最新ニュースインタビューライブレポート

インタビュー

2018年7月 4日 (水)

7月20日に単独ライブを開催する横澤夏子へインタビュー!「今までの集大成にしたい」と意気込みを語る!!

7月20日(金)、東京・ルミネtheよしもとにて、横澤夏子が単独ライブ『出版ガール』を開催いたします!

自身の28回目の誕生日&入籍して1年と、記念すべき日に開催を決めた横澤夏子へインタビューを敢行。仕事の中でいちばん好きだと語る単独ライブへの意気込みはもちろん、「今回で一旦、単独ライブを落ち着かせたい」と語る真意に迫りました。
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――28回目の誕生日、そして入籍から1年経つ7月20日に単独ライブを開催されるわけですが。

「あぁ、入籍のことまでありがとうございます! そのことは特に意識してないんですけど(笑)、誕生日に単独をやるのは成長した気持ちを持って歳を重ねたいなと思ったからなんです。毎年、1年が始まる1月と新学期が始まる4月に決意表明してるんですけど、7月ってなんだかすごくダレる感覚がありません? 年末になると、また来年がんばろうって思えるんですけど、夏って目標を決意できる機会がないので、単独をやって新たな決意を持とうという思いもありました。何より、誕生日に何かしら記念に残ることをやるのが好きなんですよね(笑)」

――1年に何度も決意表明する辺り、計画性のある横澤さんらしいです(笑)。

「仕事の中でいちばん好きなのが、単独ライブなんです。もちろん準備は大変ですけど、終わったあとは"やってよかった、またやろう"って前向きな気持ちになれるし、誕生日に単独をやると次の歳へのいいスタートが切れる気がしてます」
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――どんな単独ライブになりそうですか。

「今回も、出会いたてホヤホヤの女の人たちを見せる発表会のような感じになるのかなと。今はまだ構想段階ではあるんですけど(注:インタビューは6月中旬に行われた)、いつもやってる『横澤夏コレクション』では私がこの半年で出会ったいろんな女性をファッションショーみたい発表しつつ、新たに細かいネタもいろいろとやりたいなぁと考えてます。あと、今までやったキャラクターの成長した様子も見せられたらいいなと。例えばOLネタだったら少し違うランクに進んでいるとか、自分の年齢と一緒に歳を重ねた女性像をお見せしたいですね。とにかく、今後に残るネタをたくさんやりたいなと思ってます」

――20代になりたての頃と今、チョイスする題材に変化は感じますか?

「感じます、感じます。昔の何冊かあるネタ帳を見返すと、"すごく低レベルなことでイライラしてたじゃん!"とか"私、こういう人が許せるようになったんだな"とかわかってすごく面白いんです。例えば、前は(大勢がいる中で)動かない女の子がすごく苦手だったんですけど、今は動かないほうが得してるんじゃないかと思ったりもしますし、動かないのをわざわざ見つけて怒ってるほうが性格悪いんじゃないかって考えたりもするんです。今回のネタも達観している人は、"あぁ、こんなところでイライラするなんて、横澤夏子はまだまだお子さまね!"って思うかもしれないですけど、それが今の私なので楽しんでもらえたら。もし毎回観に来てくれている方がいるなら、"横澤夏子って成長したじゃん。そこにイラつかないで、ここを面白がれたんだ"って思ってもらえたら嬉しいですね」

――テレビの仕事が増えると、一般の人と触れる機会って少なくなるような気がします。芸人さんの中にはネタ探しのために街へわざわざ出る方もいるみたいですけど、横澤さんはどうですか?

「地元の友人や一緒に遊ぶ仲間は変わらないですし、みんなが覆面調査員のようにいろんなネタを常に提供してくれるので(笑)、そんなに以前と変化はないかもしれないです。確かに、仕事で出会う人は偏ってしまうところもあるかもしれないですけど、ロケに行くといろんな人に出会えるから面白くて。私、今回の単独で本当は『代々木公園でバドミントンのラリーが10回続かない女』っていうのをやりたかったんです。いざネタを作って作家さんに見せたら『面白くない!』って言われてボツになっちゃったんですけど(笑)、それも代々木公園でロケに行った時に公園にいる人を観て"あの人いいなぁ"って思ったところから思い浮かんだものだったんですよね。あと、ロケでトレンドのお店に行かせてもらうこともあるじゃないですか。食べ物のお店に行った時に"あぁ、こういう人が並んでるんだな"とか"みなさん、並びながらずっとおしゃべりしてるんだな"とか感じたことと、自分が実際かき氷か何かを食べるために友達と並んだ経験を混ぜて、前回の単独で『ローストビーフに並んでる女』っていうネタを作りました(笑)。だから、相変わらずネタに困ることはないですね」
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――女性への興味も尽きることはないですか?

「尽きないですねぇ。だから、さっき話したように半年間で出会った女たちを発表するネタづくしの単独をお届けする予定なんですけど、実は今回で単独ライブはちょっとお休みしようかなと思ってるんです。だからと言って海外留学するわけでもないんですけど(笑)、インプットするために一区切りしたいなと思ってるんです」

――あぁ、そうなんですか!!

「そうなんです〜。で、次は違う単独のかたちをお見せしたいなと考えているので、今回の単独ライブはネタづくしにして、今までの集大成を観ていただきく予定です!」

――今後、例えばどんなことをやってみたいんですか?

「私、今までの単独でお客さんに書いてもらったアンケートをすべて、保管してるんです。そこにはみなさんが気になる女性たちがたくさん書かれているので、そういう女性たちをネタにするライブもやってみたいですし、オフ会みたいに20人くらいのお客さんの話を聞くトークライブも興味があります。もちろん、単独ライブは大好きなので、気が変わってまたネタだけのライブもやろうと突然、思うこともあるかもしれないです」

――それを聞いて、ちょっと安心しました。では、これまでの集大成となる今回の単独ライブ。どんな方に観に来ていただきたいですか?

「私の単独ライブを観に来てくださる方は、性格悪いと思うんですよ。ふふふ! だって、わざわざ横澤夏子で検索して、ライブの情報をチェックしてくれて、チケットを買ってくださってるわけじゃないですか。本当にありがたいですし、来てくれて嬉しいので、そういう方々があぁ、スッキリした! 成仏成仏!と思ってもらえるような単独にしたいですね。で、私のネタに出て来たような人と現実に出会った時に、"あぁ、横澤夏子が言ってたわ。デジャヴだわぁ。免疫できててよかった!"と思ってもらえたら嬉しいなと思うので、人間関係でモヤモヤしている人はぜひ観に来ていただきたいです。で、アンケートに『こんな人がいるんです』って教えてもらいたいです」

――女心を知ってもらうために、男性にもぜひ足を運んでもらいたいですよね。

「そうですね。私のネタを観てわかる女心なんて、男性にとっては知りたくないイヤな部分かもしれないですけどね(笑)。最近、男性のお客さんも増えてるんです。私のネタで笑ってくれていると、"あぁ、男性も気づいてるんだ"ってわかって嬉しいので、大きめの女子会に紛れ込んだくらいの気持ちで観に来てほしいですね。とにかく今回は女の私が作った女の塊が詰まったネタづくしの単独です! ぜひみなさん、観に来てください!」
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【横澤夏子】

2018年7月 3日 (火)

7月6日(金)~8日(日)いよいよ上演! 神保町花月11周年記念公演『機械仕掛けのレジスタンス』ヒラノショウダイ×レインボー・池田×ボーイフレンド×白坂英晃 座談会

いよいよ7月6日(金)~8日(日)に上演されることとなった神保町花月11周年記念公演『機械仕掛けのレジスタンス』。昨年10周年を迎えた神保町花月の、あらたな10年に向けての第一歩として、これからの神保町の顔になるメンバーを集めた記念公演となる本作はいったいどんな作品なのでしょうか。稽古も大詰めの中、今作で主役を務めるヒラノショウダイ、レインボー・池田、ボーイフレンドの2人(黒沼、宮川)、さらに脚本・演出を手がける白坂英晃(はらぺこペンギン!)の総勢5名に、今作の内容や見どころについて直撃してきました! 稽古場の楽しげな雰囲気が伝わってくる写真とともにお楽しみください。

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(写真左より、白坂英晃、レインボー・池田、ヒラノショウダイ、ボーイフレンド・黒沼、ボーイフレンド・宮川)

ーーまずは白坂さんにお聞きしたいんですが、「機械仕掛けのレジスタンス」はどういった作品なんでしょうか?

白坂 説明が難しいんですけど......、とにかく今より全然未来です。ちょっと想像力を働かせないといけない世界観なんですけど、いろんなことがあって、全人類がほとんど地球上で生きられなくなってしまった中で唯一生き残っている島があって。でもそこはハイパーコンピューターみたいなものがしっかり人間を管理してるんです。そんな世界で起こる話なんですが、それに対していろいろ疑問を持つレジスタンスが立ち上がっていくというような話です。

ーー今作は神保町花月の11周年記念公演ということで、レジスタンスの数も11人だったりと、"11"という数字を意図的に使っているそうですが。

白坂 そうですね、研究しているメンバーが11人だったり、この島が生き残ってから10年経っていて、11年目を迎えているという設定なので、このお話自体も、10年はこうやってきたけど、新しい1年をどう踏み出すかという、そんな感じの裏テーマもあります。

ーー現在、稽古も進んでいるようですが、稽古場の雰囲気はどんな感じですか?

白坂 ムチャクチャですねぇ。

全員 (笑)。

白坂 いやまぁ、みんな何本も出てる子たちだし、今後の神保町花月を支える......それこそ御茶ノ水男子とかボーイフレンドとか、ずっと神保町に出てくれてるメンバーと、ここ数年一生懸命がんばって神保町を支えてきてるメンバーと2世代いるんですけど、その2世代がわちゃわちゃと楽しくやってるんじゃないかと。
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ーーじゃあ、雰囲気はよさそうですね。

白坂 メチャクチャいいんじゃないでしょうか。

黒沼 メチャクチャいいです。みんな仲いいし。今まで何回も出させてもらいましたけど、こんなに盛り上がってるのはないくらい。盛り上がりすぎてるんで、僕ホントブチ切れてやろうかなと思うくらいです。

全員 (爆笑)。

池田 いちばんふざけて踊ってるじゃないですか! 

宮川 ちょっと、時期的にもW杯の日本代表に近いぐらいの本当にすごいエネルギーで、みんな仲いいんですよ。

池田 ちょうどサッカーと同じ11人だし。

宮川 うちの相方はケイスケ・ホンダ(本田圭佑)として......。

黒沼 そうですね。やっぱみんなをまとめる役なんで、僕なんかは。ベンチからスタートして......(と続けて何か言おうとして)やっぱりもう、よくわかりません!

池田 全然サッカーの知識ないじゃないですか!

ーー(笑)。今回、ヒラノさんが初主演ということですが、主演ということで心がけていることはありますか?

ヒラノ 主演だからっていうのは、特に......。みんなを引っ張っていかなきゃっていう気持ちはありますし、今のところ誰よりもチケットは売ってるとは思うんですけど、でも自分がこのお芝居に向き合うことに関しては、そんなに特に意識して変えてるとかはないです。いつも通り真面目に、特に笑いを追いかけるでもなく、台本通りにやってますね。

ーー他の方はヒラノさんと何度も共演されていると思いますが、今回、ヒラノさんを見ていて今までと違うなと思うことはありますか?

池田 ヒラノくんはいちばん最初に長ゼリフがあるんですけど、初日から覚えてきてたんで、僕は熱量は違うなとは思ってました。今回、意気込んでるはずですよ! 

黒沼 いや、ものすごい意気込んでると思いますよ。だけど、ヒラノくんはできる子なんで、たぶんハードルがだいぶ上がってるんじゃないかなと。でもその長ゼリフをちゃんと覚えてるんで。

ヒラノ それ、いっつもなんですよ。白坂さんが書いたホン(台本)に出る時は、だいたい最初の2ページは僕がひとりでずっとしゃべってるんです。

白坂 まぁ、オレの病気みたいなもんだよね。

池田 ヒラノをいじめたくなる?

ヒラノ 説明は全部こいつに言わしときゃいいや、みたいな。

白坂 あのシーンが面白いのは稽古の初日だけだから。

全員 (爆笑)。

池田 あとはもう、長いからはしょったりしちゃって。

白坂 そう。今、現にちょっと「長いな!」って思い始めてる。

宮川 ちょうど1年前に初めて一緒になったんですけど、その時からヒラノくんはホントに真面目で、今回のお芝居もたぶん相当気合入ってると思うし、ツイッターでも熱いつぶやきがあるんで、よかったら遡って読んでみてください。

ヒラノ ツイートして2分後くらいに(宮川)英二さんがリツイートしてくれて(笑)。

池田 熱いなぁ!

宮川 「これは!」と思って。熱いの好きなんで、やっぱ。

ーー稽古場での具体的なエピソードはありますか?

白坂 ちょっともう、ありすぎてわからないですね。

全員 (笑)。

白坂 普通こういうときって、「あの時のアレ、めっちゃ面白かったなぁ!」とかあるんだけど、ちょっとありすぎてわかんないんだよな。

ヒラノ ありすぎるのか、今思えばそうでもないのか......(笑)。

白坂 ジャッジもできないよね。

黒沼 でも、誰かがひとりちょっと笑いを取ったら、それに乗っかってくるんですよ、みんな。だから、普通だったら誰かがドンとウケたら、「じゃあ、次行こうか」みたいな感じになるんですけど、もうそれに乗っかりたくてしょうがない集団。だから白坂さんも、ホントはすぐ稽古始めたいのに、それを優しく見てくれてる(笑)。

池田 優しいんです、白坂さん。

ーーそれは止めようとはしないんですか?

