"賞レース狙っていこうぜ"みたいな肩に力を入れたネタをつくっていた傾向があって。
藤田 でも、今の俺らはどこの賞レースにも出場する権利がないですから、そんなことする必要はないんですよ。
大村 そうやってつくったネタのほうが後々、残る本数の確率も上がるのは上がるんですけど、お客さんもそればっかりだと飽きちゃうでしょうからね。せっかく2時間あるんだから、いろんなパターンの漫才をやりたいなと。ただでさえセンターマイク1本の前でやる漫才ですから、バラエティに富んだものをやったほうがいいかなとは思ってます。

――賞レースへの出場権はなくなったとのことですけど、それでもネタづくりへのモチベーションは変わらないですか?

藤田 今は、ツアーがモチベーションですね。そのためのネタづくり、ネタ合わせで......ツアーやんないと、俺らはずっとネタつくんないもんね?
大村 自分達で枷を付けないとやらない2人なので、毎年ツアーをやって奮起させてるというのが正直なところです。ルミネの本公演でも新しいネタをやっていきたいから、今はいいネタができることを考えるだけというか。まぁ、モチベーションがなくなることはないですね。

――また、これまでのツアーはルミネが千秋楽でしたが、今年は大阪・なんばグランド花月(NGK)ですね。

藤田 毎年、NGKが終わった時点で、やり遂げた感がちょっと出ちゃうところがあるんですよ。800人と劇場も広いですし、"あぁ、終わったな。このあとはDVDの収録があるルミネだけだな"っていう感覚で、「実は千秋楽、NGKじゃねぇか?」みたいなところがあったんですよ。
大村 ルミネ2daysは、気持ち的にウィニングランというか。まぁ、今までの日程でもよかったんですけど、たまたま日にち的にルミネのあとにNGKが取れたので"じゃあ、名実ともにNGKを千秋楽にしちゃおうか"っていうことになっただけですね。
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――各会場限定で、昨年のツアーの様子を収めたDVD『トータルテンボス全国漫才ツアー2015「餡密」』付きチケットも販売されています。こちらは7月31日(日)までで締め切りとなってしまいますが、DVDで改めて昨年のツアーを振り返ってみていかがでしたか。

藤田 どうだったっけ? 本編はまだ観れてないんですよね。
大村 そうだな。(DVDのジャケットの裏表紙を観て)本数はちょっと少なめの5本だったんですよね。本当は6本やろうと思っていて1本ストックもあったんですけど、ネタ合わせできないまま初日を迎えちゃって。「(初日の)静岡だけ、ごめんなさいだな」みたいなことを話していたら、5本で十分な時間になったので、そのままいっちゃったんです。
藤田 (DVDのジャケットの裏表紙をまじまじと見つめて)......5本中3本はもう憶えてないですねぇ。
大村 (笑)。俺は一応つくってるから1回観れば思い出せますけど、藤田は「これやろう」って言っても「そんなネタやったっけ?」ってよく言いますからね。そのシーズンだけやってたネタってことなんでしょうね。

――じゃあ、ツアーやDVDでしか観られない漫才もあるということですね。

大村 実際、そういうもののほうが多いですよ。毎年、多くて3本、大体は2本、下手すりゃ1本しか残らないっていう感じですから。さっきも言ったようにいろんなパターンをやっちゃうので、ルミネの本公演でやるには不適合なネタも多くなっちゃうからなんですけどね。
藤田 うん。ルミネだとウケないっていうか。
大村 俺たちのファンだから面白い、みたいなものももちろんあるでしょうし。

――そういう意味では、ツアーやDVDのほうがトータルテンボスさんらしさ溢れるネタがより楽しめそうですね。DVDの見どころとしては特典映像も、ですよね? アジア住みます芸人としてタイで活動している、あっぱれコイズミさんが相変わらずにいじられっぷりで。

