最新ニュースインタビューライブレポート

インタビュー

2017年1月25日 (水)

レイザーラモンと女子プロレス団体アイスリボン選手がコラボ漫才を巡って早くも舌戦! 『アイスリボンvsよしもと対抗戦vol.1』が2/8に幕張で開催!

来る2月8日(水)、千葉県・よしもと幕張イオンモール劇場にて『アイスリボンvsよしもと対抗戦vol.1』が開催されます。


華麗な女子レスラーたちがアツい闘いを繰り広げる女子プロレス団体"アイスリボン"をよしもと芸人が迎え入れる今回のイベント。
アイスリボン所属選手とよしもと芸人によるトークコーナーに加え、ステージにリングを組んでのアイスリボンスペシャルマッチが2試合、さらには次回以降、レスラー×芸人で漫才を披露するコンビを決めるコーナーも用意されているとのことです。


その注目の開幕戦を控え、1月某日、アイスリボン軍から、藤本つかさ選手、世羅りさ選手、雪妃真矢選手、テキーラ沙弥選手の4名と、プロレスとも縁が深く、よしもと軍を率いて参戦するレイザーラモンによる対談が行われました。


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(※左より、レイザーラモンHG、レイザーラモンRG、藤本つかさ選手、世羅りさ選手、雪妃真矢選手、テキーラ沙弥選手)

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――まず、アイスリボンがどのようなプロレス団体なのか、取締役選手代表でもある藤本さんからご説明いただけますか?

 
藤本 はい。アイスリボンは、タレントや主婦、学生だったりが、兼業レスラーとしてプロレスをしているのがひとつの特徴です。あと「プロレスでハッピー!」を合言葉に、試合で勝っても負けても、選手もファンも、試合の後にはハッピーな気持ちで帰って欲しいというのがコンセプトですね。


――旗揚げして10周年を経過しましたが、これまでこうしたお笑い芸人や事務所とのコラボはあったんですか?


藤本 お笑いライブの後に試合をしたり、アイスリボンの興行にお笑い芸人さんを呼んだことはあるんですけど、今回のようにこちらからお笑いライブの劇場に乗り込むみたいな形は初めてですね。
RG 単体でやっても何も生まれないですから、我々とケミストリーしましょう。僕は実際見に行ったことはないんですが、アイスリボンさんの存在自体は以前から知っていましたよ。ずっと女子プロレスを見ていますけど、レジェンドの方ががんばっている団体が多いなか、若くて、キレイな方がいっぱいがんばっている印象ですね。
HG 僕は女子プロレスをしっかり見たことはないんですが、ハッスル時代、アジャ・コングさんとか何人かゴツい系の女子レスラーと絡んで来たので、やっぱりみなさんとはイメージ違いますね。
RG 細くてキレイな方ばかりでね。
世羅 そうですね...。
藤本 そうですねって!(笑)
世羅 すいません!(笑)
HG いや、ホントに(笑)。みなさん、体は大丈夫ですか?
藤本 意外と鍛えているんで、大丈夫です。合同練習に加えて、週2、3回、試合があるので、毎日やってる感じですね。
レイザーラモン すげーなあ。

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――今回は芸人のネタ、アイスリボンさんの試合の他に、レスラーと芸人がコラボ漫才をするコンビを決めるコーナーもあるそうですよ。


HG 僕ら(芸歴での規定で)『M-1グランプリ』に出られませんが、『M-1』に出たい欲、漫才をしたい欲があるんですね。今回はプロレスとゆかりのある我々が、レスラーと漫才が出来るチャンスがあるという、非常に楽しみな企画です。
RG 一時期、新日本プロレスさんとよしもとで、一緒にイベントしていて、僕は内藤哲也選手と漫才をやったんですが、素晴らしいデキの漫才でした。他にもハチミツ二郎さんが棚橋弘至選手と漫才をして、こちらも素晴らしいデキで、レスラーの方と漫才をしたいとちょうど思っていたところでした。
HG ちょうど?(笑)内藤選手は、今ヒールでブレイクしてますけど、その頃は迷っている時期だったんですよ。RGとの漫才で吹っ切れた部分もあるんじゃないかなと。
RG それは絶対あると思う。
藤本 ブレイクのきっかけがよしもとさんとのコラボだったんですね。

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――今回のコラボ漫才に一番積極的なのが、世羅選手のようですね。


世羅 はい。私、広島県世羅町の出身なんですけど、吉本新喜劇を見るのが楽しみに生きてきました(笑)。上京してからもお笑い番組、バラエティしか見ないというくらい大好きで、漫才ってどうやって作っているか知りたいし、作ってみたいという欲がかなりありますね。
HG 僕ら3、4年間くらい新喜劇出てたんですけど、見てましたか?
世羅 新喜劇での覚えはないんですが、でも小さい頃からレイザーラモンさんは見てきましたよ。
RG 小さい頃か(苦笑)。
世羅 島木譲二さんが一番好きで、あとは内場勝則さんも。
RG もう漫才のネタが浮かびました。広島でパチパチパンチが好きなら、もみじ饅頭ネタできますね。
HG いやいや(笑)。
世羅 あとアイスリボンのシングルのベルト(ICEx∞ベルト)を持っているので、『M-1グランプリ』と2冠を目指したいですね。
RG いいですねえ。『R-1』でもいけるかも。

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――雪妃選手は、幕張に縁があるそうですね。


雪妃 地元が千葉県で、高校が幕張のすぐ近くだったので、イオンモール幕張新都心が出来た時に、「ここでいつかプロレスがしたい」と思ってたんです。なので、今回、よしもとさんと一緒に出来るということで、「よし来た!」って(笑)。でも、まだ行ったはないんですよ。私が通っていた頃は、まだコストコと、あとカルフールっていう大型スーパーがあったんです。店員さんがローラースケートを履いてて...もう潰れちゃったんですけど。
RG 「カルフールじゃねえか!」みたいなネタもできそう。
雪妃 (笑)。私、お笑いは好きなんですけど、詳しくはないです。見る時は見るんですが、見ない時期は全然見なくて...。
RG つまり、お笑いが好きじゃないってことですね?
雪妃 じゃあ、好きじゃないです!(笑)
RG やってやるよ! 好きにさせてやるよ!(笑)


――テキーラ沙弥選手は、コスチュームがいかにもメキシコっぽいですね。


RG 僕がトランプ大統領になって、「Get Away!」って言ったりの漫才はアリかも。アメリカでは出来ないくらいのブラックジョークを交わして、最後、テキーラさんがトランプをやっつけるのもいいですね。
テキーラ やばい(笑)。私は7、8年くらい前、ルミネtheよしもとに通ったり、仙台や大阪まで行くくらいお笑いを見ていたので、今回のイベントは、すごい楽しみなんですよ。
HG へー、誰のファンだったんですか?
テキーラ ここ最近、自粛されている相方の白い方を...。
RG あー、NON STYLEね。よかった。平成ノブシコブシとかだったら手を出されてたかも(笑)。
HG 特に石田は大丈夫(笑)。今回、よしもとから石田は出せなかったなあ。
RG でも、イベントを続けていけばいつかは...。
テキーラ いつかはたどり着けるようにがんばります(笑)。

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――藤本選手は漫才をされないんですか?


藤本 個性豊かな選手がいるので、そちらを生贄にして(笑)、私はセッティングみたいな立ち位置になりました。
RG でも、やりたくない人を引きずり出すのも面白いですからね。
HG 面白いけども(笑)。
藤本 数々のむちゃぶりをこなしてきたメンバーなので、今回も彼女たちはやってくれるだろうと思っています。私としては、よしもとさんのファンの方たちが、初めてプロレスを見て、プロレスって面白いんだなあって知ってくれたら一番うれしいですね。
RG このメンバーで、よしもとのファンが来るかな?
HG 渋いメンバーではあるんですよね(笑)。
RG ほぼアイスリボンファンになるかも。我々が逆にファンを取っちゃうかも(笑)。

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――改めてレイザーラモンさん、イベントへの意気込みをいただけますか?


HG 僕はハッスルを経験して、プロレスラーのみなさんって、懐が深くて柔軟だし、グイグイ来る感じがすごいなあって思ったんですね。常々プロレスラーへの尊敬があって、もっと稼いでもらいたいという気持ちもあるんですよ。そのためにも、僕らプロレス好き芸人がアイスリボンさんの良さを引き出せたらいいですし、踏み台にしてもらって、もっともっとアイスリボンさんの知名度が上がっていけばいいなと思っていますね。
RG さっき言った新日本プロレスの内藤選手との漫才で、ウケたときの内藤選手の楽しそうな顔、忘れられないですね。それを僕もまた感じたいし、アイスリボンのみなさんにも感じさせてあげたいです。定期的に興行をして、新ネタを作って、数年後には元旦の『爆笑ヒットパレード』(フジテレビ系)に出られるようにしましょう!
アイスリボン よろしくお願いします!(笑)
HG 俺らも出てないのに(笑)。 

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この対談の直後に行われた会見では、世羅選手がパチパチパンチを披露し、そのスピードと力強さに「さすがレスラーや、ボンボンって音鳴ってた」とHGが感心する場面も。
その一方、どうしても漫才をしたくない藤本つかさ選手とどうしても漫才をさせたいRGが一触即発の事態に。
今回のイベントの構成をユウキロックが務めると知った藤本選手は、「ユウキロックさんは、アイスリボンの道場で、マットに納豆をぶちまけたことがあるんですよ!」といった因縁も明かし、「試合中、気をつけろよ!」(RG)、「漫才中、気をつけろよ!」(藤本)と舌戦を繰り広げました。

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【レイザーラモン】

2017年1月19日 (木)

アキラ・コンチネンタル・フィーバーがインドネシアでの活動を語る!