白坂 いや、めんどくさいんですよ、もう。

全員 (爆笑)。

宮川 オレ、見守ってくれてるんだと思ってた。

白坂 止める方がめんどくさいんですよ。どうせ、だいたいすぐ疲れるんで。疲れさせてから稽古した方がラクなんですよ。押さえつけて、マグマのような状態で稽古させるよりも、最初は好きなようにやらせて、疲れてから稽古する方がみんな頭に入るっていう(笑)。

池田 疲れさせられてたんだ!

白坂 そうそう。さんざん走らされたあとに、ゲーム形式で試合やる、みたいな。

全員 あぁ~(と感心したように)。

白坂 飽きたあとが勝負なんだよ。
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ーーそこはやっぱり、神保町花月と他の劇団のお芝居の稽古のいちばんの違いなんでしょうか。

白坂 そうですね。ただこれが問題なことに、僕、ありがたいことに神保町花月ができた頃から演出や脚本をやらせていただいていて、もう11年になるんですね。作品数にして、もうすぐ述べ80作品くらいなんです。なのでもう、この人たちの稽古にものすごく慣れてるというか、逆に役者と稽古するときに、感覚が鈍っている自分がいまして......。

全員 (笑)。

池田 どう違うんですか?

白坂 だから......なんでボケないのかな?って。

全員 (爆笑)。

白坂 あれ? ここボケしろあるのに、なんでこいつ台本通りやってんだ、って。

黒沼 ダメダメダメダメ(笑)。

白坂 で、「これ、台本通りじゃなくていいよ」とか言っちゃうんだよね。そしたら役者さん、めっちゃ困るっていう。

黒沼 僕たちだったらそう言われたら嬉しいですけどね。

白坂 そうそう。「マジすか!?」って喜ぶじゃん? でも役者さんはそう言われた瞬間に顔が凍るっていう。最近よくあるから、「オレ、感覚狂ってきてるんだな」と思って。

黒沼 狂ってますね。

白坂 そう。調整が必要です、僕。だから役者と稽古するときは結構僕のリハビリが必要なんです。神保町のお芝居のときはリハビリいらないんですけど。

ーーアドリブがたくさん入るお芝居の方がご自身に合ってるのかもしれないですね。

白坂 う~ん。性格的にはたぶんそうなんだと思います(笑)。

ヒラノ NSCの講師もされてますしね。

池田 それこそ僕も、7年前は白坂さんの生徒ですもん。

白坂 めんどくさい生徒でしたよ、池田は。ピンク色のジャージを着て、絶対最前列に座ってるっていう。

池田 演技選抜で、1軍2軍ってあったんですけど、ずっと1軍にあげてもらえなかったんですよ。

ーーなんでですか?

白坂 なんか生理的に......。

全員 (笑)。

白坂 基本は講師のさじ加減なんで。ちょっとなんか気持ち悪いなって思ってたんですけど、ある瞬間にハマったんですよね。「これはとんでもない華があるな」って途中で気づいてからは1軍に上げました。

池田 ありがたいです(笑)。それまで、僕はダンス講師のラッキィ池田さんの方でがんばるしかないなって思ってたんで。

白坂 ラッキィさんの授業ではものすごく輝くんです。センターで踊ってるときの池田くんが、ほかの同期とは全然違う雰囲気を出すんですよ。それを見て、「ムチャクチャ華あるな」と思って1軍に上げたんですもん。

ーーダンスがお好きなんですか?

池田 ダンス好きです! だから今回の公演でも、ダンスのところ、張り切ってますよ。

ーーダンスの他に、今回は殺陣もあるんですよね。

白坂 そうですね。特に殺陣は御茶ノ水男子のしいはしくんが自分で考えて、全員を動かしてやってるんで、彼を中心に見てもらえたらなと思います。

ーー池田さんはお好きとのことですが、他の方はダンスや殺陣はどんな感じなんですか?

黒沼 完璧ですね、僕は。

宮川 ウソつけ、おまえ!

白坂 過去何度か見ましたけど、ひどいもんですよ。

黒沼 あのねぇ......やっぱアレなんですよ。歳なんですよ。

全員 (笑)。

黒沼 体が追いつかないんですよ。「あ、全然できるわ」と。「そんなに難しくないダンスだな」と思ってて、いざやると全然ついていけないんですよ。

宮川 ダンスといっても、ちょっと独特なダンスで。だから、僕も相方と同い年で、今年36なんですけど、確かに若い子よりは覚えるのも遅いですよ。
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ーーでもまだ宮川さんの方がダンスはできる?

黒沼 そうですね。

宮川 僕の場合は血でしょうね。リズムが......。

黒沼 やっぱ、ジャマイカの出身なんで......。

宮川 そう。おばあちゃんが......って、全然違うよ! 両親とも九州の出身だよ! それ、書こうとしませんでした? 

ーーいえいえ(笑)。でもどこかホントに外国の血が入ってるんじゃ......?

黒沼・宮川 (爆笑)。

池田 でも、入ってないとおかしいですよ。

宮川 確かに、顔はだいぶ国境超えてますけど、日本人です(笑)。

池田 お芝居でも国境を超えたシーンがいくつかあるんですよ。御茶ノ水男子の佐藤さんも黒いし、あと、ゴールドバーグ・ともきちも黒いんで、国境を超えたシーンになってて。

白坂 でも、実は"国境を越える"っていうのは今回のテーマでもあるんですよ。いまW杯やってるんで、ちょうどいい時期だなと思って。見てもらえればわかると思います。いろんな役名の人がいるし......日本人っぽくない役名の人たちの方がむしろ多いくらいですね。

ーー設定としては、別に日本じゃないんですよね?

白坂 そうです! 一応未来の中では中国だろうなみたいな、アジアの中ではこんな感じだろうな、っていう想像で書いてるところはあるんですけどね。

ーーそういえば先ほど、稽古中に宮川さんが「おかわり」だって言われてましたけど、おかわりというのは補習的なことですか?

宮川 まさにその通りです。僕おかわりが多いんですよね。こんなこと言うとますます日本人かどうか疑われそうだけど......、僕、お芝居好きで、気持ちもあるんですけど......あんまりうまくしゃべれないんです。

全員 (爆笑)。

宮川 噛んじゃうし、呼吸もなんか荒くなって、滑舌も悪いし。演技は好きなんですよ?

池田 誰よりも脚本読んでますもんね。

宮川 でも技術は全然追いついてないので、何回もやらせてもらうことで慣れさせてもらってるというか。

黒沼 一応日本人なんですけど、台本を覚えるのがちょっと苦手なんですよ。オレがネタ書いてるんですけど、それもあんまり覚えられないし、結構噛んだりもするんですよ。だから元々噛むので、ごまかすことに慣れすぎちゃってるんです。だけど白坂さんは「そこ、違うよ! ごまかそうとしてるよね」って言うんです。

白坂 「ごまかすなよ!」って。芸歴的にも、もうごまかす歳じゃないでしょ。急に若手みたいなことするから......(笑)。

宮川 ホントそうです。僕の悪いとこです。

ーー(笑)。では、最後にそれぞれ自分の見どころを教えてください。

池田 僕の見どころは「すべて本物とは限らない」っていう。自分の好きなセリフなんですけど、そういう風にも見てもらいたいなっていう意味で、すごくお客さんに伝えたいセリフでもあるんで、そこが見どころです。あと、ふだんは結構ネタで女装することが多いんですけど、今回は白坂さんに事前に「池田、どっちでいきたいんだ。女装か?」って聞かれて、「いや、カッコいいとこ見せたいです」って言ったら「わかった。オレもそう思ってた」ってところから始まったんで、カッコいいところを見てほしいです。

ヒラノ 僕はついに念願だった殺陣を神保町でやれて、しかもしいはしさんと1対1でやれるので、気合い入れてがんばっています。

池田 めちゃめちゃカッコいいよ!

ヒラノ あとはホントに、叫んでますね。ずっと叫んでるので、そこも見どころです。

黒沼 僕はやっぱり、とにかくダンスですね。

白坂 そこ、そうでもないよ? 注目しない方がいいよ。

全員 (笑)。

黒沼 やっぱり、僕のダンスの切れ味ですかね。そこと、いろんな役をやってるので、そこの変わる部分ですね。すごく緊迫した場面もあるんですけど、そこはたぶんひきつりながらセリフを言ってるんで、その表情。あと、おちゃらけてるところもあるんで、そこも楽しんでもらえたら。で、ホントにいちばん見てほしいところは、いちばん最後です! 僕は、やっぱり。

白坂 あ~、そうね。

ーー宮川さんは?

宮川 近未来のお話で、出てくるものの中には人間以外も出てくるんですけど、そういうものにも愛があって、欲があって、願望があって、それによって人が動いたり感動できるのかなっていうのをすごく感じたんで、そこを見てほしいですね。

白坂 「自分の見どころ」を聞かれてんのに、急に全体的な話を演出家みたいに......(笑)。

ーー(笑)。確かに。宮川さん自身の見どころはどんなところですか?

宮川 う~ん......(と考えて)わかりました! なんで僕、自分の見どころを言えないか。僕まだ自分のシーンを一生懸命やりすぎてまして、いっぱいいっぱいだからです。だからまた、2日後に取材に来ていただければ......。

黒沼 なんでだよ(笑)!

ーーじゃあ、代わりに白坂さんが宮川さんの見どころを教えてください。

白坂 そうですね。とにかく、宮川くんの演技力を見てほしいです。たぶん、演技力を発揮する役だと思います。若手にはちょっとやらせられない役なので、宮川くんがどこまで細かく表現するかっていう。やっぱりお芝居の経験があって、なおかつ好きじゃないと深められないと思う役なんですよ。だから今回は、宮川英二以外にいないんじゃないかと思ってるんで、そこは責任を持って仕上げてくれるんだろうな、って。

宮川 もうまもなく仕上がります。ありがとうございます!

ーーでは最後に白坂さん、全体の見どころを教えてください。

白坂 未来の話で、ちょっと難しいところもあるかもしれないんですけど、そこはなるべくわかりやすいように演出してますし、笑いとしっかり見るところとのバランスも、神保町花月ならではというか「これが神保町花月だよな」って思うような構成になってると思います。ちょっと一筋縄ではいかない話なんで、ふだんお芝居好きな人や、映画見るの大好きな人なんかにもぜひ見てもらいたいなと思っていて、いろんな人にぜひ見てほしい舞台だなと思います。芸人がこういう世界観の芝居をがっちり作りにいくとこう仕上がるんだっていう、ひとつの答えを出せたらなとも思ってますので、見てもらって、感じてもらいたいなと思います。
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【ボーイフレンド】【ヒラノショウダイ】【レインボー】【池田直人】

2018年6月22日 (金)

トータルテンボス全国漫才ツアー2018「いきなりミックスベジタブル」9月8日(土)よりスタート! トータルテンボスインタビュー

今年も開催されることとなった、トータルテンボス全国漫才ツアー2018「いきなりミックスベジタブル」。9月8日(土)の静岡公演を皮切りに、3カ月で全国20会場(21公演)を巡り、新ネタ漫才と「今日のいたずら」新作VTRを披露します。今回は各会場で「今日のいたずら」に使用した小道具を抽選でプレゼントするなど、新しい試みもあるよう。ツアーへの意気込みや「今日のいたずら」についてなど、トータルテンボスのお2人にお聞きしてきました!
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(左/藤田憲右、右/大村朋宏)

ーー毎年恒例の単独ライブ、今年のタイトルは『いきなりミックスベジタブル』ですが、タイトルの由来はなんですか?


大村 これはFUJIWARAのフジモンさんにつけてもらったんです。今までは自分たちでつけたり、マネージャーがつけたりしたんですけど、今回はフジモンさんの番組に出させてもらったときに、番組内でつけてもらって。

藤田 そのとき僕が「『いきなりステーキ』にハマッてる」って話をして、番組の最後の方で「じゃあ、ツアータイトルをお願いします」って言ったら、フジモンさんが「"いきなり"は入れたいよなぁ」って。

大村「でも、いきなりステーキよりは、その横に添えられてるミックスベジタブルから食べたほうがええんちゃう?」みたいな感じで......。

藤田 いきなりミックスベジタブル、っていうタイトルに(笑)。

ーーじゃあ、特に意味はないんですね。毎年そんな感じでタイトルはつけてるんですか?

大村 そうですね。(2017年ツアータイトルの)『YAGYU』っていうのは、知り合いのおっちゃんの名前だし。

ーーそうなんですか!? 『野牛』かと思ってました(笑)。

大村 全然違いますね。(2015年ツアータイトルの)『餡蜜』もそのときのマネージャーが食べたかったものだし、(2016年ツアータイトルの)『脱帽』もそのときのマネージャーが脱毛したがってて、それを「脱帽」って聞き間違えただけですし。

藤田(2014年ツアータイトルの)『strelka』は当時のマネージャーの付き合ってる彼氏のバンドの名前ですし。

ーーなんでもいいんですね(笑)。

藤田 10年目ぐらいまでじゃないですかね、意味を持たせるのって。その時期は終わったんですよ。今はなんにも意味のないタイトルの方がいいかなと思ってて。

大村 何年もやってるとそうなってきますね。
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ーー今回のツアーはどんな感じになりそうですか?

大村 毎回テーマみたいなものは特に決めてないんですけど、今回は"万人が笑える"というのをちょっと意識しようかなとは思ってますね。若者だけが面白いとかじゃなく。

藤田 僕ら、寄席(劇場)にも出るじゃないですか。やっぱり、その出番でも使えるようなネタを量産していきたいなっていうのがあるんです。

大村 今まで結構マニアックというか、僕たちのファンはたまんなく面白いけど......みたいなネタばっかやりすぎて、それをふとルミネの公演でやろうものなら、鬼のようにスベるんです。

ーーネタをコアな層に向けすぎてた?

