最新ニュースインタビューライブレポート

インタビュー

2016年6月17日 (金)

「やっと足並みが揃って来た」と手応え十分!! 7月24日、今年2回目となる単独ライブ『ねた・寝た・妬・ネタ』を開催する相席スタートへインタビュー!

東京・ヨシモト∞ホールを拠点として活動している話題の男女コンビ・相席スタートが、7月24日(日)、東京・シアターモリエールにて今年2度目となる単独ライブ『ねた・寝た・妬・ネタ』を開催します。
今年5月5日(木・祝)に5回目の単独ライブ『ソトの気分』を大成功で終わらせた2人。この単独ライブで披露された漫才とコントはこれまで以上のチャレンジに満ちたものばかりで、さらなる飛躍を感じさせました(前回のレポートはこちら→http://news.yoshimoto.co.jp/2016/05/entry49183.php)。そんな2人が3ヵ月経たずして、次なる単独ライブ開催を発表! なぜ短いスパンでの開催を決意したのか? また、前回の単独ライブから現在のネタに対する思いなど詳しく語ってくれました。

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(向かって左:山﨑ケイ/右:山添寛)

 *  *  *  *  *

――まず、5月に開催された5回目の単独ライブ『ソトの気分』を振り返っていただきたいんですけれど。非常に素晴らしい単独でしたね。

山崎ケイ(以下:ケイ)&山添寛(以下、山添) ありがとうございます!
ケイ 単独が終わってすぐは"稽古不足だったかな"と思いました。今回、ネタづくり的に今まででいちばん切羽詰まってた感じだったというか。
山添 ボリュームもあったから。
ケイ そう。今まで60分の単独だったのが90分になって、伸ばした30分の分苦しめられたというか。本来なら台本が上がって稽古ができるっていう期間に、まだネタをつくらなきゃいけないっていう状況が発生してしまったので、本番はとにかく間違えないように、ミスしないようにっていうことばかり考えてました。
山添 もちろん、素材には手を抜いてないですけど。
ケイ こだわってつくりましたけど、完成という意味ではここからどう叩いていくかっていうところですね。

――前回の単独は、漫才もコントもバリエーションが豊富で。特に、1本目の漫才はいろんな人から誉められたと思うんですけど。

ケイ うふふ......そうですね、いろんな人に誉められましたぁ~!
山添 自分で言うんや(笑)。確かに手応えはありました。進化形が見えたと言いますか。
ケイ 昨年の『Mー1グランプリ』の準決勝、特に敗者復活戦の漫才に、コンビ組んで3年間でつくったパーツみたいなものを全部詰め込んだというか。今までの色んなネタのウケるフレーズみたいなものをかき集めて盛り込んだんです。で、これでダメだったら、ストックしていたものはゼロになるっていうのが、私は特に不安で。言うなら、この3年間のものって、私にとってはその前の(コンビでの)5年のものも入っているから。
山添 貯金を全部使い果たしたというかね。
ケイ そうなんです。完全に盛り込んでしまった状態で、ここから先どうやっていこうかなと考えてしまったんです。
山添 でもまぁ、僕としては......男女コンビならではの新しいものを組み込みたいとは思ってたんです。けど、どうしても評価されるのはケイさんが今までやってきたフレーズの部分やったから、そこを使わざるを得なかったというか。それに頼り切るかたちになっていたっていうのは、必然でもあるんですけどね。

――周囲に求められていましたからね。

山添 はい。でも、前回の単独ではコンビとしての新しい1つ目の部分が出せたのかなって思ってます。
ケイ コンビ組んだばかりの頃は、私が漫才のコントインする感じとか、ちょっとやってみるみたいなことがすごく苦手で、「そういうのはやりたくない!」って言ってたんですよ。

――以前のインタビューで「ネタで嘘をつきたくない」と言ってましたもんね。

ケイ そうです、そうです。
山添 やから、できる幅がある意味、すごく狭かったんですよね。
ケイ 山添は(前のコンビで)そういう漫才もやってたから「動きを入れることで、より伝わりやすくなりますよ」って言ってたんです。けど、私は「できない」って拒み続けて。尖り続けてたんですけど、昨年(積み重ねを)全部捨ててみて、"あれじゃあ勝てないんだ"ってことがわかって。
山添 まぁ、あそこで自分達のてっぺんを叩いた感はありましたもんね。
ケイ そう。マックスを出し切った直後は、もう漫才はつくれないって。ライブに臨むものはつくれるかもしれないけど、賞レースでいけるようなネタを思いつけないだろうっていう絶望があったんです。で、いざゼロになってみたら、山添が言うような遊びみたいなものも入れていかないとウケないよな、って考えるようになった。あと、昨年の準決勝で跳ねてる人達を舞台袖から観ていて何が足りないのかなって考えた時に、私たちはちゃんと聞かせ過ぎてるんだなって。つい笑っちゃうみたいな要素があんまりないというか、文章を読んで面白いレベルで、声に出してゲラゲラ笑ってしまう要素はなかったなぁと思ったりもして。
山添 ケイさんのフレーズの部分ってコンビの核にめっちゃなると、僕はずっと思っていて。ただ、そこをメインにし過ぎるとお客さんが構えてしまう。そういう脇を締めた状態で観られると、どうしてもバカみたいに笑うほうにはいかれへん。ジャブのような軽いものもあるっていう振り幅を見せられると、核の部分も今まで以上にウケるんちゃうかなとは思ってたんで、前回の単独はそこが見せられた感じはしました。
ケイ だから、単独の1本目のネタはチャレンジでしたね。
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――2本目の漫才も今までとはひと味違っていて、山添さんのいい意味での浅さが活かされていましたしね(笑)。

ケイ ふふふ......でも、あれはもうちょっとウケる予定だったんですよ。作家さんとかとゲラゲラ笑いながらつくって。
山添 ふははは!「これはとんでもないものができたぞ!」って。
ケイ 「下手したら、賞レースあるぞ!」くらいのテンションでつくったのに、あんまり跳ねなかったっていう(笑)。
山添 でしたねぇ、もっとウケる予定ではあったんですけどね。

――ははは! 今までとは違うアプローチでしたし、コンビの関係性も変化があって面白かったですよ。先ほど「今までを全て出し切った」と話してましたけど、コンビ結成1年も経たないうちに『THE MANZAI 2013』のワイルドカードに進んで、自己紹介的にスタイルが世間に知られた。で、そのスタイルを観たいと求められる分、ネタづくりにおいて縛りを感じる部分があったというか、苦しい気持ちもここ1~2年はあったということですかね。

ケイ ありましたね。私は「自分の中で言いたいことはもう全部言った」っていう感覚がずっとあって。
山添 それ、僕も聞いてました。
ケイ 山添はもちろん良かれと思って「ケイさんの思想とか考え方がないと(ネタに)重みが出ない」って言ってはくれたんですけど、私は「思想とかもうない。言いたいことは全部言った」って言っていて。あと、私のことを知らない人にはちゃんと説明しなきゃいけないけど、知ってる人にはその部分はもういいよって思われるっていうのがあったりするんですよね。そういう意味で、前回の単独ライブの1本目は、知っていても知らなくても自己紹介しながらも進めていけるというか。
山添 いい意味でのバカさ加減が、ケイさんっぽく乗っかってるところが良かったなと思います。

――また、これまでは下ネタ的な要素は目立つネタも多かったですけど、前回はそうじゃない視点のネタが多かったのも印象的でしたよね。

山添 下ネタは1本あればいいなという感じで、今年はそうじゃないネタをつくれたらいいなと思いながら挑んでいて。
ケイ その辺はこの3年間、下ネタでここまで来たっていうのと下ネタに苦しめられたっていうのと両方あります。
山添 一昨年は深夜でしかネタができなくて。で、賞レースで勝とうという思いで、昨年は練りに練ったネタで勝負したつもりなんですけど、それでもある人からは「相席スタートのネタは、テレビだと22時台だね」って言われたんで、今年はゴールデンへ行けて、さらにコンビのいいところを見せるネタを考えているところです。僕らって性格が真逆なんですよ。ケイさんはネガティブで僕はポジティブなので、僕は例えば「男女コンビやからこそ、ほかの人にはあんまりでけへん映えやすいネタがある」って考えるんですけど、ケイさんは「絶対、男女じゃないとダメっていうネタの縛りがあるから制限がある」って考えるタイプで。
ケイ 私は常にこれがこうなって、こうなって......って、もしもみたいなことを悪いほうに考えるんですけど、山添は何も考えない......。
山添 いや! ほかの言い方してよ!
ケイ うふふふ......まぁ、わかりやすい物事の考え方をなさるのでね?
山添 なさるって! そこだけ尊敬語使ってもダメですよ?
ケイ (笑)それに、私は「大丈夫ですよ」って言って欲しいみたいなところがあるんで、その辺を山添が理解してくれて「大丈夫です、大丈夫です」って声を掛けてくれるから。
山添 うん。「やってみればいいんですよ」ってね?
ケイ 強めに言ってくれると、「えーー......そ~ぉ?」みたいな感じになるんですよ。
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――それで新しい挑戦もできたと。コンビを組んだ当初より、関係性もより良くなってるってことですね。で、5月から短いスパンで次の単独を開催する訳ですけど、その真意は?

ケイ 山添先生が「賞レースが始まる前に単独をやろう」ってことを、ずーっとおっしゃっていて。
山添 山添先生って......まぁ、はい! その期間、ケイさんは旅行とお酒を控えていただいてね。
ケイ (笑)私はすぐサボりたくなっちゃうんで、心の中では"マジかよ......"って思ってます。けど、頭の中で理解できてるので、"まぁ、しょうがない"っていうか。
山添 そのあとに、もっと楽しいことが待っていると思ってもらえればいいんかなと。ケイさんはサボり癖があったとしてもめっちゃ現実的な考えを持ってはるから、もしここでやらへんかっていい準備ができずに賞レースで負けたとしたら、"あの時サボったからや"ってすぐわかる人なんです。やから、今やっといたほうがいいっていう結論になってるはずなんですけど。
ケイ そう。"あの時やらなかったから"って思うのはイヤなんですよ! 今がんばるのか、来年も同じように辛い期間を長く過ごすか。どちらがいいかを考えたら、今がんばるってなりますよね。ただ、単独をやると決めたら早めに取りかかりたくなっちゃって......そうなるのもイヤなんですよぉ~!
山添 ははは! 早くネタ合わせしようってなりますもんね。
ケイ そうそう。やるって決めちゃった日からずっと、単独の本番までネタのことがちらつくから。
山添 そういった意味ではめちゃくちゃ責任感が強いんですけど、僕に「大丈夫? 大丈夫?」って投げかけてなんとか責任転嫁するところもあったりする(笑)。
ケイ 「大丈夫って言ったじゃん!」ってね。
山添 まぁ、とにかくまだ球数が少ないんで、次の単独で(賞レースへ向けての)いいネタが揃ってる状態にしたいですね。
ケイ 『THE MANZAI』が一旦終わって、『Mー1グランプリ』になって昨年経験したじゃないですか。『キングオブコント』に比べるととんでもなく予選の回数が多いので、(勝負できる)ネタを何本持ってるかが相当大事なんだなって思ったんです。特に、私たち若手は準決勝に上がりたいっていうのもあって、早めに勝負ネタを出してしまうんですよね。予選の多さだったり、いろんな可能性を考えると(勝負できる)本数が多いに越したことはないので、準決勝でやるって決めたネタと同じくらい強いネタがもう1本つくりたいなって。
山添 最低2本ですよね。3本で勝負できるのがいちばんいいですけど。

――そのためには、次の単独ライブがかなり大事になりますね。

ケイ 大事ですねぇ!『キングオブコント』もありますし、コントはこれかなって思うものがまだ見つかってないので。でも、この前打ち合わせした中に面白くなりそうなものはあったよね?
山添 あぁ、ありましたねぇ。あれでしょ?
ケイ そう、あれ(笑)。あれはちょっと面白いよね。久しぶりに設定の面白いコントです。

――楽しみです。コントのほうが先に思いつくんですか?

山添 ええ設定さえ出たら、つくるのは早いです。それは2人とも前のコンビでネタをつくってた側やったのがデカいなと思いますね。こっちの役やったらこうやったほうが面白いっていうアイデアがぞろぞろ出て来るんです。
ケイ 逆に、漫才はどっちもネタをつくる側だからこそ、時間がかかるのかもしれない。一文字が変わるとニュアンスが変わるからぶつかるんでしょうね。ただ、私は前のコンビは聞かせる部分しかなかったというか、笑わそうとする気がなかった。言いたいことをとにかく言わせてっていう感じだったけど、今は"笑ってください"っていう気持ちがあるから。今年はちょっと......ネタでいいところまで行きたいですね。
山添 この(意識の)変化は、快挙やと思います!