アジア全域で日本のエンターテイメントコンテンツの推進を目的として設立された合弁会社MCIPホールディングスによるプロジェクト「アジア版 あなたの街に"住みます"プロジェクト。アジアでのエンターテイメント事業の基盤を築くことを目的に現在、6つの国と地域で11組16名が「住みますアジア芸人」として現地で活動しています。

2016年の年末には全組が帰国し、東京・ヨシモト∞ホールで開催された『目指せアジアの星!アジア&47住みますサミット+未来のアジアのスター芸人発掘オーディション』『ゆく年∞くる年 NEW YEAR'S EVE ∞ SUPER COUNT DOWN』に出演しました。
プロジェクトがスタートして約1年8ヵ月。「住みますアジア芸人」達は現地でどんな活動をし、どんな生活をしているのかを今後、1組ずつ紹介していきます。

トップバッターは、インドネシアで活動するピン芸人のアキラ・コンチネンタル・フィーバー。今年1月は歌手デビューが決定するなど「仕事は増えて来ました」と安堵の表情を浮かべる彼に、話を訊きました。
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――インドネシアでの生活には慣れましたか?

そうですね。2015年4月28日から住んでいて、半年くらいはなかなか慣れなかったんですけど、今は文化にも慣れて来て楽しく過ごせています。最初の頃はウィルス感染したり、デング熱になって顔面が腫れ上がったりと大きな病気にもかかったんですけど、免疫ができたのか今はそういうこともなくなりました。

――現地の食事は、どんな感じですか?

ナシゴレンとか、油を使った食べ物が多いんです。元々、辛いものは好きだったんですけど、野菜を食べる習慣がないのはちょっと困ってます。僕、野菜が好きなので......。宗教上、豚肉が食べられないのは物足りないなと感じたりもします。シーフードは意外と人気があるんで、シーフードレストランも多いですよ。現地の人に従って手でご飯を食べるんですけど、箸を使って食べるのと味が全然違うんですよ。

――ナシゴレンは日本でもメジャーな食べ物ですね。普段、どんなところで食べてるんですか?

100円屋台が多いですね。不衛生なところで食べてしまうと、とことん体調を崩してしまうことも......。(インドネシアで人気のある)COWCOWさんがお土産として日本食を持って来てくれることもあるんですけど、僕のルールとして日本食を食べるのは落ち込んだときと病気にかかったときだけと決めていて。そういうときは、COWCOWさんからいただいたサバの味噌煮の缶詰やいい素麺を食べてます。サバの味噌煮缶は、インドネシアでも行列ができるくらい大人気。現地の人は「もっとタレを入れろ」って言ってますけどね。

――インドネシアへは、どういういきさつで行くことになったんですか?

渡航前、『ナマイキ! あらびき団』に出たり、『芸人同棲』っていうライセンスさんがMCをやられているテレビ朝日の配信番組のオーディションを受けたりしてたんです。そのオーディションでは少しでも目立ちたくて、モノマネをやっているマギー審司さんの格好で行ったんですけど落ちちゃいました......。その連絡を受けた夜に「住みますアジア芸人」のオーディションの話が来て。だらだらと日本で芸人をやっていくよりは、もっと厳しいところで自分を磨きたいなと思ってオーディションを受けました。受かって実際にインドネシアで生活を始めたんですけど、2015年9月に『眠れるスター目覚ましバラエティ"ハックツベリー" 』(テレビ東京系)が終わったのは、ちょっとショックでしたね。その後、半年くらい仕事が何もなかったので精神的にキツかったですけど、ここでなんとかしなきゃいけないと思い立って、必死にいろんなところへアピールしに行くようになりました。

――今、お仕事は順調ですか?

仕事は増えているところで、大人気連続ドラマの社長役が決まったり、パフォーマンス番組で優勝したりもしました。YouTubeに動画もアップしてますし、フェスでパフォーマンスしたりもしてます。あと、1月に歌手デビューも決まりました!『タフブラッド』っていう歌で、日本語では"天ぷら"とか"油揚げ"みたいな意味なんですけど、インドネシアでは大人気の食べ物で。その食べ物への思いを込めた歌で、歌詞はマネージャーと一緒につくって、作曲はプロの方に担当してもらってます(註:写真は出演したドラマの主演女優であるアディンダ・トーマスさんとの1枚)
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――現地での認知度は上がってます?

そうですね。1年目はなんにもなかったんですけど、最近は歩いてると「アキラだ!」とか言われることもあります。ゲイの方にナンパされることが多くて......。丁重にお断りするんですけど、結構しつこくて大変です(笑)。

――これまでの生活の中で、印象に残っていることは?

あるラジオ番組で、インドネシア人のパーソナリティの女性と知り合いまして。僕がボーイスカウトをやっているという話をしたら、「ゴミ山の最終処分場へ一緒に行ってみない?」と誘われたんです。そこには30~40人くらいの子供がいたんですけど、みんな親がいない。出生届も出されていないから、施設でも受け入れてもらえないんです。その子達の生きる希望はいつか日本に行くことらしくて、自主的に土日だけ集まって日本語の勉強を独学でやっていて。僕は2ヵ月に1回くらいのペースでそこへ通って、日本語の先生をやりながら子供達の前でパフォーマンスをやってます。パフォーマンスは子供達に頼まれてやってたんですけど、毎回、新しいネタを見せなきゃいけないのは大変ですね。

――現地では、どんなネタをやってるんですか?

呪文を唱えるとシャトルコックが宙に浮いたり、色が変わったり、缶が空中に浮いたりするっていうコメディマジックみたいなものを、"スーパーイリュージョン"としてやってます。あとは、インドネシア語のフリップ芸みたいなものもやってますね。

――モノマネ同様、まさにマギー審司さんのようなネタをやってるんですね(笑)。

確かにそうですね(笑)。歌舞伎町のバーで働いてたとき、マギー一門の方々が来たことがあったんです。マギー審司さんはいらっしゃらなかったんですけど、『~あらびき団』で勝手にモノマネさせていただいることを一門の方に謝罪したら「どんどんやってくれ」と言ってくださった。その言葉は、すごくありがたかったですね。
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――インドネシアってラマダンの期間がありますよね? その時はどうしてるんですか?

外国人はやらなくても大丈夫なんですけど、僕は挑戦しました。喉が渇くし、体を鍛えるためのトレーニング後にお水を飲めなくて、3日間でくじけましたね。あと、ラマダン中はタバコも吸っちゃいけないみたいなんですけど、食べられないストレスで余計にタバコが吸いたくなる。現地の人はどうせ痩せるんだからと、ラマダン前にすごく食べてます。まぁ、大体ダイエットには失敗してるみたいでしたけど(笑)。

――今後の目標は?

何かの縁があってインドネシアへ来られたと思っているので、現地でレギュラー番組を持って、COWCOWさんを定期的にゲストとしてお招きできるようになりたい。あと、「ジャカルタ花月」を作りたいですね。僕はNSC出身で師匠はいないんですけど、個人的にCOWCOWさんを師匠だと思っていて。今は、インドネシアで人気のあるCOWCOWさんが作ったレールの上を歩かせていただいているという感覚なので少しでも恩返しできるように、今後は自分の力でもっと活動できる場を広げていきたいなと思ってます。


【アキラ・コンチネンタル・フィーバー】

2017年1月16日 (月)

自身の子育てから幼児教育、「そうまハウス」設立へ... 今季、現役を引退した相馬崇人が語る「これからのこと」

今シーズンをもって、14年にわたるプロサッカー選手生活にピリオドを打った元ヴィッセル神戸の相馬崇人さん。「後悔なくやりきった」と言いきるその決断の向こうには、何が待っているのでしょうか。相馬さんが見つけた新たな目標「そうまハウス」と幼児教育について、そこに至る経緯や思いを語ってもらいました。

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●きっかけは海外生活と「脳科学」との出会い

結婚と同時にポルトガルのCSマリティモへ移籍したんですが、そこではどこに行くにも何をするにも「家族一緒に」が基本でした。チームメイトたちとプライベートで「飲みに行こうよ!」という話になっても、「じゃあ家族を連れて行くよ」という感じ。とにかく、すごく家族を大切にするんです。

子育てに関しても、日本と全然違いました。ドイツ(エネルギー・コットブスに所属)では子供を近所の保育園に通わせていたんですが、教育内容がすごく進んでいて驚きました。例えばクラスは年齢ごとの横割りじゃなく、いろんな年齢の子供たちが混在する縦割りなんですよ。お兄ちゃん、お姉ちゃんが小さな子の面倒を見て、彼らが卒園したら、年長になった子がまた下の子を世話する。そういう生活の中で、弱い者を助けるとか、責任感といったものを自然と学べるシステムになっていました。おもちゃのブロックひとつ取ってみても、建物の構造まで学べる仕組みになっていたり。本当に、すべてが驚きで、こうした海外での経験が、「家族のあり方」や「子育て」について考えるきっかけになった気がします。

もうひとつ、「脳科学」との出会いも大きな転機でした。妻が妊娠してから「自分たちの子供をどのように育てていくか」を常に話し合っていました。これまでの子育てって、「自分が親からされた教育が良かったから同じように」とか、逆に「こうされたのが嫌だったから別のやり方を」というのが主流だったと思うんですが、そんな時、知り合いから録画を送ってもらって見ていたテレビ番組『ホンマでっか!?TV』を通じて「脳科学」の存在を知ったんです。脳科学の分野では、きちんと検証して「1000人中900人がこうなった」という"結果"が出なければ正しいと認められない。やがて「これを子育てに取り入れることができたら、子供の能力を伸ばす手助けになるんじゃないか」と思い始めて。もっといろんな話が聞けないかと、出演されている脳科学者の澤口俊之先生にコンタクトを取りました。