大村 それはもちろん、ファンにとってはたまらないでしょうけど、何年もやっていけるもんじゃないなぁって。やっぱり寄席でウケてなんぼっていうか、いろんな幅広い世代の笑いを取れないと、っていうのを強く意識してやろうかっていう風に今回は思ってます。

ーー理想を言えば、コアなファンにもそうでない幅広い世代にも、両方ウケたいですよね。

大村 そうですね。そこを模索するのが大変なんですよね。ただただコアなファンを無視して万人ウケに走ると今までのファンが離れていっちゃうかもしれないとか、だからそこもちゃんと押さえつつ、その路線で幅広い世代にもウケるネタを探っていく感じですね。

ーーツアー初日まであと3カ月近くありますが、現時点でネタはどの程度出来上がっているんですか?

大村 今はまだ30%ぐらいですかね。だいたいいつも1カ月前に台本が上がって......。

藤田 そこからネタ合わせして、って感じです。

ーー藤田さんが、ツアーへの意気込みのコメントで「去年のツアーのダメな点をかんがみて、今年のツアーをおもんぱかっていきたい」とおっしゃっていましたが、去年のツアーの反省点などはありますか?

藤田 ちょっとしたことなんですけど、お客さんに対してのサービスみたいなものが、ここ数年ずっとハイタッチ会のみ、みたいな感じで。会社主導でそうなってたんですけど、会社主導じゃなくて、オレら的に何かしたいなと思って。「大村が似顔絵を描く」とかいろいろ案はあったんですけど、閉館時間なんかの関係で、時間に制約もあるので、結局「いたずらで使った小道具を抽選でプレゼントする」っていうのに落ち着きました。
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ーーなるほど。その「今日のいたずら」はこれまでにも多数作られていますが、いたずらはどうやって思いつくんですか?

大村 それに関しては絞り出してきてはいますけど......。

藤田 やってるみたいですよ、作家たち集めて会議とか。どんないたずらがいいかって、夜な夜な......(笑)。

大村 最初はポンポン出てきてたんですけど、さすがに何百ってやってるんで......。今はいたずらの定例会議を開催してるぐらい。でもネタよりは簡単に浮かんでますね。

ーーこれだけいたずらを仕掛けられてると、藤田さんは毎日「今日もなんかあるんじゃないか」と思ってドキドキするんじゃないですか?

藤田 「なるようになれ」って思ってます。

ーーじゃああまり警戒することもなく?

藤田 警戒したらそれはもう(いたずらが)ダメになっちゃうんで、だからもう何も考えない、無の境地でいます。

大村 そういう時期もありましたけどね。

藤田 うん、ありましたよ。

大村 疑心暗鬼でね。

藤田 一回、最低なことがあって。グルメロケ行って、食べたんですね。そしたらすっごいまずかったんです。で、「あ、これドッキリだ」と思って、「やったな」って。「ドッキリだろ。こんなの、食えたもんじゃない」って。

大村 でもそんな味なんですよ。

藤田 ドッキリじゃなかったんですよ。

ーー怖い(笑)!

藤田 ホントにただまずかっただけっていう。

大村 店長、もうピクピクしてましたよ。

藤田 で「ヤベェ!」って思ってスタッフ見たらすごい顔してて。あわてて「独特の味ですね!」って言い換えました(笑)。そういう弊害はあります。だからもう、なんにも言うのをやめました。

ーー確かに、ドッキリじゃなかった場合が怖すぎますもんね。

藤田 「テッテレー」って出てきて初めて「あ、そうか」ってなれば大丈夫なので、だからそこまではフツーに無の境地で過ごすしかないですね。

大村 "いたずらーズハイ"になってますね、もう。

藤田 1回だけならともかく、バカバカやられてますんで。でも、史上初のお金の稼ぎ方だと思うんですよ。"人に騙されてお金がもらえる"って。

ーーそうですね(笑)。

藤田 普通は人に騙されるとお金取られるんですけど、騙されてお金が入ってくるんで。
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ーーでも、楽しい気持ちになるいたずらだからいいですよね。

大村 それを心がけてますね。

藤田 笑っちまうこともありますからね、やっぱり。「こんなこと考えてたのかよ」みたいな。

ーー今まででいちばん印象深かったいたずらはなんですか?

藤田 僕が個人的に面白かったのは、大村たちと公園でしゃべってたら、全然知らないおっさんが「久しぶり~!」って来て。で、大村たちも「あ、お久しぶりです!」みたいな感じなんですよ。だから「あ、オレは知らない人だな」と思って話を聞いてたら「藤田くんもあのあとどうなったの?」って言われて、「えっ!? オレそんときいた?」って。

大村 「いたよ。御子柴さんだよ!」って。

藤田 頭の中で、御子柴さんなんて全然出てこないし。でもなんかすごくいい感じで接してくれて、その人が行っちゃったあとに「あの人、誰?」って聞いて、「おまえ、ひどいな」って言われたんですけど、結局ドッキリで(笑)。そんな、全然知らないおじさんまで巻き込んでやるんだ~って(笑)。

大村 そのあともお母さんと息子が来て、「こないだはありがとうございます!」みたいな。「ああ~、あの時の!? いや~、あれはでも、藤田が助けなかったらヤバかったですよね」って。その息子が溺れたのを藤田が助けたっていう設定で。

ーーそんなことあったら絶対覚えてるに決まってるじゃないですか(笑)!

藤田 そう(笑)。覚えてないんで、「いや、それはオレじゃない。絶対オレじゃない。カン違いしてます」って言って。途中から「何言ってんだこいつは」って面白くなりました(笑)。

ーーじゃあ、これからも楽しみですね、どんないたずらに遭うのか。

藤田 楽しみですよ。「誰だよ!」っていう(笑)。

大村 その、さっきの御子柴さんっていうおじさんは、六本木の裏にあるお寿司屋『寿司峰』っていうお店の......全部架空ですよ? そのお店で1週間前にたまたま同じ店にいた人が「お~、トータルテンボスじゃん」って来て、おごってもらった、みたいな設定にしてやってるんですよ。

ーーじゃあ、藤田さん以外の人は話が合うんですね。

大村 そうそうそう。

藤田 オレはここ1週間六本木になんて行った記憶がないけど、「でもまぁ、酔ってたからな、おまえ」って言われると「そうだったかなぁ?」って。

ーー絶妙なウソですね。

大村 でも、あるじゃないですか、そういうこと。でもさすがに息子が川で溺れたのはやりすぎましたね。
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ーー(笑)。ところで、これまで毎年単独ツアーをされてますけど、ツアーならではの楽しみはありますか?

藤田 それはもうやっぱり、いろんな場所に行くんで、グルメですよね。打ち上げがやっぱ楽しみのひとつでもあるんで。それで印象に残ってるのは、金沢に行ったときの冬ののどぐろ。もう、ホントにウマかったんで。20cm強ぐらいののどぐろで、時価で1万円ぐらいするんですよ。

ーーそんな高いんですか!?

藤田 ね。塩焼きで食べたんですけど、脂が乗りまくってて......。ウマくて、「これを超えるグルメはないなぁ」ぐらいに思ってたんですけど、去年高知に行ったときに、鰹のタタキを食べたんですよ。鰹のタタキなんてガキのころからさんざん食ってるから、特になんとも思わずなにげなく食ったら、マジでビックリするぐらいウマくて。今までの鰹のタタキはなんだったんだっていうくらい全然違うんですよ。

ーーへぇ~! じゃあ今回のツアーも楽しみですね。

藤田 そうです!(ツアーに)高知を入れたのは、あれがもう1回食べたいからというのもありますもん。あるよね?

大村 そうですね。まぁ、四国は1カ所行きたいなと思ってて、じゃあ高知かなって。

ーーじゃあ、食べ物に引っ張られてツアーの行き先を決めることもある?

藤田 全然あります。グルメサイトに載ってないようなすごいところに行ってみたいんですよ。

ーーなるほど。では、これまでのツアーで特に印象に残っている出来事はありますか?

大村 僕がいちばん印象に残ってるのは、"ツアー初日の大ゲンカ"ですね。ツアー初日の静岡公演。忘れもしないですね。4~5年ぐらい前だったと思います。もうテンパりまくってるんですよね、初日なんで。で、いつになくネタができたのがギリギリな年で。そんなに練習もままならないままツアー初日を迎えちゃって。「まぁまぁ、当日しっかり、みっちりやろうよ、あと2時間半ぐらいあるから」って。そこでなんか、お互いテンパってるからなのかわかんないんですけど、藤田がネタ合わせの時にやけに絡んでくるというか、「もうちょっとここ、こうした方がいいよ」って言っても、「は? やだよ」みたいな、つっけんどんな感じできて大ゲンカになって。罵りあいで1時間半ぐらい経過したんですよ。

ーー本番前の大事な時間に?

大村 はい(笑)。で、「やべぇやべぇ! どうすんだ今日」みたいになって。そこでオレももうカッカしてたんですけど、「これは練習しなきゃホントにヤバい」って思って、スイッチを切り替えて、ちょっとなだめる感じというか、泣き落としまでいかないですけど「オレもちょっと言いすぎたのは悪かったよ。でも、オレたちは2人で笑いの文化がないような静岡から東京に出てきて、ここまできたわけだろ? 2人でやってきたじゃないか」みたいな、ちょっと情に訴えるみたいなスタンスでいったら、まんまとソレがハマって、マジで「ごめん~(泣)!」みたいな(笑)。

ーー(笑)! さすが藤田さん、愛くるしいです!

大村 両手で顔を覆って泣き出して。「ごめん、オレが悪かった!」って。

藤田 (照れ笑い)。

大村 それでなんとか間に合ったっていう、ね。

ーーいい話ですね。

大村 いや、いい話なのかめんどくさいのか......(笑)。オレとしてはホントめんどくさかったです。だって意味なくつっかかってきて、ケンカ売られて、ケンカになって、泣いて(笑)。

藤田 (笑)。テンパってたんですよね。

ーーでも最終的に、本番にも間に合ってよかったですね。

藤田 去年なんかでも、(ネタが)固まるのすごい早かったよね。

大村 年によっていろいろありますね。
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ーーツアー先で、その土地土地でウケるネタやウケる箇所って違ったりするものなんですか?

大村 多少はありますよ、やっぱり。各会場のアンケートなんかで統計とってますけど、トータルしたら「やっぱこのネタが強いね」とかはあるんですけど、この場所ではこれが強いとかは全然あります。

ーー土地柄みたいなものがあったりするんでしょうか?

大村 それもあると思いますけど、やっぱりライブって生ものなので、同じネタをやっても同じ出来じゃないじゃないですか。この時のこのネタはすごく調子よくできた、というのもあって、やっぱそういう時は(アンケートでも)票が伸びてるっていうこともあるから、一概には言えないですね。

ーーなるほど。では最後に今回のツアーへの意気込みを一言ずつお願いします。

藤田 今年に関しては老若男女いろんな人を笑わせたいっていう気持ちもあるし、ライブに来たことがない人もこの記事を読んでくれてると思うんですけど、入門編としてはすごくいいライブだと思います。「寄席は見たことあるけど単独ライブはない」ってう人が大多数だと思うんですけど、そういう人にも身構えることなく、入りやすいライブだと思うんで、ぜひぜひお越しください。

大村 ホントに単純に笑えるライブになってると思いますんで、ヘンに構えることなく来てほしいですね。とりあえず来てくれれば、間違いなく満足してもらえると思いますんで。

藤田 「よかったなぁ。2時間、ムダじゃなかった」って思わせます。

大村 デートで来てもらってもいいですしね。

藤田 結構カップルで来てくれる方も多いんですよ。

ーーそうなんですね。

大村 狙ってる彼女を連れてきて、その日に告白しようと思ってたら失敗する可能性はありますけど。毎年熊本にそういうことをしてる人がいるんですけど(笑)。毎年狙ってる彼女を連れてきて、ライブ後に告白してフラれてるヤツが。

藤田 去年に関しては、「今年も連れて行きます!」って言って、ライブ会場の1番前の席にそいつがいたんですけど、隣の席が空いてて(笑)。もう、来てももらえないっていう(笑)。

大村 (笑)。

藤田 でも、カップルで来てる人の中には、元々彼女がファンで、連れてこられた彼氏も好きになってくれたり、その逆もあったりで、男女問わず面白いと思ってもらえると思いますので、ぜひ来てください!
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【トータルテンボス】

2018年6月15日 (金)

レイザーラモンRG、6月20日(水)に1stシングル『いただきます』をリリース! レイザーラモンRGインタビュー

これまでにも藤井隆、椿鬼奴との音楽ユニットである"Like a Record round! round! round!"やこぶしたかしなど、さまざまな形で音楽活動を行ってきたレイザーラモンRGが、満を持して自身初となるシングルCDをリリースします! m.c.A・T をプロデューサーに迎え、誰も聴いたことがない新ジャンル「演歌TRAP」に挑戦したリード曲『いただきます』、韓国演歌トロットにインスパイアされた新ジャンル「FUTURE TROT」でRGの果てしないパンダ愛を歌い上げた『DO THE パンダッ!』の2曲によるこのシングルで「紅白を狙いたい」と意気込むRGに、今作への思いを熱く語ってもらいました。
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*     *     *     *     *     *     *

ーーこれまでにもいろんな形で音楽活動をしてこられたRGさんですが、今回このタイミングでファーストシングルを出すことになったのはなぜですか?