藤田 久しぶりに会ったら、あいつ、腕がなまってました。
大村 温いことやってるんでしょうね、タイで。よくやってたノリみたいなものを繰り出しても、最初はキレが悪かったりしたんですよ。で、「本当にあっぱれか?」って疑って、あることに繋がっていくんですけど。
藤田 あれやってから目覚めたよな?"あぁ、この感覚だ"って、あいつも気付いて。久しぶりにムチャくらって本当は嫌なはずなんですけど、その後はずっと笑顔でしたね。

――その辺りも注目して観ていただきたいんですが、個人的には公園でのお2人が好きでした(笑)。

藤田 あぁ! あれはロケの副産物だよな? なんにもなくて、どうすんだよってなってたときに見つけたから。
大村 うん。あの特典映像は、夢の企画というか。あのメンバーでぶらぶらする番組が、日本でもやれたら......。「ハンパねぇ!」とかいじり倒すだけの番組、深夜2時くらいにやりたいです。

――そういうことと繋がるかもしれませんが、ここ数年、トータルテンボスさんはいろんな芸人さんから"真の勝ち組"と言われてますよね。

大村 (笑)まぁ、こんなふうにふざけて適当にやってるからじゃないですか? 徒党を組まず、決まったポンコツ達と好きなことをやってるイメージがあるからなんでしょう。

――お2人とも、好きなことをやれているなという実感はあるんですか?

藤田 あります、あります。
大村 ただ、今の俺たちの立ち位置に違うコンビ2人が立っていたら、もしかしたらですけど焦るヤツらもいると思うんですよね。例えば今、千鳥なんかは最近、地上波のレギュラー番組も始まったりして、むちゃくちゃ調子いいじゃないですか。一緒にやって来た仲間である千鳥が調子いいのを観て、"なんで俺たちは深夜番組のMCをできないんだ?"とかフンガフンガしてるかもしれない。けど、俺らはそれはそれで羨ましいという思いや"いつかはやりたい"という思いを持ちつつ、今の環境を楽しむことが大事だと思っているというか。俺たちのテイストであり、生き方がこうだとやっているところが、(周りからは)いいように写るんじゃないですかね。
藤田 うん、ストイックの真逆っていうかね?
大村 そこももちろん目指してるけどね? 今、残念ながらそういうオファーがないだけで、ツアーだとかラジオだとか地方番組だとかを楽しくやっていればいいんじゃない?っていうことです。
藤田 そんなに"しゃちほこばって"もダメだなっていうのがあって。最近、若いヤツらとライブをよくやってるんですけど、みんな、すごく"しゃちほこばって"るなって。まぁ、俺らも若い頃は"しゃちほこばって"た......。
大村 "しゃちほこばってる"が気に入ったのか、お前は急に!

――(笑)。

大村 今のは、"しゃちほこばってる"が言いたかっただけですから。いや、俺らは"しゃちほこばって"なかったですしね?

――あぁ、そうですか。ネタに関しては、若手の頃から熱くギラギラするものを持っているなと思ってましたけど。

大村 あぁ、賞レースとかはそうでしたね。
藤田 若手の頃の大村は、イタいくらいギラギラしてました。
大村 いやいや!(笑)まぁ、今でもそういう気持ちはありますよ。でも、当時も楽しくっていう気持ちが根底にはありましたからね。未だにその辺は何も変わってないです。

――トータルテンボスさんは、ずっとオリジナリティを追求している感じがありますよね。漫才のかたちにしてもそうですけど、お2人にしかできないことをずっと生み出して、やり続けている印象があります。

藤田 あぁ、それはよく言われますね。
大村 「トータルっぽいね」って言われることはあるので、1つのスタイルは何かしら確立できているのかなとは思います。若手から「トータルさんっぽいですね」とか言われたら嬉しいですし。

――その"っぽい"っていうのは、意識しなくても自然と生まれてくるんですか。

藤田 敢えて、"っぽく"っていうのはしてないよね?
大村 まぁ、そうだね。でも、意識してないってことでもない。ネタをつくるなかで藤田が言いそうな言葉とかは、やっぱり意識してますよ。でも、それ通りに藤田がやっているかと言えば、やってないところもありますから......。まぁ、そこにとらわれてはいないということですね。