オフを利用して先生にお会いし、お話をうかがってみると、やっぱりすごく面白いんですよ。「叱る時はどうすればいい?」「子供を萎縮させないためには?」などいろんな質問をさせていただくうちに、もっともっと教育のことを知りたいと思うようになりました。もともとは自分の子供のためだったんですが、いつしか「こうして知ったいろんなことを、キッズスクールという形で広く還元できたらいいな」という夢を抱き始めたんです。

そんな流れを経て、ヴィッセル神戸への移籍が決まり日本に帰国した2011年、「そうまハウス」を立ち上げて、キッズスクールとサッカールクールをスタートさせました。

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●脳科学も取り入れサッカーの上達をサポート

「そうまハウス」では、澤口先生が主宰されている「人間性脳科学研究所」のサポートを受けながら、キッズスクールはもちろん、サッカースクールにも脳科学のノウハウを取り入れています。

いまトップにいる選手たちが、なぜあそこまで上り詰めることができたのかっていうのが、以前からすごく気になっていて。偶然そうなったのではなく、技術の習得や体力面においても、共通かつ合理的な方法があるんじゃないかと思っていたんですよ。そこで澤口先生に相談したところ、脳の力を高めることで、より速くスムーズに上達したり、吸収力を高めたりできるんじゃないか、と。それを聞いて非常に面白いなと思い、サッカースクールのカリキュラムに取り入れています。

設立から5年を経て、通っている子供たちの数もかなり増えました。いちばん最初に入ってきた子たちが、もう中学生になっていますから。例えば、最初の頃は泣いてピッチに入ることもできなかった女の子が、INAC神戸のジュニアユースに入ったり...「自分たちがやってきたことは正しかった」と思える子たちが、しっかり育ってきている。それがすごくうれしいですね。

僕自身も、普通だったら触れることのない、他のご家庭の悩みだったり子供への思いなんかを間近に見ることで、成長した部分があると思う。自分の家庭や子供たちへの思いも含め、いろいろ勉強させてもらったな、と感じています。

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● 「諦めず努力できる子」を育てたい

今は、何かものごとをやってみても、できなかったらすぐ諦めちゃう人が多いでしょう? だからこそ、僕としては、たとえ困難に突き当たっても、諦めずに努力して頑張っていける子を育てたいという思いがすごく強いんです。

子供たちは本当に十人十色で、お花屋さんになりたい子、総理大臣になりたい子、サッカー選手になりたい子、アーティストになりたい子、お笑い芸人になりたい子など、進みたい方向もさまざまですよね。何かを目指す時、大変なことはあるかもしれないけど、自分の目標に向かってしっかり突き進んでいける子が、「そうまハウス」から出てきてくれたらいい。その手助けとして、脳科学からのアプローチがあるわけだし、うちのスクールを通してそういう子がひとりでも多く輩出できればいいなと思います。

今、選手としては後悔なく「やりきった」という思いなので、これを区切りに、今後は全面的に「そうまハウス」と幼児教育に取り組みたい。次の人生に向けて、とにかく一生懸命やっていかなくちゃいけないなという気持ちでいっぱいですね。



そうまハウス キッズスクール http://somahouse.jp

そうまハウス サッカースクール http://www.sh-footballclub.jp

【相馬崇人】

2017年1月10日 (火)

皆勤賞の宮川大輔が感じた古舘伊知郎さんのスゴさとは? DVD『人志松本のすべらない話 30回記念大会 完全版』1/11リリース

昨年7月9日にフジテレビ系で放送された『人志松本のすべらない話 30回記念大会』が、明日1月11日(水)に『人志松本のすべらない話 30回記念大会 完全版』としてDVDリリースされます。


DVD化にあたり、訳あって未公開のすべらない話を含めて再編集。
30回目という記念の夜会に華を添えたのは、初参戦の古舘伊知郎さんで、古舘節に乗せて披露された貴重なすべらない話が話題となりました。
そんな古舘さんを迎え撃つプレイヤーは主宰である松本人志を始め、千原ジュニア(千原兄弟)、宮川大輔、星田英利、河本準一(次長課長)、ケンドーコバヤシ、兵動大樹(矢野・兵動)、小籔千豊、そして宮迫博之(雨上がり決死隊)というすべらない話の歴史を作ってきた強者9人。


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今回は、初回からの連続出演記録を継続中の宮川大輔に、DVDの見どころなどを伺いました。


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――大輔さんは初回から『すべらない話』に出演し続けているそうで、初期の頃の方から気持ちの変化はありますか?


初めはドキドキというか緊張もしていて、今もしているんですけど、皆勤賞でずっと出ているとホンマに喋ることがないというか、自信を持って喋ることがすごくないんです。昔は飲み会とか、ルミネtheよしもとの楽屋であったりとか、そういうところで、何回も喋って、いらんところを削っていったりの作業が出来たんですけど、今は自分の中でするんですね。本番で話して、兄さんとかに「それいる?」とか言っていただくのもアリなんかな、それも面白みのひとつなんやなあとは思うようになれてきました。


――11年も出続けて、『すべらない話』を披露し続けているというネタ的な大変さですね。


昔から僕の話はヘンな話やったんです。おねえちゃんのおっぱい触ったり、ビデオで撮ったり(笑)。11年はあっという間でしたけど、その中には目まぐるしく世の中も変わって、僕に子供が生まれたり環境も変わって、なかなか『すべらない話』で言えることも少なくなって来たなっていうのはありますね。うれしいことにずっと出続けているので、意地でも続けていって、宮川節やないですけど、「宮川大輔ってこうやな」っていう話をもうちょっと出来たらなあって思っていて、そこは牙を研がなきゃなって思ってます。もうそろそろMVS(Most Valuable すべらない話)を獲って、家にトロフィーを持って帰りたいですね。一回だけ、MVSを獲った時は、めちゃめちゃうれしかったんですよ。


――今回のDVDでの宮川さんは、『哀川翔さん』というタイトルの話が1本収録されています。


品川の映画(品川ヒロシ監督『Zアイランド』)で一緒にやらせてもらった時に、新幹線のなかでこんなんあったなあって思い出しまして。翔さんが起こされた方が意外な方で、何がおもろいねんなんですけど(笑)。古舘さんに(賽の目が)結構まわってきて、こんなすごい話の後に、哀川翔さんの話、できるんかなあって思いましたけど、自分の中ではこれが一番言いたい。この『すべらない話』で、テレビに出させてもらえるようになったので、『すべらない話』のサイコロの神様というのを信じているんですね。(自分の賽の目が)1回やったら、1回しかアカンかったんやな。今日(今年1月7日放送の収録分)やったら何回もあたって、イケっていうてはんやなとか、いろんなことを思いながらやってますね。


――『哀川翔さん』で反響はありましたか?


小籔とケンコバが、家で録ったのを観たらしくて、「あれ、めちゃめちゃおもろい話ですね」とは言うてくれましたけど、この2人だけですね。あとは、オンエアがあった2週間後くらいに、翔さんの楽屋に行って、「『すべらない話』でお話させていただきました」って言ったら、「なんだそれ? そんなの面白いのかよ! まあいいや、おうおう」とは言うてくださいましたけどね(笑)。

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――今回はなんと言っても古舘伊知郎さんの参戦は目玉ですね。


「宮川くん、あれ面白かったね」って、番組を観てくださって、それについてお話していただいたりとか。逆にこっちがせなアカンくらいなのに、すごいなって思いましたね。打ち上げに行かせていただいたんですけど、二次会、三次会くらいまで来ていただいて、いろんなお話が聞けて、ありがたかったです。


――古舘さんからしたら、アウェーですよね。


すごいやりにくい場所でしょうけど、そんな関係なく、古舘節と言うんですか。やっぱり舞台でやられたり、牙を研いではるというか、その牙が尖りすぎてて、怖い部分もありましたけど、すげーなとは思いましたね。自分の牙なんか真っ黄っ黄で、丸になってますから(笑)。


――それでは、最後に読者へのメッセージをお願いします。


よしもと芸人だけやったら、それぞれが歯車を回して、『すべらない話』っていうのが、毎回大きく回っていると思うんです。そこに古舘さんっていう、あんだけ早く回って、ガーってやられたら、みんなも影響されて、「これの後にこれできるか?」とか、いろいろ変わってきて、本当に面白い節目のDVDになったと思います。ぜひみなさんに買っていただきたいです。この記事を読んでいただいた方には、僕の哀川翔さんの話はネタバレしていると思うんですけど、そこは笑っておいてください(笑)。




【宮川大輔】

2016年12月27日 (火)

2月11日より単独ライブツアー『シソンヌライブ[モノクロ]2017』をスタートさせるシソンヌへインタビュー!「今年よりさらに面白くなるはず」と語る!!