――確かに。コンビを組んだ頃とは違う心境が芽生えてると思うんですけど、何かきっかけがあったんですか? 今年はテレビの露出も増えて来てますけど、それも関係していますか?

ケイ そうですね。私はどうも押しが弱いところがあって。テレビとかに出させてもらっても自ら前に出ることがなかなかできないし、振られた時には100点の返しをしなきゃいけないって自分でハードルを上げてしまってるところがあるんです。『アメトーーク!』の「立ちトーーク」に出させてもらった時にめちゃくちゃ凹んで......。そのあと"できないことはできないんだ"っていう現状を受け入れたら、賞レースを獲りたいと思うようになったんです。賞レースの決勝とかに行けたら、今までは振りにくいと思っていた人に安心感を持って、「ケイちゃん、どう思う?」って振ってもらえるようになるかもしれないなって思って。
山添 やっぱり説得力が出ますからね。
ケイ 賞レースで結果を残せば、より安心感のあるキャラクターになるだろうし。尚且つ、山添も一緒に出られたらよりいいじゃないですか。
山添 今、ケイさんが(テレビに出て)コンビ名を売ってくれてる流れに乗ってね?
ケイ 最初は2人で出たとしても、私を引き立てる感じになると思うんです。けど、私が前に出られない分、山添は(前に出やすいように)引っ張ってくれるし、山添自身のキャラも......浅くて意外とプレイヤー側だっていうのがバレると......。
山添 何? バレるって。いいところが出る、でいいじゃないですか!
ケイ ふふふ。遅かれ早かれバレてくるはずなので、山添のプレイヤー的なところも活かして一緒に出ていけたらなって思ってます。......若手にオーラが見える子がいて。私たちはあんまりそういうのは信じないんですけど、その子によると山添は今、とんでもなく輝いてるらしいんですよ!
山添 僕、すごいらしいです。
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――えぇ!! 本当ですか? ますかけ線ととんでもないオーラのコンビになったと(笑)。

ケイ そう。私は天下取りの手相を持ってるって言われたことがあるんですけど、山添は眩しくて見えないくらい輝いてるらしいです!
山添 くくくくっ!
ケイ コンビ組んだばかりの頃、出雲阿国さんに生年月日で占ってもらったことがあって。「ついでに相方もいいですか?」ってお願いしてみてもらったら、3年後か4年後に「山添くんが賞レースの決勝に行く人の部屋に入る」って言われたんです。当時、コンビ結成してすぐ『THE MANZAI』の認定漫才師になって、この流れで早々に売れるぞ!くらいのテンションでいたから、"あと3年もかかるのか"って一瞬がーんとなったんですけど、それが確か今年なんですよ。そうだよね?
山添 はい、たぶんそうです。
ケイ 運気的に来てますよ、山添! 競馬こそ当たらないですけど(笑)。
山添 そこも、また違う占い師さんから僕が不幸になればなるほどコンビにとってはいいと言われたことがあって。個人の不幸はコンビのためになるし、めちゃくちゃ眩しくて見えへんし、今年決勝に行く人の運勢やし! 全てが繋がってるんじゃないかなと思ってます。
ケイ ただ、私にはなんっのオーラも見えないけどね。
山添 メガネ越しやとわからへんだけちゃう? ケイさんにいい感じで光を当てて、よりいい女に見せるライト的な存在になってるかもしれないですよ?

――ふははは! そういう、いい運気をものにしたいところですね。

山添 そうですね。それにこの3年間、コンビのことをびっしり考えてきて、やっと足並み揃った感じがしてるので、今年はめちゃくちゃ楽しみなんです。だからこそ、次の単独はより見物になると思います。
ケイ そうですね。今まで5回やった単独全部、手は抜いてないです。次の単独も手を抜かない自信があるので、ぜひ来て欲しいですね。


【相席スタート】

2016年6月 2日 (木)

「水谷千重子キーポンシャイニング歌謡祭」4公演、1万人を超える動員で完走!! キーポンシャイニング歌謡祭からの、熊本・大分への義援金も報告。

1月20日(水)、満員御礼のNHKホールで開催された「水谷千重子キーポンシャイニング歌謡祭」。5月の大阪、福岡、名古屋での追加公演も大盛況で終了し、6、7月には新たな地方公演も行う水谷千重子に、のべ1万人以上を動員した歌謡祭が終わった今の心境と、今月から始まる地方公演に向けての意気込みをお聞きしました。
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――1月のNHKホールでの公演と、5月に3カ所の追加公演の計4公演が行われましたが、それぞれ順に振り返っていただけますか?

そうですね、NHKホールはとにかく豪華なゲストの方や、これまでデュエットでジョインして歌ってくださった川中美幸ちゃん、堀内のべーやんちゃん、相川七瀬ちゃん、千重子ファミリーのメンツや春澪ちゃんも駆けつけてくれて。歌とおしゃべりであっという間の4時間っていうか、4時間もやっちゃったのか、っていう。川中美幸ちゃんがしゃべるしゃべるで(笑)。美幸ちゃん座長公演もやられてるでしょ、おしゃべりも達者だから、お客さんを楽しませてくれてありがたかったですね。そして、みなさん名曲を持っていらっしゃるので、お客さんもすごいヒートアップして、親子で楽しめるというか、30代の方が「70代の母と2人で来て、2人とも楽しめたコンサートは初めてでした」っていう感想もいただいたりしたので、世代を超えて楽しめるエンタテイメントだったんだな~って思いました。あとNHKホールっていうところが、紅白をいつも断っているにもかかわらず貸してくれた、っていう器の大きさと、お客さんも含めて、全員が一緒になってジョインした歌謡祭だったなと思います。
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――その後、少し期間があいて、5月に追加公演が行われました。

当初は考えてなかったんですけど、千重子もやってて感動したし、これを東京だけで終わらせるのはもったいないということで、急きょ3カ所追加でやろうということになりました。(NHKホールに)出てくださった方も楽しいと思ってくれたみたいで、「どこでも行くよ~!」っておっしゃってくださったので、みんな参加してくれて、新たに昔から仲のいい稲垣潤一ちゃんも出てくれて。松村雄基ちゃんは、千重子が大映ドラマが好きだったので、ぜひ参加して欲しい!て声をかけたのよ。大友康平ちゃんの『ff(フォルティシモ)』って、生で聴く機会がありそうでなかなかないので、それを聴けたのがすごい嬉しかったってお客さんに言われたり、潤一ちゃんの『クリスマスキャロルの頃には』もクリスマスといえばこの曲、っていう定番のすごくいい曲なので、本物がホントに出てきたの?みたいな感じで最初お客さんがざわついたりしつつも盛り上がって。大阪はどちらかというと若い感じの出演者だったので...と言ってもそんなに若くないけど(笑)、お客さんもすごくノリがよくって、どちらかというと笑いに特化したコンサートになったわね。
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――福岡公演は?

福岡は、熊本・大分の震災もあったばかりだったので、笑いはもちろんですけど、涙がすごく多い、感動の公演になったと思います。岩崎宏美ちゃんもすごくいい歌を歌うでしょ、スターダストレビューの根本要ちゃんも『木蘭の涙』っていう、深くてせつない歌を歌ったからかな、お客さんのすすり泣きがずっと続いていたり、1人1人の歌がみなさんの心に沁みていたようなコンサートで。麻倉未稀ちゃんが福岡から参加してくれたんですけど、未稀ちゃんのパワフルな声にみんながまたそこでウワーッってなって。相変わらず、倉と八は2人だけで楽しんでいましたけどね(笑)。それがまた面白いんだよね。2人の延々と続くやりとりを、みなさんが温かく見守ってくれてました。

――ツアーファイナルとなった名古屋公演は。

名古屋は、当初出る予定ではなかった麻倉未稀ちゃんに急きょお願いして出ていただくことになって。急きょお願いするなんて失礼なんですけど、最終日は松村雄基ちゃんと麻倉未稀ちゃんとダブルジョインがどうしてもしたくて! 最初に千重子が歌って、そのあと雄基ちゃんが登場、最後に未稀ちゃんが登場っていう二段構えの超豪華な大映ドラマメドレーを千秋楽でできたら嬉しいという話をダメもとで持ちかけたら、快くOKしてくれました。あと『スチュワーデス物語』の主題歌も歌ってもらったんだけど、お客さんのメインの世代が40~50代だから、みんなドンピシャなんだよね。そんなコラボで沸いて、秋川雅史ちゃんの歌で感動して、冠の二郎が31歳年下の人と結婚が決まったっていうのが結構旬な話題だったからさ、トークメインでダジャレなんかも言いながら、いつもの二郎節を炸裂。ラストはホントに、全部の集大成って感じで、ダブルアンコールなんかもあって、ものすごーく盛り上がりました!
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――参加されたみなさんの反応は?

「最後まで楽しかった、こんなコンサートは他にはないよ」って言ってくださって。「またコラボしたいね」とか、今後の話もしましたよ。エンディングなんて、最初の方に出たゲストは3時間も待たないといけないじゃないですか。出番が終わった時点で帰ってもいいのに、最後の挨拶まで全員居てくださる。「最後までありがとうございます」って言ったら、「自分のことを観に来てくれているお客さんも1人はいるはずだから、その1人の人を裏切りたくないから最後まで残ってるんだ」って言われて、すごいなって。千重子、いろんなことを学びました。

――印象的だったお客さんはいますか?

客席の1ブロック目の人たちって熱狂的な人が多いんですけど、でもそれがほぼ60~70代のおばちゃんなんですよ。そのパワーはすごいなと思って。やっぱり、ふだんの生活からちょっと変わった世界に行って楽しみたいっていう願望が強いんだと思うんですよね。普段の生活が刺激が足りないというわけでもないかもしれないですけど、綾小路きみまろちゃんがすごく人気出るのがわかるな、って。とにかくストレス発散したいし、笑いたいし、感動したいんだなぁと思って。だから一言一言爆笑してくれるし、歌でもハンカチで目を押さえながら聴いて下さってるし。そのパワーにはすごくビックリしましたね。

――この歌謡祭、1回で終わるのはもったいないですね。

そうですね。形を変えて、たとえば、会場を小さくしてじっくり高橋真梨子ちゃんと千重子とか。1人のゲストを呼んで、歌はもちろんトークもして!みたいな構成もいいなぁと思ったりします。

――キーポンシャイニング歌謡祭って、どちらかというと笑いに寄ったコンサートのイメージがあったんですが、歌と笑いがバランスよく同居しているような感じだったんですね。

そうですね。今回、演出も力を入れてやっていただいて、演奏も生バンドでやれたので歌ってて気持ちよかったですし、お客さんも、グッズのペンライトを買ってくれたり、うちわを作ってきてコンサート中に振って下さったり、全員が一体となってのコンサート、っていう感じで。幕が上がる瞬間にワーッと千重子コールになったりして、やってて毎回涙が出ました。

――ちなみに、倉さんと八さんは全公演に出演なさってますが、お2人についてはどんな思いを持たれていますか?

やっぱり千重子がいないと仕事がない2人なので、「あんたたち、いい経験できてよかったね」ってことと、でもホントにいいヤツらで、どんなときでも千重子の応援に駆けつけてくれるから、そこは感謝してますってところかな。そうそう、今度この2人で、7月にルミネでショーをやるらしくて。

――倉さんと八さんがですか!?

「2人でホントに大丈夫なの!?」って言ったら「千重子の力を借りずに僕たちでやってみたいんだ」みたいなことを言ってたので、「2人にまかせたからがんばってきなさい」って送り出したんですけど。お客さんの前でどれだけスベっても手応えを感じる幸せな2人なんで、どこに行っても大丈夫だろうと思います(笑)。

――今回のコンサートで募金と収益の一部を寄付されたそうですね。

お客さんを見ていて思ったんですけど、歌で救われたり、エンタテイメントで救われる方って実際いるんだなっていうのをコンサートをやってきて感じたんですね。なので、そういう被災地の方や、落ち込まれてる方に、少しでも元気になって頂いたり、楽しんで頂けたらなと思って。今回、熊本からコンサートを見に来てくださった方もいたんですよ。そういうお話も聞いていて、少しでもお役に立ちたいなって。私とゲストの皆さん、そしてスタッフの皆さんからの寄付と、あとは各会場に募金箱を設置して、みなさんのお気持ちをという形でやらせていただきました。
(※水谷千重子キーポンシャイニング歌謡祭からの寄付に関しましては、インタビュー記事の最終部分に記載させて頂いております)

――6月、7月には地方公演(大分、佐賀、滋賀、福井)が控えています。

基本的に千重子1人でオリジナル曲とカバー曲と、あとは地元の伝統芸能を披露してもらって、こちらがお礼で越後前舞踊っていう豆冨を持った踊りを披露するっていう感じで。地元のお祭りとか踊りって、結構ユニークなものが多かったりするんですよね。あとは"千重子キッズ"って言って、千重子が踊ってる後ろで子どもたちが踊ってくれるんですけど、それはそれぞれ地元の子どもたちにやってもらおうと思っていて。歌とおしゃべりと地元の皆さんと触れ合ってのコンサートになります。佐賀公演は、仲のいい佐賀出身の演歌歌手の西方裕之ちゃんが、特別ゲストで駆けつけてくれます。

――注目なのが福井公演。こちらは水谷さんの凱旋公演ですね!