――今年のツアーでも、トータルテンボスさんらしい漫才がたくさん観られることを楽しみにしています! では、最後によしもとニュースセンターを読んでくださっている方々へ意気込みをお願いします。

藤田 我々、19年やって来てまして、来年20年目なんです。普通の会社では転職も増えてきているなか、1つのことを19年やるのは本当に大変なことで......。ましてや、芸人っていう生存競争の高いなかでやってきました。まぁ最前線ではないですけど、ある程度の前線でやっているっていうことは、それなりに何かあるんですよ、で、その何かっていうのは(笑いの)技術だったり、人間性もあるからずっとやれてきてるんですね。そんな2人の19年の集大成を出せるのはこのツアーだけなので、重みも感じながら観ていただければありがたいですね。
大村 ふっ......(笑)。ボケなのか、ガチなのか、全くわからないよ! おそらくボケなんだろうけど!
藤田 ボケのつもりで言ってたんだけど、これっていうのがなくて、もんやりと終わっちゃった(笑)。
大村 ふはっ、出口がわかんなくなっちゃったのか。
藤田。うん、わからなくなっちゃった。

――ははは!

藤田 今のコメントを聞いてもわかるように、未だ迷走してるので、その迷走っぷりをぜひ観に来て欲しいですね。
大村 僕らは毎年、ツアーが本当に楽しみなんですよね。会場に来てくれるみなさんにも毎年行ってますけど、同じ場所に行ってるから"あぁ、トータルテンボスのツアーの季節か"って思ってもらえるような1つのイベントになりつつあるのかなと思ってます。だから、僕らのツアーを観に行くということを1年に1回の恒例スケジュールにしてもらえたらいいなって。それに、若手には出せない渋みみたいなものも出てるんじゃないかなと思うんです。2人とも41歳ですよ? ネタにしろVTRにしろ、こんなオッチャン2人のバカな姿を観に来るのは一見の価値アリなんじゃないかなと。41歳の男2人の世界観、関係性ってなかなか観られないので、楽しみに観に来ていただけたら嬉しいですね。
藤田 しかも、昨年からもう1つ楽しみが増えたもんね?
大村 なんですか?
藤田 石川公演! 一昨年は日帰りだったんで食べられなかったんですけど、(公演後の打ち上げで食べる)のどくろがとにかく楽しみなんですよ。あれはめちゃくちゃ美味い! 全公演中でいちばんの楽しみです。今回のツアーは、のどぐろライブです。
大村 ......ではないです(笑)。

――(笑)今年も美味しいのどぐろ、食べてください。ツアーの成功を祈っています!

大村 はい、頑張ります!
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【トータルテンボス】

2016年7月21日 (木)

東京進出後、初めてルミネで単独ライブを開催するGAG少年楽団をインタビュー! 福井「ようやく足並みと前髪が揃いました」

8月3日(水)、東京・ルミネtheよしもとにて、『GAG少年楽団ルミネ単独ライブ【GAG少年楽団 2016】』を開催するGAG少年楽団。ルミネでの単独は初めて......ということでしたが、実は数年前、DVD収録ライブとして単独を行なったことがあるんだとか。とは言え、東京へ進出して2年、これまでコンスタントに情熱を持って単独ライブをやり続けてきた彼らにとって、今回は集大成とも言える大事なライブになりそうです。
物語性の高い重厚なコントで、各方面から注目されているGAG少年楽団に、今回の単独についての意気込み、さらに福井による"あのキャラ"のことまで、いろんな話を訊きました!

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(向かって左から:坂本純一、福井俊太郎、宮戸洋行)

*  *  *  *  *

――東京進出して以来、単独ライブを定期的に開催されていますよね。上京後初めてルミネで行われるということで、今までとまた違った意気込みがあるかなと思うんですけど。

坂本 どういう思いで挑みたいか、ということですよね?......言わんよっ!
宮戸 いや、言えや!

――お約束ごと、ありがとうございます!(笑)今まで定期的に単独ライブを重ねていますが、手応えみたいなものは感じていますか?