2017年2月11日(土)、愛知・伏見JAMMIN'での公演を皮切りに、シソンヌが単独ライブツアー『シソンヌライブ[モノクロ]2017』をスタートすることになりました。

『シソンヌライブ[モノクロ]』とは、『キングオブコント2014』キングでもあるシソンヌが、全国47都道府県行脚を目標に掲げている公演時間60分のコントライブツアーのこと。毎年恒例となり、今年は念願だった東京・本多劇場で開催された『シソンヌライブ』は公演時間90~120分と長尺で、衣装やセットにもがっつり凝った内容となっていますが、『~[モノクロ]』ではより気軽に手軽に観てもらいたいという2人の意向で、衣装替えもなく、小道具もほとんど使わずに、2人のやりとりが活きるシンプルなコントが存分に楽しめるライブです。

今年は4月、東京・エコー劇場での公演を皮切りに東北などをまわった『~[モノクロ]』が、2017年も開催決定。新たに書き下ろしたコントを引っさげて、まずは主要都市をまわることになったシソンヌへライブの展望を中心に、今年1年を振り返りつつ、来年に向けた意気込みも聞きました。

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(向かって左:じろう/右:長谷川忍)

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――今年4月にスタートした『~[モノクロ]』ですが、実際にやってみてどんなところに手応えを感じましたか。

じろう 自分達でどれだけ表現するかっていう、表現力の下地みたいなものが凄く鍛えられた感覚はありましたね。
長谷川 芸歴1~2年目の頃、手持ち道具が唯一用意できるくらいで、大きいものは変えないからあるテイでやるのが当たり前でしたけど、久しぶりに道具や衣装を用いないコントをやってみて新鮮な気持ちにもなりました。道具や衣装がなくても笑ってもらえるくらい、表現できることも増えたんだなというか。1~2年目の頃のほうが稽古はたくさんしてたんですけど、今のほうがお客さんに伝わってるなっていう手応えを感じましたね。
じろう ネタは、やっぱり経験値がものを言うところはありますから。

――1~2年目の頃は、どのくらい稽古してたんですか。

長谷川 4年目くらいまでは撮影しちゃあ、2人で観てました。もちろん今もやってはいますけど、あの頃は1回撮っちゃあ観て、もう1回撮っちゃあ観てって繰り返してたんです。そうやって客観視することを2人とも意識するようにしてたんで、今は(観客に)どう映ってるのかが想像しやすい。それは、当時そうやってたおかげだなと思います。
じろう あと、着替えなし、小道具なしでコントするってことがどういうものなのか。そのノウハウみたいなものは今年やってみてわかったので、来年はさらに面白くなると思いますよ。
長谷川 地方でやった時に、ちゃんとウケるだろうところはどこでやってもウケたのが嬉しかったしな?
じろう うん。東京とかに比べて、お笑いのライブを観るっていう文化が圧倒的にないと思うので、どんなものなのかなっていう不安はあったんです。けど、僕の地元もすげぇ盛り上がって。
長谷川 知らない土地でウケてるっていうのも自信になりましたし、僕らのことを観に来てくれるお客さんがもっと増えたらいいなとさらに思いました。

――4月に東京での『~[モノクロ]』を終えたあと、じろうさんは「こっち向けのネタを作りたくなっている」みたいなことを話していたかと思うんですけど、通常の『シソンヌライブ』とのコントの選別ってどんなところにポイントを置いてやってるんですか?

じろう 来年4月に『シソンヌライブ[six]』もあるので、今ちょうどどっちにどのネタを持っていくかを選別してるところなんですけど......。大きい道具がないとこの状況は伝わらないだろうなっていうコントは必然的に本多劇場のほうに持っていって、2人のやりとりだけで成立しそうなものは『モノクロ』っていう分け方ですかね。

――『~[モノクロ]』のコンセプトには、劇場の通常公演でできるネタを増やしたいっていう思いもあったかと思うんですけど、今年やったことによって劇場用のネタは増えました?

じろう ......いや、増えてないっすね。ふはははは!
長谷川 いくつかは劇場でもやりましたけど、意外と......なぁ?
じろう そういうものではなかったというか。
長谷川 相方も思ってるでしょうけど、寄席は寄席、『~[モノクロ]』は『~[モノクロ]』、『シソンヌライブ』は『シソンヌライブ』っていうふうに別物で考えていけないんだなということがわかりました。けど、これから続けていくことで、劇場でできるようなネタも生まれていくんじゃないかなとは思います。

――先ほど話していたように、『~[モノクロ]』で披露するコントは2人の掛け合いが必然的に増えると思うんですけど、掛け合いの面白さみたいなものも改めて実感されたんじゃないんですか。

じろう そうですね。あのライブをやってる時は"面白いな、自分達"って思いながらやってました(笑)。
長谷川 ははははは!『シソンヌライブ』のコントよりも掛け合いの時間が長いですから、2人ともおしゃべりのスイッチが入っちゃうんでしょうね。だから、『~[モノクロ]』はいい意味で筋トレみたいなものになったなと思います。今年もコントばっかりさせていただきました。別の舞台にも出させてもらったりしてたんで、1年の半分くらい稽古してましたもん。

――広島で放送中の『ぶちぶちシソンヌ』での即興コントも、相変わらずやってるんですよね?

じろう やってますねぇ。あれはやらされているっていうか(笑)。
長谷川 僕らはだいぶ慣れてきたというか、何がウケるかウケないかっていうのはちょっとわかってきてるんですよ。けど、ゲストの方々は初めてやるから、皆さん「大丈夫だった?」って心配そうで。あれ、申し訳ない気持ちになるよなぁ?
じろう うん、そうだねぇ(笑)。頻度も多くて、即興コントばっかりやってます、本当に!!

――それもコント筋肉になってます? それとも別物ですか?

長谷川 コントするためにバチンとスイッチ入れる作業は身に付いたかもしれないですね。相方は元々バチンとスイッチ入るタイプですけど、コンビとしてのコントラストみたいなものも出せるようになってきたから、もしかしたら即興コントもいい筋トレにはなってるかもしれないです。でも、わからないなぁ(苦笑)。
じろう 8割くらいは面白くないことをやってるんですよ。めちゃくちゃなテーマがお題になりますし、時間制限も1分なので仕方がないんですけどね。だから、面白くないことをやってもいちいち凹まずに次々行けるようにはなりました。
長谷川 確かに1回1回凹んでいられないので、切り替えは上手くなったかもしれないですね。あと、やらなきゃいけない状況でやり切る精神力も付いたのかも。だって、"あれ面白かったんじゃないかな"っていう即興コントができるのは1年に1つか2つだよなぁ?
じろう うん。1つも面白いことをやらないで収録が終わるときもありますもんね。
長谷川 ふはは! じろう、この前ムキになってたもんな。
じろう これでラストだって言われたのに(笑)。
長谷川 自分らで振り返ったときに、今日1つも面白いことやってないってなって。僕は(アイデアが)出ない日なんだなって割り切れたんですけど、じろうは納得いかなかったみたいで。
じろう ずっとお題を引き続けたんです。
長谷川 けど、結局つかめなかった。その感じが面白かったから良かったんですけど、あれもなかったら本当に何もないまま終わってました。この間、ゲストで来たライスさんもそっちのモードに入っちゃって、「もっとやらせて?」「もう終わり?」ってなってましたね。

――(笑)それもまたいい経験ですね。せっかくなので今年を振り返ってもらいたいんですけど、シソンヌさんにとってどんな1年でした?

長谷川 いろいろとやらせてもらった1年だったのかもしれないですね。『有吉の壁』や『キングちゃん』に呼んでもらったり、『お笑い向上委員会』にも出させてもらったり、コント番組にも出させていただいたりして。(お笑いの中での)いろんな競技にチャレンジできて......筋トレの仕方がわかったっていうのはおかしな話ですけど、勉強になることはたくさんありました。だからこそ来年、ある程度やることが......決まっていると言ったらおかしいですけど、課題ははっきりしてるなっていう感覚はありますね。
じろう ゆっくり右肩上がりでの1年ではあったなっていうか。世間的には停滞しているイメージかもしれないですけど、ゆっくり、ゆっくりと上には向いてるなと思ってました。
長谷川 タレント的な番組には確かに出てないんですけど、お笑いど真ん中の番組には出させてもらってるんですよ。松本(人志)さんが『キングオブコント2016』でライスさんが優勝したときに「シソンヌ感が出てる」って僕らの名前を出してくれましたけど、あれは逆に忘れられないために言ってくれたのかなって思ってます。

――お2人は「コントばっかりやってます」とよくお話しされてますけど、単独ライブでコントを作り続けることが、いろいろと繋がっているんだなと。お2人を観ていると、面白いことをやり続けていれば観てくれる人って確実に増えていくだなとしみじみ思ったりもするんですけど。

長谷川 そう感じます。僕らは特にかもしれないですけど、単独ライブをやる意味があるなと思いますね。
じろう この前、『アカデミーナイト』のロケに呼んでいただいたんです。ロケで芸人呼ぶってなった時に僕らの名前ってあんまり候補にならないと思うんですけど(笑)、(アンジャッシュの)渡部さんが出たときに相方が出ていたのでその流れで呼んでもらえたのかなと思ってたんですよ。で、展示会のロケで「上野の美術館に行ってください」って渡されたものを開けたら、中に手紙が入っていて。『シソンヌライブ』を観ました。コントでこんなに衝撃を受けたのは初めてで、ぜひ一緒にお仕事したいと思って声をかけさせていただきました、みたいなことを書いてくれてたんです。

――うわぁ~、いい話!

じろう 単独ライブをやる意味あるんだなって。こんなふうに仕事に繋がるんだって嬉しかったですね。あと、『ぶちぶちシソンヌ』をやってなかったら、ロケに呼ばれても何をしたらいいかわからなかったとも思う。やっていたおかげでフラットな気持ちで臨めたので、『ぶちぶちシソンヌ』もやっぱり有り難い存在ですね。
長谷川 『ネプ&ローラの爆笑まとめ2016』で、今年の『シソンヌライブ』でやった「ばばあの罠」をやらせてもらったんです。本来4分以内でって言われたところを6分くらいやってしまったんでカットされるだろうなと思ってたんですけど、カットせずに全部流してもらえた。その時も"あぁ、コントやってて良かったな"と思いました。

――来年の抱負は?

じろう ......もうちょっとお金持ちになりたいなぁ。
長谷川 それ言われたら、俺もそれになっちゃうわ(笑)。まぁ、いろんな方と出会いたいですし、僕らの味方をどんどん増やしていかないとなっていう気持ちはありますよね。
じろう ムロ(ツヨシ)さんは常々、僕らのことを言ってくれてますし、新井(浩文)君は雑誌の撮影の時、後ろに僕らのポスターを貼ってくれたりもして。
長谷川 あのねぇ!(急に前のめりになって)これ、じろうにも言ったんですけど、20年前なら僕らはバチ売れしてると思うんですよ。時代さえ合っていればね!
じろう ははははは! まぁ、阿部サダヲさんが『ダ・ヴィンチ』の巻頭で、僕の本(註:『甘いお酒でうがい』)を紹介してくれたりもして。

――おぉ、凄い!