スレンダリーレコードで、藤井さんと鬼奴と3人でいろいろカラオケイベントをやってる中で、満を持してレーベルヘッド・藤井隆が僕ら(RG、鬼奴)にチャンスをくれたというか。自分の歌を作ってもらうことの喜びみたいなものを教えていただいたという感じです。だから、僕が出したいと強く思ったというよりは、藤井さんが「時は来た!」って感じで。

ーーじゃあ藤井さんが「今このタイミングでやってみない?」とおっしゃったんですね。

そうですね。僕が細川たかし師匠といろんな絡みがあったりとか、知名度も上がってきたとか、あるあるが浸透してきたとか、そういうすべてのタイミングを見計らって、藤井さんが「今だ!」と思ってくださったんだと思います。僕もなんとなく鬼奴と「紅白に出たい」という夢をずっとうっすら言っていたので、それが言霊となって叶ったのかなと思ってます(笑)。

ーー確かに、紅白に出るためには持ち歌が必要ですもんね。

そうなんです。あるあるだとどうしても人の曲なんで、引け目もずっとありましたし。なので、いろんなタイミングが全部重なって出たっていう感じですね。
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ーー今回、m.c.A.Tさんと一緒に作られていますけど、m.c.A.Tさんと一緒にやろうというのは......

これも藤井さんのアイデアですね。藤井さんが音楽活動をされていて、ツアーでいろんなクラブを巡っておられるうちにm.c.A.Tさんと知り合って仲良くなって、僕らにも紹介していただいて。ちょうど僕も自分のあるあるのDVDでDA PUMPさんの『Crazy Beat Goes On!』や『if...』を歌ったりしてたので、親和性みたいなものを感じてたと思うんですよ。

ーー「一緒にやるといいんじゃないか」みたいな。

m.c.A.Tというビッグネーム......いわば、m.c.A.T一門(笑)として、ちょうど先日DA PUMPさんもCDを出されて話題になってたりしたので、これもホント、タイミング......いろんな機会が全部そろったという感じですね。

ーー1stシングル『いただきます』は、いろんな食べものをいただきますという歌詞ですが、歌詞に込められた思いや、作詞の際に苦労したことなどがあれば教えてください。

最初ミーティングをした時に、三波春夫さんの『世界の国からこんにちは』みたいな、シンプルで残るものを作りたいですね、みたいな話になって。2020年に東京オリンピックもあることだし「日本のよさを伝えたい」と思って考えたんですけど、世界中で「いただきます」って言わないらしいんですよ。お祈りみたいなのはあったりするんですけど、「いただきます」という言葉に該当する外国語はないみたいで。だから「いただきます」という言葉は日本固有のすばらしい言葉なんじゃないかと。じゃあ、その言葉を使って、いろんな日本の食べ物を食べる歌にしようと思って。そこはもうみんな「キタ!」ってカンジでしたね。

ーー作詞をm.c.A.Tさんと共作されてますが、具体的にはどんな形で作っていったんですか?

タイトルが決まってからは、「何を食べるか」っていうアイデアをバーっと出して。僕はもう(アイデアを)出すだけでした。それをまとめるm.c.A.Tさんが大変だったと思います。曲に乗る感じの歌詞にするのが。でもいま考えたら計算し尽くしてあって。なんか、ちゃんとアイデア出しで出た食べ物は歌詞に使ってくれてるし、歌いやすいし、口に出した時に気持ちいい、みたいな。

ーーリズムに気持ちよく言葉が乗ってるから、聞いていても気持ちいいです。

「ジロー、オロチョン、こってり、パイタン、いただきます!」とか、そのワードの合わせ方もすごいし、例えば外国人の方が意味もわからず聞いたとしても「いただきます」っていう言葉は耳に残るんじゃないかなと思います。そこは苦労されたと思いますけど、m.c.A.Tさんしかできないことだったと思います。
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ーーこの曲は「演歌TRAP」という新ジャンルだそうですが、「演歌TRAP」について、どんなものか簡単に教えてください。

「TRAP」というジャンルは、m.c.A.Tさんが「これからくるジャンルだ」ということで、それ用の機械をわざわざ買われて。そこに僕が軽くリンクさせていただいた演歌というジャンルを入れ込んで、結果的に聞いたことないようなカッコいいトラックに演歌が乗る、みたいな、新しいジャンルができたなという気がしますね。

ーー確かに、斬新な組み合わせですね。

でも韓国の「トロット」(韓国歌謡トロット)っていうのがすごく好きで、あとタイにも、激しめの演歌みたいなのがあって、そういうのが好きでよく聞いてるんですけど、この曲には日本的な三味線や琴の音が入ってたりする上にデジタルなので、"欧米の人が間違って解釈した日本"感、アジア感みたいなものも出てるというか、無国籍な感じもあるかなって。

ーーじゃあ、韓国やタイのこういう音楽も、ちょっと日本の演歌っぽい歌い方なんですか?

そうですそうです。まぁ、今回の曲ができたときは、みんな「ヘンな曲できたな」って思ったと思います(笑)。でも心に残るし、ヘンな曲だけど、クラブで大音量でかけたときにズンズンくるような踊れる感じにもなってると思うし......「踊れるような」っていうのはスレンダリーレコードのコンセプトなので。なのでもう、欲張って全てのものを入れたって感じですね。

ーー藤井さんはできた曲について何かおっしゃってましたか?

藤井さんは結構、「なんじゃこりゃ」ってなったらしいですよ、最初(笑)。戸惑ったというか、なんとなく思い描いていたプロモーション活動があったらしいんですけど、「全部変えよう」っていうぐらいショックだったみたいで。今回、m.c.A.Tさんと繋げていただいて、そこからあとは「まずは2人で納得いくまでやってみて」って任せていただいたので、完成するまで藤井さんは聞いてなくて。だから、初めて聞いたときは「すべて任してたらなんじゃこりゃ」って(笑)。でも、「これは違うことができる!」って確信したって言ってましたね。

ーー藤井さんにとっては意外な仕上がりだったんですね。

「意外だけどカッコいいし、残るものがきた」って。

ーーカップリング曲『DO THE パンダッ!』についてもお聞きしたいんですが。

これもコンセプトは『いただきます』と一緒ですね。わかりやすく日本を表しているというか、歌詞の意味をそこまで込めるわけではないけど、"アジアン演歌"のテイストを残しつつ。で、「ドゥビドゥバ」とか「シャバンシャバン」みたいな、なんかそういう、口で言う音を考えたときに「パンダ」ってすごく言ってて気持ちいいですねってなって。で、打ち合わせで「パンダのことをゴリゴリに歌った歌ってないですよね?」って。それで「パンダのテーマソングを作ろう!」ということになりました。

ーーじゃあこの曲は、作詞は担当されてないですけど、曲のテーマについてのアイデア出しはされたんですね。

そうですね、(作詞を担当した)MICHELLE SORRY さんと、そこはがっつり。
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ーーちなみに、パンダはお好きなんですか?

そうですね。中国のパンダのドキュメンタリーとかよく見ますし。誰かが言ってましたけど、「シャンシャンが生まれて、日本中のみんなが『かわいいかわいい』って活動を見守るなんて、シャンシャンは"国民の孫"だ」って。だから、"国民の孫"の歌を作れば、それはもう......。それと、「ヒットした演歌ってなんだろう?」って考えたときに、『孫』ってあったじゃないですか。あれもただ自分の孫がかわいくて作った曲でヒットしちゃったような曲だと思うんで、「じゃあ、パンダ=国民の孫で決まりだ!」みたいな。結構マーケティングみたいなことを考えました。

ーー結構ホントにちゃんと考えてらっしゃるんですね~。

で、演歌的なものに、イケイケの、これからくるDJのPARKGOLFくんにちょっと曲をお願いして。だから、ホントにクラブでかけてカッコいいのに、そこに演歌が乗ってるっていうのをやっていきたいなっていうのは、RGチームではずっと言ってたことです。

ーーじゃあ、今後も個人としての音楽活動は定期的にやっていきたい?

そうですね。なんかこう、いろんな音楽聞いてきて、まぁまぁ出尽くした感がある中、「まだこんなんあるよ」っていうのを、カッコつけて提示するんじゃなくて、楽しく面白く出すというのが、芸人としての自分のスタンスだったりしますし。

ーージャケットの写真がすごく素敵ですが、このジャケットのイメージは? 

いいですよね。これ、歌舞伎町なんですけど、新しい撮り方をするグラフィックアーティストの方に撮っていただいて。カメラにいろんなものを付けたりして、すごい変わった撮り方をしていただいて、幻想的な、アジアの雑多な感じがすごい出せて......ここに細川(たかし)さんからいただいたジャケットが映えて。これ、レコードにしたいぐらいですね。
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ーー確かに、大きなジャケットで見たいです。

さらに、それを包み込む藤井隆レーベル・スレンダリーレコードのダンサブルな感じも出てると思います。

ーーちなみに、細川たかしさんにご報告はされたんですか?

まだです。今回、ほぼ同時期に細川たかし師匠もシングルを出されるので、ちょっと乗っからせていただこうかと思います。

ーー(笑)。ご報告はじゃあ、このあとされるんですね。

そうですね。師匠にいろんなスピリットを教わったので。そこも生かしつつ。ホント、2人のたかしを師匠に......(笑)。

ーー2人のたかし(笑)! 確かに! しかも、今回はRGさんとしての活動ではありますけど、ご自身でも「たかし」と名乗ってらっしゃいます(こぶしたかし)し、"たかし"という名前に縁がありますね。

そうですね。(細川)たかし、(藤井)隆、(こぶし)たかし、とがし(富樫明生=m.c.A.T)......(笑)。

ーー(笑)。先ほどこの曲で紅白を狙いたいと話していらっしゃいましたが、具体的にどんな展開をしていきたいですか?

実は案外子どもたちが口ずさむんじゃないかと思っていまして。子どもたち、親御さんたちが......歌詞にもあるんですけど、「生きとし生けるものをいただきます」とか、「溢れる感謝でいただきます」という食育的な部分もあるので、そちらの部分で跳ねるというのがひとつと、この最先端クラブミュージックサウンドをバックにしてますので、いわゆるEDM現場とかでもかかれば......(笑)。

ーーなるほど。全然違う2方面から。

両側から、真ん中の紅白歌合戦に向けて攻めていくっていう感じですね。

ーーお子さん向けという意味では、NHKのEテレなんかで流れてもよさそうですよね。

もちろん! 全然そっちも対応できるし、『ULTRA JAPAN』(EDMのフェス)でズカズカかけたって大丈夫みたいなところはありますね。

ーーいろんな展開ができそうですね。では最後に一言PRをお願いします。

「あるある歌わないRGもいいよ!」(笑)。あるあるは歌ってないけどいいよ、って感じでお願いします。
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【レイザーラモン】【レイザーラモンRG】

2018年6月 1日 (金)

舞台『幼児・小学生・戦隊ファン向け 夏休み企画「ももたろう」』を立ち上げたNON STYLE・石田明へインタビュー!

7月23日(月)より、東京・ルミネtheよしもとにて、NON STYLE・石田明作・演出による舞台『幼児・小学生・戦隊ファン向け 夏休み企画「ももたろう」』が上演されることになりました。

誰もが知っている昔話『桃太郎』にコメディ要素とアクション要素をたっぷりと加えた本作、幼児・小学生・戦隊ファン......もちろん全世代が楽しめるカッコよくて面白いヒーローショーとなっています。
今回は作・演出、そしてももたろう役を演じる石田に、本作の制作に至ったいきさつ、舞台の観どころ、演出家としての面白さなど、さまざまに語ってもらいました。
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――本作を立ち上げた経緯をまず聞かせていただけますか。

「お笑いってお子さん連れ歓迎と言っている割に、そんな雰囲気ないよなっていうのがありまして。舞台を観に行くのが好きやったうちの奥さんも、子供が産まれてからは中々行きにくくなってしまったらしいんですよ。ヒーローショーを楽しんでいるお母さん方もいるでしょうけど、子供たちが夢中になっている間の休憩みたいなところもあるやろうし、ストレス発散まではなってないやろうなと思って、お子さんも楽しめてお母さん方のストレス発散にもなるような舞台を夏休み限定でもできたらいいなと思ったんです。で、どの時間がいいのかをいろいろと考えたんですけど、昼間はやること多いし、夕方なんか家を出ていけるかい!って話じゃないですか。なので、午前中にやることにしました」

――昔話の『桃太郎』を題材に選んだのは?