そうなのよ(笑)。これは今から気持ちをちゃんと整えていかないといけないんですけど(笑)。福井の方がどういう感じで迎えてくれるのか...。なにかちょっと変わったことできたらいいと思うんですけどね。話は変わるけど、今回、普段あまり行かないところというので公演場所を選んだんですよね。宮崎に行ったときに思ったんですけど、宮崎も言ってみればあんまり主要都市には数えられないじゃないですか。けどそういうところの方がCMが流れると町中の人が知って下さるんですよね。だから、たくさんのお客さんが来てくれてすごく盛り上がるんです! それはありがたいなと思いました。

――では最後に、地方公演への意気込みをお願いします。

千重子自身のオリジナル曲も知らぬ間に増えていき、いろんな名曲のカバーもだいぶ増えてきている中、実際コンサートをいくつか経験して「ノドが開いてきてるな」っていうのをすごく実感したんですよ(笑)。だから、体調だけは整えて、本当にみなさんに満足してもらえるような歌が歌えたらいいなと思いますし、あとはやっぱり、お客さんが「千重子さんのおしゃべりが楽しい」って言ってくださるのが嬉しいので、そこも結構盛りだくさんにしながら、お客さんともジョインできたらなぁなんて。特に福井なんかは全員で作りあげていくコンサートなので、自ら「楽しもう!」って思って来てくれたらなと思います。そうするともっと楽しくなること間違いなし! 「千重ちゃんの50年間、応援してきましたよ!」っていう気持ちを忘れずに来てください(笑)。

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※今回の水谷千重子キーポンシャイニング歌謡祭の収益の中から、水谷千重子(友近)、ゲストアーティストの方々、スタッフ一同より、1,724,000円。
また、大阪、福岡、名古屋の会場で募らせて頂きましたお客様からの募金、157,502円。
上記を、5月31日に「熊本地震義援金」、「平成28年4月地震大分県被災者義援金」へ寄付させて頂きました事をご報告させて頂きます。
被災地の一日も早い復旧と、被災された皆様が平穏な日々を取り戻せるようお祈りいたします。



【水谷千重子】【友近】

2016年6月 1日 (水)

テンダラーが東京初開催となる『THE 舶来寄席 2016』をナビゲート!「世界のすごいパフォーマンスと吉本新喜劇が楽しめる、すごくお得なイベント」とPR!!

6月5日(日)まで大阪・なんばグランド花月にて絶賛公演中の『THE 舶来寄席 2016 OSAKA』。世界の第一線で活躍している一流のパフォーマー、そして吉本新喜劇が楽しめるイベントとして、2014年から開催されてきました。

第4回目を迎える今年、『THE 舶来寄席 2016 TOKYO』として、いよいよ東京初開催! 6月9日(木)から12日(日)まで東京・グローブ座にて上演されます。今回は、よしもとクリエイティブエージェンシーとNHKグローバルメディアサービスとがタッグを組み、英語・日本語字幕を会場で表示する回も新設されています。
チケットの売れ行きは好評だという『THE 舶来寄席 2016 TOKYO』ですが、一体どんなことをやるの?と思っている方も多いはず。そこで、第1回目から本公演のMCを務めているテンダラーに、本公演の見どころを伺いました。
インタビューでは、パフォーマーと積極的にコミュニケーションを図っている2人ならではの面白いエピソードも。こちらを読めば、『THE 舶来寄席 2016 TOKYO』に観たくなること間違いなしです!

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(向かって左:白川悟実/右:浜本広晃

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――テンダラーさんは昨年の『THE 舶来寄席』から全公演のMCを担当されているんですよね。

浜本 第1回、第2回が日替わりMCでそのときもやってたんですけど、昨年からMCを固定したいということになったみたいで。仕事終わりに、劇場の支配人に待ち伏せされて断れず(笑)。
白川 直々に言われたらなぁ? やるしかないですよ。
浜本 やから、第1回から世界のパフォーマンスを観させてもろうてるんですけど、すごくいいイベントやなと思いました。
白川 お客さんはここまで本格的やと思ってなかったみたいで、驚きながらも「面白かった」と言う人が多かったですね。
浜本 ほんまにすごい。せっかくMCさせてもろうてるんで、最初は(パフォーマーから)盗めるものがあれば盗もうと思ってましたけど、まったくできませんでした。技がすご過ぎて!
白川 あんなんできる訳がないと思うくらい、ほんまにすごいんですよ。

――じゃあ、最初に観られたときは、初見のお客様と同じように驚かれたんですね。

浜本 そうですね。世界のパフォーマーもそうなんですけど、昨年は日本を代表して猿回しをやった方がいらっしゃって、感動しました。
白川 あれはほんまにすごかった! 猿回しと聞いて想像するものってテレビのコメディっぽいものや思うんですけど、もっと感動する芸やというか。猿と回し役の方との信頼関係を感じたりして、日本にもすごいパフォーマンスする方がいっぱいいらっしゃるねんなと実感しました。
浜本 俺、昨年いちばん感動したんは、猿回しかもしれん。
白川 わかる、わかる。ほんまにすごかったもんな。

――そんな『THE 舶来寄席』が、ついに東京で初めて開催されます。

浜本 流れとしては吉本新喜劇をまず観ていただいて、そのあと世界のパフォーマンスを観ていただくんですけど、笑ったあとに驚けるっていうかなりお得なイベントですよ。
白川 ほんまにいろんなことが楽しめるので、お得です。
浜本 僕らはMCとして場繫ぎする役目なので、東京公演でも間延びせんように皆さんに気持ちよくパフォーマンスしていただけるようにしていきたいなと。ただ、せっかくの東京なんで、何かプチパフォーマンスができたらとは思ってんですよ。

――え、本当ですか?

浜本 まぁ、パフォーマーの皆さんのすごい技の合間にやる訳ですから、ほんまにやるとなったらねぇ? 第三者の目で精査してもらわんと。第三者の目でね? 第三者ですよ。
白川 (笑)何回言うねんっていうヤツですよ、これ。誰呼んで来るねん、第三者ってねぇ?

――話題のワードを盛り込んでくださって、ありがとうございます(笑)。大阪では公演まっただ中ですけれど、オススメのパフォーマーはいらっしゃいますか?

浜本 個人的にはコントーション(軟体)のプリンセス エイレーンさん。今まで来た女性パフォーマーのなかでいちばんチャーミング。べっぴんさんでフレンドリーで。
白川 可愛いっすねぇ! そう言いたいくらい、他はドライな方が多いんですよ(笑)。
浜本 もちろんパフォーマンスもすごい! 23歳の女性なんですけど、本公演のトリですからね。最後には決まるか決まらへんかわからない大技もあるんで、楽しみにしていてほしいですね。みなさんオススメなんですけど、プレート・ジャグリング・コメディのデビッド・バーレットさんもすごい。皿回しって聞くと単純なものを思い浮かべると思うんですけど、家族で楽しめるパフォーマンスというか。
白川 うん。まさにコメディですね。
浜本 スクリーン マジックのジャン・ガリンさんもすごい。観終わったら、きっとぜんじろうさんにやって欲しい!と思うはずです。
白川 確かにぜんじろうさん、スクリーンで漫才やってたけど!(笑)
浜本 フランスと日本の融合、観てみたいわ。あと、サンドアートのディディ・ロダンさんもすごいですよ。
白川 砂だけで表現する方なんですけど。
浜本 世界各国の有名なストーリーを砂絵にするんですけど、今回は日本ならではのある物語を表現してくれます。これ、ええよなぁ?
白川 感動しますね。コメディ・パントマイムをやる2人組のメン イン コートも面白い。アメリカのザ・コメディ!っていう感じでね。
浜本 2人ともすごくひょうきんなんですよ。「How old are you?」って訊いたら、「Six!」って言われて。あぁ、面白い、面白い。で、本当の年齢は?って訊いたら「Seven!」って。そうなると、次はEightって言うんやろうなと思いながらもう1回訊いたら「Eight」って。もうええわ!(笑)
白川 ははは! ビーチマジックもすごいですよ。
浜本 これも想像がつかないと思うんですけど、ビーチをテーマとしたマジックで。
白川 ステージを海岸っぽく見せながら、海で不思議なことが起こるっていう演出なんです。面白いですよ。

――どのパフォーマンスもすごく面白そうですね。一方、吉本新喜劇がどうなりそうですか?

白川 東京の吉本新喜劇メンバーも入ると訊いてるので、大阪公演とは違うものになるかもしれないですよね。
浜本 エグスプロージョンとISSOPさんが来られるということは、間違いなく踊るでしょう? おそらくですけど、エンターテイメントっぽい新喜劇になるのかなと。普段よりさらに盛り上がりそうですね。

――ダンスが盛り込まれた吉本新喜劇を観ていたら、テンダラーさんも踊りたくなるのでは?

浜本 もしかしたら、袖で踊ってるかもわかりませんね。
白川 嘘つけ!(笑)
浜本 手とか見切れちゃうかもしれないんで、舞台袖にも注目してもらえれば。
白川 いや、邪魔やわ。そこは舞台に集中してください!

――(笑)テンダラーさんはロサンゼルスでオール英語漫才の単独ライブをやられましたけど、世界のパフォーマーの方々にどういう印象を持たれていますか?

浜本 楽しそうですよね、皆さん。「このあと、どこ行くの?」って訊いたら、「次はギリシャ行くよ」とか「中国だよ」とか答えてくれるので、ほんまに世界中回ってるんやなって驚きます。それはそれで面白そうというか、いろんな国でやる度にエピソードがどんどんできそうじゃないですか。そういう話のネタをつくる意味で、一緒に回りたいなと思いますよね。ただその場合、よしもとに絶対的な給料の保証をしといてもらわんと行かれへんけど。むちゃくちゃ分厚い契約書を交わしとかな。なぁ?
白川 うん。帰って来て知らんフリされたら、終わりやからな(笑)。

――テンダラーさんなら大丈夫だと思いますが(笑)、パフォーマーの方々とは積極的にコミュニケーションを取られてるんですね。

浜本 愛想がいい人もいれば、淡々としてる人もいるので、その人に合わせてですけどね。一昨年かな? ゴルフしに行った人もいましたよ。舞台袖でゴルフのスウィングをしてたら、ドイツ人の2人組の1人に「ゴルフ好きなの? 僕も好きだから、日本でも行きたいな。一緒に行こうよ」って言われて。「あぁ、行こう、行こう」て返事したら、次の日の僕のところへ来て「いつ行く?」って(笑)。正直なところ社交辞令で言うたんで、「あぁ、オッケー。スケジュール観とくね」って伝えたんです。そうしたら、その次の日に「スケジュール観た?」って訊かれて......これは絶対行かなあかんぞってなって。
白川 ははは! 軽く言うてたら結局行くことになったんやな。
浜本 しゃあないから、一緒に行ったんですよ。その方、紳士やったんですけど。
白川 顔も男前やったよな。
浜本 そう。なのに、(プレー中は)OB連発で叫んでるから怖くて。しかも、終わってシャワー浴びてたら「着替えの下着がない」って言い出したんですよ。で、僕のをあげて。
白川 ふふふふ......この話、なんやねん。なんでパンツあげなあかんねん!
浜本 いや、ぼっとぼとのパンツ履こうとしてたから「あげるわぁ」って(笑)。
白川 用意しとけよ、ほんまに!

――ははは! すごい体験ですね。白川さんはどうですか?

白川 僕は誰とも行ってないです(笑)。できるだけ喋ろうとはするんですけど、むずいっすね。簡単な英会話でワンラリーはいけますけど、難しい会話になると愛想笑いしかできなくなって。
浜本 難しいですよね、英会話って。だから、ジェスチャーでコミュニケーション取ることが多いんけど、ゴルフのときはOBしたときのフォロー(する言葉)の引き出しがないやんか。
白川 ほんまやなぁ。なんて言うやらええんやろう?
浜本 そうやろ? 日本人なら、日本語でなんぼでもフォローできるけど難しかったわ。

――先ほど一緒に世界を回ってみたいとのお話も出てましたけど、漫才もパフォーマンスの1つだと思います。ロサンゼルス公演もやられてますけど、もっと世界で漫才してみたいとは思いませんか?