長谷川 宮藤官九郎さんが『週刊文春』で、僕らについて書いてくれてたりもするんですよ?

――えぇーーーー!!!

長谷川 荒川良々さんとカフェにいた時、近くの席で石野卓球さんが取材を受けていて。まず荒川さんに気付いて久しぶり〜なんて話し始めたんですけど、「あれ? シソンヌくんじゃん! 観てるよ」って言ってくれたんです。すぐ、じろうに「おい、俺らのこと知ってたぞ」って報告しました。
じろう ピエール瀧さんもこの間、めちゃくちゃ誉めてくれましたよ。「君は気が狂ってるから、そのままでいい」って。

――最高の誉め言葉ですね。

じろう そんなふうに観てくれる人はいるから、来年も今の感じでいいんじゃないかなって思ってます。で、声を掛けていただいたところでより頑張りたいなと。あと、『シティボーイズ・ライブ』に出たいですね。もうやらないかもしれないですけど、もしかしたらご本人達に届くかもしれないので言い続けていこうと思ってます。
長谷川 『シティボーイズ・ライブ』ももちろんですけど、僕はアンガールズさんとコントをやってみたい。田中(卓志)さんは笑いに対して真摯な方で、お笑いのことをすっげぇ考えているんですよ。トークライブでは毎回、新ネタをおろされていますし、尊敬できるところが多いので、一緒にやってみたいですね。
じろう 田中さん、僕にすげぇ話しかけてくれるんです。
長谷川 俺らのコントを良く観てくれているらしいよ。

――嬉しいお話ばかりですね。ご自身のネタを観てもらって味方を増やすという意味でも、『〜[モノクロ]』『シソンヌライブ[six]』と、今年もコントの旅は大事なものになりそうですね。

じろう 本当にそうですね。頑張ります。
長谷川 来年もたくさんの方に観ていただきたいです。ぜひ観に来てください!
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【シソンヌ】

2016年12月23日 (金)

12月30日に10周年記念ライブを開催するえんにちへインタビュー! アイパー滝沢「僕らの成長を観に来て」と来場呼びかけ!!

12月30日(金)、東京・ルミネtheよしもとにて『~えんにち結成10周年記念単独ライブ~「極める道」』を開催されます。

元旦をコンビ結成日としているえんにちにとって、10周年という区切りの最後に行なう今回の単独ライブは特別な意味合いがあるよう。大宮を拠点に活動を続ける中で地元の人と触れ合いながら漫才のスキルアップを図る彼らに、単独に向けての意気込みを伺いました。

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(向かって左:アイパー滝沢/右:望月リョーマ)

 *  *  *  *  *

――10周年を記念する単独ライブ、いよいよ開催が近づいてきましたね。

アイパー滝沢(以下:アイパー) そうですね。10周年記念の単独ライブはちゃんとやりやかったので、ルミネにやらせてくださいって直々にお願いしました。1月1日からは11周年目に入っちゃうんで、どうしても10周年のうちに単独ライブをやりたかったんですよね。
望月 だから、たくさんのお客さんに来ていただかないと......ヤバいんですよ(笑)。
アイパー そうなんです! ネタはもう仕上がっていて詰めるだけ。僕ら、最近ネタつくるのが早いんですよ。打ち合わせしたら、その日のうちにできちゃいます。
望月 ラクーン大宮よしもと劇場で毎月、新ネタライブをやっていたんで、月1本は新ネタがつくれるようになって。ただ、面白いかどうかとなると......っていうところもあるので、今回はネタが早くできた分、詰める作業に時間を費やしてます。
アイパー 早めにネタをつくったのは、ルミネでやることにちょっとビビってるからっていうのもあるんですけどね(笑)。

――関東にあるよしもとの常設劇場ではいちばん大きな劇場ですから、やはり特別な気持ちがあるんですね。今回はどんな単独ライブになりそうですか?

望月 ニューヨークでも通用しそうなものだよね?......って、多くの人に来てもらうために、大ボラ吹きましたけど。
アイパー ははは! まぁ、新ネタをたくさんやって、ブリッジVTRでは過去を振り返るようなものを流すので、楽しいと思いますよ。普段はあんまりやらないコントもやりますし、編み物を題材とした漫才もやります。
望月 漫才としては、今までのスタイルは捨てずに次の展開をちょっと感じさせるようなネタもできあがってます。その漫才が......。
アイパー 凶と出るか。
望月 いやいや、"吉と出るか"を先に言ってくれるかな? 吉と出るか凶と出るか、でしょ?
アイパー あぁ、そうかそうか!(笑)
望月 とにかく今までの集大成を見てもらいながら、新たに攻める11周年......12年目に繋がる単独ライブになると思います。

――先ほど、大宮の劇場で新ネタライブを開催していたとお話しされていましたけれど。

望月 月1回、3本くらいの新ネタをおろすライブをやってたんです。僕ら、目的なないとなんにもしないので、気合いを入れるためにやっていたというか。
アイパー そう。自分らのケツを叩く目的だったよね。
望月 最初は中旬に2本おろすライブと下旬に3本おろすライブ、月に2回やってたんです。けど、新ネタをおろすことを意識しすぎてネタのクオリティが雑になるのはよくないなということで、月1回になりました。それをやった1年間があったから、今回は早くネタを仕上げることはできたんです。
アイパー まぁ、その新ネタが凶と......いや、小吉と出るかはわかりませんけどね。まぁ、楽しみです。僕らにとって挑戦的なライブになるので、お客さんもおっかなびっくりで来て欲しいですね。
望月 おっかなびっくりって! お化け屋敷じゃないんだからね。30日まだ空いてるよっていう人は是非、観に来ていただきたいですね。
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――2015年の7月から、さいたま市"住みます"芸人にも就任してますけど、根付いて来たなっていう実感はありますか。

望月 僕は実際、大宮に住んでいるので、大宮の人達とはすごく仲よくなりました。お金を払わせてくれない居酒屋さんが3軒、ラーメン屋さんが2軒あって、その辺のお店に今回の単独ライブのポスターも貼ってもらってます。
アイパー すげぇ! いいですね、住んでる人ならではの動きですよね。
望月 「お酒代だけでも払わせてください」って言うんですけど、いらないって言われて......ありがたいですよね。
アイパー 仕事でも、越谷の小学校でやってた漫才教室がちょっとずつ広がっていて、今年は大宮の小学校でも教えたりできました。僕としては今後、編み物のワークショップなんかもやれたらいいなと思いますし、"住みます"芸人やってるなっていう実感は確実にありますよ。
望月 今回の単独ライブ、埼玉の人にも観に来て欲しいですね。

――大宮から新宿までは埼京線で1本ですし、多くの方が足を運んでくれるといいですね。コンビ結成してからの10年間はどうでしたか?

アイパー 僕らはNSCを卒業して3年目くらいで組んだんですけど、順風満帆だったんじゃないですかね?
望月 この状況を順風満帆とは言わないんじゃない? すごく上手くいってる訳ではないよね?
アイパー そうかそうか。『笑いの金メダル』2代目チャンピオン、『爆笑オンエアバトル』15連勝......チャンピオン大会も4回くらい出ましたから、スタートはよかったですよね。けどまぁ......これは毎年言ってるんですけど............来年は俺らの年になるんじゃないかなと思ってます。

――おっ! ブレイクすると。

アイパー そうです! そういう気がしてます!
望月 アイパーさんは常に"俺たちは売れる"って言ってますけど、僕は常に辞めるって言ってます(笑)。
アイパー 辞めたいと思うときはあるみたいですね。今年の初めにも言われました。
望月 「現状維持未満だったら辞める」ってね。

――今のところはどうですか。

望月 現状維持です。だから、ギリギリですね(笑)。
アイパー ただねぇ、本当に売れるとしか思えないんですよ。根拠はないんですけど、"俺、売れるんだな"って冗談じゃなく、常に本気で思ってます。
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――そういう中で、来年やりたいことはありますか? 今年は同期のライスさんが『キングオブコント2016』で優勝しましたけど。

アイパー むちゃくちゃすごいですよね! ライスは面白いから優勝したのは納得ですけど、まだまだ俺らにもチャンスはあるんだなと希望を持てました。来年はライスに追い付け! 追い越せ!......掴まれ!でいきたいなと。
望月 掴まれ、は変だけど(笑)、追い付け! 追い越せ!でいきたいですね。
アイパー うん。あと、来年は今までとはちょっと違う感じでやっていきたいんですよね。テレビに出るのはもちろんですけど、ちょっと違う跳ね方をしたい。
望月 例えば?
アイパー なんだろう、............PERFECT HUMANみたいな?
望月 安直だなぁ!
アイパー (笑)まぁ、この漠然とした感覚から、正解が出るような気がしてます。
望月 こういうアイパーさんの無邪気な一面も、漫才に反映させていきたいですね。大宮の出番をたくさんいただいているおかげで漫才のスキルが上がったなと実感しているので、今回の単独ライブではそういうところをきちんと見せたい。『M-1グランプリ2016』では銀シャリさんっていうスタンダードな漫才をしている人が評価された。僕らはキャラ漫才ではありますけど、スタンダードなネタを常々やっているので、銀シャリさんに負けないように来年もがんばっていきたいですね。
アイパー とにかく12月30日は、僕らがこの10年で本当に成長してるのかを確かめに来てください! あと、手編みのパーさん耳当ても限定10個売るんで、ぜひ買ってください!