「誰もが知っている物語で、集中しなくても話についていけるというのが重要かなと。公演中、赤ちゃんがぐわ~んと泣き叫ぶ中でもついていけるでしょうし、途中からでも(ストーリーに)戻ってこられることが大事やなと思って選んだんです。『桃太郎』にはいないキャラクターが出て来たりするんですけど、流れは変わらないですし、ホームページには絵本を乗せて、流れを予習してきてもらうこともできるようにしていて。女の子が好きな要素として川村真洋さんにも出てもらいますし、ヒーロー戦隊という男の子の好きな要素もある。で、お笑いっていうみなさんで共有できる要素ももちろんあるので、いろんな角度から楽しんでもらえる舞台になっているんじゃないかなと思いますね。あと、初恋タロー・こうすけに主題歌を作詞作曲してもらって歌ってもらったんですけど、ついつい口ずさみたくなるような曲なので、ぜひチェックして観に来てもらえたら嬉しいです」

――今回、本格的なアクションもあるそうで。

「そうなんです。お母さん方に楽しんでもらいたい、子供たちにかっこいいと思ってもらいたいというのがあるので、締めるところは締めようということで、今、必死に殺陣の練習をしてます。練習用に買った竹光を家で振っていると、嫁と双子がぽかーんと観てますよ(笑)。お子さんを飽きさせない演出としては、子供が好きなものもふんだんに盛り込んでいく予定です。もちろん、いろんな世代の方に観に来ていただきたいんですけど、お子さま連れをターゲットにしている辺りを了承していただければ。いつもより騒がしいライブになってしまうかもしれないですけど、その状況も楽しんでもらえたらありがたいです」

――出演者も、石田さんが声を掛けられたんですよね。

「仲のいい人、動ける信頼できる人に出てもらうことになりました。いぬ役の小澤くんは『海洋戦隊ゴーカイジャー』でレッドをやっていた人で、シアターGロッソで中に入った経験もあるんです。僕が演出した『ダンガンロンパ THE STAGE』に出てもらって以来、仲よくしていて、一緒に呑んでいる時に『やってよ』って言ったら『石田さんが言うならやるよ』って快諾してくれて。『オレ、中もやったことあるしね』って言うから『じゃあ、やってくれる?』ってお願いしたら、ほんまにやってくれることになったんです。さる役のこうすけときじ役の赤羽は変身するとプロのスーツアクターに変わるんですけど、小澤くんは自分自身。プロフェッショナルなスーツアクター2人と並ぶことになるので、今回のために体を作り直すって言うてくれました。あと、御茶ノ水男子・しいはしジャスタウェイとカートヤングさんのようにちゃんと動けるメンバーを揃え、グランジ・五明は鬼っぽさで選びました(笑)。ウエスPは鬼役ですけど、世界に匹敵する芸を見せるシーンもあります。みんな、楽しみにしてくれてますよ。最初に声をかけた時は『ありがとうございまーす』くらいの軽い感じやったんですけど、今朝会ったときにいろいろと見せたら『なんか......すごいですねぇ』って言うてくれました」
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――石田さんは外部の舞台にも出られていますが、他ジャンルの方々との交流によって舞台をつくる際の着想に広がりも出て来るんじゃないですか。

「どんどん広がっている感じはしますね。舞台をつくるときもそうですけど、例えば映画を書くときにも"この人、出てくれるかな"とか思いながら書くことはありますね。仲がいい役者が増えると舞台を観に行く機会も多くなりますし、観ていたらこういう演出家さんおんねや、こういうやり方面白いな、こんなことしはんねやとか驚きがあって、色々と自分の中で貯蓄が増えていくんです。今回、殺陣をお願いした殺陣師さんも、この前つかこうへいさんの舞台『熱海殺人事件 CROSS OVER 45』に出たときに教えていただいた方なんですよ」

――いろんな演出家の方の演出を身を以て体験することも勉強になるんでしょうね。

「勉強になってますねぇ。僕って表面っぽく演出することが多いというか。それがお笑いの良さやったりするんですけど、表面じゃないところでの見せ方とかかっこいい演出が得意じゃないんです。けど、2.5次元の舞台然り、つかさんの舞台とかもかっこいい。今回は照明の限度もあったりするんですけど、相談できる方も増えていることもかなりプラスになってますね。また、演じるという点ではこの前の『火花~Ghost of the Novelist〜』なんかはわかりやすいですけど、自分とは真逆の人格を演じられるのは面白いですよね。あとねぇ、僕が何より言いたいのは、生ものって面白いよっていうこと。僕が初めて生で観たのは、シェイクダウンさん(お~い!久馬と後藤秀樹のコンビ)の漫才で。"こんな面白い仕事があんのか!"と衝撃を受けて、芸人を目指すようになったんです。で、実際やってみたら難しいからこそ、編集できないからこそ、舞台って面白いんやなと感じました。今回だって、これだけ公演をやっても一度も同じものがない訳じゃないですか。それが、舞台のよさですよね。お客さんそれぞれが勝手にズームしてくれたり、引きで観てくれたりするのも楽しいところやなと思ってます」

――"よしもと むかしばなしシリーズ"と銘打たれていますが、今後いろいろと展開していく予定なんですか。

「そうですね。ももたろうをしっかりとつくったので、今後いろんなところでやりたいなと思ってはいます。正直言うと、今回の公演日数だけでは余裕で赤字なんですよ(笑)。けど、お金儲けでやってるわけじゃない。夏休みにご家族でいい思い出をつくってもらうためにやっていることですし、こういう新しい試みを行なうことで、お笑いそしてルミネという劇場でやれることの間口が広がればと思いますし、子供たちにはお母さんの笑っているところを観てもらいたい。子育ての中ではどうしても厳しい顔になってしまうことが多いと思うんですけど、お母さんの笑顔を観れば"舞台とかお笑いってステキなんやな"とちっちゃいながらに思ってくれるんじゃないかなと。なので、家族全員で観に来ていただければ。赤ちゃんが泣いている声も公演のBGMやと思ってますので、気軽に足を運んでもらえたら嬉しいです!」
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【石田明】【NON STYLE】

テーマは「原点回帰」。新作長編を引っ提げて、全国23か所32ステージのツアーを開催する、が~まるちょばに意気込みをインタビュー

7月12日から約半年間かけて全23か所32ステージの『が~まるちょば サイレントコメディー JAPAN TOUR 2018』を開催するが~まるちょば。2017年4月からよしもと所属になった彼らですが、芸歴はすでに19年目。その活躍は日本のみならず、世界照準になっており、今年も世界中から 演劇、スタンダップコメディー、舞踏、ダンスなどなど様々なジャンルのカンパニーが集まる「エジンバラ・フェスティバル・フリンジ」に8月1日~18日参加することが決まっています。
そんな彼らが今回のツアーでは、なんと4年ぶりとなる待望の新作長編サイレントコメディーをやるとのことなので、その意気込みを聞いてきました!


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が~まるちょば(左 ケッチ!/右 HIRO-PON)


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――4月に吉本に所属されてから初めての全国ツアーになるわけですね。今回のツアーの見どころは?

ケッチ! テーマを原点回帰ということで。つまり、"笑い"に特化しようという話になって。
HIRO-PON 結成して19年目なんですけど、そのとき東京公演で二人で作ったのが「笑いに特化したもの=コメディー」だった。それもあって、パントマイムと言わずに「サイレントコメディー」と謳って始めたわけです。なので、今回は最初の頃のパッション(情熱)というか、意気込みというかを踏まえて「原点回帰」をテーマにしています。

――"笑い"というのは吉本を意識したからこそなんですか?

HIRO-PON いや、そういうことでもないです。これまでいろいろ作ってきて、やっぱり欲が出て、ああいうこともこういうことも作りたい、ああしたいって思いを毎年毎年積み重ねてきて。そうやって経験したうえで、今、やっぱり笑いというものに特別フォーカスを当ててみようと。
それがよしもとに入ったからではないんですけど、吉本への所属になって、僕らのバックボーンが変わったというのも含め、新しいお客さんが来てくれることを期待しています。今まで知らなかったお客さんが僕らの舞台を見てくれたらいいなと。そうすると、入口とコメディーとかっていうのは受け入れられやすいのかなとは思います。

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――海外や世界をいろいろと経験されているというのは強みではあると思うんですが。世界をいろいろ見た上で笑い、とくにお二人がされている「サイレントコメディー」はどこでも通用するものだなと感じられていますか?

ケッチ! そうですね。いろんな国に行くたびに、「サイレントコメディーはどこでも通用する」ということを再確認しますね。ただ、やっぱり「もっと伝えたい、もっと笑ってもらいたい」という欲が行くたびに出てきます。

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――なぜ、が~まるちょばさんのネタは国や人種というボーダーを越えて受け入れられると思いますか?

HIRO-PON 僕らがやっているのはパントマイムで、だから人間として生まれた人たちには通用する。虫や鳥はダメだろうけど。人間というもので生まれて、生まれ持った元来の感情に訴えかけることができるのがサイレントコメディ-だと思っています。
国や言葉によって違うかと言われたらそんなことない。人であるという共通点の前では一緒。普段、僕らがやっている表現方法というのは、どんな人たちにも理解できるし、国や文化、言葉の違いがあっても、隔たりなくやれるんですよね。


――昨年も精力的にツアーを回られて。動画サイトとかでネタも見れる時代ですが、やはりライブにこだわっているんですか?

ケッチ! 例えば、有名なパントマイムのネタで「壁」ってありますけど、ライブだったらそこにガラスやアクリル板がないことがわかりますけど、映像だと、それが本当かどうか、画像処理で消しているのかどうかの違いがわからない。スローモーションで動くというパフォーマンスも、目の前で見るからこそ本当にスローモーションでないことが実感できる。モニター越しでは受ける感動が違うと思うんですよね。
HIRO-PON あと、舞台でしかやっていないネタもたくさんあるので、映像配信で見られないパフォーマンスみたいなものもたくさんやります。僕らの舞台はストーリーになっていて、言葉も舞台セットも使わず、2人だけで喋らずに設定に沿って話が進んでいく。そういったものは映像で切り取ってしまうと前後のつながりとか、前の部分で張っておいた伏線とかが意味がなくなっちゃう。舞台上ならではのネタっていうのが大事なのかなと。言葉も舞台セットも使わないだけに、すべては見ている方の想像力次第。言葉を越えたものが見ている人に伝わればなと。しかも、その捉え方は個人個人で違う。そこがパントマイムの良いところなんですけど、そういうパントマイムの特性を最大限生かせるのは、やはり舞台上でしかない。映像だとそういう良さはどうしても切り取られてしまうので、生で見る舞台ならではの醍醐味だと思います。
ケッチ! 言葉にしてしまうと限定されてしまう。敢えて言葉をなくし、あとは受け手に委ねるというのが僕らのスタイルなのかなと。
HIRO-PON 言葉を超えるものが必ずありますから! 言葉で伝わらない思いとか、あるじゃないですか? そういうのと同じ。だから、僕らは言葉を使わないというスタイルを貫いている。そうすると、不思議なことにお客様から言葉を越えたものを受け取ることもあるんです。パフォーマンス後の拍手にしてもしかり。舞台では目に見えない"気持ち"みたいなものがすごく色濃く伝わるものなんです。

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――お二人の「サイレントコメディー」は、1回みたらそのあたりが身に染みてわかるということですね。しかも、今回のツアーは待望の新作ということで。

ケッチ! 今、作っていく作業がほんとに大変です。
HIRO-PON うん、大変です(笑)。ただ、初日から約半年間かけてツアーをまわるので、初日からどんどん内容も変わっていくと思います。
ケッチ! ファンの方とかはそれを狙って、最初と真ん中と最後と、何度か見に来て、その違いを楽しまれてたりもします。

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――では、最後に意気込みをお願いします!

ケッチ! 今年は特に原点回帰ということで、コメディ-押しですので! 多くのみなさんに楽しんで頂ける内容になっていると思いますので、ぜひぜひみなさん、たくさん笑いに来てください!

HIRO-PON 動画サイトでは見ることのできない、本当のが~まるちょば。それは劇場でしか見れません! ぜひ足を運んでいただき、本当のが~まるちょばをみなさんの目で見て、知って頂きたいです。





― 『が~まるちょば サイレントコメディー JAPAN TOUR 2018』開催概要 ―
★東京公演(5ステージ)
【会場】
新国立劇場 中劇場(東京都渋谷区本町1-1-1)
【日時】
7月 12日(木)開演19:00
  13日(金)開演19:00
  14日(土)①開演13:00 ②開演17:30
  15日(日)開演13:00
【作・演出】
HIRO-PON
【出演】
が~まるちょば(ケッチ!/HIRO-PON)
【料金(税込)】
前売・当日 S席6,000円 / A席5,000円 (指定)
【チケット】
■チケットよしもと
0570-550-100(Yコード106485)/http://ticket.yoshimoto.co.jp / ファミリマート店舗
[お問い合わせ]チケットよしもと予約問合せダイヤル 0570-550-100 (10:00~19:00)

■サンライズオンライン
http://sunrisetokyo.com (PCのみ)
[お問い合わせ]サンライズプロモーション東京:0570-00-3337(10:00~18:00)

■チケットぴあ
0570-02-9999(Pコード485-795)/http://w.pia.jp/t/gamarjobat/
セブン-イレブン、サークルK・サンクス、チケットぴあ店舗

■ローソンチケット
0570-000-407・0570-084-003 (Lコード34589)/http://l-tike.com/gamarjobat/
ローソン、ミニストップ

■イ-プラス 
http://eplus.jp/gamarjobat/ / ファミリマート店舗

【HP】
「が〜まるちょば オフィシャル ウェブサイト」http://www.gamarjobat.com/
≪全国23カ所/32ステージ≫(4月6日時点予定)
※発売方法など詳細は、「が〜まるちょば オフィシャル ウェブサイト」をご確認ください
東京:新国立劇場 中劇場 7月12日(木)~15日(日)※5ステージ
浜松:浜松市浜北文化センター 大ホール 7月21日(土)
名古屋:日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール 9月7日(金)・8日(土)※2ステージ
焼津:焼津文化会館 大ホール 9月17日(月)
福岡:福岡ももちパレス 9月22日(土)
北九州:北九州芸術劇場中劇場 9月23日(日)
新潟:新潟市民芸術文化会館・劇場 9月29日(土)
茅ヶ崎:茅ヶ崎市民文化会館 大ホール 10月6日(土)
青森:八戸市公会堂・中ホール 10月17日(水)
岩手:岩手県民会館・大ホール 10月18日(木)
宮城:電力ホール 10月19日(金)
秋田:大曲市民会館・大ホール 10月21日(日)
千葉:千葉市民会館 大ホール 11月3日(土)
十勝:音更町文化センター 11月8日(木)
札幌:札幌市教育文化会館 大ホール 11月9日(金)
愛媛:松山市総合コミュニティーセンター 11月11日(日)
府中:府中の森芸術劇場 どりーむホール 11月16日(金)
島根:島根県民会館  11月23日(金)
広島:はつかいち文化ホールさくらぴあ 11月24日(土)
山口:スターピアくだまつ 11月25日(日)
大阪:森ノ宮ピロティー 11月30日(金)~12月2日(日)※3ステージ
横浜:KAAT神奈川芸術劇場 12月15日(土)・16日(日)
埼玉:さいたま市民会館おおみや 大ホール 1月5日(土)

チケットの詳細・お問合せは、

チケットよしもと 0570-550-100 http://yoshimoto.funity.jp/


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世界中から 演劇、スタンダップコメディー、舞踏、ダンスなどなど様々なジャンルのカンパニーが集まる「エジンバラ・フェスティバル・フリンジ」8月1日~18日参加決定!
また、7月11日には、2016年の横浜公演を収録したDVDも発売決定!
全世界が涙した純愛物語「街の灯」など、笑いあり涙ありのコンテンツが満載です。


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【タイトル】『が~まるちょば サイレントコメディー JAPAN TOUR 2016』
【発売日】2018年7月11日
【本編映像】が~まるSHOW/やかん/白い男/伝説のブルースマン ビッグジョニー/街の灯
【特典音声】"が~まるちょば"がしゃべる!貴重なオーディオ・コメンタリー収録
【価格】3,704円+税
※なお、DVDリリースイベントも決定!
東京は2018年9月1日(土)13:00~、大阪は2018年9月2日(日)14:00~。

※DVDの詳細、及び特典情報の詳細などはコチラ!
http://yoshimoto-me.co.jp/artist/gamarjobat


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【が~まるちょば】

2018年5月24日 (木)

『KOK キングオブコドウグ~小道具ネタNo.1決定戦~』を主催するチョコレートプラネットへインタビュー! 長田「ゆくゆくは賞レースにしたい」と意気込む!!