福井 正直、お客さんが増えているという状況ではないんですけど、僕らの熱量というか、ネタをつくる姿勢はだいぶ上がって来ています。
宮戸 今までずっとコントをやってきて、ネタを書くのは福井くんにずっとお任せしていたんです。けど、前回の単独ではほぼほぼ福井くんがつくってくれた台本から、僕ら3人と手伝ってもらっている作家さんとで"このネタのここはどうする?"みたいなネタ合わせみたいなんを朝6時まで、しかも3日連続くらいやったんです。最初はそういうこともやってたんですけど、久しぶりに話し合って練った分、みんなでつくりあげた感もあったし、いいネタがたくさんできたことにも繋がったのかな、と個人的には思ってます。なので、今回もそうやって一緒につくっていけたらなって。
福井 そうですね。今回の単独は集大成くらいに思ってます。

――前回の単独でいいコントができたということですけど、昨年の『キングオブコント』準決勝で、ものすごくウケたとお聞きしました。

坂本 自覚もあります!
宮戸 (笑)あんまり言わんといて! 人から言われるのはええけど、自覚はちょっと......。

――SNS上でも「GAG、決勝いったんじゃないか」とかなり騒がれてましたよね。昨年行けなかった分、今年の『キングオブコント2016』に懸ける思いもまた強いのかなと思いますけど。

福井 もちろん"今年こそは"っていう思いはあるんです。けど、昨年も"今年こそは"と思っていましたし、周りからも準決勝が終わったあとで「いったんちゃう?」みたいなんを言われたのに、ダメやったときのショックがデカ過ぎて。3人とも昨年と思いは一緒なんですけど、"キングオブコント"っていうものを口にする回数は激減してます。
宮戸 ははは! 確かに。
福井 あとあとのことを考えて、ですよ?『キングオブコント』への熱は昨年のままなんですけど、あの怖さは......。ほんまにちょっとショックでした。

――どちらかと言えば、今年は賞レース云々よりもいいネタであり、面白いネタをつくるという気持ちが強いと。

福井 そうですね。それだけに集中しています。
坂本 あれって開催が続く限り、ずっと出られるというか、リミットがないじゃないですか。やっぱり優勝したいんで、それに向けてめっちゃ頑張ると(1つのコントの)尺が4~5分になってきて。そればっかりやってるんで、来てくれるお客さんから「しんどい」って言われたこともありますし(笑)。
宮戸 ふはははは!
坂本 いや、こっちもしんどいわ!って思うんですけど、僕らとしては面白いものを頑張ってやろうということに今も変わりないですね。
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――今回の単独ライブではネタ時間にこだわらず、いろんなネタを披露されるんですか?

福井 そうですね。『キングオブコント』でやろうと思っているネタはほぼ決まっていて。まだ迷ってるんですけど、そのネタも(単独で)やろうかなとは思ってるんですよ。あとは、大阪時代に1回やってるけど東京でやるのは初めてのネタとか......。まぁ、これは自分らでも憶えてないのでほぼ新ネタに近いんですけど、そういうのをやろうかなと。今までにつくったものから面白いなと思うものを集めてやる感じになるんじゃないかなと思ってます。

――先ほども話していたように、まさに集大成的な単独ライブになりそうだということですね。これまでにつくった台本の管理は、ネタをつくっている福井さんがやられてるんですか。

福井 いえ、管理は宮戸くんがやってくれてるんですよ。
宮戸 福井くんがワードで打った台本を、2人でデータ化して共有してます。大阪での1回目の単独、単独をやる前からのコントも取ってあるので、今回、福井くんが先にチェックして。で、この前、全員で打ち合わせのようなものをしたときに"これええんちゃう?"っていう話し合いをしました。
福井 昔は技術とかが低かった分、今やるとだいぶ変わると思うんですよね。台詞もだいぶ変えて結局ほぼ新ネタのようになるんでしょうけど、今それをやったら面白くなるんちゃうかなと。もし観に来てくれる方で"このネタ、なんとなく観たことある"ってなる人がいたら、相当、僕らのことを観てくれてる人やと思いますね。

――掘り起こされたネタが、どんなふうに蘇るのか楽しみにしています。東京進出して2年、大阪時代とは活動的なところに変化は感じていますか?