【えんにち】

2016年12月16日 (金)

映画『好きになるその瞬間を。〜告白実行委員会~』12月17日(土)公開! 斎藤俊輔プロデューサーインタビュー

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女子中高生を中心に圧倒的な支持を得る「HoneyWorks」。彼らはYOUTUBEやニコニコ動画など動画投稿サイトで、関連動画の再生回数が2億回を誇るクリエーターユニットです。彼らの楽曲やMVを映画化した『好きになるその瞬間を。〜告白実行委員会~』が12月17(土)に公開されます。

この映画はHoneyWorksの楽曲を映画化した『ずっと前から好きでした。〜告白実行委員会〜』(以下:『ずっ好き』)に続く第二弾。
今回、第一弾の映画『ずっ好き』が11月25日(金)〜27日(日)にシンガポールで行われたアニメ・フェスティバル・アジア2016(AFA)シンガポールで公開されました。

AFAは、2008年にシンガポールで始まった東南アジア最大規模のジャパンカルチャー紹介イベントで、2016年は、タイ・インドネシア・シンガポールの3か国で開催。東南アジアでジャパンカルチャーに対する注目が高まっている中、人気のアーティストや最新のヒットアニメ、グッズ等が一挙に紹介されるファン待望の祭典です。シンガポールのみならず、近隣のアジア各国からもたくさんの人が集まり、会場はアニメファンやコスプレイヤーの熱気に包まれました。

現地を訪れていた本映画のプロデューサーであるアニプレックスの斎藤俊輔さんにお話をお聞きしました。


__第一弾に続き、第二弾『好きになるその瞬間を。〜告白実行委員会~』が公開になります。まずHoneyWorksの楽曲が映画化されることになった経緯を教えてください。

斎藤 HoneyWorksのコンテンツが中高生の女性を中心にして非常に人気があるということを知りました。楽曲に物語をつけてMVにして、動画投稿サイトで発表しているというスタイルと、その再生回数を見て驚いたんです。彼らのコンテンツにパワーがあることを感じ、ぜひ映画化したいと思いました。

__楽曲を映像化するというのは難しかったですか?

斎藤 そうですね。MVで描かれている部分は要素でしかないんです。しかも各キャラクターの心情は、それぞれの曲ごとで歌っている。映画化するとなるとそれを一つにまとめなければいけないという作業がありました。しかし、いろんなメディアミックスをしている中での映画化だったので、漫画やノベルを参考にすることもできました。

__第一弾映画『ずっ好き』を公開してHoneyWorksファンからの反響はどうでしたか?

斎藤 まず、原作ファンに受け入れてもらえるものを作ろうと考えていました。内容的にも新しい要素を入れるというよりは、ファンたちが見たかったシーンを中心に構成しています。それが受け入れてもらえて非常に良かったです。

__映画ならではの新しいストーリーはあるのですか?

斎藤 HoneyWorksから提案をいただいて新規要素が加わったこともあります。例えば、『ずっ好き』でいうとライブシーン。ストーリーの中にHoneyWorksが存在して、主人公がライブを観に行くというシーンです。HoneyWorksのGomさん、shitoさん、ヤマコさんがファンの喜ぶアイデアをよく出してくれました。

__これまでアジア各地でも公開してきて、海外での反応はどうですか?

斎藤 韓国や台湾などで上映させていただいたんですけど、やっぱり今、日本のアニメはとても人気です。声優さんの人気もあります。キャストの方の人気がアジアでも非常に高いということで、各国での動員にもつながっているという話も聞いていますし、中国のイベントで『ずっ好き』にも触れたのですが、HoneyWorksというフレーズに即座に歓声があがりました。動画サイトを通してアジアでも非常に人気が高まっているのを感じました。

__今回のAFA2016で『ずっ好き』はシンガポール初上映です。AFAの雰囲気はいかがですか?

斎藤 AFAに来たのは3年ぶりなのですが、熱気が増していると感じました。海外のイベントは年々パワーが増していると感じます。

__アジアをはじめとする海外でも受け入れられるように意識して作品を作ったのですか?

斎藤 アジアは日本でアニメを制作してる側としても、プロデューサーとしてもすごく重要な市場になっていると思っています。しかし、どう現地で盛り上げていけばいいのかというのは、実はまだ自分の中にプランがないんです。でも、海外で受けているものって日本で受けているものなんですよ。そこに立ち返ると、日本の目の肥えたアニメファンに受ける、すごく良質なものを作り続けるのが一番アジアの戦略になるのかなと思っています。アジアのアニメファンの目がとても肥えてきているので、しっかりしたものを作らないと、日本以外でも受け入れられないと思います。

__第二弾『好きになるその瞬間を。〜告白実行委員会~』(12月17日公開)は、『ずっ好き』の続編ですか?

斎藤 続編とも言えますが、基本的には時間軸は一緒なんです。『ずっ好き』のストーリーと対になる物語で、主人公の瀬戸口雛は『ずっ好き』のメインキャラクターの瀬戸口優の妹です。

__ずばり、第二弾の見所は?

斎藤 初恋をして、恋に悩んだり、好きな人に思いを届けるのに努力する高校生たちの物語です。
HoneyWorks作品の持ち味である、恋してる人や、これから恋をする人たちの背中を押すような物語を、第一弾同様に楽しんでほしいと思っています。
もう一つは音楽ですね。HoneyWorksさんの新曲が全6曲使われています。また、歌い手としては、バラエティに富んだ魅力的な方達が参加してくれました。オープニングが声優ユニット「TrySail」、エンディングが乃木坂46から選抜された8人「さゆりんご軍団+真夏さんリスペクト軍団」。
そして動画配信サイトで大人気の「まふまふ」さんが挿入歌を歌います。そして、ヒロインである雛役の麻倉さんの楽曲、花江さん演じる虎太朗のキャラソンなど盛りだくさんの内容です。どういうシーンでどういう曲が流れるのか、楽しみにしていてください。

__このシリーズ、キャストの声優さんもすごく豪華ですよね。

斎藤 はい。かなり豪華です。第一弾の時から、HoneyWorksの提案で集められたまさに声優オールスターですね。動画配信サイトやネット上で人気が出て、ノベライズやアニメ化されるというのは今の時代の新たなコンテンツの生まれ方だと感じます。10年前にはこういう作品の作られ方ってなかったですからね。いろんな可能性を秘めているものがネットの中には展開されているんだなと思います。

__この新しいコンテンツの生まれ方は、これから作品を作りたい人にとって夢がありますね。

斎藤 そうですね。僕自身、こういう広げ方があるということを、すごく勉強させてもらいました。今後アニメを作る時に、このような広げ方を参考にさせてもらうこともあるかもしれません。HoneyWorksの作品で映像化できてないものもまだまだたくさんあるので、今後も関わっていけたらいいなと思っています。

__第二弾だけと言わず、もっともっと続いていくコンテンツなんですね。

斎藤 はい。それを目指していきたいです。アニメ化のみならずいろんな展開があっていいと思います。そして『ずっ好き』の中で、芹沢春輝と合田美桜のストーリーは描ききれなかったんです。そこはファンの方々も見たかった部分だと思いますので、今後楽しみにしていただける部分でもあると思います。

動画投稿サイトから生まれたコンテンツが、さまざまな形でメディアミックスされ、国境を越えて広がっていく。
そんな新しいコンテンツの広がり方に注目です!

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映画「映画『好きになるその瞬間を。~告白実行委員会~』
2016年12月17日(土)全国ロードショー
オフィシャルHP http://www.honeyworks-movie.jp/2nd/

●斎藤俊輔
株式会社アニプレックス プロデューサー
1983年生まれ
代表作:「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「四月は君の嘘」「心が叫びたがってるんだ。」「マギ シンドバッドの冒険」

2016年12月14日 (水)

木村祐一監修の鍋メニューが期間限定で登場! 箕面名産の柚子をアレンジに加えた「木村流 おもてなし絶品鶏鍋 箕面風」

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「温泉でニッポンを元気を」をテーマに掲げる大江戸物語 箕面観光ホテルでは、来館者が「笑顔と元気」になれるようさまざまなサービスが提供されています。特に力を入れているのが、"バイキング料理"。ディナーバイキングでは150種以上が用意されており、この冬にはよしもとイチの料理の腕を持つ、キム兄こと木村祐一監修メニューが、期間限定でディナーバイキングに加わります。12月13日(火)に、箕面観光ホテルで木村祐一監修の鍋メニューの発表会見が行われました。

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MCを担当するのは、元バスガイドという異色の経歴を持つ堀川絵美。元ガイドらしく、箕面の観光スポット情報を織り交ぜてのご挨拶。そこへ呼び込まれた木村祐一は、「よしもとの舘ひろしです」と小ボケを挟みながらの登場です。早速メニューの紹介に入ります。名前は、「木村流 おもてなし絶品鶏鍋 箕面風」で、"キム鍋"の愛称で数多くの芸能人を虜にしてきた鶏鍋に「アレンジを加えた特別バージョン」となっています。「野菜もたっぷりで食べ応えがあるんです。バランスも非常にいいんですよ」と木村。鶏ガラを5〜6時間煮込んだスープで、自慢の鶏団子、豚バラ肉、鶏もも肉、キャベツ、しめじ、にんじんといった具材があり、薬味で箕面名産の刻んだ柚子と生姜が添えられます。

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この味を伝えるべく、「M−1グランプリ2016」で活躍したコンビが東京から駆けつけました。木村が「銀シャリや」と声を弾ませます。堀川の笛の合図が鳴り現れたのは、相席スタートで、早めに現地入りしたふたりは浴衣姿でステージに。山﨑ケイは「(ホテルの)美人の湯にも入ってきたんですけど、どうですか?」、銭湯めぐりが趣味の山添寛は「大浴場が今まで入った中で1番大きかった!」とすっかりくつろいでいます。