浜本 もちろんやってみたいですよ。アメリカで単独ライブをやったとき、現地の方々がちゃんと漫才のかたちで笑ってくれたんです。いわゆる"かぶせ"とか、ボケて5分後に同じボケをして「さっきのヤツやがな!」っていうのもウケた。自分達のかたち、例えば『必殺仕事人』のようにメロディを口ずさみながらボケていく漫才は通じやすいんじゃないかと思ってたんですけど。
白川 動きも多いですしね。
浜本 『ミッション・イン・ポッシブル』の曲を口ずさみながらスパイの動きをやったら、わかりやすかったみたいで笑ってくれました。有名な誰もが知ってる曲があったら、ほかの国でもできそうですよね。ただ、外国の方は漫才の見方がわからない場合があるんですよ。例えば、「俺、医者になりたかったんよ」「医者ってむずかしいよ?」
白川 「ほんま?」
浜本 「(コントに入って)あぁ、ここか。有名なお医者さんがおるとこは。入ってみよう」「はい、次の方ー」っていうやりとりで、今すっと観られたでしょう?

――はい、観られます。

浜本 外国の方は戸惑うんです。
白川 え、医者なの?ってなるというか。ミニコントがわからないんですよ。
浜本 路上ライブをやったときは、現地のカップルにまず「どこから来たの?」って話しかけて。「付き合って長いの? 僕の英語は聞き取れてる? 大丈夫?」って訊きながら、「実は日本で英語を勉強して来たんですよ。僕が先生、彼が生徒。レッツ・スタート」って見せるとね?
白川 うん。そうしたら、わかってもらえましたね。
浜本 客いじりも大事でした。アメリカのお客さんって、せっかくお金を払って観に来たんだから一緒に楽しみたいっていう人が多いんですよ。

――じゃあ、世界のパフォーマーの方々は大人しく観ている日本人に戸惑うかもしれないですね。

浜本 そうみたいですね。海外では技が決まった瞬間、「ヒュー! ブラボー!」って声援があるらしいんです。でも、日本人は拍手が精一杯じゃないですか。やから、僕らはMCとして「みんなで盛り上がっていきましょう!」と盛り上げて、東京公演でもなんとか軽く「フー!」って言ってくれるような雰囲気をつくっていきたいですね。
白川 そういう空気ができれば、お客さんも声援をおくりやすいでしょうし。
浜本 そうそう。だから、海外に来たような雰囲気で楽しんでもらえたら嬉しいですね。


【テンダラー】

2016年5月31日 (火)

第3回おきなわ新喜劇ツアー、「世界のヤッケームン大会」開催決定! プロデューサー兼座長のガレッジセール・ゴリにインタビュー!

吉本新喜劇と沖縄の方言・音楽・風習がチャンプルーした、沖縄独特の文化・歴史を「笑いながら学べる」エンタテインメントショー・おきなわ新喜劇。2014年に第1回全国ツアーを実施し、過去2回で計15,000名を動員する人気公演の第3回ツアー「世界のヤッケームン大会」が満を持して決定! 今回はどんな沖縄の文化を題材に笑わせてくれるのか、おきなわ新喜劇のプロデューサーであり、座長でもあるガレッジセール・ゴリに直撃しました!
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――「ヤッケームン」というのは"厄介者""面倒な人"という意味だそうですが、今回のタイトル「世界のヤッケームン大会」とはどういう意味ですか?

だいたい5年に一度、世界中に散らばった沖縄移民が沖縄に集まるという、沖縄県としてはとても大きな、世界のウチナーンチュを巻き込んだお祭りがあるんですけど、それが「世界のウチナーンチュ大会」っていうお祭りなんです。ブラジルがいちばん沖縄移民が多いんですけど、他にもアルゼンチン、ペルー、ボリビア、メキシコ、ハワイ......。台湾や香港などのアジアも多いし、本当にものすごい数の沖縄の人たちが世界中に行ってるんですね。今はもう日系4世、5世までいってると思うんですけど、そういう人たちが元々私たちの血のルーツは沖縄だってことで、絆を確かめ合うために世界中から集まるっていう、すごい素敵な祭で。そこで世界中の文化を披露したり、逆に世界に行っても沖縄の民謡や三線を忘れずに学び続けていて、海外でやっている沖縄の伝統芸能を紹介し合ったりするんですけど、今年がそのお祭りの年なので、今回はまさにその祭を題材に、あるホテルに世界中のウチナーンチュが集まって珍騒動が起こるというお話にしようと。ちなみに僕はゴリデジャネイロっていう、ブラジルの日系3世の役を演じます。

――なるほど。ツアーでは毎回ゲストが登場しますが、今回もゲストの予定はあるのでしょうか。過去2回では具志堅用高さんが印象的でしたが......。

今回もゲストは登場予定なんですけど、具志堅さんはどうかなぁ......。スケジュールがあいていれば出てくれると思うんですけど。毎回出ていただくと、僕らも具志堅さん頼みになっちゃうので(笑)。沖縄で芸能をされてる方はたくさんいらっしゃるので、チャンピオンには甘えず、いろんな方を呼んで、「おきなわ新喜劇」という場所が沖縄から東京に巣立っていった人たちのウチナーンチュ大会になればいいなと思います。
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――レギュラーの「おきなわ新喜劇」は、週一でやられてるんですよね。

そうですね。毎週日曜日、日帰りで。朝行って、3回公演やって、最終の飛行機で帰ってきます。

――たまにはのんびりしたいなんて思いませんか?

これだけ毎週通ってたら、のんびりしたいとかもないですね。でもこの前、26年ぶりに高校時代のサッカー部のみんなで集まって、サッカーしました。みんなの足の動かなさにゲラゲラ笑いましたね(笑)。そのメンバーを端っこから説明するなら『デブ、デブ、ハゲ、デブハゲ、ハゲ』とか、だいたいそんな感じですよ。

――じゃあ、その中ではゴリさん、変わってない方じゃないですか?

だいぶ変わってない方ですね。しかも、"白髪を染めてない"という事実を知ったときのみんなの動揺っぷりがすごかったです。僕ちょこっとしかないんですよ、白髪が。それが衝撃だったみたいで。

――人に見られる仕事だから若々しくいられるのかもしれないですね。ところで、「おきなわ新喜劇」独特の空気感ってあるんですか?

沖縄にいる時点で、お客さんも楽しいんですよね。観光客の方も多いんで。地元の人は地元の人で、のほほ~んとしている人が多いので。ある意味厳しい目で見てくれないっていうか、はなから楽しもうと思って見てくれてるんで、こっちもリラックスしてできるんですよね。でも東京だと関係者とかプロも来るじゃないですか。そうなると「あ、ガレッジこのレベルか」とか、すごく審査されてるみたいな気持ちになって緊張するんですよね。東京のお客さんも、笑いに肥えてたりすると「この前の若手の単独の方が面白かった」とか比べられたらどうしよう、とか。なんかねぇ、ピリッとするんですよ(笑)。

――なるほど(笑)。

大阪なんてもっとです。笑いに厳しい面があるので。向こうは本場というか、「よしもと新喜劇」がありますし、僕らなんて二番煎じじゃないですか、沖縄で新喜劇をやってるなんて。だから「どないやねん、実力。見たるさかいに~」みたいな(笑)。だから、大阪公演の一発目のボケでウケたりすると、ホントに急に緊張が解けます。「大丈夫だ! ウケる!」って。

――プレッシャーから解放されるんですね。

今回、東京公演はルミネでやるので、「東京の本拠地だから絶対に成功させなきゃ」とか「絶対に満員にしなきゃ」みたいな、そういう気持ちもあったりしますね。
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――客層はどんな感じなんでしょうか。

「おきなわ新喜劇」ではお客さんの顔が見えるんですけど、毎回面白いくらいに家族感が出るんですよね。お父さん、お母さん、子どもたちにおじいちゃんおばあちゃんみたいな。サザエさん一家みたいな人たちがあちこちに見えて、ホッとします。あったかい感じですね。それはたぶん、おきなわ新喜劇自体のノリや空気があったかいからだと思います。

――新喜劇メンバーの中では、内間さんがムードメーカーな気がします。

そうですね、誰からも好かれるキャラクターですし。でも内間は酒臭くない日がない。毎朝酒臭いです。人を「酒を呑む人」と「酒に呑まれる人」の2種類に分けるとしたら、完全に「呑まれる人」の方ですね(笑)。だいたい朝来るの早いんですけど、それは真面目だから早いんじゃなくて、遅刻したらヤバいからって早めに来て、楽屋でずっと寝てるんです。

――(笑)。ちなみに、ゴリさんがいちばん「ヤッケームン」だな、と思う人はどんな人ですか?

新喜劇メンバーの中でいうと、けんたくんとありんくりんの比嘉竜太ですね。新喜劇で胸ぐらをつかんで洋服をビリビリと引き裂いたら、お客さんが「キャーッ!」って悲鳴を上げるくらいのものすごい胸毛が見えるっていう定番のくだりがあって、その2人をいつも胸毛腹毛でいじるんですよ。「沖縄のもずくってここで養殖されてたんだ~!」みたいな。そういうネタがあるんですけど、つい最近この2人に彼女ができて。そしたら急にわりと真面目なトーンで「彼女ができたんで、あんまり舞台の上で胸毛出すとか......、やりたくないです」って言うんで、「おまえ、カッコつけようとしてんじゃねーよ、芸人のくせに!」って注意しました(笑)。芸人なのに、彼女ができると「面白い」から「カッコいい」になろうとするんで、それはヤッケームンですね。だから、この「世界のヤッケームン大会」では、この2人を絶対に裸にします!

――(笑)。そんなことを言ってしまったがために。

そう(笑)。あとはやっぱ内間が酒臭いっていうのが。リハーサルがすごいツラいんですよ、口が臭くて。もう口が泡盛の醸造所みたいになってます。

――「おきなわ新喜劇」ができて3年目ですが、今後はどう成長していきたいですか?

ラスベガスとかのいわゆる世界の大きな観光地って、夜は定番のショーがあったりするじゃないですか。マジックショーだったり、サルティンバンコ的なショーだったり。やっぱ南国って、夜は食事とお酒と一緒に華やかなショーをゆったり見るっていうのが僕は必要だと思っているので、最終的には沖縄にそういった劇場を作りたいですね。それを、大阪のNGKが観光コースの一部に組み込まれているように、観光の定番コースになるといいなと思うし、1年365日、毎日4~5人の座長がチームを作って1日3回公演を回すような観光の定番になりたいです。大阪は1年365日、ほとんど満席なんですよ。興行的には大成功してる。だからそれを沖縄に持ってきたいんです。沖縄に行ったら誰もが行く、"夜のちゅら海水族館"にしたいんです。そのためには、クオリティと、演者それぞれのスキルを上げなきゃいけないんで、今一生懸命みんなで切磋琢磨している最中ですね。みんなが成長してそれぞれが座長になったらすごく嬉しいですし、そうなったらちょっとは沖縄に恩返しできたかなって思ってホッとするような気がします。

――では最後に、これから観に来ようと思っている人にメッセージをお願いします。

沖縄芸人の若い子たちが、どんどんキャラクターや持ちネタができてきているので、そういった部分も楽しみにしてほしいなと思いますし、あとやっぱりみんな、いろいろと疲れてると思うんで、笑いを見るということプラス、沖縄のゆったりした空気を感じることによって、日頃の疲れを癒してもらえたらなって思いますね。ほっこりしながら腹を抱えて笑って、ストレス発散して帰っていただけたら嬉しいです。
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●おきなわ新喜劇公式HP http://okinawa-shinkigeki.com/


【ガレッジセール】【ゴリ】

2016年5月28日 (土)