福井 関西にいたときとやってること自体は変わらないんですけど、宮戸くんの髪型はだいぶ変わって来たなと思っていて。
宮戸 えっ、そこ!?
福井 東京に来て2年、僕らで言うたら結成して11~12年目にして今ようやく、バチッと髪型が決まった感じがするんです。今まで横に並んでいて、宮ちゃんのほうをスッと観ると"髪型、変やなぁ。合ってないよな"ってずっと不安やったんですよ。その不安要素がきちんと固まった今、これでようやく上を狙えるぞ!っていう。
坂本 だって、この前は金髪でしたからね。あれはヤバかった〜。みんなに「絶対悩んでるやん!」って言われてましたもん(笑)。
宮戸 先輩とかみなさん優しい方ばかりなんで、ほんまに悩んでると思って僕には言わずに、相方2人に「あいつ大丈夫か?」って言ってたみたいで。僕はただ自由に生きていただけなんですけどね。
坂本 東京に来てってことですけど、僕はむちゃくちゃ楽しいんです。福井も奥さんがこっち来てくれたから大丈夫やと思うんですけど、宮戸は初めて一人暮らししてるんですよ。で、顔を良く観てもらったらわかるんですけど、(こっちに来てから)目の周りが荒れ出して。ワセリンみたいな薬をめっちゃ塗ってくるんですけど、ビショビショに塗り過ぎてクローンなんかな?と思うときもあったりして。
宮戸 なんなん、その感想! ネタ合わせに行ったら「宮ちゃんのクローン?」って言いながら、鼻押してくる謎の行動してたけど!
福井 上京後、いちばん悩んでいた宮ちゃんが良くなってきた感じがあるんですよね。髪型も然り、目の周りの引っ掻き具合も弱くなってきて。
宮戸 あぁ、それはいい病院が見つかったから。
福井 えっ、気持ちの問題じゃないんですか!?
宮戸 現代の医療ってすごいのよ。ビショビショじゃない薬を処方してもらってから良くなったから、病院のおかげです。まぁ、東京にも慣れて来て、精神面ではだいぶ安定したとは思います。

――(笑)その髪型には、どうやって行き着いたんでしたっけ?

福井 前回の単独で、ですね。宮ちゃんの髪型があまりにも変わり過ぎているっていう幕間のVTRを作ったんです。11年間の髪型を振り返ったら8パターンくらいあったんですけど、時期とともにどこがダメかを説明した上で、僕と坂本くんが似合う髪型を考えてきたのでどっちかにしてくださいってお願いして、次の漫才でその髪型にして登場してもらったんです。で、僕が選んだ台湾の歌手の方の髪型をそのまましてきてくれたんですけど......ビックリしました。

――何に、ですか。

福井 普通、こういう時って出て行った瞬間、お客さんから笑いが起きるんです。けど、僕らを応援してくれている人も、宮ちゃんの髪型を心配してたんでしょうね。あまりにも似合い過ぎてて、大拍手!「カワイイ~!」「似合ってる~!」って......笑いとかじゃなく、声援が上がったんです。そこから、宮ちゃんの漫才の声も大きくなって。
坂本 客観的に似合うと思ったものがハマったかたちですね。

――宮戸さん、ご自身的にも今の髪型はしっくり来てますか?