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そこへ今年8月から箕面観光ホテルで住み込み、お笑いステージで活躍中のジャパンブランドが鍋を運んできます。箕面観光をすっかり楽しんでいるふたりに、木村自らが鍋を取り分けて試食タイムです。「『プロポーズ大作戦』の横山やすし風で」と木村がマイクフォローする優しさも見せます。「ご飯に合う甘辛い料理全般」を作るのが得意な山崎は、「最初に柚子の香りがパッとして、スープが身体にスーッと染み込んでいく感じ」と絶賛し「さっぱりしているのでたくさん食べられそう」と大満足。山添は「具いらないですね!」とスープのおいしさにビックリ。ほんとにおいしそうに鶏肉を頬張りながら「スープに肉の旨味が凝縮されていますね」と山添は感激した様子でした。その横で「鶏ガラともも肉の旨味がスープに出て、鶏団子からも味が出るんですよ。それを野菜が吸うてくれるんです。浸透圧の関係で、全部がおいしくなるんですよ」と木村が解説。「バスガイドさんはどうですか?」と木村が堀川に味の確認をすると、「ぜんぶ食べてしまいそうで、我慢しているんです」と仕事を忘れそうになるほどの旨さと返します。木村自らも味を確かめながらうんうんと頷き、納得の仕上がりになったようです。加えて木村は「スープに麺を入れ、バターを溶かしていただいくとおいしいラーメンに。ご飯にスープをかけて召し上がっていただくのもいいと思います」とアレンジ次第で何通りも味わえることをアピールしていました。

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この後、囲み会見に移ります。メニューで注力した点を問われた木村は、「鶏ガラの状態、もも肉の種類。鶏団子のミンチの細かさ」のこだわりポイントを料理長に託していると話します。また木村は11月に子供が誕生したばかりとあって、「これからはスープベース離乳食を作っていかなあかんなと思っています」と、鶏鍋の新たなアレンジ方法を模索する決心をしていました。

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相席スタートも太鼓判、木村祐一自慢のメニューをこの機会にぜひご賞味ください。

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「木村流 おもてなし絶品鶏鍋 箕面風」
提供期間:12月12日(火)〜2017年3月31日(金)
場所:大江戸温泉物語 箕面観光ホテル バイキングレストラン「ブルエ」
問合せ先:0570-041266(受付時間9:00〜20:00)
※ディナーバイキングは宿泊者限定
※予約方法など詳細は、箕面観光ホテルまでお問合せください

【木村祐一】【相席スタート】【堀川絵美】【ジャパンブランド】

2016年12月 9日 (金)

12月13日、単独ライブを開催するかたつむりを直撃インタビュー! 林「復活ライブに来てくれた300人のうち150人でもいいから来て欲しい」と呼びかけ!!

12月13日(火)、東京・ヨシモト∞ホールにて、かたつむりが単独ライブ『マインドコントロール』を開催します。

それぞれのTwitterで、意味深な発言をしている2人。"最後"とは一体、何を指すのか。どういうライブになるのか......。本ライブに向けて稽古に励む、かたつむりを直撃しました。

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(向かって左:中澤本鮪/右:林大介)

 *  *  *  *  *

――久しぶりの単独ライブですね。

林 単独と銘打ってやるのってどれくらいぶりなんだろう?......4年ぶりくらいですかね。2012年の再結成ライブというか、(中澤の)復活ライブ以来です。今までやんなかったのは、お客さん入んねぇだろうなと思ってたし。
中澤 ふふふ! まぁ、そうだよなぁ。
林 うん、単独ライブでやりたいことも、特になかったというか。
中澤 毎年、神社でのライブもやっていたので、必要なかったということですかね。特にはっきりとした理由はないですけど、今回は2人での最後のライブとしてやることになりました。

――それぞれご自身のTwitterで、中澤さんは「突然のご報告になりますが本年12/31を持ちまして我々2人でのかたつむりの活動を終了致します。よって12/13の単独ライブは最後の単独ライブです」と、林さんは「これにて我々の活動は終了です」と書かれていましたよね。あのツイートに対して、反響はありましたか?

中澤 リツイートがいつもより多かったくらいで、特になんにもなかったですね。チケットの売上が伸びたわけでもないですし。
林 ギンナナ・金成さんと水玉れっぷう隊・ケンさんは「解散かよ!」って電話くれました。優しいなと思いましたよ。
中澤 その電話、僕にもありました(笑)。
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――活動終了っていうのは......。

中澤 まぁ、その辺りについては、当日ライブに来てもらえればわかるという感じですね。

――最後になるということですけど、今回のライブはネタの集大成的な内容になるんでしょうか。

林 そうじゃないです。芝居をやります!
中澤 はい、全編通してお芝居です。

――............はい!?

林 元々、違うかたちでの単独ライブをやりたかったんです、2人だけのね。で、チーフマネージャーと話してたんですけど、そこから二転三転していって。相方も相方で、マネージャーと単独の話を進めていて「じゃあ、やろうよ」って決まったときに、今さら新ネタやってもなぁって。ベストネタライブ的なことをやるのがピンと来なかったんです。
中澤 そうなるとなぁ?
林 うん。自ずと、お芝居だろうと! 12年間で培った演技力を見せたいなと思ったんです。
中澤 2人ともお芝居が大好きなんでね。よく芝居観に行こうかっていう話もしてるもんね?
林 そうそう。"お客さん、芝居をやったら驚いてくれるかなぁ"っていうことじゃない。ただただ芝居がやりたいんです!

――ちょっと困惑してます。このインタビューを読んでくださってる方々も「どこまで本気なの?」って戸惑ってるんじゃないかなと思うんですけど(笑)。

林 ははは! その辺りも、来ていただければわかってもらえるはずです。"こいつら、本当に芝居してる。本当に芝居が好きなんだな"って。
中澤 うん、いいシーンもいくつかありますからね。
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――芝居の内容は、タイトルにもかかっていたりするんですか。

林 マインドコントロールは、NSC時代の僕らのコンビ名なんです。卒業直後くらいに、作家さんから「不謹慎すぎるからダメだ」って言われて、かたつむりに変えたんですけど、僕はこっちのコンビ名のほうが好きなのでタイトルにしようと。だから、内容には関係ないです。

――じゃあ、どういう感じのお話なんですか。

林 かたつむりの話、僕らの物語的なことをやります。芝居っていっても、明転したままずっとやるわけではないですし、ネタもちょっとはやる予定です。ただ、どういう感じなのかを説明するのは......うーん、難しいよなぁ?
中澤 難しいね。なんて言ったら、いいんだろう? 感情っていうかね?
林 うん。まぁ、コンテンポラリーダンスみたいなもんだと思って来てもらえればいいんじゃないかなと思います。
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――(笑)2人のこれまでの軌跡を描くような内容になるのは間違いないと。それ、かたつむりさんに一度でも興味を持ったことのある人なら、楽しんでいただけそうですね。

林 そう思います。......いなくなっちゃいましたからね、そういう人。
中澤 いたとしても、1人か2人だよね。
林 1回、(中澤が芸人を)辞めるってなったときのライブを∞ホールでやったんですけど、立見もいてパンパンだったんですよ。あの人達、どこに行ったんだろう? 復活ライブも300人くらい来てくれたはずなのに、どこにもいなくなっちゃった。まぁ、そういうものなんでしょうけど。
中澤 名立たるコンビ・トリオのラストライブって、やりますって告知しなくてもお客さんでパンパンのイメージじゃないですか。だから、僕らも告知しなくても「最後です」ってTwitterで伝えれば来てもらえるだろうと思ってたんです。けど、全然で。
林 ラストライブって、例えば今まで誰がやってたっけ?
中澤 アーム(ストロング)さんとかジューシーズとか。
林 アームさんもジューシーズさんも、そりゃあお客さん入るだろう。あ、ルミネでやったロシアンモンキーさんとマキシマムパーパーサムさんの合同ライブもパンパンだったか。
中澤 そうそう。正直、こんなにも来てもらえないのかとビックリしてます(笑)。
林 恥かいてるよねぇ。辛いですよ!

――(苦笑)。

林 12年間やってるんで、お客さんもそれだけ歳を重ねているだろうし、事情があって来られない人もたくさんいるとは思うんです。ただ、復活ライブに来てくれた300人のうち150人でもいいから、今回のライブに来て欲しい。だから、21時スタートにしてるんですよ。

――お仕事帰りに来ていただけるように。

林 はい。このインタビューを読んでくれている、今までに僕らのことをちょっとでもいいなと思ってくれた人には来て欲しいです。その辺を歩いている、僕らのことを知らない人に観て欲しいとは思ってません。今回のライブは、僕らのエゴでやるもの。僕らのライブに一度でも来たことがある人、僕らに一度でも興味を持ってくれた人には来て欲しいっていうだけなんです。300人いたであろう"ツムラー"は是非!
中澤 そうですね。一度でも応援してくれた人は観に来てください!
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【かたつむり】

2016年12月 2日 (金)

12月10日(水)、「吉本新喜劇 石田靖座長公演 ルミネthe石田笑店 〜西も東もあらしまへん〜」公演開催! 石田靖インタビュー

吉本新喜劇座長・石田靖が毎年年末になんばグランド花月で行なっている恒例の吉本新喜劇イベント「石田笑店」が今年は12月10日(水)、ルミネtheよしもとに登場! 東京と大阪の新喜劇メンバーが入り混じっての新喜劇公演をお届けします。石田靖51歳の誕生日でもあるこの日は、昼公演のSPコメディも石田座長による新喜劇が行われるという、まさに"石田靖座長day"とも言えるこの日の公演の見どころや意気込みについて、石田座長にじっくりと聞いてきました!
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ーー「石田笑店」はいつから始められたんですか?

結婚した年(2009年)から始めたんで、今年で8年目ですね。

ーー今まではNGKで公演されていて、今回ルミネでは初公演ですが、今年はルミネtheよしもとで公演しようと思ったのはなぜですか?