『シンシアリー・ユアーズ ― 親愛なるあなたの 大宮エリーより』開催~大宮エリー インタビュー

本日5月28日(土)より青森県「十和田現代美術館」にて、脚本家、CM ディレクター、映画監督、エッセイスト、コピーライター、ラジオパーソナリティなど多彩な活動で才能を発揮する大宮エリーが、"画家"として美術館での初個展『シンシアリー・ユアーズ ― 親愛なるあなたの 大宮エリーより』〈2016年9月25日(日)まで〉を開催。
2012 年に行ったライブペインティングをきっかけに絵画制作に本格的に取り組み、2015 年には絵画による個展を開催し、初の画集を出版。伸びやかで、天性のバイブレーションみなぎる作品は、物語性を感じさせ、見る者の感情に訴えかけると高い評価が。本展では、代表的な絵画作品、ドローイングを展示するとともに、ハープとギターのディオユニットTico moonとのライブペインティングなどイベントも開催。また、十和田市内の商店街とのコラボにより「大宮エリーの商店街美術館」も同時開催します。その見どころを、ご本人にうかがいました。
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――大宮さんは、脚本に映像に演出にと様々なことをされていますが、絵を描くきっかけとなったのは?
2012年にPARCO MUSEUMさんから、「いろんなことをされていますが、アートはまだなのでPARCOとやりませんか」と展覧会のお話をいただきまして。コミュニケーションに悩んでいる人が多いということと、震災があって心の問題がクローズアップされている時期でもあったので、自分の気持ちを外に出すためにはどうしたらいいかという展覧会(「思いを伝えるということ」展/2012年 PARCO MUSEUMほか)をやりました。具体的には、"心の箱"という白い箱をいっぱい作って、手を突っ込むとチクッとしたりザラザラしたり、でも後ろに回ると透明になっていて中身はタワシや茶碗で...というもの。心に触れるということ。それが怖いわけですよ。見えないから。でも、見えちゃえば割とシンプルなんですよね。"立ちはだかるドア"は、ドアがいっぱいあって、散らばったカギの中から直感で一個だけ選んで鍵穴に差してもらう。「人生には乗り越えられないんじゃないかっていうドアが立ちはだかるけど、みんな必ずドアが開くカギを持たされて生まれてくる。だけど大人になるとその在りかが分からなくなっているだけですよ」という詩を書いて。カギを差すとドアが開くという仕掛けなんですけど、開いた時に人生の前に進んでいく感覚を取り戻してもらうというものですね。こうした8つのインスタレーションを作って全国を回った時に、「小山登美夫ギャラリー」の小山さんから、岡山県・直島の美術館会長の福武總一郎さんがアーティストを支援する賞を受賞されたパーティーに、インスタレーションを借りたいというお話をいただいて。その時、主催者の方から、ライブペインティングもできないかと言われて、唐突でしたが「できない」って言っちゃたら困るのかなと思って「じゃあやってみます」と。それが絵を描くことになったきっかけですね。

――それまで絵を描いた経験や、絵についての知識などはあったのですか?
ないです。そこで「聞いてませんよ」と言う人もいるかもしれないけど、「うまくその場が収まるのであれば」と思って。いざ会場に行ってみたら安藤忠雄さんや杉本博司さんなど有名なアーティストの方がいらっしゃって。ちょっと正気では描けなかったんで、ワインを飲んで絵を描いたんですけど、そうしたら会場がワーッと沸いて。"福武さんおめでとうございます"という気持ちで描いたら、福武さんが「いい絵だから欲しい」と言ってくださったんですね。気持ちが伝わったんだなと思うと、すごくうれしかったですね。そこで、ギャラリーの方が絵からお話をいただいて、絵の個展が始まりました。

――福武さんにお祝いの気持ちが伝わったように、大宮さんの絵は感情を揺さぶる作品だと思いますが、絵を描く時に心がけていることは?
絵を見た方に元気になってもらったり、ハッピーな気持ちになってもらいたいですね。たまたま仕事でパワースポットに行くことが多くて。ペレという火山の女神がいると言われるハワイ島に行った時に、そこの酋長さんに「あなたはペレに呼ばれて来たんだから、マグマが噴き出して海に落ちるポイントに行って花を投げ入れなさい」と言われたんですよ。夜中、道なき道を星を頼りに2時間かけて歩いて行って、真っ赤なマグマを、大地が生まれていく瞬間を見た時に、「地球というもの、宇宙というものに自分たちは愛されている。これはその色なんだ」と感動して。次の日に帰国してすぐに絵を描くことになったんですが、そのテーマが"愛"だったんですよ。これを描くために自分は酋長さんに会って、マグマを見たんだ、全てのことが導かれてるんだなと。みんながあのマグマを見ることはできないけど、私は絵としてそれを伝えるという役割があるのかなと思って描いたのが「A DIRECTION」です。文章も注釈もなかったのに、絵を見に来た方から「圧倒的な愛みたいなものを感じる」「熱い感じがする」「エネルギーをもらえる気がする」と言われて、やっぱり伝わるものなんだなと。絵を見せたいというよりも、自分が圧倒的なものを見て救われたり癒されたりしたもの、そのエネルギーを転写して、みんなとシェアするために絵を描いてるという感じですかね。

――「A DIRECTION」をはじめ、「燃えたぎる火山」「赤い女の子」など、大宮さんの作品は赤が印象的なものが多いですが
赤いシリーズは、全部ハワイ島の後に描いたものですね。青い海を描いたものは、沖縄・久高島に行った時に、たまたま神様の儀式があって参加することになって、かみんちゅさんがお祈りして手でこねたモチを食べたら40℃くらいの熱が出たんですね。次の日に、大阪の中之島デザインミュージアムでの個展で絵を描かなくちゃいけなかったんですけど、ふらふらになりながら絵を描いたら熱が下がったんですよ。久高島で見た海のサンゴがきれいで、サンゴを守りたいという気持ちと、見た人が海の中をたゆたうような気持ちになってくれたらいいなと思って、三線の音楽をかけながら描いたんですけど。そうしたら、個展に来てくれたお客さんが、その絵の前でバタバタと寝転がって寝始めちゃって。文章を書く仕事をずっとしてきましたが、絵には言葉にならない何かが伝わる気がしますね。絵じゃないと伝わらない波動みたいなものがあるのかな。

――絵は、これまでやってこられた文章、映像とは、また違ったものが表現できる方法であると。
ライブペインティングに関しては、いろんな地方のロックフェスで、30分くらいの尺でミュージシャンの方とコラボして絵を描くんですけど、その時に映像を撮ってきた構成力は生きてるなと思いますね。みんなの気持ちを描いていくんですけど、例えば「希望の海」は、音楽を聞いていて海が見えてきたから海を描くと、みんなの心にも海が浮かんでいるから「私もそう思ってた」という空気が広がるんですね。その後、不安な音楽になったので曇天を描く、最後は希望あふれる音楽になったから希望の虹を描く、するととみんなが泣くんですね。そういう展開っていうのは、映像をやってきたからというのはありますね。

――今回の展覧会では、Tico moonとのコラボでライブペインティングをされますが、どんなものになりそうですか?
Tico moonさんとは渋谷ヒカリエでの展覧会でもライブペインティングをやりまして、湖畔の絵と、赤いバラの絵を描いてるんですが、すごく相性が良くて。天国からの音みたいなハープとギターなんですよ。今回は初めての美術館という空間で、十和田という土地で、どういうものが描けるのか楽しみですね。

――今回、十和田での開催というのは、意味があるのですか?
たまたまですね。美術館で展覧会をやりたいとは思っていたんですが、昨年2月の展覧会に「十和田現代美術館」の副館長さんが来てくださって、絵を見て推薦してくださって。5月から9月という長い期間の個展も初めですし、今回は商店街とのコラボ企画も依頼されたので「大宮エリーの商店街美術館」も開催します。1つは、シャッター商店街の空き店舗に絵を描いて美術館にするんですが、現地入りして、十和田の空気を吸って絵を描くということをやろうと思っていて。2つ目は、商店街のシャッターに絵を描くんですが、東京からミュージシャンと呼んで、現地の子どもたちとライブペインティングをしようと思っています。それから、アーケードを虹色に変えて、アートで商店街を明るくしていく。お客さんに、美術館だけでなく商店街に来てもらって、土地のものを食べて、地元ならではのお店に行って回遊してもらう。そういうひとつ試みもありますね。

――今回の展覧会のタイトル『シンシアリー・ユアーズ』は、手紙の結びのことばでもありますが、このタイトルに込めた思い、展覧会のコンセプトは?
見に来てくれた人に、「今日は青空が本当に気持ちいいな」とか「道端に咲いている花がすごくきれいだった」とか、届けたい思いみたいなものがあって。朝早く起きちゃったから近くのパンケーキ屋さんに入ったらすごく美味しくて癒されて、その気持ちを込めたいと思ってパンケーキの絵を描いたんですね。それを見た人が「清々しい朝なんて1年に1、2回しかないけど、その1、2回しかない朝を、この絵を見ると思い出す」と言ってくれたんですよ。私が届けたかった「朝」という手紙を読んでくれた気がしたんですね。そういう絵を展示したいと思って、このタイトルにしました。どの絵も、dearからはじまり、sincerely yoursで終わります。みなさんにとっての一枚があるといいなと心から思っています。

2016年5月23日 (月)

吉本新喜劇が阪神タイガースと初のコラボ! たこ焼きソース味の「柿の種」を島田一の介&すち子がPR

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5月21日(土)、阪神タイガースのホームグラウンド・甲子園にて、海外ビールやご当地グルメ、甲子園限定メニューが味わえる「甲子園ビアフェスタ」が開催されました。吉本新喜劇 座長のすち子とシャンプーハットのこいでがゲストで出演。阪神タイガースの優勝祈願トークショーで大いに盛り上がりました。また、この日は同球団と初めてのコラボレーションした柿の種「笑っタネ」の発売日(NGKでは5月23日(月)より販売)ということもあり、すち子自らが大々的にPRしました。今回はこの模様をレポートでお届けします。
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晴天に恵まれた甲子園球場には阪神タイガースファンのみならず、当日の対戦チーム・広島カープのファンも集結。満員御礼となった球場の外周エリアでは、試合を前に大盛り上がりのファンが「甲子園ビアフェスタ」でビールやご当地グルメ、笑っタネなどに舌鼓を打ちました。

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イベントのハイライトは元阪神タイガースの投手の藪氏と、吉本新喜劇 座長のすち子、芸人のシャンプーハットのこいでが登場しトークを繰り広げた「優勝祈願トークショー」。今後の阪神についてマイクを向けられた藪氏が「今年のセ・リーグは団子レース。だから阪神の優勝もチャンスありますよ」と答え、こいでも「巨人より上をいってほしい。ということは優勝やね」とコメントすると場内からは大歓声があがりました。また阪神ファンのすち子がMCから選手の好みを聞かれると「イケメンの鳥谷が好き」と女子らしいトークで会場をわかせました。
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また、すち子は同イベントで販売していた吉本新喜劇とのコラボ柿の種「笑っタネ」もしっかりアピール。「たこ焼きソースのこってり風味がビールに合う。ぜひ食べてみて」と、飛ぶように売れていたビールとの相性のよさもしっかり伝えていました。


大いに盛り上がったイベントの後は「笑っタネ」のパッケージを飾っているすち子、島田一之介にインタビューを行いました。
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――球団とのコラボレーションの感想はいかがでしたか?

吉本新喜劇の何人かとキャラクターモデルとしてコラボさせていただいたのは新鮮でしたね。通常販売している僕らのグッズでは帽子をかぶることがないのですが、今回は球団の帽子をかぶって、かわいいユニフォームも着せていただきました。島田一之介師匠のイラストに関しては、名前が乗ってないと"どこかのコーチやろな"っていうくらいの違和感のなさはさすがですね(笑)。師匠は大の阪神ファンなのできっと喜んでいると思いますよ。

――今後の新喜劇で阪神のユニフォームを着る機会はありそうですか?

草野球チームの設定だったらあるかもしれないですね。今のところは「笑っタネ」が5月23日(月)からNGKでも販売されるので、新喜劇を観に来ていただいて、この商品を買っていただいて、甲子園にも足を運んでいただきたいですね。NGKの最寄り駅の難波駅と、甲子園駅が繋がりましたので行き来しやすくなったのもポイントだと思います。甲子園で阪神タイガースを応援してからNGKに行く。NGKで新喜劇を観てから甲子園で阪神タイガースを応援する...なんていう楽しみ方もおすすめです。このコラボレーションをきっかけに関西がもっと盛り上がるといいですよね。

続いて島田一之介にインタビューを行いました。
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――「笑っタネ」の味はいかがでしたか?

こってりとした味がクセになりますね。おいしいです。これはもうやっぱりビールですね。阪神が勝って、一緒にビールで祝杯をあげる、というね。やっぱりビールが合うと思いますが、お茶でもジュースでもいいですね。

――阪神タイガースとのコラボでお顔のイラストが載ってることについてはいかがですか?