6月15日(金)、東京・ルミネtheよしもとにて『チョコレートプラネット presents「KOK キングオブコドウグ~小道具ネタNo.1決定戦~」』が開催されます。

こちらのライブは、小道具ネタを持つ厳選された芸人10組がそれぞれ珠玉の小道具ネタを披露し、No.1を決定するというもの。ライブを開催するに至った経緯や小道具への熱い思いなど、主催者であるチョコレートプラネットにインタビューを敢行しました。

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(向かって左:長田庄平/右:松尾駿)

 *  *  *  *  *  *

――今回のライブは、どういう経緯で開催に至ったんですか。

長田 漫才、歌ネタ、リズムネタとかいろんなジャンルがある中で、小道具もジャンル化されていいんじゃないかなと考えたんですよね。僕ら、NSCの頃から小道具を使っていろいろとネタをやってきましたし、小道具芸人を集めてイベントやりたいなと思っていたところ、今回、ルミネの劇場からオファーをもらったので、せっかくの機会を活かして小道具コント芸人のNo.1を決めるライブをやってみようと思いました。僕ら自身、2014年の『キングオブコント』でポテチのコントを披露してからフィーチャーされて、いろんなところからお声がけをいただくようにもなって。その辺りから小道具づくりの魅力っていうか、コントと小道具の関係性に惹かれていったんですよね。

――ちょっとトーンが......かなり真剣な感じですね。

松尾 ふふっ、どういう立場の人だろ?って思いますよねぇ。

――(笑)松尾さんはどうですか?

松尾 僕はなーんも思ってないです!
長田 ふざけんなっ!
松尾 (笑)相方がつくる小道具って、どんどんクオリティが上がってきてるんですよね。そのすごさを、僕はいちばん間近で観て来た分、ほかの人のつくっているものを観てもある程度、どんなものかわかるんですよ。例えば、段ボールをガッチガチにテープで巻いてたりすると、ちょっとなぁとか。
長田 ディテールだよね?
松尾 そう! 長田はすごく器用で、普通の人のレベルがマックス10だとしたら、15くらいあって。僕も普通の人よりできるんですけど、超器用な相方がいるからやってないだけなんです。
長田 確かに、松尾はいちばん信用できる補佐です。
松尾 もっと言うと、僕がいちばんの小道具だと思ってるんですよ。長田さんのね?
長田 いやいや、まずつくってないから(笑)。哲学的な感じになっちゃってるけど大丈夫? タモリさんの赤塚不二夫さんへの手紙みたいな感じ? え、そんなカッコいい感じになっちゃう?
松尾 ふふふ......とにかく楽しみですね。

――出演者は強者ぞろいですけれど、どうやって選ばれたんですか。

長田 No.1を決めるにあたって、クオリティの高い小道具コントをしているなと思った人を集めたというか。僕が小道具を観て、"うわぁ、これいいな"とか"よくこんなのつくれたな"と惹かれる人達をブッキングしました。
松尾 関西からクロスバー(直撃)さんが来てくれたり、雑味の強いインポッシブルさんがいたりだとか多種多様ですよね。ジグザグジギーだけ、大丈夫なのか?っていう気持ちがありますけど(笑)。
長田 彼らは、単純に僕らが好きだから無理やり入れました。
松尾 他の人は小道具があるかどうかを聞いてから出て欲しいと頼んでるんですけど、ジグザグジギーだけ聞かずに勝手にオファーしまして。
長田 一応あるのは知ってたんですけど、自分でつくっているのかわからなくて。一応、自分たちでつくってるかどうかも審査対象にはなるんですけど、プロデュースもアリかなと。まぁ、ジグザグジギーに関しては「なかったら、つくって」くらいの気持ちです。
松尾 「なんでもかんでも呼ぶの、やめてくださいよぉ」って言ってましたけどね(笑)。
長田 そこはしょうがない。俺らに好かれたジグザグジギーが悪いっすね!

――そんななか、いちばん強敵だなと思っているのは?

長田 やっぱりクロスバーさんですね。小道具と作品をいくつか観させてもらってるんですけど、バランスがめちゃくちゃいいし、クオリティもすごくて一目置いてます。まぁ、みなさん、奇想天外な小道具をつくってくる手強い方々なので、負けられないっすね。......めちゃくちゃ面白そうなコンテンツなんですけど、客観的に考えるとメンバーが渋すぎる!
松尾 お客さん全員、野郎なんじゃないかっていうくらいのメンツだよね。女の人こないんじゃない?
長田 そうなんですよねぇ。8.6秒バズーカーとかフースーヤみたいにポップな小道具芸人が現れてくれれば嬉しいんですけど。
松尾 ミキが小道具つくってくれればねぇ?
長田 面白いね。今、ツアーをやってるんですけど、いろんな動きをするドクロのサンパチマイクをつくったので、それで漫才師の人達にネタをやってもらえたら。ツアーではもちろん僕らがやってるんですけど、ガチンコの漫才師がやっていたら面白いですよね。
松尾 あぁ、面白い! 和牛さんとかやってくれたらうれしい。
長田 僕らがつくった小道具でネタをやってもらうみたいなイベントもできたらいいですね。

――面白そうです。そちらの開催も期待してます! ところで、No.1はどうやって決定するんですか。

松尾 ぶつけ合って最後まで頑丈だったものが勝ちとか?
長田 頑丈バトルじゃねぇし! まぁ、本来は小道具とコントのバランス、クオリティなどを審査員にジャッジしてもらおうかなと思ってたんですけど、審査員を捜すのが難しいなと。以前、大宮ラクーンよしもと劇場でプロットライブをやらせてもらったんですけど、その時は木に打ち込んであるネジを各々が抜いて、いちばん長いネジだった人が勝ちっていう......(笑)。それはちょっと茶番みたいになってしまったんですけど、今回も小道具に特化したかたちで決めたいなと思っています。

――なんのネタをやるかは、もう決めてるんですか。

長田 今、絞り込んでいるところです。周りの人のネタとのバランスもあるから、何をするか決めるのが難しくて。
松尾 当日の楽屋が楽しみですね。小道具ネタやってる人って、小道具が本番前に急に動かなくなることがあるから、直前まで調整してる。言ったら、ロボコンと一緒ですよ。
長田 本番で動かなくて、楽屋で泣いてる......とかあるよな(笑)。
松尾 泣くよねぇ~。僕らも単独ライブでつくった小道具が動かなかったことがあったです。僕はしょうがないなぁっていうくらいだったんですけど、長田がライブの合間ずっと半田ごてで直してるのを観て"この人、何やってんだ?"って思いました。
長田 僕らは小道具がうまく動いてくれるかどうかが重要なので、動かないのがいちばん怖い。今回のライブでは、こういうあるあるトークもしたいなと思ってます。

――幸い、ルミネtheよしもとから東急ハンズは近いですから。

長田 東急ハンズが近くにあると、本当に安心する。何かあれば、すぐに行けますからね。よしもとの劇場は比較的、必要なお店が近くにあるので割と安心ですね。
松尾 最悪でも100均があればね。
長田 そう。なんとか応急処置はできますから。

――自ら小道具をつくることができるメリットや強みって、どんなところにあると思いますか。

長田 自分達が思い描いていた動きができる物がつくれるということですね。細部にまでこだわって追究してつくれる分、ジレンマがない。つくってもらうと、どこかが違ったりするんですよ。それ、わかる?
松尾 うん、わかる。衣装とかもそうなんですけど、"オレらが求めてたのは普通のブラックじゃなくて、マットブラックだったんだよなぁ。光沢のない感じがよかったんだけど、言い方が悪かったのかな"って思うことがある。けど、そういうのが......。
長田 全くない。ほかの人にはわからないところかもしれないですけど、僕らとしては(笑いの)伝わり方が違ってくるのでこだわりたいところなんです。例えば、ポテチのコントで出て来るクリーナーのスピードはめちゃくちゃこだわりました。あれはモーターを1からつくったんですけど、ギアを変えてどれがいいか、相方に何回も聞きましたね。
松尾 「ちょっと観てもらっていい?」って、モーターのスピードを。ウィン!がいいのか、ウィ~~ン!がいいのかを「どっちがいい?」って......、さすがに僕もちょっとわからないこだわりだったんですけど(笑)。
長田 ふははは! 早すぎるより遅いほうが面白いと思ったので、あのスピードになりました。

――今後、このイベントに関して展望は考えてるんですか。

長田 ゆくゆくは『キングオブコント』と並ぶ(コントの)賞レースにしたいなというのがありますよね。ただ、ニーズがないというか、小道具芸人がまだまだ少ない。今回いろいろと調べたんですよ。僕らが知らないコンビはいるんでしょうけど、知名度がある人の中では少なくて。野性爆弾さん、もっと言えばくっきーさんが小道具界のパイオニアだと思ってるんで、時間が合えばいつか出ていただけるとすげぇありがたいですね。とにかく、今回開催することで、小道具をやってる芸人に光が当たればいいなと。
松尾 大事な1回目。出演してくれる人達も、この記事を読むと思うんですけど......。当日はいっちばん気合いの入った小道具を持って来て欲しいですね。
長田 そうやな。で、できれば東急ハンズさんやmakitaさんにスポンサーになってもらいたい。賞金もでっかい規模で出せるようになれば、小道具芸人の幅ももっと広がるのかなと。
松尾 ポスターのいちばん下に、あの東急ハンズのマークが入ってるとかね。
長田 トロフィーも、あの手のかたち。面白そうなので、実現させられたらいいですね。
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【チョコレートプラネット】

2018年5月20日 (日)

今年も単独ライブ全国ツアー「佐久間一行SHOW2018『FORTY』」を開催! 佐久間一行インタビュー

毎年恒例の単独ライブ全国ツアーが今年も8月17日からスタートする佐久間一行。今回のタイトルは、自身が40歳ということから『FORTY』と付けられ、ルミネ公演では2時間の新ネタライブを、地方公演では『forty~ネタ60分とトーク50分~』と題し、ルミネ公演とは構成を変えてお送りするんだとか。「ネタを考えるのはこれから」という佐久間さんに、どんなライブになりそうなのか、意気込みやツアーの楽しみ、また今後やってみたいことなど、いろんなことを聞いてきました!

*     *     *     *     *     *     *
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ーー毎年恒例の単独ライブ、今年のタイトルは『FORTY』ですが、40歳という節目のライブということで、なにか特別な感慨はありますか?


毎年テーマを持って単独ライブをやっていて、今年のタイトルをどうしようかなと思ったときに、単純に40(歳)だし、そのまんま、ストレートなタイトルでいいかなと思ってそうなりました。やっぱり40歳って、「40かぁ......」とか思ってしまいがちですけど、「これが40だ!」っていうか、40に自信を持っていきたいなっていう。これまで後悔はなくやってきているので、そういうライブになるといいなと思ってます。

ーー今回の単独ライブはどんな感じになりそうですか?

やっぱり、「40」をテーマにしているので、テーマ性がどこかに出ればいいかなぁとは思います。一般の方の40歳と自分の40歳は違うかな?と思いますけど(笑)。単独ライブの意味合いとしては「これがオレなりの40だ!」っていうものにしたいですね。

ーー初日のルミネ(8月17日)まであと約3カ月ですが、この時点でネタってある程度できてたりするものなんですか?

ネタは全然、まだですね。案が並んでるだけです。題材だけはあるんですけど、どれを使うかというのはまだ全然決まってないです。

ーーネタってどのくらいの期間で作るものなんですか?

単独ライブだと、2~3カ月ぐらいはかかってるかもしれないですね。

ーーじゃあ、ちょうど今から考えていく感じ?

そうですね。でも実際、ネタを考えるのはラスト1カ月ぐらいかな。その前に結構自分でいろいろやってるんで、グッズのデザインを考えたり、パネルのセットのデザインを考えたり......。それをやってからネタ作りに入るんで、ネタ作りに入るまでが結構時間かかりますね。
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ーー今回はルミネ公演のみ2時間のネタライブ(『FORTY』)で、その他の地方公演はネタを1時間、トーク50分(『forty~ネタ60分とトーク50分~』)という、ライブの構成が変わっていますが、これはどうしてですか?

ルミネが一番大きなセットと規模でやらせてもらっていて、本公演とゆうイメージです。各地はルミネでできたネタの中から持っていきやすいもので構成できればと思いました。ルミネの初日から1カ月後の9月に再びルミネでDVD収録公演もあるので、ネタを磨きながら回れればと思います。地方公演のアンケートに「トークも聞きたかった」ってゆう声も結構あったので、ネタとトークとゆうバランスでやれるのも良いなと思いました。

ーーじゃあ、地方向けに「このネタはセットをコンパクトにしようかな」とか考えたり?