単純にNGKが取れなかったというのもあるんですけど(笑)、先日NGKではとある番組で「石田笑店」としてやったということもあって。でもやっぱり年末にやりたいなと思ったらルミネがあいてて、ルミネではやったことがなかったんで、やりたいなと。今、MXテレビでも新喜劇が放送されてるから、そのメンバーとも一緒にやりたいな、と思ったというのもあります。

ーー「石田笑店」と通常の新喜劇のいちばんの違いは?

やっぱり東西のメンバーが混ざってるところじゃないですかね。ふだんあんまり絡めてないけど「新喜劇をやりたい」っていうメンバーが東京にもいたんで、そのメンバーが大阪のメンバーと絡んだ時に新しい反応があったりとか。ふだんとはまた違うメンバーと絡んだ方が面白味が出るんじゃないかな?って。それはずっと1回目から同じですね。

ーーキャスティングも石田さんがされてるんですか?

僕と、あと作家の方とでですね。スタッフと話し合って決めてます。

ーー「この人面白そう!」みたいなのって、毎年あったりしますか?

基本僕はずっと「水玉れっぷう隊面白いよ!」って言ってて。アキが大阪に行ったんですけど、あんだけ今ブレイクしてますし。ケンも面白くて、歌って踊れて動けるおじいちゃんなんで、注目してほしいですね。今回楽しみなのは、松浦(真也)が出てくれるんですけど、アップダウンっていうコンビがギターも弾けるんで、ちょっとライブっぽいことも入れたいと思ってます。いつも通り踊りも入りますし、にぎやかにはしたいなと。クリスマスも近いんで、クリスマスを意識しようかっていうのもあって。一応毎年クリスマス頃にやってるんで、テーマにはしてますね。

ーー大阪のこの人と東京のこの人を絡ませたら面白いんじゃないか?みたいな思惑もあったりするんですか?

今はまだ台本を作成中なんで、正直決まってないところも多いんですけど、でもふだん新名(徹郎)とか信濃(岳夫)とかっていうのは、大阪では回しをやっててあんまりクローズアップされないんですよね。その子らが違うメンバーで、ケンなんかを気にせずにガンガンツッコんでいったりすると面白いんじゃないかと思うし、太田(芳伸)なんかは「おじゃま死にま~す」で、入って来た瞬間に舞台で死んでるっていうYouTube映像で100万回ぐらいヒットしたいって言うてるんで、太田がどれだけ東京でウケるのか知らないですけど、それを見たいですね(笑)。

ーーじゃあ、ふだんとは違った役回りをすることで、その人の新しい魅力が引き出される、みたいな。

そうですね。いつもと違う試合が見られるのがいいところかな、と思います。
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ーー今回の公演の見どころを教えてください。

全体でいうと、この日、通常の昼公演が3回あるんですけど、そこでは夜の「石田笑店」の1時間バージョンをやるんですよ。そんなんしたことないんですけど(笑)。だからその間にどう変わるかもわからないし。

ーーということは、全部見るとすごく変化?進化?が見られそうですね(笑)!

もともと新喜劇って、1週間なり10日間なりって公演をするんですけど、初日と楽日ってまったく変わるときがあるんですよ。やっぱりおかしいところを削っていったり、スムーズに流れてないところを修正したりするんで。だから通な方は、初日、中日、楽日って3回見に来られたりとか。

ーーじゃあ、この日は1回目の公演が初日、2回目が中日......(笑)。

そうですね。そういう見方もできるから、通し券があれば面白かったかもしれないですね(笑)。

ーーところで、公演日である12月10日は石田さんのお誕生日で、今年51歳になられるとか。

そうですね。家族からは「え? なんで誕生日に公演やんの? 大阪で演るんやったらわかるけど」って言われました(笑)。

ーー(笑)。50歳を過ぎて、この1年で何か心境の変化はありましたか?

やっぱり、子どもが2人できたこともあって、舞台上でも「子どもが見てわかりやすく」っていうのを意識し始めたというのはありますね。だから動くし。動いた方がわかりやすいから。わりと僕、昔から暴れるんですけど、暴れた方がわかりやすいし、空気が動くし、っていうのはありますね。で、より角がとれて、丸くなったかな?という意識はあります。

ーーじゃあ、年齢というよりはお子さんができたことの方が大きい?

そうですね。立場の違いが大きいです。独身の時は関係ないじゃないですか。「いったれいったれ!」っていう感じだったんですけど、やっぱり結婚して、嫁さんに指導され(笑)、40すぎてから人に対する気遣いを覚え......(笑)。舞台でもそうですね。だから、そういう意味では若干丸くはなったと思います。でも、もともと出るメンバーみんな、なるべく楽しかったりとか、みんなが活かされるようにモノは作っていこうとは思ってるんですけどね。

ーー周りのメンバーからも「丸くなった」とか「(叩かれても)痛くない」とか......。

「痛くない」はあんま思ってないでしょうね(笑)。今回は出てませんけど、(山田)花子に対しては一時期(キツく)いかないようにしてたんです。東京でやるとお客さんが引くっていうのがあったんで。でもこの間久々に花子と営業で一緒になったんで、バーン!ってやったら「やっぱり痛いですね」って言われました(笑)。

ーーなるほど(笑)。では、肉体的に衰えを感じることはありますか? 

こないだ大阪マラソン走らせてもらったんですけど、5年前より30分早くなったんですよ。もちろん練習もしたんですけど、「ああ、まだ体力はあるな」って思いました。老眼とかは出てきましたけど(笑)。マラソンは、コーチに"年齢を重ねてからの走り方"みたいなのを教えてもらって。それで、「ああ、可能性があるんだ」と。でもそれは舞台でも多分同じですね。やっぱり30代はやみくもに、とりあえず舞台で暴れりゃええとか、先輩に対して思いっきりいけばいいっていう状態でやってましたけど、今は周りは後輩の方が多くなってたりとか。その中でどうするかっていうところで、40代は40代の、50代には50代のやり方というか......、年代ごとに、本当にちょっとした自分なりのモデルチェンジはしてるつもりなんです。見てる人はそんなに大きくはわからないと思うんですけど。
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ーーこれまで東西の両方で座長を経験されてますが、東西の新喜劇の違いは感じますか?

大阪では新喜劇をテレビで放送してるから、今考えると浸透してる分、ラクでしたね。ラクというか、「待ってました!」感があるというか。東京は放送してない......最近はMXテレビで放送してますけど、僕は出てないし、東京で放送される前からルミネで新喜劇をやってたんで、東京では一から作らないといけないってうのはずっとありましたね。だから「原点を忘れない」っていうか......。一から「この人はこんなキャラですよ」っていうネタ振りをして、丁寧に振って振ってやっと笑いになるっていう部分があって。今でも営業なんかは大阪のメンバーと行かせてもらいますけど、そらラクですね。お客さんが「待ってました!」なんで、そこをやると間違いなくウケますし。だから逆に、東京のメンバーだけで営業に行くといい勉強になります。そういう意味では、両方を経験することで、未だにどっちも新鮮な気持ちでやらせてもらえてる面がありますね。

ーー先日石田さんのブログを拝見したら、地方の営業先で、間寛平さんや坂田利夫さんと楽屋で話されていて「先輩に人生の訓示をいただきました」って書いてあったんですけど......。

(爆笑して)いやいや、ほんまはそんな、訓示なんてもらってないです。アホみたいに坂田師匠がキレた話とか、昔話をしてただけで。でも、楽屋での空気作りなんかも含めて、やっぱり舞台上で長年やってこられてる方と絡ませてもらうと、若い子にはないものを感じますね。

ーー先輩から参考になることを教えてもらえる?

う~ん、先輩から学んだこと......「楽しけりゃええやん!」ですかね(笑)。「笑いが世界を救う!」みたいな。でもああいう先輩が新喜劇に所属されてて、ずっとその歴史をつないでいって、僕も若い子につないでいってできてるものなんで。やっぱりこれだけ上から下まで年齢層の幅広いメンバーでお芝居を作っていくってあんまりないと思うんですよね。だいたい同世代で作ることが多いじゃないですか。お笑いの劇団でこんな年齢層の幅広いメンバーでお芝居を作っていけてるからこそ50年以上続いてるんやと思いますし、歴史を感じさせてもらってます。

ーーその長い歴史の中で、演じるキャラクターがかなり変化する方もいらっしゃいますもんね。

そうですね。浅香あき恵さんなんて、最初は「べっぴんさん」でしたからね。で、僕らが新喜劇に入った頃に「ブサイク」やって言われて。僕がたぶん最初に「ブサイク」って言うたと思うんですけど(笑)、当時はすごい泣いてたらしいですよ。僕は入りたてで、何もわからずになりふり構わずズバッと言ってしまったんですけど、でも今はブサイクをめっちゃ売りにしてるじゃないですか(笑)。そんなふうに形が変えられるなっていうのはありますね。例えば、頭ボーボーやった人が髪が薄くなってしまったりとか(笑)。そういうのは僕もこれからあるかもしれんし、どうなるかはわからないですけど、いい感じでの転がり方はしてるなと思いますね。

ーー逆に、後輩から相談を受けたりすることもあるんですか?

そんなにはないですけど、ただやっぱり、東京で新喜劇をやりたいのにやれてないっていう子の話は聞いたりするんで、こういう機会を作ってあげたいなとは思いますね。「やってることは間違ってないし、ずっとやってたらいつかは必要とされるときがくると思う」みたいなことも言いますし。そういう意味でいうと、(石田笑店は)試せるし、今の大阪のメンバーともできるっていうのは(東京の子たちにとっても)ええのかな~と思いますね。あと、僕は基本「回し」なんで、回しの役回りの子からはどうしたらいいかっていう相談をされることはありますし、たまに飲みに行ったりもしてます。

ーーでは最後に、意気込みをお聞かせください。

12月10日、僕の誕生日に「石田笑店」をやらせてもらうことになりましたので、一緒に誕生日を祝いに来てください(笑)。祝いに来て、笑いに来てください!
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【石田靖】