本当に光栄ですよ。しかも若手ばかりのメンバーの中に僕を入れていただいて。僕も熱烈な阪神ファンの1人として嬉しいですね。選手と監督と一緒に飾っていただけるということはほんまに死に土産ですよ(笑)。(個包装袋でキャッチャーの面をかぶっている島田のイラストについて)このキャッチャーはね、(僕の名前がないと)「誰?」っていうくらい自然ですよ、これは(笑)。それでもやっぱり最高ですよ、嬉しいです。僕の店でも売れるようにしますわ。

――阪神戦のお供には欠かせないですね。

勝ったらもちろん嬉しいですね。負けても気晴らしに「笑っタネ」を食べてビールやね。勝っても負けてもビールのおつまみに最高ですよ。

阪神球団の担当者によると、コラボレーションの第二弾企画として、吉本新喜劇俳優の島田一の介やすち子のイラストをあしらった応援グッズを予定しているとのこと。これには島田一の介もすち子も大喜び。今後の商品化に大いに期待がかかっていました。

【すち子】【島田一の介】

2016年5月20日 (金)

文田の娘にわかる日まで、囲碁将棋が今年も90分漫才単独ライブ

囲碁将棋が、毎年恒例となったルミネtheよしもとでの単独ライブを、今年も8月15日(月)に開催。芸歴13年にかけてタイトルは「13」です。
賞レースでは常に注目を浴びている実力派漫才師ながら、ガツガツした野心の見えないマイペースな2人。

"学生ノリ"な漫才で観客を笑わせ、いつまでも少年のようですが、今や2人とも結婚し、文田は今年3月パパに。「親になったからにはだらしないのはダメ」(根建談)と、今年の単独ライブは、いつもより早いスタートダッシュを(文田が)決行。さらに"13年の集大成"とも言える90分漫才を披露するため、13本のネタ作りを始めました。

これまで囲碁将棋を応援していた人も、最近気になっている人も、囲碁将棋の漫才を13年分たっぷり楽しめる単独ライブに、ぜひ足をお運びください!



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<囲碁将棋インタビュー>


――前回の単独ライブの思い出は?

文田:いつも90分漫才をやるんですけど、本数で言うとそんなに多くないんですよ、6、7本くらい。けど前回は10、11本くらいを短めに詰めてやったので、いつもよりも眠そうなお客さんが少なかったなと。テンポがよかったですし、やってる僕らもそんなに眠くなかったです(笑)。多めに、いろんなアイデアを見てもらおうと思ったんです。「M-1グランプリ」決勝には行けなかったんですけど、今まで出た賞レースの中では一番よくできたネタかなと。
根建:僕らあんまり会社に行かず、家が近いので地元のガストでネタを作ってて。でも去年、単独の2、3日前くらいに「お前らそろそろ練習しろ」って呼ばれて行ったら、畳の部屋だったんです。さすがにこれは立って練習しろってことかなと思って、畳擦り切れるくらい練習しましたね。畳擦り切れてた気がします。
文田:僕はその部屋で横になってたらすごくダニに噛まれました。


――ここ何年か自分たちの中で漫才に対する変化はありましたか?

文田:去年くらいからもう少しカッチリしたほうがいいのかなと思って。よく言えば観客のことを考えてですけど、単純にスベり過ぎるのにもう......。
根建:そろそろね。そろそろ年齢的に。親戚とかも来てますし。
文田:親戚の前でスベりたくないですよね。
根建:そうだよね、おじいちゃんおばあちゃんとか来てくれてるのに。生きてるうちは変なことやってもね。
文田:僕ら3年目くらいから、そんなにスタイルは変わってないんですよね。ボケとツッコミがしっかりした教科書のような漫才を練習してたんですけど、あんまり向いてなかったようで。2人とも滑舌悪いし、ネタもそんなに覚えられないので、フリートークに近いというか、アイデア一発勝負でいいかなって。よく言えば3年目で決まったし、悪く言えば3年目から何も変わってない(笑)。でも、どことなくアホっぽいというか、「これ俺らがやりたいだけだな」っていうネタはちょっとやらなくなったかなと。ちょっとだけ、よそゆきを羽織ってます。
根建:最近は男性のお客さんが増えてきたのがうれしいですね。


――芸人としての目標は変わりましたか?

文田:僕は一貫してグルメレポーターを目指しています。
根建:すぐ言うよね。
文田:旅レポとか。温泉入ったりおいしいもの食べたり。そういうのをしたいというのはずっとあるので、そこはブレてないですね。けど、ラジオとかケーブルテレビとかでやらせていただいたんですが、向いてないなっていうのもわかりました。めちゃめちゃ下手なんです。
根建:僕は、将来的に文田の子どもが「お父さん漫才師なんだな」ってわかるくらいまでは漫才したいですね。今はまだ2ヶ月だからわからないと思うので。
文田:それで思春期くらいになって、なんかちょっと嫌なこと言われたら俺めっちゃ凹むと思うんですよね。「お父さん売れてないよね」って。
根建:でもまあ売れてる売れてないに関わらず、「私のお父さん漫才師なんだ」ってわかるくらいまでは漫才してたいなって思います。
文田:「漫才師なんだ!」から「漫才師なんだ...」に下がる瞬間をほんと見たくない......。
根建:子どもができたからには、そんなだらしないのはダメですよ。極力やっぱりうんことかは言わない。子どもできたしお父さんだし。


――お子さんが単独ライブを観に来る時がくるわけですね。

文田:そもそも10代くらいのお客さんも置いていくタイプのネタをやってるので、そこはお父さんがなんか言ってて、周りの人が笑ってるなっていうその空気だけ感じてもらえたら。
根建:僕は謎のおじさんでずっといたい。あの人は何者なんですかみたいな感じで。今後一切会うつもりもないですし、空想上の人って感じでいこうかなと。
文田:僕の周りの人が「根建くんって大丈夫なの」って心配するんですよ、うちの親もそうだし嫁も「大丈夫なの」って。だから娘にも言って欲しいですね。
根建:いい人か悪い人かもわかんないくらいの。
文田:何かしら影響を与えたいですね。
根建:今回見れないこともないですからね。
文田:まだ2カ月だからわかないしね。やっぱり単独ライブってほかのお客さんがたくさん観に来てて 、後ろで子ども泣かれて、「いやお前のこども
かい!」ってなったらなんか嫌じゃないですか。
根建:泣くのは絶対違うからね。
文田:しょうがないよ。子どもは絶対泣くもん。


――今回の単独に向けて準備は始めていますか?

文田:いつもより早くて、もうネタは作り出してます。今回タイトルを「13」にしたのは、13年目というのもあるんですけど、13年やってきた中で、1年目から今までやってきたいろんなタイプのネタを振り返られるものを作りたいなって思って。新しいことを探すのも大事ですけど、昔やってたことのほうがよかったのかなってこともあるかもしれないじゃないですか。でも、結果的に10本くらいだったら、作れなかったんだなって思ってください。
根建:それはそれでしょうがないよね。
文田:僕らって、 テーマを出したときに、ボツになりにくいコンビでもあるんですよ、「これやめよう」ってならない。だから13本は出せるは出せるかなとは思ってます。、最近興味持ってくれた人が、こんなタイプのやつもあるんだって思ってくれて、でも昔から来てる人は「あ、懐かしい」みたいなやつができたらなと。


――どのような単独にしたいですか?

文田:いつもそう思ってやってますけど、一番いい単独になると思います。
根建:あと僕の親父がでかいので2席使っちゃうかもしれないですけど。
文田:でもルミネは肘掛けがあるから2席使えないから今回は大丈夫です。どこでも来るんですよ、「M-1グランプリの準決勝でも最前列の席取ってる。
根建:弟も芸人なんですが、トークライブで客3人と親父だったそうです。ちなみに弟も単独に来ると思うんですけど、そのときは芸人の後輩として接します。若貴の関係と一緒です。芸人のときは兄弟っていうのは捨ててますから。あと、文田の娘の泣き声が邪魔になったらスミマセン。
文田:「泣いてたら出ろ」っていうのはうまくイジって。
根建:いいね。
文田:「子どもが泣いてるっていうよりもね、親がバカなんだよ」って。
根建:「お前だよ」って(笑)。
文田:いやその前に呼びたくないよ。


【囲碁将棋】

2016年4月14日 (木)

占い芸人・アポロン山崎が初の手相占い本『てのひらをアポロンに透かしてみれば』をリリース!

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4月15日(金)、占い芸人・アポロン山崎の初の手相占い本『てのひらをアポロンに透かしてみれば』(ぴあ)が発売になります。手相の基本的な見方から始まり、恋愛・結婚、仕事・性格、健康、金運のジャンルに分け、アポロン山崎が82の手相を厳選。線の説明や、手相の持ち主の特徴、適性などを分かりやすく解説した文章に加えて、その手相に合った"開運ソング"もご紹介! 「この手相の持ち主は、この曲を聴くと運気アップ!」と、様々な楽曲をご紹介しています。2016年の目標に「本を出すこと」と掲げていたアポロン山崎。早速夢が叶った今、初の著作についてインタビューしました!

--『てのひらをアポロンに透かしてみれば』ですが、一番のポイントはどこでしょう?

線に関しては、手相を勉強したいという人にも、手相本を初めて手に取るという人にも分かりやすく書いています。それとポイントは、やっぱり手相に合った開運ソングですね! 応援歌というか、"あなたに合うこの曲を聴いて、今後に生かしてほしい"と思って選んで、いろいろ紹介しています。

--選曲はいかがでしたか?

70曲ぐらい用意したのでかなり聴き込みました。

※"開運ソング"が該当しない手相には3つの"開運キーワード"をご紹介しています。

--どんな感じで探されたんですか?

電車の中とかでひたすら聴いて。"この歌詞と手相が合うな"とか、"こういう考え方の人にはこの曲がいいな"とか、とにかく聴き倒しました(笑)。

--その中でもどんぴしゃなものはありますか?

最初に僕が手相と歌を掛け合わせたいなと思ったのが、マスカケ線なんです。マスカケ線の持ち主は波乱万丈な人生を送る人が多くて。職業では、芸能人、自営業とか。逆に、大変になると分かっているから公務員を選ぶ人もいます。大変な人生を送ることが多いので、2パターンのマスカケ線のところで『栄光の架け橋』(ゆず)と『終わりなき旅』(Mr.Children)をご紹介しました。これからも頑張っていってほしいという思いでこの手相×開運ソングの試みが始まったんです。その他の手相も、直球で応援してくれている歌を選んでいます! その人に合った考え方で、頑張ってもらえるように。今後、しんどいことがあったときも"あの曲をちょっと聴いてみよう"って聴いてもらって、それからまた頑張ってもらえる内容になっています。ちなみに僕もマスカケ線です! 

--そんなアポロン山崎さんについてお聞きします。アポロンさんは有名な占い師、"新宿の母"こと栗原すみ子さんに偶然、占ってもらったとき「吉本興業に入りなさい。あなたが活躍している姿が見える」とのアドバイスを受けて、芸能界に入られたと。でも元からこの世界への憧れがあったそうですね。

昔から芸能界でやってみたいなと思っていたんですけど、バラエティ番組とかを見すぎていたのか「月500円の収入なんです」って聞いたりすると、「そんな生活できへんやろう」って思ってたんです。それから社会人になって、何かを犠牲にしたら夢を叶える可能性はあるのかなと思い始めて。栗原さんに占ってもらったときは既に社会人として働いていましたが、自分らしくやるときもあってもいいのかなと思って、動き出したという感じです。

--占いはNSCに入ってからなんですか?

占い自体は、NSCに入る前から学んでいました。栗原さんに占ってもらったのが今から10年くらい前。占いを始めたのが今から7、8年前です。で、NSCに入学して――同期にコロコロチキチキペッパーズ、ヒガシ逢ウサカ、吉本新喜劇の小西武蔵くんとかいるんですけど、彼らがものすごく面白かったんです。ある日のNSCの授業で、「皆さんなぜNSCに入ったんですか? お笑いをやろうと思ったんですか?」と先生が質問されて、みんなちゃんと考えて面白いことを言ってたんです。その時、「俺、やばいな...」と思って。僕がこの世界を目指した理由が「新宿の母に言われた」と、占いを信じて志したというのもキャラクターとして面白いかなって思って、そこから占いキャラでやっていきました。

--今、実際どうですか? 占い芸人として軌道に乗っていると思いますが。

実は次の展望があるんです。僕、理系出身で、中学が理科、高校が化学の教員免許を持ってるんですけど、今後の目標は気象予報士の資格を取ることなんです。「天気と運気を占います」ってできたらいいなと思って (笑)。それで今、楽しく天気の勉強をしています。いつか気象予報士の資格が取れて、ワイドショートかで天気予報も占いも両方できたら。「今日の天気は雨、運気アップには赤い傘を持ったらいいです」とか、占いと天気を絡めるみたいな。

--なるほど。アポロンさんの占いの分かりやすさは、"教員免許"という部分にも秘訣がありそうですね。

占いって元があるんですよ。その元を分かりやすく説明できるかどうかなんですよね。分かりにくかったらピンと来ないんですよね。例えば、手相を見て「家庭的ですよ」と伝えたとき、首をかしげる女性が多くて。「あれ? 当たってないのかな?」と思ったこともあったんですけど、よく聞くと家庭的=家事が得意とか、そういう考えの方が多いんですね。そういうことではなく、家庭的というのは、実は「第一に家族のことを考える人」のことなんです。そういうことを分かりやすく説明してあげたら理解してもらえます。なので分かりやすく解説することで、みんなの中によりスムーズに手相のことが入っていくと思います。

--そして帯には、たむらけんじさんのコメントが。

たむらさんっぽいコメントですよね。ありがたい話です。

--たむらさんとの交流は?