最初はそういうことは何も考えずにネタを作りますね。作ったあとで(地方に)持っていきやすいネタを探そうと思ってますし、もしかしたら地方公演用に1本作るかもしれないです。そういうのがあってもいいかな、って。

ーー地方の反応は東京とは違いますか?

違うところもありますね。説明が足りないとなかなか伝わりにくいときもあります。

ーー地方公演で新鮮な反応はありましたか?

VTRが終わったときに、VTRに対して拍手をしてくれたときは、「これはなかなかない」って思いました。あと、最初の登場のときはウワーッってなるというか、だいぶ盛り上がってくれますね。お客さんが温かいなという感じです。......あ、もちろんルミネでも盛り上がってくれるんですけど(笑)。

ーー(笑)。地方公演で、ライブ以外の楽しみってありますか?

いろんなところに行くのが好きなので、結構早めに現地入りしていろんなところに行ったりしますね。それがトークのネタになったりもしますし。

ーーこれまでに行って印象深かった場所はありますか?

全部いいんですけど......、たとえば仙台だったら伊達政宗の像がある青葉山公園に現地のバスに乗って行ったりして、その道中での体験を話すとか、そんな感じです。どこに行こうか調べて、いちばん話のネタになりそうなのはここかな?とか考えて行くんですけど、意外に話のネタがあちこち転がってることが多くて。「なんだこれは?」って思うものとか。

ーー確かに、その地方独特のものがありそうですね。

これは今回のネタで使おうかなと思っているアイデアなのであんまり言えないんですけど、たとえば観光施設に、いろんなボタンが並んでて、ボタンを押したら解説してくれる展示物ってあるじゃないですか。「伊達政宗とは......」みたいな、歴史の解説を話し出したり。その展示物の前でおじいさんがひとりでずっといろんな解説を聞いてる様子が面白くて、なんかネタにできそうだな、って思ったり。

ーートークの材料になるだけじゃなくて、ネタ作りの参考にもなるんですね!

そうなんです。去年は北海道の「白い恋人」の工場見学に行ったんですよ。そのときに15分おきに始まるからくり劇場に「なんだこれ?」って思ったことをヒントに「お菓子劇場」っていうネタができたりしたんで。だから、観光するのはトークのためにもネタ作りのためにもなるし、いいことしかないですね。ただ、当日に行って、観光して、単独ライブのリハやって本番なので、疲れちゃうんで、体力配分はすごく考えながら行動してます(笑)。

ーーじゃあ、地方のいろんなところに足を運ぶことも含めて単独ライブツアーなんですね。

そうですね。行くと結構な話題ができるので、トークの方は意外とその話だけで終わっちゃったりもしますし。
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ーーでも、常に仕事のことばかり考えてると、プライベートとの境目がなくなるというか、たまにワーッとなったりしませんか?

そうですね、気をつけます(笑)! ちょっとそうなるときもあるんで、「楽しもう!」と思って。でも、楽しんでるときの方がいいネタが浮かぶんですよね。

ーーじゃあ普段からネタというか、お笑いのことで頭がいっぱいな感じなんですか?

そんなこともないんですけど、ちょっと何か思いついたらメモったりはしますね。そのクセはついてるんで、それはそんなに苦じゃないです。そうやって溜まっていった題材の中から、単独ライブをやるときのネタを選んだりしてます。

ーースランプはないんですか?

ありますあります。

ーーそんなときはどうするんですか?

なんとかふりしぼるんですけど、やっぱりよくないです、ネタが。なのでもう寝ます(笑)。でも、不思議なんですけど、2年前に作ろうと思ってどうしても形にならなかったものが、急に「今ならいけるな」ってときもあるんですよ。

ーーへえ~っ! なんか、ミュージシャンの曲作りみたいですね。

あ、それも言われます。「活動の仕方がミュージシャンぽい」って。ネタ作って、各地を回って、DVDを出すっていう流れがミュージシャンの活動に近い、って。オレもそういうのが好きなんで、こういうのが合ってるのかなって思います。
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ーーなるほど。先日は初の展覧会(『ぜんぜん大変じゃないアドベンチャーアート展』)も開かれましたけど、今後、40代でこんなことをやっていきたいと思っていることはありますか?

そうですね。でもホントに、今回のアート展は自分の中でかなり「これはいい!」って思いました。「向いてる!」って。ネタをやるのが好きなんですけど、あのアート展も、アート展って言いつつネタなんですよね。でも、自分がいないときでもお客さんがきてくれて、楽しんでくれているっていうのはいいなと思って。ああいうのをもっと広げるのも面白いなと思いました。ああいったアート展も地方で開くことができて、単独ライブと同時期にやれば、お客さんは両方いっぺんに楽しめるじゃないですか。そんなふうに広がっていったらより面白いな、って。今回のアート展は今後の自分にとってもいい可能性になったなと思いました。

ーー絵を描くことは昔から好きだったんですか?

そうですね、お笑いをやるか、絵の仕事をするか、2択に入ってたくらい。でも、将来どうやったら絵の仕事ができるかまったくわかんなくて(笑)、お笑いもそうなんですけど、でもお笑いはたまたま東京にNSCができた頃だったので、「じゃあ、入ってみようかな」って。

ーーでも結果的に両方できてるってすごいことですよね。

はい! 嬉しいです。そう、だから今はすごい不思議な感じです。なんか、それぞれいろんな人がいっぱいいて、そんな中、自分らしい活動はこれでいいのかなっていう気がしてます。自分がいちばん活きる方法でこれからも活動していけたらいいなと思いますね。

ーーちなみに、これまでに芸人としてターニングポイントはありましたか?

やっぱりR-1優勝(2011年)は大きかったですね。ちょうど14年目から15年目にさしかかるところだったんで、やっぱり何かないとっていう時期で。あれはその後芸人を続ける上でも自信につながったというか、だいぶ大きな賞でした。

ーーなるほど。では最後に、今回の単独ライブの意気込みを聞かせてください。

言うことが例年通りになってしまいますが(笑)、内容はいつもの通り、みなさんが楽しめる新ネタで待っていますので、佐久間一行の『40』をお楽しみください! 伝われ~!
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【佐久間一行】

2018年5月 4日 (金)

なだぎ武のある興味から公演が実現!『"あかりけした"presents「手をつなぐには近すぎる」』作・演出家&出演者インタビュー!

6月7日(木)から10日(日)まで、東京・神保町花月にて『"あかりけした"presents「手をつなぐには近すぎる」』が上演されます。

ロボットのハナコと2人暮らしのソフの元へ、娘・ハハとその娘・ムスメが帰ってくるところから始まる物語。血のつながりのない微妙な関係性で始まる同居生活から、家族が生まれるハートフルストーリーです。
今回は作・演出を担当するこゆび侍・成島秀和さん、なだぎ武、演劇集団キャラメルボックス・渡邊安理さん、虚構の劇団・小野川晶さんへインタビュー。なぜこの4人が集結し、1つの舞台を企画したのか。成り立ちから関係性まで、和気あいあいと語ってもらいました。

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(向かって左から:成島秀和さん、渡邊安理さん、なだぎ武、小野川晶さん)

 *  *  *  *  *  *

――まず、今回このメンバーが集まった理由を教えていただけますか?

成島 お三方とはまだ一度もお芝居を一緒にやったことはないんですけど、一方的に観て知ってはいて。渡邊さんと昨年くらいに、たまたま知り合いになったんです。
渡邊 久しぶりにできた友達だって言ってくれましたよね?
成島 そう、35歳を超えて久しぶりにできた友達で(笑)。遊びに行ったりしている中でこの4人で会う機会があったんです。
なだぎ 僕はジョジョが好きなんですけど、『ジョジョの奇妙な冒険』のリアル脱出ゲームがあると聞いて、楽しめるかもしれないなと思って行った時に集まったメンバーなんですよ。リアル脱出ゲームには、このメンバーでそれまでに何回か行ったことはあったの?
小野川 いえ。私もあの時、初めて成島さんにお会いしました。
なだぎ 僕は渡邊さんと晶ちゃんとは別々に共演したことがあったんですけど、成島さんとは初めてだったんです。ゲームをクリアしたあと、ご飯を食べている時にいろいろと喋ったんですけど、成島さんが自分の劇団を持ってお芝居も書いているというのを聞いて。こういう物腰が柔らかい方がどういうお芝居を作るのかというところに興味が湧いたというか、僕みたいな暴走機関車がね?(笑)成島さんの作品に出たらどうなるんだろうということを渡邊さんにお話したら、「じゃあ、私が言ってみます!」って言ってくれたんです。
渡邊 そうそう。で、すぐ成島さんにお話ししたら......。
成島 僕としては「願ってもない機会です」と答えました。

――なだぎさんが抱いた1つの思いから実現したものだったんですね。

なだぎ そうなんです。コメディがやりたかったので「成島さんはコメディも書くの?」って聞いたら、渡邊さんが「好きみたいですよ」って。じゃあ、晶ちゃんもできるなと。『私のホストちゃん』っていう舞台で一緒になった時に、アンサンブル的にいろんな役をやっているのを観て器用な人だなと思っていたので誘ったんです。
渡邊 私も晶ちゃんとはプライベートで遊んではいたんですけど、共演したことがなかったので一緒にやれて嬉しいです。
小野川 コメディはずっとやりたくて。年々、コメディ欲が増しているところだったので、このメンバーで叶うならば最高だなと思いました。
成島 こういう話って、普通は「やりたいね」って盛り上がりはするけどやらないことが多いですよね。でも、今回はみんな、絶対にものにしてやろうっていう気持ちがあったよね?
なだぎ そうですね。成島さんは沸々とした強い思いを持っている人だなと、リアル脱出ゲームの時に感じたんですけど、その通りでした(笑)。最後に解けない問題があったんですけど、後ろから粘り強くヒントを出してくれたことでそのあとすぐ脱出できてね?
渡邊 ご飯を食べてる時には「1つ前の問題が解けているようで解けてない」って言い出して(笑)。
なだぎ そうそう。ずっと1人で問題に立ち向かってたんですよ。
渡邊 その姿勢に、なだぎさんは好感を持ったんですよね?
なだぎ 不思議な人だなと興味を持ちました。

――本作はコメディということですけれど、家族のお話にしたのは何か理由はあるんでしょうか。

成島 題材に関しては二転三転してはいるんですけど、友達というか遊びから始まっている関係性なので恋愛物語だけは嫌だなというのがあったのと、縁というものの不思議さや大切さみたいなものを意識したかったので、血はつながってない家族の話がいいかなと思ったんです。
なだぎ あぁ、そうなんですね。いや、実は密かに恋愛ものを期待してたんですよ。僕と晶ちゃんが恋愛する『マーマレード・ボーイ』みたいな話を。
渡邊 え? そんな甘酸っぱい話!?(笑)
なだぎ そうそう。ほんなら、安定のじいちゃん役っていうね。ふははは! 個人的に山田洋次さんの世界観が好きなので、人情ものっていいなと思いました。
渡邊 タイトルもすごく素敵ですよね。プロットを読んだ時、ちょっと涙しつつも笑ってしまいました。お客さんにもこの感情を届けられたらいいんですけど。
小野川 私はプロットをいただいて読んだ時、衝撃を受けました。
成島 その衝撃っていうのは、もっと楽な感じをイメージしてたっていうこと?
小野川 というより、もっとポップなのかなって思ってたら、グッとしたりハッとしたりしたので驚いたという感じで。それと普段を知っている分、役者としてみなさんがどうするのかが想像できないというのもありました。
渡邊 確かに、この4人で演劇をやることにまだ実感がないよね。特に、晶ちゃんと私は普段の関係性より踏み込む役どころだから、どうなるんだろうって考えちゃいますね。

――今、脚本を書いている最中だという成島さんは、どんなことを感じていらっしゃいますか?(註:鼎談は4月上旬に敢行)

成島 今まで踏み外すことが前提にあるというか、脚本から広げてもらうことを前提で書くことがなかったんですけど、なだぎさんがどれくらい......暴走、っていうんですか?
なだぎ ふはは! いやいや、台本通りにしかやらない男ですよ、僕は。
渡邊&小野川 ウソつけっ!(笑)
成島 そういうことを想定しながら書くのは楽しいですよ。渡邊さんと小野川さんはなだぎさんをやらせっぱなしにする訳ではなく、食らいついて1つの世界観をつくってくれるメンバーだと思っているので、なだぎさんにはどこまでも暴走して欲しいなと思ってます。今まで観させていただいた感じだと、どの作品でも設定に乗っている中で踏み外してるなと感じたというか。ちゃんと計算できているなと思ったので、その辺りは信頼していますし。
渡邊 成島さん、そういうところには結構厳しいですよね? お友達になってから、いろんな作品を観たあとに話すんですけど、その時に鋭い視点を持っているなと感じます。
成島 渡邊さんもそうですよね。だからこそ、気を抜けないなと。今回初めてご一緒するからこそ、真剣にやらないと思っているし、稽古場では友達っていうのも一切なくして......。
小野川 えっ、突然に!?
渡邊 怖いよ!
なだぎ 確かに「稽古だけはガッチリやりたいですね」って言うてましたね。ちょっとビクビクしてしまいますけれど頑張ります。
渡邊 せっかく友達同士で立ち上がった舞台なのに、公演が終わる頃には、Twitterとかのフォローも一切外したりするくらい仲が悪くなってるなんてのは、嫌だから(笑)、真剣に挑もうと思います。
成島 そうですね。仕事!って感じとはまたちょっと違うんだけど、真剣にやりたいですね。