宮戸 そうですね。正直、相方のムチャぶりというか罰ゲーム的な企画やと思ってたんで、単独が終わってたら元に戻そうと思ってたんです。けど、美容室で切り終わって鏡を観たとき、客席に初めて出たとき、金髪になって心配してくれてた芸人さんの前に出たとき......本当にみなさんが大絶賛やったんで、今では本当に感謝してます。
福井 ようやく足並みと前髪が揃ったということです。
宮戸 上手い感じで言うてるなぁ! 足並みを乱してたんは、僕の髪型やったんですね(笑)。

――足並みが揃った今後に期待ですね。上京して福井さんからはヨイショマンというキャラクターが生まれたわけですが、千鳥さんは「大丈夫か?」「どうしたんや、福井!」「もうやめぃ!」などと、かなり心配されてますよね。

福井 (笑)千鳥さんには「やめたほうがいい」ってアドバイスを受けてるんですけど、言うこと聞かずに続けています。
坂本 昨日も千鳥さんとライブで一緒で。1時間イベントの最後3分くらいでヨイショマンと絡むっていうのがあったんですよ。出て来て喋ってむっちゃスベって、2発目もスベって、3発目に後輩が助けに行ってウケたのにヨイショマンはスベって。で、僕がむりやり行く流れになってスベって......ヨイショマン出てこんかったら、盛り上がったまま終われたのに!と思いました(笑)。
宮戸 そのイベントの合間、ノブさんにご飯へ連れて行っていただいたんです。で、「お前ら、東京に出て来て良かったなぁ」って言っていただいて。「久しぶりに絡んだけど、福井が特に一皮むけてめちゃくちゃオモロなってる。坂本も相変わらず面白いし、このままやればいけるんちゃうか。......ヨイショマン以外は」って言うてはりました。ノブさんもだいぶ気になってはるみたいです。

――福井さんは続けたいんですか。

福井 ヨイショマンを辞めたいって思うときもあるんです。......でも、な~んかわからないんですけど、辞められないんですよね。気付いたらやりたくなっちゃうんです。
宮戸 ......今言うたこと全部、自分で解決できることなんですけどね。

――(笑)どういうときに、ヨイショマンは発動するんですか?

福井 周りからしたら「違うやろ」って言われるかもしれないんですけど、個人的には"求められたとき"と思ってるんです。はい、なぜかわからないですけど。
宮戸 ははは! ヒーローやから、誰かに呼ばれたら出ていくっていうこと?
福井 うん、そういう感覚でやってます。
宮戸 確かに昨日のイベントも、前半のトークコーナーにヨイショマンの話が出たから、福井くんはこっそり変身して最後に出たんです。出た瞬間は、お客さんもおぉーー!ってなったんですけど、以下はさっき坂本くんが喋った状態で(笑)。
福井 ほぼほぼ期待には応えてないんですよね。言ってしまえば、期待もされてないんですよ。必殺技が増えてるわけでもないですしね。
宮戸 まぁ、ヨイショマンを取り巻く環境は、いろいろと流動してるってことはありますけどね。

――今回のルミネにヨイショマンは......。

福井 間違いなく出ないです! 一度、単独に出たことがあるんですけど、全然求められてなかった。お客さんとの距離をすごく感じました。
坂本 まぁ、いつものことやけどなっ!
宮戸 (笑)単独ライブのアンケートで「コントは面白いので、あの変なキャラをいち早くやめてください」っていうのを観たことがあります。
福井 厳しいですよねぇ。舞台上で見せるのはリスク高いんで、終わってすぐ着替えて、ヨイショマンとしてロビーでお見送りしましょうかね。それくらいが、ちょうど良さそうです。

――(笑)GAGさんの全てが詰まった単独になりそうですね。では、最後によしもとニュースセンターを読んでくださっている方々へメッセージを。意気込みをお願いできますか?

坂本 あぁ、意気込みですか。良かった! メッセージっていうから、「クーラー付けっぱなしで寝たら風邪引きますよ」って言うとこでした~。
宮戸 そういうことちゃうやろ! アドバイス的なヤツ!
坂本 ふふふ......できるだけ、いっぱいの人を連れて来てくださーい。お願いしまーす!
福井 今できる僕らの全力を尽くさせてもらいます。
宮戸 『GAG少年楽団2016』っていうタイトルは、2016年までのGAG少年楽団ということです。初めての方も、これまで応援してくださった方もぜひ観に来てください!


【GAG少年楽団】

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