『今ちゃんの「実は...」』とか『なるみ・岡村の過ぎるTV』(いずれも朝日放送)とか、いろんな番組に出していただくキッカケになったのが、たむらさん主宰の淡路島旅行に行ったことなんです。それからたむらさんの誕生日パーティーに呼んでもらったりとかして、プライベートで仲良くさせてもらって、いろんな番組に出してもらったり、宣伝してもらうようになったんです。

--たむらさんのことも占って。

そうですね。見させてもらったら、「この子、ものすごい当たるねん!」って言ってくださって。で、ある年末に80人ぐらいの芸人さんを占って順位をつけるという企画があったんですけど、素直に占ったらたむらさんは80人中60位ぐらいで。そのまんま提示したらキレられました (笑)。「俺、60位やん!」って。しょうがないですよね、こればかりは(笑)。でも本当、たむらさんにはすごくお世話になっています。

--では、今、手相で占ってみたい方はいらっしゃいますか?

ピース・又吉直樹さんですね。羽田圭介さんの手相を見させてもらったことがあるので、又吉さんとはどういう違いがあるか見てみたいですね。

--そういうときは、主にどの線を見るんですか?

まず知能線ですね。趣味を仕事にして成功するかどうかとか。あとは、又吉さんの考え方や趣味、想像力とか。又吉さんはどれも当てはまりそうなので、その辺に興味がありますし、運命線ではどの時期から仕事が軌道に乗ったのか、忙しくなったのかとか、拝見したいです。

--ちなみに、この本はどういう方に読んでもらいたいですか?

手相なので、みんな読めますよね。たくさんの方に読んでもらえたらと思うのですが、何かの集まりのときに、この本を持ちながら手相を話題にしてもらえたら。例えば、女子会とかで「どの線持ってる?」とかって盛り上がると面白いかなと思います。もし、ちょっと悪いかな?と思うような線があったとしても、手相の解説文や"開運ソング"で運気を良くする考え方のアドバイスもしているつもりです。あと、理想は、まず解説文を読んでもらって、その次にもう一度、今度は該当する"開運ソング"を聴きながら読んでもらうこと。僕も手相の解説文を書きながら"開運ソング"を聴いていました!

--最後に、占いで伝えたいことは?

自分を知ることが幸せになる近道です。「私って、そんな人間なんですか?」って自分のことを分かっていない人が、迷ったり、どうしていいか分からなくなりやすいので、まずは自分のことをちゃんと理解してもらえたらと思います。自分を知ってもらうきっかけの一つに、手相占いがあればいいなと思います。

--ありがとうございます! ちなみに、売り上げ目標はどのくらいでしょう?

そうですね、たむらさんにお返しできるくらいは売れたらいいですね。あと、一家に一冊、あったらいいなと思います!

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アポロン山崎
『てのひらをアポロンに透かしてみれば』
2016年4月15日(金)発売
発行:ぴあ 
定価:1000円+税

【リリース記念イベント】
抽選でアタリが出ればアポロン山崎によるミニ鑑定付き!!
アポロン山崎「てのひらをアポロンに透かしてみれば」刊行記念サイン会

日時:2016年4月30(土)14:00~16:00
場 所:紀伊國屋書店梅田本店 2番カウンター奥特設会場
先着100名様
お問合せ・ご予約|紀伊國屋書店梅田本店 06-6372-5821(10:00~22:00)

【アポロン山崎】

2016年4月 9日 (土)

竹若&修士&宮地インタビュー! 七色のチームが織りなす即興コント『THE EMPTY STAGE ~SEVEN COLORS~』がGWに上演

今年2月、銀座での2週間公演を大盛況で終えた『THE EMPTY STAGE』。
その新シリーズ『THE EMPTY STAGE ~SEVEN COLORS~』の開催が発表され、5月4日(水・祝)、5日(木・祝)の2日間で5公演、7つのコンセプトの全く異なる即興コントショーが繰り広げられます。
※チケットは、本日4月9日(土)発売開始です!

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今回は、バッファロー吾郎・竹若、2丁拳銃・修士、キングコング梶原、南海キャンディーズ・しずちゃん、ギンナナ、かたつむり、ボーイフレンド、ラフレクラン、等の常連精鋭芸人メンバーに加え、RUN&GUN・永田彬、元新選組リアン・森公平、元NMB・三秋里歩、などの芸人以外のバラエティに富んだメンバーの初参戦も決定!

ここでは、その「MASTERS」と「Musical Night」へ出演する竹若元博(バッファロー吾郎)、修士(2丁拳銃)、「R-15」へ出演する宮地謙典(ニブンノゴ!)の3名を迎え、座談会形式で意気込みなどをお聞きしました。

     *       *

――『THE EMPTY STAGE ~SEVEN COLORS~』では、5公演7Color(コンセプト)で行いますが、出演者として自分のチームの見どころをお聞かせください。

竹若 僕の出演は「MASTERS」と「Musical Night」ですね。まず、「MASTERS」は一応、ベテランっぽい雰囲気を持ってる芸人で固められたので、ベテランらしい持ち味が出せるもの、もしくはベテラン芸人がお題に振り回されているような、そういったいろんな角度でベテランを楽しんでいただけるようなことを目論んでおります。みなさんもベテランをいじめるような気持ちで(笑)見ていただきたいですね。

――一方の「Musical Night」は?

竹若 そうですね、「俺、結構歌自信あるで!」っていう、なかなか強いメンバーが揃っているかもしれないので、「Yes and」が生まれにくい環境になるかもしれません。
修士・宮地 わっはは!(笑)

※編集部註:「Yes and」とは、相手の提案を受け入れて、新しいアイディアを付け加える"相手を否定しない"という即興コントを展開させる要素のひとつ。

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竹若 みんな、変なアレンジを入れすぎちゃって、「シンプルに歌った方がええやろ」ってことになりそうですね(笑)。
修士 「Yes and」を忘れて(笑)。
竹若 でも上手くいけば、一回きりじゃなしに、新しい軸としてスタンダードになればいいなと思っているので、ぜひ楽しみに欲しいですね。

――修士さんも、竹若さんと同じ「MASTERS」と「Musical Night」への出演です。

修士 「MASTERS」は、"Mr. THE EMPTY STAGE"と言われている竹若さんがいるので安心していますが、破壊屋のケンさん(水玉れっぷう隊)もおられるので、この2人が融合したら、どえらいものが出来上がるんじゃないかと感じます。あと、しっかりしてる押見(犬の心)、なんでも出来るデッカチャンでしょ、そしてしずちゃん(南海キャンディーズ)......あっ、いいチームですね(笑)。

――「Musical Night」はいかがでしょう。

修士 現時点で何をやるのかって、まだみんなで考え中でして。一人ずつというのも大事ですけど、合わせ技のデュエットですごいのが出来そうなメンバーが揃っているので、お客さんにそういうのを楽しんでいただけたらなって思いますね。

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――そして宮地さんは「R-15」への出演です。

宮地 エロ中心になると思います。普段の芝居だと、本番で出来ないから、稽古でエロをやるっていうことがあるんですけど、それが稽古でも本番でも許されるっていうのは、すごく感謝したいです。芸人はみんな、仕事が終わったら、下ネタしか言わないですからね。
修士 そうでもないわ!(笑)
宮地 いやいや、これは宮地調べなんですけど...。
竹若 そんな正当化させるために局地的な調べを(笑)。
宮地 本当に、みなさん思っている以上に、芸人って下ネタ、エロい話が好きなんですよ。それを即興に入れられるっていうので、僕よりも他のメンバーの方がワクワクしてます。今までにない『THE EMPTY STAGE』になると思いますよ。
修士 女性メンバーもいますしね。
宮地 はい。女性も含め、スケベが集まってます。

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――そうなんですね(笑)。では、他のチームで気になるところはありますか?

修士 どのチームもいいんですけど、期待が高いのは「三銃士」ですかね。インポッシブル、かたつむり、スパイク、この3組は、『THE EMPTY STAGE』の出演回数は多いですからね。
宮地 全部出てるんじゃないですか?
修士 これまで先輩、後輩に挟まれてやってきたと思うので、同じ世代の奴らが集まってやるのも、楽しみですね。
竹若 「LONG DEBUT」の3組(セブン by セブン、ボーイフレンド、サンシャイン)もそんな芸歴が離れてないので、「三銃士」と「LONG DEBUT」がどんなものを生み出すか、気になりますね。
修士 「Hi-tension」に宮地くんは、入ってないんだね?
宮地 僕は「Hi-tension」じゃないです。考えるタイプなので、ここのグループと一緒にして欲しくないですね。
修士 なんちゅう言い方すんねん(笑)。
宮地 いや、本当は僕の中で一番「Hi-tension」に興味があるんです。クラッシャーみたいな人たちって、しっかり芯を取ってる人たちがいて際立つものなんですけど、クラッシャーだけを集めてるのって、ホントに想像つかないので、どういう芝居が生まれるのか、楽しみですね。『モンスト』(『モンスターストライク』)みたいに、ずっとぶつかっているわけですから(笑)。
修士 だから宮地くんいないとおかしいのよ。
宮地 そうですね、僕も工業高校みたいなノリは好きですよ。まとめ役がいないノリというか。
修士 いざとなったら林(かたつむり)がまとめますけど、そうならない楽しさがあればいいですね。

――初参加の方々で構成される「NEW COMERS」もありますね。

修士 役者さんが久々に参加しますね。当初は芸人と役者でやっていたので、本来の組み合わせとも言えますが。あと、元NMB48の三秋里歩ちゃんね。
宮地 女優さんはいらっしゃいましたけど、アイドルは初めてじゃないですか? アイドル、役者、芸人......これは三色丼ですよ、三色丼。
修士 楽しみですね。
宮地 三色丼......全然反応なかったですけど(笑)。
竹若 だから? っていうね(笑)。

――では、最後にひとことずつメッセージをお願いします。

竹若 はい。各チームがコンセプトをしっかり持って、方向性を示しながらやりたいと思います。お客さんの中にも、これまで見てきて、こんなチームが好きだとか、偏りとか趣向があるはずなので、どんどん狙い撃ちして足を運んでください。
修士 初めましてでも楽しめますし、見てきた方でも、今までにないコンセプトもありますので、また楽しめるんじゃないかなと思います。あと、スタッフさんが、常に楽しいものを作ろうとしていて、がんばっていますよ(笑)。
宮地 もう、お祭りですよね。僕からはそれだけです。
修士 フェスみたいなこと?
宮地 はい。ゴールデンウィークにやるべくフェスですね。
竹若 七色丼やね。
宮地 あ、そうですね(笑)。今の竹若さんのコメント、僕が言った風に差し替えていただけませんか?(笑)

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『THE EMPTY STAGE』公式サイト:http://the-empty-stage.jp/


【バッファロー吾郎】【竹若元博】【2丁拳銃】【修士】【ニブンノゴ!】【宮地謙典】

2016年4月 6日 (水)

ルミネでコンビ結成満十年記念単独ライブ『HELL GAME』を迎えるインポッシブルへインタビュー!! 「いい意味でトラウマを植え付けたい」と気合い十分!

4月24日(日)、東京・ルミネtheよしもとにて、インポッシブルが結成満十年記念単独ライブ『HELL GAME』を開催します!

個性的な芸人を多く輩出しているNSC東京10期生として、芸歴1年目から独自の路線を貫いてきた彼ら。『でっかい昆虫と戦おう』『必殺仕事人〜』などちょっとグロテスクでアブノーマルな世界観を、創造性を感じさせる体をフルに使った抜群の表現力で見せ、多くの人を魅了してきました。
そんな彼らがコンビ結成満10年ライブ開催の場としたのは、なんとルミネtheよしもと! ある意味、チャレンジとも取れる記念すべき単独に、「4月24日は何かが起こるに違いない!」と期待せずにはいられません。

現在、チケットの手売りも励みつつ、単独ライブのネタづくりに精を出しているインポッシブルにインタビュー。途中、井元が過去を後悔し出したり、ハプニングを起こしたりといろいろとありましたが、単独への意気込みやコンビ結成のきっかけなど、じっくりと話してもらうことができました。

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(向かって左:井元英志/右:蜷川慎太郎)

 *  *  *  *  *

――ルミネでの単独が決まったときの率直な気持ちは?