――友達だからこそ真剣にやりたいっていいですね。この関係性をすごく大切にしているんだなというのが伝わります。

なだぎ そうですね。それぞれの劇団のファンの方々も"なんだろう? この組み合わせは"って思いながら、ふわふわした気持ちで観に来てくれるんだと思うんですけど。
渡邊 私、「コントなんですか?」って聞かれました。
なだぎ 僕がおるからそう思われるかもしれないですけど、緊張と緩和のちょうどいい中間のものを見せたいですよね。
成島 うん、そこは狙っていきたい。観てくださる方がどう受け取ってくれるかはまだわからないですけど、稽古は100%とか120%でぶつかるところから始めたいなと。様子見しながらじゃなく、全力でぶつかっていきたいなと思っているので、よろしくお願いしますね。
なだぎ おぉ、そうなんですね。僕、基本はスロースターターなんですけど(苦笑)。
渡邊 私もなんだよなぁ。どうしよう!
なだぎ 渡邊さんも晶ちゃんも自分の中で腑に落ちる部分が見えて来ると、ぶわーっと(世界観に)入っていける人なのできっと大丈夫ですよ。
小野川 安理さんは高校の先輩なんですけど、似ているものを感じていて。周りから「真っ直ぐな感じが似てるね」って言われたこともあるんですけど。
渡邊 うそ! やったー! 嬉しい!
なだぎ うん、問題のないお2人ですよ。で、僕は自由にやって、怒られながら進めていきたいなと思ってます。
成島 お三方のモチベーションをどう上げていくかは、僕なりに考えたいなと思います。

――では、最後によしもとニュースセンターを読んでくださっているみなさまへ、メッセージをお願いいたします。

渡邊 今回、主催はよしもとさんですし、劇場である神保町花月は成島さんが演出などをいろいろとやられているところじゃないですか。そこへ出させていただくという気持ちが強いので、みなさんのお邪魔をせずに、でも何かを残せたらいいなと思ってます。真摯に演じますので、よろしくお願いします。
小野川 今作を観て"演劇って気軽に観られるものなんだな"と感じて、違う劇場にも足を運んでもらえたら嬉しいですね。お笑いと演劇って同じようでも、観に来てくださる客層は異なると思うんですけど、両方が繋がるような作品にできればと思っています。劇場へ足を運んでいただけたら嬉しいです。
なだぎ 晶ちゃんの言うとおりですね。お笑いと演劇って似て非なるものと言いますか、演劇のお芝居に出させてもらった時、僕のお芝居を観た人からお手紙だとかSNSのメッセージで「ああいう空気になるんですね」っていう感想をいただくことが多いんですよ。今回、僕とみなさんが一緒になることで、その不協和音がいい働きをするはずです。"こういうお芝居って今までなかったな"とか"何、この感覚!"って楽しんでもらえるように頑張ろうと思います。
成島 神保町花月さんではいろいろと演出などをやらせてもらっていて、この劇場に育ててもらったという気持ちもあるので、神保町花月でここまでの作品が作れるんだって思ってもらえるようなものにしたいなと思ってます。普段、足を運んでくださっているみなさんはもちろん、最近はちょっと......という方も、ちょっと興味あるなという方も足を運んで、驚いてもらえたらいいですね。
小野川 で、第2作もまたやれたらいいですよね?
渡邊 うん、やりたい!
なだぎ 次こそ『マーマレード・ボーイ』をね!


【なだぎ武】

2018年4月24日 (火)

目の前に恋人のコピーが現れたら!? 舞台『幻影かもしれない』に出演する光永&かたつむり・林へインタビュー!

5月24日(木)から27日(日)までの4日間、東京・神保町花月にて舞台『幻影かもしれない』が上演されます。

主人公・形代悠の同棲する婚約者・弦本永太が事故に遭遇したことから展開していく今作。事故が起きてから発見までの記憶がないものの、元気な姿を見せた永太に喜ぶ悠ですが、のちに「大破した車の中から、永太の遺体が見つかった」との報告を受けて......。愛した人の死、その愛した人と全く同一のコピーなど、恋愛観や死生観を問う物語の結末を、今作では観客が選ぶというマルチエンディングストーリーがどうなるのかにも大きな注目が集まります。

今回、悠を演じる光永、永太を演じるかたつむり・林大介にインタビューを敢行。稽古前の心境を語ってもらいました。
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(向かって左:かたつむり・林大介/右・光永)

 *  *  *  *  *  *

――光永さんは主人公・悠を務めますが、今回のお話をいただいた時、まずどんなことを思われましたか。

光永 最初にマネージャーさんに「難しい役の仕事が入ってくると思うんですけど、大丈夫ですか?」って聞かれて。「ぜひ挑戦させてください」って言ったんですけど、プロットを読ませてもらったら本当に難しそうな役だなという印象を持ちました。主演の経験は今まで何度かあるんですけど、元々の明るさを活かした役が多かったので、今回のような何かを背負っていてどうしようって悩むような感じの役は初めてで......。
林 いつもはバカみてぇにやってるだけだもんなぁ?
光永 おいっ!
林 (笑)光永とは、神保町花月の公演でも何回か一緒にやったことはあるんですよ。上から目線で言うつもりはないですけど、女の子の部分がめっちゃあるというか。
光永 えぇ、もちろんそうですよね! ちゃんとありますねぇ!
林 ふはは! そういう役を演じているのも何度か観てますし、基が器用なので楽しみですね。

――そんな光永さん演じる婚約者・永太を演じるのが、林さん。かなり見せ方が難しそうな役ですけれど。

林 まぁ、難しくするのかしないのかは、自分次第ですから。
光永 うざい!(笑)。難しくしてよ、じゃあ。
林 ははは! プロットを読ませてもらった感じで言うと難しいというより、どういう感じになるのかなというのが楽しみでもありますし、怖い部分でもありますよね。実際、すべての流れが見えた時、どう感じるかが今はまだわからないので。でも、話自体はむちゃくちゃ面白そうなので、演じるのも楽しみですけど。
光永 私は、林さんを観て笑わないかが不安です。本番に入ればいいんですけど、稽古の段階では"林さん感"を出してくるので、笑っちゃうんですよね。自分が真剣に芝居しているのを目の前で見られるのも、ちょっと恥ずかしいですし......。

――クラッシャータイプですもんね、林さん自体(笑)。

光永 そうなんです。何を言い出すかわからないから不安です。
林 僕は台本に忠実に演じるだけです!

――プロットでストーリーを追った印象はいかがですか。

光永 遺体とコピーをどうやって同時に見せるんだろうとか、気になるところがたくさんあって。どんな演出がされるのか、全く想像できないなと思いました。
林 だから、俺に話が来たんでしょうね。"こんな難しい役は、林にしかできない"って。
光永 ............え!?(笑)
林 ふはは! ほかの共演者も芝居がうまい人が多いじゃないですか。まず、シューさん(シューレスジョー)がいるし、大谷さんも1~2回一緒にやったことがあるんだけど、上手。ヒラノくんもめちゃくちゃ上手ですよね。
光永 大西ユースケは、大阪の同期なんですよ。最近、俳優班として上京したみたいなんですけど、昔から面白くて。たまに奇をてらうようなこともするんですけど、お上手ですよ。あと、三木美加子さんの色気にも注目です。舞台上が、いい匂いに包まれると思います。
林 ふふふっ、そうなの!?
光永 稽古場に差し入れでパウンドケーキとか焼いてきてくれるんです。最高っすよ!
林 そういうタイプね。楽しみです、脚本も福田さんですし。
光永 で、演出は足立さん。万全ですよ、これは。
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――現段階で、それぞれの役について想像していることは何かありますか。

林 光永も言ったように、僕の役はコピーがいるという設定なんですけど、どう見せるのか。今はクエスチョンマークな状態なので、これから台本を読んで福田さんの意図と足立さんのやりたいことを聞きながら役を固めていくことになりますよね。やったことのないお芝居なので、楽しみですけど。
光永 私が演じるのは恋人のコピーが現れるという役なので、自分にほんまに好きな人がおって、死んだのはわかってるけど目の前におるってなった時、どっちを選ぶんやろうと考えてみたんですけどわからなくて。今回の舞台って、お客さんに結末を選んでもらう訳ですけど、役の感情の持っていき方次第で結論が偏ったりするんじゃないかなって。その辺は楽しみでもあり、プレッシャーでもあったりします。
林 確かに、どう演じるかでお客さんの選択も変わってきそう。
光永 そうなんです。私がコピーを受け入れる体勢で演じていたら、お客さんも受け入れてしまう気がして。だから、演じ方は重要になってくると思いますね。

――今、光永さんが話してくれたように、今回、観客が結末を選ぶという新たな試みがありますよね。そういうお客さん参加型のお芝居って、あんまりないような気がしますけれど。

光永 結末を選べるってことは、2つのパターンの稽古をしないといけないってことですよね?
林 そういうことだね。僕は今までやったことがないかたちなので、どうなるのか。アンケートを集計している間、何をするのかも気になるし。
光永 ダンスですかね? 神保町花月でたまにあるじゃないですか。
林 ふはは! それに、全公演が2つあるうちの1パターンになるっていう場合もあるんじゃない? その辺は、お客さんが何度も観に来てくれて、こっちは観たから次はこっちを観たいと思ってくれたら嬉しいですよね。
光永 プロットの段階では、お客さんって優しいから、受け入れるほうが多いんじゃないかなって思ってたんです。でも、全員の演じ方次第で、受け入れない可能性もあるのかなって思ってきました。

――その辺、林さんがどう演じるかにもかかってますよね? めちゃくちゃ感じの悪い人だったら、「あの人よりほかにいい人がいるよ」ってなりそうっていうか。

林 そうですよね。めちゃくちゃ嫌われたら、ぜってー受け入れねぇ!って思われそう(笑)。
光永 私たちも毎回、結末がどうなるかわからずに演じていかないといけないですからね。めちゃくちゃ受け入れられない感じでやっていたのに、お客さんが受け入れるほうを選んだりすると、芝居を変えることになるんですかね?
林 どうだろう? その辺もどうなるのか、楽しみですね。
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――もし光永が演じる悠と同じような状況に置かれたら、お2人はどうしますか?

林 恋人が死んで、そのコピーが出て来たらってことですよね? 俺は......記憶も全部一緒だったとしても受け入れられないですね。
光永 私は受け入れます。
林 はえーーー!!!
光永 コピーにも好きな人だということに変わりはないので、受け入れないってことは悲しませることになりませんか?
林 でも、俺の愛した肉体ではない訳じゃん?

――肉体を形成している物質は同じでも?

林 だって、恋人は死んでるんですよ? 記憶も含めて何もかもが一緒だとしても、人生の中で培って来た喋り方とか、違う部分が出て来ると思う。そこに気付いた時、苦しくなる。......お互いね? お互いだよ? 俺だけじゃないよ。俺だけ苦しいなら、我慢できるけど......(と、言いながら泣くフリをする)。
光永 えぇ!?(笑)
林 ははは! だから、全て同じだとしても受け入れられないですね。どう?
光永 (その意見を)聞いても受け入れられますね。記憶も性格もコピーされているのであれば、型番が変わっただけであって、全部一緒なんじゃないかなと。だから、脱皮したんだくらいの感覚で、その人を愛すると思います。その人が愛してくれるのであれば、ですけど。
林 今回は事故で死ぬけど、殺されたとしたらどう? それでも愛せる?
光永 で、恋人のコピーが出て来ると。
林 うん。殺した奴はどうするんだろうとかって思うじゃん? 事故だからコピーを受け入れられるかもしれないけど、第三者が出て来るとまた変わってくるんじゃない?
光永 ............私もコピーになることはできないかな?
林 ははは! コピーを作る技術があるなら、できるかもしれないね。
光永 ですね(笑)。まぁ、帰り道にこんなことを考えてもらえる作品になったらいいですね。

――お2人ともこういったお仕事が少なからずあると思いますが、お芝居は好きですか?

林 好きですね。例えば、自分達で考えてやるコントって、ウケるかウケないかがいちばんじゃないですか。だけど、お芝居は今回だったら福田さんが脚本を書いてくれているし、ウケるかウケないかはそこまで関係ないので気が楽ですよね。もちろん、笑いを取るシーンもあるんでしょうけど、与えられた役を演じるのは普段やらない分、楽しい。芸人だから芝居をやるのは......みたいな気持ちは、2年目でなくなりました(笑)。
光永 その2年間で何かがあったんですか?
林 とがってた時期もあったけど、神保町花月に出続けたら麻痺したというか。年13回出ていると、そんな気持ちはなくなりました。まぁ、面白いですよ。稽古を通して、みんなとチームになれるのも楽しいですしね。
光永 仲よくなれますよね。
林 うん。あと、5公演全てが同じかというと、そうじゃない。本当は全公演コンスタントにやれるほうがいいんでしょうけど、やっぱり舞台は生ものだから、ここはこういう反応なのかとか毎回、違う反応を感じられるのも面白いですね。
光永 私もお芝居は、自分の性格や人生と違う人を演じられるので楽しみです。で、稽古を一緒にやった先輩や後輩と友達みたいな関係になったり、一緒に青春のシーンとか演じられたりするのも楽しいですね。
林 特に、光永はピンだから。
光永 そうですね。いつも1人なので、稽古場に行くのも楽しみです!

――では、最後によしもとニュースセンターを読んでくださっている方々へメッセージをお願いします。

光永 主演って言ってもらっている以上、絶対来てくれないと困ります!(笑)今作はちょっと難しい話ではありますけど、必ず楽しませるので来てください。お待ちしています!
林 来ないと体験できない作品だと思うので、初日に来ていただいて、もう1つのエンディングにも興味を持ってもらえるようなお芝居にします。考えさせられるテーマでもあるので、"今日観たものは、幻影かもしれない"って思ってもらえたらいいなと。
光永 おっ、いいですねぇ!
林 ははは! 楽しい芝居になりますので、恋愛している人、していない人、結婚している人、していない人......いろんな方に観に来てもらえたら嬉しいです!


【林大介】【かたつむり】【光永】