蛭川 「え、俺らの?」って......夢なんじゃないかと思いましたよね。
井元 最初は「いいのかな?」っていう戸惑いもあったんですけど、こんな機会はそうそうないなと。だから、「ぜひお願いします!」とすぐ引き受けました。やっぱりルミネで単独やれるなんて、やっぱりうれしいことですからね。俺、親呼ぶなんて初めてですもん。......いや、東京へ遊びに来たときに1回観に来たか。で、めちゃめちゃスベったんだった。あれ、マジで嫌な思い出だ。
蛭川 ははははは! なんか言われたの?
井元 「面白かったぁ~~」って言ってた。僕らがやってることってお母さん世代がわかるようなものじゃないし、スベってたから絶対面白くないはずなのに「面白かったぁ」って......。"ウソつけ、こいつ。優しい~~!!!"と思いましたね。
蛭川 今回は僕も呼んでるんですよ。まさに今日「4月24日だからね」って確認の意味で伝えたら、母親から「やだ。4月30日のスケジュール明けちゃった!」って言われて......ケンカしました(笑)。

――(笑)。かなり気合いが入っていると伺っていますが、どんな単独ライブになりそうですか?

井元 今まだネタを考えている最中で。これからより集中してつくっていこうとしてるところなんですけど新ネタだけじゃなく、これまで皆さんに知ってもらえているネタは中身を変えてやろうかなとは思ってます。あと僕ら、単独ライブはずっと『HELL GAME』っていうタイトルでやってきて同じオープニングVTRを使い回してたんですけど、せっかくのルミネということで撮り直しました。2人で監督して、2日間に渡って撮影して......まだできあがってないんですけど、頑張ったので楽しみにしていてもらいたいですね。
蛭川 もちろん、幕間にもいろいろとやろうと思っています。

――インポッシブルさんのネタって割とショートコント的なものが多い印象があるんですけど、今回はそれ以外もやるということですよね? 

井元 はい、長いコントもやりたいなと思ってます。今回、テーマを付けるとしたら"ひるちゃん覚醒"。最近、ひるちゃんの勢いがハンパないんですよ。後ろを歩いていると、ひるちゃんの背中がデカいなと感じる瞬間が多々あって。
蜷川 ウソくせぇ......! でも、うれしい!
井元 (笑)。ついに10年で覚醒まで辿り着きました。
蜷川 成熟した僕がパーン!と覚醒します!

――覚醒......どんなことが起こるのか非常に楽しみですが、ネタづくりはいつもどんな感じで進めていくんですか?

井元 2人でつくっていて、どっちかが主に作るということはないですね。コンビ組み立てのころ、ひるちゃんがやる気満々で、1人でネタを書いて持ってきたんです。パペットマペットさんのネタをパクって、"ズワットゾワット"みたいなネタだったんですけど、クソ面白くなくて。
蜷川 マジで!? そう思われてたの?
井元 うん(笑)。そこから2人で考えるようになりました。
蜷川 確かに何が面白くて何が面白くないのか、当時は全然わかってなかった。下ネタで天下取れるもんだと思って、NSCに入ったので。
井元 俺ら2人ともそう思ってたもんね? ヤバいよね。

――そんな2人が奇跡的に出会ってコンビを組んでしまったんですね。

井元 スケールの小さい奇跡ですけどね(笑)。僕らって似てるんですよ。お互いのネタ帳とか見ると、同じこと考えてるんだなって思うことが良くあります。

――若手の頃から異色な存在だったと思うんですけど、例えば「昆虫と戦おう」シリーズなんかはどういうところから生まれたんですか?

井元 2人とも漫画が好きで、『グラップラー刃牙』の漫画に昆虫と戦うシーンがあったんですよ。で、ひるちゃんに「特技として虫と戦ったら面白いんじゃない?」って僕が話して。
蜷川 そう言ってくれて、特技披露でやったら作家さんに「コンビとしてネタでやってみれば?」っていわれて。そこから2人でやるようになりました。
井元 さっきネタ合わせの話をしましたけど、僕ら、いつもめちゃくちゃ集まって話をするんですよ。3~5時間くらい一緒にいて世間話とかしながら考えるには考えるんですけど、全然ネタができない。遅筆なんですよね。で、ずっとお喋りしている中でしょうもない話からネタにつながっていくんですけど。
蜷川 だから、これでネタを考えようっていうよりは、話の中からポッと出て来ることが多くて。
井元 まさに奇跡待ちだよね。で、考えたら台本にするんですけど、「うぇぇ~!」とか「うわぁ~!」とか「なんでだよ~~!!」とかしか書いてなくて(笑)。
蜷川 効果音の「プッシュ~!」とかね。たまに見返すと、どんなネタだったか思い出せないこともありますよ。
井元 本当にそう。僕ら2人とも、お笑いセンスがマジでないんですよ。

――そんなことはないと思いますけど。そもそも、なぜ芸人を目指そうと思ったんですか?

井元 僕は志村けんさんに憧れて、ですね。完全に。
蜷川 『めちゃイケ』です。ナインティナインの岡村(隆史)さんに憧れてて、"身長伸びるな!"と思ってたこともありました。
井元 え、マジで?
蜷川 うん。そのあとダウンタウンさんだったり、タカトシさんみたいな漫才をやりたいなと思ったりもしたんですけど、下ネタに行き着いてしまったんですよね(笑)。
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――そんな2人がどうやってコンビを組まれたんですか?

井元 NSCって夏に合宿があるんですけど、僕はそれまでコンビも組んでなければ、ネタもやってない落ちこぼれ組だったんです。だから"こりゃあ、いかん。絶対、夏の合宿でコンビ組むんだ!"とバッキバキに思っていて、前から目を付けていたひるちゃんに声をかけました。
蜷川 僕はちょっとコンビを組んでネタやったりはしてたんですけど、"どうなんだろう"って悩んでいて。合宿は合宿で絶対誰かと組まなきゃいけないんでトリオに入ってたんですけど、英志から声をかけられたので「あ、はい!」って引き受けました。
井元 そこから10年も続くなんて思いもしなかったよね? ひるちゃん、「俺のこと面白くないと思ったら、即行解散してくれていいから」って言ってたし。
蜷川 あぁ、言ってた!(笑)
井元 プライドが高かったんでしょうね。ひるちゃん、結構かましてました。

――(笑)そういったビジョンもあったなかで、実際はまったく違う方向というか......。

井元 ホントにそうですよ! タイムマシーンがあったら10年前に戻りたいっ。あの時、ひるちゃんと組んだ俺をビンタしたい! 本当にズレた人生を歩いている! いっぱい未来の枝葉があったうちの一番やべぇ道を歩いてるからな、俺は今!(と、机に突っ伏す)
蜷川  おい!(笑)......でもまぁ、俺ももしタイムマシーンで戻れるなら、鬼のようなイケメンと組むかな。

――そんな......!

井元 ひるちゃん、生活音がうるさいところがマジでムカつくんですよ。物を食べる時はクチャクチャいうし、タバコを吸う時だってスッパー! シー! シュー!って。
蜷川 そんなに音させてる? マジでわかんないわ。
井元 筆圧も凄くて、オーディションでアンケートとか書く時もガリッ! ガリガリッ! ガリガリガリッ!って。あれ、本当にやめてほしい。
蜷川 そうは言うけど、英志だって忘れ物が多過ぎ。みんなで大阪へ行った帰り、東京駅の改札前で新幹線の切符なくしたり、高尾山でもね?
井元 山頂にメガネ忘れて来ちゃって......。レンズが曇ったんで裸眼のほうがいいやと外して「ヤッホー!」とか言ってたら忘れちゃって、昨日買い直したんです。
蜷川 コントの重要な小道具とかも「どこか行っちゃった」って言うし。イラつきますよ。
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――嫌な話ばかり出ましたね(笑)。パートナーしてはもちろんいいところもあるんですよね?

井元 まぁ、そうですね。仲はいいですし。
蜷川 うん。やりたいこととか面白いと思うことも似てるもんね。

――この10年の中で、NSC在学中からオリエンタルラジオが一気にブレイクして、その後もいろんな同期が活躍してるじゃないですか。ついにMー1王者(トレンディエンジェル)まで誕生しちゃいましたし。

井元 いやぁ、本当にそうですよね。トレンディが優勝した時、「なんだよぉ~~!!」ってちょっとムカつきました(笑)。
蜷川 本当にそう! 優勝が決まった瞬間、ショックで「おめでとう」って連絡できなかったですもん。
井元 たかしなんてNSCのころからずっと一緒に遊んでたからね。やっぱり悔しいっていう気持ちのほうが先に来て......俺、絶対うれしいんだろうなと思ってたんですよ。もちろんうれしい気持ちもあるんですけど、(実際に決まったら)胸がぎゅ~~~!って。あんな気持ちになるとは思わなかった。刺激的な同期ばっかだよなぁ......ぐっ......マジ、俺、失敗したぁ~~~~!!!

――いやいや(笑)。お2人にはお2人にしかない良さがありますから。だって、インポッシブルさんがルミネで単独やるって聞いた時、「うぉ!」って思いましたもん。そういうお笑いファンの方もたくさんいらっしゃるはずですよ。......って、井元さん大丈夫ですか? 口から血が出てますけど。

井元 えっ?
蜷川 (覗いて)ホントだ、赤くなってる! あと、鼻毛も出てる!
井元 いろんな事件が起こって......(と鏡を覗こうとして)うわっ!(椅子につまづいて思いっきり転ぶ)。もぉ~~~!!!
蜷川 ふはははは! そういうのは、せめてテレビカメラがまわってるとこでしてよ!

――インポッシブルさんらしいハプニングでしたね(笑)。改めて、今回の単独の見どころは?

井元 やっぱりバイオレンスさですかね。

――確かに、昔のアメリカのB級スプラッター映画のような展開のネタが多いですよね。そういうものも好きだったりするんですか。

井元 そういう訳じゃないですよ。ゾンビ映画とかも好きじゃないし。
蜷川 普通に『アナと雪の女王』とか好きです。
井元 もちろん現実味がないから面白いっていう部分があると思うんですけど、ひるちゃんの頭に何かが刺さった感じで「ぶっしゅー!」とかやってるのが楽しいし、単純に面白いなというか。そこが笑いのツボなんでしょうね。

――今回もそういうところは見せていきたいと。

井元 そうですね。普段のネタは、僕らとしては抑えている部分もあるというか。気持ち悪過ぎたり、グロテスク過ぎたりしたら笑ってもらえないかもしれないじゃないですか。僕ら、お客さんに笑ってもらいたいと思ってやってるんで引くほどのグロいネタってやってないんですけど、今回の単独ではやろうかなと。親には観られたくはないっていうのはあるんですけど、まぁ、俺の親だから大丈夫。なんでも面白がってくれるはずです。
蜷川 俺の母ちゃん、虫のネタでカブトムシの角を取って英志が俺にぶっ指すの(模写)を観て「ひゃっ!」って悲鳴上げたことがある。
井元 それは息子を思う母の愛でしょ?
蜷川 そう。だから、ライブ中に「やめてーーー!!」って叫び出すかもしれないですね。

――蜷川さんのお母さんがコントに入ってきたら、それはそれで面白いかもしれないですね。

井元 あと1つ、不安なこともあるんですよ。僕ら、今まで1時間の単独ライブしかやったことがないんですけど、今回(公演時間が)2時間なんです。僕、喉がゲキ弱なんで、最後まで保つかどうか。病院に行ったことがないから本当にあるのかわかんないですけど、ポリープを震わせて喋ってんじゃないかと思うくらい声がガラガラなので、2時間も叫び続けたらポリープが喉からうわわっ!って出てくるんじゃないかと怖いです。昔は歌も上手で、SPEEDとか普通に音域で歌えたんだけどなぁ。
蜷川 マジで?
井元 うん。でも、カラオケに行き過ぎて声を潰して、ネタでも叫んでるからどんどんこんな声に......。

――限界を超えた2人がどうなるかも楽しみにしています。では、最後によしもとニュースセンターを読んでくださっている方々へ、改めて単独の意気込みをお願いします!

井元 みなさんにいい意味でトラウマを植え付けられたらと思ってます。とにかく、ひるちゃんが覚醒します。
蜷川 覚醒します! プッシュ~~!! 観たことのないひるちゃんになります!
井元 ニューひるちゃん、ネオひるちゃんだよね。『HELL GAME~ひるちゃん覚醒~』くらいの気持ちなので、その瞬間に立ち会ってください。

――ルミネをぜひとも震撼させてください。

井元 うぅ......はい!!......お客さんが来なさ過ぎて、僕らが震えるパターンだけは避けたいですけど。
蜷川 そうだね。手売りも持ってるんで、ぜひチケット買ってください! お願いします!
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【インポッシブル】